もう、2度とお前らは見たくない 作:水面ノ鏡
とある本屋に小説の取り寄せを頼んでいたので、塾に行く前に取りに行くことにした。
小説が買ってから、塾へ行くとすでに塾生全員が待機していた。やべえ。遅刻寸前だった。
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約7時間の苦行とも言える塾を終えて、帰宅。
ここまで塾の鞄に入っていた新しく買った小説を読もうとするが、明日には剣道の大会がある。
準備をしなければいけないので、渋々小説を本棚に戻し、明日の準備を進める。
明日は部長である泉の個人戦、府大会なのだ。
泉には一戦でも多く戦ってもらいたい。それを実現させるためには、やはり俺のような平の部員が支えてあげないといけないと思っていた。
しかし、携帯を見ると、通知が沢山来ていた。
3年剣道部でだ。
内容は明日の試合についてではなく、副部長の墨田をどういう風に止めるかの相談だった。
「そんなん、今頃話し合ったってなあ。墨田が止まっても親が止まらんかったら、意味ないのに」
俺はそんな理由で、3年剣道部のトークの内容を流し読みをして、会話には参加しなかった。
「っしゃ。準備万端、やっとこれ読める」
本棚に戻した小説を手に取り、リビングで正座をしながら読み始めた。
その小説は、二次創作で森近霖之助を書きたいと思って買った、東方香霖堂だ。
毎回なんだが、東方関連書籍では何かと勉強になることも多い。
今回の物では、閏っていう漢字があって、その意味が本物ではないという意味。霖の漢字とか。
そろそろ、会話は終わってるかな?
そう思った俺は、携帯の電源を落としてから、充電機に差し込んだ。
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少し、時は進ませる。
泉は残念ながら1回戦敗退。いきなり激戦区の3位と当たったんだ。一本をとれただけでも俺らにとっては称賛に値することだ。
帰る直前、墨田が小山先生に言った。
「あの、小山先生、一旦話があるんですけど」
「ん?なんや?高校についてか?」
「いや、そうじゃなくて私の両親が小山先生に話があるって言ってまして」
「なんやろ。何か聞いてる?」
「いや何も」
本当にやるんだ。
俺はそう思った。
無謀だとも。
「なあ、墨田のやつ、本気でやんねんな」
「親が直談判するって言って聞かんかったらしいからなぁ。俺らも止めてんけど」
「親を?」
「いや、墨田を」
意味ない。
墨田を止めたって親を止めんかったら意味がないと思うのは俺だけだろうか。
「正直な話、前に藤本と濱田が警察に言いに言ったって言ったやん」
「そう言っとったな」
「祭が近いから今の捜査は無理なんやって」
教師の猥褻疑惑より祭のパトロールか。
役所にとっては晒したくないことの1つなのかね。
そう思わずにはいれなかった。
「ま、捜査が始まればすぐに証拠出るやろ」
何言ってるんだ。
俺の予想が正しければ多分、この事件は起訴される確率は低い。
そして、警察が出てくる前に小山が証拠を全て抹消するだろう。
誰のせいか。決まっている。墨田だ。
不意をつかないと、警察の力は損なわれる。
最近、イスラム国のテロの事件でiPhoneのパスコードをあのFBIでも突破出来なかった。FBIに勝る技術を持っている警察など日本にはいない。
小山は女子の下着を写真で撮ったらしいから、その写真ごと削除し、何食わぬ顔で提出すればそれであれは至って普通に生活が出来るのだ。
クッソ腹立たしい事だが。
まあ、俺の予想が正しければの話だが。
「明日部活休みやし、墨田以外で集まろ」
「場所は」
「俺ん家」
久しぶりに行く泉の家には、当然、あれをどうするかっていう話合いになるだろう。