もう、2度とお前らは見たくない 作:水面ノ鏡
唐突な言葉だった。
は?小山先生が女子に対してセクハラしてる?
そんな嘘じゃ。
「まあ、お前はどう思うって話なんやけど」
「そんなん決まってるやろ。許さん。さすがの俺でも許されへんわ」
そのとき、泉が言うには、俺は相当獰猛な笑みを浮かべていたらしい。
その話はどうでもいい。
小山先生にどう鉄槌を下すかだ。
警察に言うとしてもまだ証拠不十分だ。多分、女子の証言だけでも十分かもしれないが。
いつも中立を貫き、どんなことにもかかわらないさすがの俺でも、こんなことは許せない。
「正直なところ、まだ証拠不足やねんなぁ」
「隠し撮りとかしたらどうなん?」
泉の言葉に俺は1番ベタな証拠を掴むための手段を挙げた。
俺の言葉に対して泉は真剣に考えている。その様は悩んでいるようだ。事実、悩んでいたのだが。
泉は口を開くと、うちにデジカメがないからだいぶ難しいと言った。
しかし、俺の家族、殆どが写真関係の仕事に就いたり学校に行ったりしている。そのためか、デジカメや一眼レフなどが1人に一台ぐらいで所有していた。
「そのカメラやったら、こっちで多分用意できんで。実際に俺自身のカメラも持ってるし」
古いけれど。
洒落にならないぐらいに古い。
母から聞いたが、2000年ぐらいに買ってあまり使っていないカメラだったらしい。だが、意外と綺麗に撮れるので、古いけれども大丈夫(なはず)だ。
「それやったら、その隠し撮りの機材に関しては野口、お前に任せるな」
「任せとけ」
そして、俺と泉は口角を吊り上げた。
「あのクズにちゃんと鉄槌を下さんとな」
「あれはやるのを間違えた。剣道部のいざという時の結束力を舐めんなよ」
泉はそう言ったが、誰に向けて言っているのだろう。
そして、それは皮肉なのか?
そう思わずには、居れなかった。
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家に帰ってから、すぐに無料通話アプリで剣道部のグループで話し合われた。
しかし、俺はすぐに塾に行かなければいけないため、その時は未読スルーと言われることを行った。仕方ない。
そして、塾から帰ってくると、剣道部のグループとは別に、1つのグループから招待されていた。
そのグループの名前は、3年剣道部。
この時、俺はよく分かっていなかった。
なぜ、また別のグループが作られた理由を。
そして、招待を受けて、そのグループに入った。
『あ!野口来た!』
誰が入っているか、確認しておく。
ある人物を除いて、全員、揃っていた。
ある人物とは、女子キャプテンで、剣道部副部長の墨田 美保だ。
『野口は知らんと思うから言っとくな』
『墨田のやつ、来週の個人大会の日に小山に直談判しに行くらしいねん』
納得。
俺たち、泉と俺の考えは、証拠を掴んでちゃんと法律上で裁いてもらうということだ。
他のこのグループに入っている奴らもこの考えに賛成している奴ら。
墨田は結果を急ぎ過ぎだ。
『じゃあどうするん?証拠を掴むんは中止か?』
『いや、濱田と藤本が今、警察に言いに言ってる』
『じゃあみんなに聞くな。あれをどうしたい?』
俺の考えは決まっていた。
『そんなん決まってる。厨二くさいかもしれんけど、天があいつを裁かんっていうなら、俺たちであれを潰す』
『許されへんわ』
『ほんまにな』
今はこのグループには男子しかいないが、意見は纏まった。
『それやったら、あれを警察に突き出すって感じでいいな』
『OK』
『賛成』
『同じく』
ここで、墨田を除く3年剣道部員全員の意見は決まった。
屑を潰す。
この結果が、これからの俺たちを変えるのは、すでに分かっていた。
ただ、この先の事態は他の奴ではなく、俺自身が狂った。
本物を隠すように。
閏の名を名乗るようになった。