もう、2度とお前らは見たくない 作:水面ノ鏡
2ヶ月。俺が耐えなければいけない期間はたった2ヶ月だと思っていた。日に日に増す俺に向けられる男女両方からの愚痴、悪口、1年への不満など。どこまで俺が堪えなければいけないのか分からなくなってきた。ずっと俺は物語を書くことで、その不安やストレスを溢れ出さないように努めていた。
しかし、それらはいつの間にか許容量を超えていた。いつどこのタイミングに起きたのかは思い出すことは出来ない。手元にある無地のメモ帳には酷く乱雑な字で書き連ねられた罵詈雑言。この時の俺でさえ読めない。そこに書き連ねた文字は読むことはもう出来ない。
物語に逃げ込もうと、サイトを開いても出てくる言葉全てがいつもよりも崩れていた。
そして無意識に携帯に手が伸びた。震える手で友達にメールを送った。
『なあ、明日お前の家に行っていい?話したいことがあんねん』
すぐに返事はなくてもいい。ただはけ口が欲しかった。友達のことを悪く言うと、親は全て俺が悪いと言うので親に言えない。もちろん後輩たちにもこのことは言ってはいけない。同じ部活の同級生も論外だ。
だから、自分がまだ信用しても大丈夫だと思っている友達に助けを求めていた。
その日の夕食は何も味がしなかったことだけは鮮明に覚えている。
夕食から1時間か2時間した後に、その友人から返信が送られてきた。
『明日は○○先輩来るけどええんか?』
なるべく先輩には言いたくないし、聞かれたくない。理由は単純で、卒業していった先輩たちに俺たち3年がまとまっていないせいで、全体がまとまっていないということを知られたくなかった。
今思うと、この時、○○先輩に助言を求めるということも一つの手だったかもしれない。この時、何故そのことを考えなかったのか不思議である。
『あー、先輩来るんか。それやったらやめとく。明後日やったら行っても大丈夫?』
『明後日やと、午後からでええんやったら全然構わんよ』
明日明後日は土日である。剣道部の部活は午前で終わる。全く何の問題もない。むしろ歓迎すべきことである。
『午後からで全然問題ない。明後日行くな』
その翌日の部活はただいつもの日常を繰り返すだけ。
部員の聞きたくないもない愚痴や悪口が耳に流れ込み、精神をすり減らす。家に帰っては勉強をして、夜になれば塾へ向かう。たったそれだけの日常。
心を休めるなんて暇はない。そんな時間を作れば親からお前にはそんな時間はないと責められる。
このときは親も精神をすり減らす原因の一つだった。
身近な人物の全てが俺のストレスとなっていた。