捻くれた少年と純粋な少女   作:ローリング・ビートル

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第17話

「今日、比企谷君のせいで酷い目にあったんだからね!」

「言いがかりも甚だしい……」

 

 高坂から謎すぎる因縁をつけられているが、そもそもこういう電話もあり得ない誤解の元じゃないんですかね……。

 

「…………」

「どした?」

 

 急に声が聞こえなくなったので呼びかけてみると、「う~ん」と考え込むような声が聞こえてきた。え、何なの?まだ俺に関する問題があるの?

 

「比企谷君、何かあった?」

「はあ?」

 

 いきなりな質問に、何を言えばいいけわからなくなる。こいつは何を……いや、あるにはあったのかもしれない。

 先日、由比ヶ浜と交通事故の件やら何やらで、まあすれ違いみたいなことはあった。

 自分では既にリセットしたつもりでも、こうして指摘される辺り、まだ切り替えができていないのかもしれない。

 気がつけば会話に間が生まれていて、高坂はその間を肯定と受け取ったようだ。

 

「そっか、なんかごめんね?大変な時に……」

「いや、なんかあったって程でもなくてな……自分でも何と言っていいのか……まあ、あれだ。こうしてた方が気はまぎれる」

「ふーん、そっかあ。じゃあ、今日あった面白い話してあげる。実は今日、海未ちゃんがね……」

 

 高坂の話を聞きながら、俺は自分の選択がどうだったかを、再び自分に問いかけていた。

 

 *******

 

 大丈夫って言ってたけど、本当かなぁ?

 …………あ、そうだ!

 

 *******

 

 翌日……。

 

「到着!」

 

 私は千葉駅の構内を出て、見慣れない千葉の街をキョロキョロと眺めた。さてと、比企谷君の通う高校はどっちかな?

 今日は先生達の会議で普段より早く学校が終わったのと、比企谷君の部活があるのは確認してるから、学校の場所さえわかれば待ち伏せできるんだけど……。

 ……やっぱり電話……いや、でもここまで来て……。

 勢いに任せてやって来たので、どうしようかと考えていると、前を制服を来た女の子が歩いて行った。

 あの制服、もしかして……あ!

 じっと見ていたら、ポケットから手帳が落ちるのが見えた。

 私はそれをすぐに拾った。 

 

「あの、これ落としましたよ!」

「え?あ、ありがとうございます……」

 

 落とし主の女の子は、私と同い年くらいで、とても可愛かった。顔はもちろん、髪をお団子にしてるのとか……あと、胸がおっきい!

 でも、なんか元気なさそう……って今は別のこと考えてる場合じゃないよ!

 

「あの!」

「?」

「総武高校はどっちですか!?」

 

 *******

 

「っ!」

「どうかしたの、比企谷君。いきなり動かれると気味がわるいのだけれど」

「いや、今変な気配が……」

 


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