もう、2度とお前らは見たくない 作:水面ノ鏡
9月と10月の間、俺は水面ノ鏡から閏 冬月と名を変えた。
卒業するまでの間、色んなことが起きた。
友人からサバゲーをしないかと誘われて断ったり、不登校だった子と友人になって一緒にポケモンをしたり。そんな中でもとびきりに大きいイベントだったと言えるのは、剣道部の3年の部員だった奴らから、お前は仲間ではないと言われたことだろう。不思議なことに、仲間ではないと言われても何も感じなかった。否、多少は面白いとは思った。
事実は小説よりも奇なり、みたいな言葉があったと思う。この時は、事実は小説のように奇なり、だと思っていた。
俺は何かの物語の主人公を張れるほどの人物ではないし、悪役や脇役を務めることができるほどのものを持っているわけでもない。ほんの少しだけ捻くれた考え方を持っているだけの、登場人物にも満たないモブキャラである。
であるというのに、この1年は物語のように進んでいた。主人公のいない、語り部のない物語だ。
少々話を脱線させる。
これの書き始めは今は懐かしき2017年の2月だ。その時は小山のようなことを未然に防ぐ目的で書いていた。しかし、1人だけ俺の閏 冬月の存在を知っている先輩がいた。その人からは要らぬ驚愕と心配を与えてしまった。口外しないことを約束に、先輩とは別れたが、俺はまだ書き続けている。
私立、公立共に高校受験は無事に合格で終え、卒業式を迎える。
不登校だったけれども、俺と仲良くしてくれた友人とも写真を撮り、また高校の文化祭には絶対に呼ぶと約束した。
俺の愚痴や相談に乗ってくれたり、その他、俺と趣味が合った友人たちとは今でも関係が続いている。
俺が心から友達と言えるのは、彼らなのだろう。それだけは確信が出来る。
部活の面々とは、ある一人を除いて嫌な思い出だ。ある一人というのは、体が弱いためにそこまで部活に参加出来なかった新しい登場人物になるが、割愛する。
「野口ー!写真撮ろうや!」
泉や墨田はもうみんな並んで、準備は万端だった。こんな表のところでは仲間のフリをして、親や他の学友には仲間であると言いたいのだろうか。それとも、忘れてしまったのだろうか。後者であるならば、ほんと都合の良い頭してるなお前ら。_卒業式の後日のことではあるが、一部を除く3年剣道部でLINE通話をした。その時、俺は快く迎えられたが墨田は酷く影口を言っていたことがある。一緒になって俺を仲間じゃないと言ったにも関わらず、そいつが仲間じゃない発言。人間関係を壊すことが楽しかった頃の俺からすると、とても面白いことだ。だからなのだ。
俺はあの頃の自分を思い出したくない。記憶は消したくはないが、思い出したくない。3年剣道部という時間を、記憶の奥底に封印したい。だから、もう、2度とお前らは見たくない。
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「ただいまー」
「ああ、おかえり」
母親が俺の帰りを迎える。感謝もさしてない。
「おんなじ部活の子から聞いた?」
「なんも聞いてないけど、何の話?」
「警察の方から小山の捜査、やめてんやって。なんも証拠がないからって」
唐突なことすぎて、少し混乱する。
確かに、捜査は難航するだろうなとは思っていた。しかし、このタイミングで言うのか?
「今日言われたことで、絶対なんか裏あるんちゃうんかって思うんやけど、警察から言われたこととして、他言は無用やってさ」
「はぁ?」
この物語は、俺が最も嫌う自分が綴るものである。