Fleet Collection 業火が燃え広がる世界 作:夜間飛行
深海棲艦の基地に潜入した第五遊撃部隊。加賀と吹雪は目標の元帥を保護したが鷹泉中尉も保護しなければならなくなった。
尋問室を出た加賀たちはそこから2つ先のドアの前にたどり着いた。
元帥「よし、ここだ」
加賀「ドアについて。援護するわ」
吹雪がドアを開けると奥の方で吊るされている鷹泉仙一郎中尉が目に入った。数々の拷問を受け身体中血と汚れまみれだった。
吹雪「下ろしましょう!加賀さん手伝ってください!」
吹雪が機銃で鎖を撃つ。鷹泉は加賀にもたれかかるように倒れるがすぐに立ち上がった。
鷹泉「元帥!」
元帥「中尉」
吹雪「鷹泉中尉、国際統連合軍第五遊撃部隊所属特型駆逐艦1番艦吹雪です。」
加賀「同じく航空母艦加賀です。中尉、この先に敵の武器庫があります。敵の武器を奪い、別働隊と合流します」
その瞬間サイレンが鳴り響く。どうやら死体が見つかったようだった。加賀たちは部屋を出て左側のトンネルへと繋がる扉へ向かった。武器庫に向かうには敵が大勢いるトンネルを通り、その先にあるエレベーターに乗る必要があるからだ。
加賀「金剛さん。元帥と他1名を保護しました。」
金剛「What!?救出は元帥1人だったはずデース!」
加賀「鷹泉中尉の名前に聞き覚えはありませんか?」
金剛「とにかく移動してクダサイ。上で合流ネー!」
吹雪「この先は警備が厳重です。慎重にいきましょう」
加賀たちは静かに扉を開き止まっているトラックの後ろに身を隠す。加賀は小型の弓で艦載機を放った。その瞬間加賀と吹雪は攻撃を開始した。敵は燃料タンクが爆発し火だるまになったり、銃弾で鎖が切れ天井から吊るされていた土管が落ち、押しつぶされたりした。連絡を受けたのかエレベーターから敵兵が降りてきた。その敵兵を全員始末すると4人はエレベーターに乗り込んだ。
上昇中に上から声が聞こえてくる。
「銃ヲ下ロセ!サモナケレバ撃ツ!」
敵が先回りをし待ち伏せていた。加賀と吹雪は言う通りに銃を下ろした。
鷹泉「言うことを聞けば殺されるぞ!」
加賀「逆よ。言うことを聞かなければ殺されるわ」
爆発音が鳴り響く。射撃音。敵兵の断末魔が聞こえる。エレベーターが到着する頃には敵兵が全て片付き、その中によく知った顔の奴がいた。別行動をしていたB班だ。
金剛「遅刻デース。1分overネ」
大井「遅すぎます!北上さんに何かあったらどうするんですか?」
北上「大井っち、別にいいんじゃない?少しぐらい。」
加賀「あなたたちの時計が壊れてるんじゃないかしら?」
金剛「そんな訳ないネー!」
加賀「そんなことよりも目的の情報は?」
金剛「コレデース」
金剛がその辺にあった台の上にあった一気に払いのけ、携帯端末を置いた。そこには何かの設計図らしきものが写っていた。
吹雪「これはミサイルですか?」
金剛「これは確かにmissileデスケド重要なのはココデース」
金剛が端末を操作し、拡大する。それはタンクのようなものだと推測された。
大井「トリニティ。燃料気化爆弾の一種よ。飛びっきりヤバいクラスのね。今わかるのはここまでよ。あとは鎮守府に戻って詳しく解析をしないとなんとも言えないわ」
北上「とにかく早く脱出するよー。さっきの音でどんどん敵が押し寄せてきてるからねー」
大井「次の格納庫へ向かいましょう!」
加賀たちが現在いる格納庫から脱出ルートである橋まで格納庫をいくつか経由していく必要がある。そしてそこでは深海棲艦の厳重な防衛線が展開されていると思われた。
加賀と艦載機を飛ばす。艦載機が窓から侵入すると同時に格納庫の扉を破ると米軍が放棄していったものだろうか、
C-130《ハーキュリーズ》があった。加賀や大井、北上は地上を進み、金剛、瑞鶴、吹雪はタラップを登り機体の上を進む。加賀たちが格納庫を出る。
金剛「早く回収pointに向かってくだサーイ!enemyはmeにお任せネー!」
次の格納庫に入るとこれまでとは比べ物にならない猛攻が加えられた。
大井「今度は何!?」
吹雪「あれは・・・ル級改flagship!しかも2体!?」
北上「1体でもかなり厳しいのに2体だなんて・・・」
大井「手持ちの装備じゃ1体は仕留められるかもしれないけど2体はかなり厳しいです」
金剛「どうしマスカ、ブッキー?」
吹雪は考えた。考えたがどうしても一発逆転のアイデアが浮かばない。自分がここで何か思いつかなければみんな死んで全滅だ。そんな思いが焦りを増大させた。
そんな焦りを切り裂くかのようにある声が聞こえた。
加賀「吹雪さん!あれを見て!」
加賀の指差した方向をを見るとル級の上にミサイルを搭載したV.T.O.L.機がぶら下がっていた。加賀の意図を察した吹雪はミサイルを主砲で攻撃した。ミサイルが機体から外れ爆発すると爆発により機体はバランスを崩しル級2体の上に落下し大爆発を起こした。
金剛「ル級改flagshipを仕留めたネー!」
大井「早いとこあの甲板胸と合流するわよ!」
吹雪「甲板胸って・・・」
扉を開くと敵兵が待ち伏せていた。撃とうとしたその瞬間艦載機が敵兵を撃ち抜いた。
瑞鶴「ちょっと!遅刻しないでよね!結構危なかったんだから!」
敵車両が加賀たちへの射撃を開始した。
瑞鶴「あの車両は任せなさい!援護射撃を!」
瑞鶴が艦載機を発艦すると艦載機が敵車両を爆撃し粉々になる。
瑞鶴「橋に向かって!敵は私が食い止めるから!大井が先導する」
金剛「回収まで5 minutesデース!Hurry up!」
大井「急いで!付いてきなさい!回収地点は橋を越えた先よ」
吹雪「まだ敵が付いてきてます!」
大井「橋に爆薬を仕掛けたの。私たちが渡りきったら橋を落とす!だから早く敵を振り切って!」
空中では味方航空機と敵航空機が壮絶な空中戦を繰り広げ、地上では警備隊が待ち伏せしていた。L-ATV十数両とLAV-25数両がそれぞれM2重機関銃とM242 25mm機関砲を撃ちまくった。M1エイブラムスが出現し加賀たちに砲撃する。ギリギリで砲撃を回避した金剛はお返しとばかりに主砲を放ち鉄屑に変えた。
吹雪「金剛さん!敵車両が橋を封鎖してます!あの量は対応できません!」
金剛「Shit!仕方ないネー!大井!橋を落としてくだサイ!」
大井がスイッチを押すと橋は断末魔の叫びを上げて崩れ去った。敵兵も車両も全て闇のような谷底へと吸い込まれていった。
北上「橋無くなっちゃったね。どうするみんな?」
加賀「敵車両を奪ってそれで脱出しましょう。それしか方法はないと思う」
吹雪「別の格納庫へ向かいましょう。敵兵もいるだろうし見た所これまでの格納庫にはありませんでしたから。」
加賀たちは近くの別の格納庫へと向かった。そのため近くの建物への侵入を試みる。
加賀「電気系統へ接続します」
瑞鶴「気をつけて。通信室にて敵多数を確認したから」
加賀「五航戦に言われなくても慢心なんかしないわ。もう2度とあんな
瑞鶴「・・・・・」
加賀は赤城のことを思い出していた。瑞鶴はいつもなら悔しがるところなのだが、この日は加賀に対して同情の念を抱いていた。
大井「明かりを消します」
加賀「暗闇の中で戦えって言うの?」
大井「タクティカルフィールドを使ってください」
タクティカルフィールドとは特殊な光線をあてることによって敵の位置を表示する機能である。敵はナイトビジョンを持っていないようだった。加賀たちは敵を狙い撃ちにしていく。敵兵も撃ち返すがそれは、マズルフラッシュや発砲音を頼りに撃っているだけでほとんど当てずっぽうのような感じだった。加賀たちのワンサイドゲームだった。加賀たちは通信室を出た。
大井「タクティカルフィールドを停止します」
鷹泉「V.T.O.L機だ。このままじゃ動けないぞ」
敵部隊が展開し、V.T.O.L.機が飛んでいた。敵部隊だけならなんとかなるかもしれないか、V.T.O.L機もとなると厄介だ。
金剛「皆さん撃たないでくだサイ。アレはmeがヤルネー!」
金剛は主砲を放った。砲弾は翼に命中し、機体はきりもみ状態で敵部隊のど真ん中に墜落した。加賀たちはすぐさま格納庫へ向かった。
吹雪「回収地点はポイントBの衛星タワーに変更。回収チームにも連絡してください!」
階段を上ると通路に出た。通路の先は深い霧に閉ざされている。そこから物音が聞こえてくる。例えるならば鎧を着た騎士が何百人も行進してきている、そんな感じである。
金剛「Please be quiet, everyone.」
霧の中に赤い無数の光か見えた。その赤い光はどんどんと近づいてくる。
加賀「冗談でしょ!?」
その正体はまさに無数の
北上「射撃開始!!」
金剛たちの主砲が火を吹き、加賀と瑞鶴の爆撃隊が猛爆を加える。それでもロボット兵はゾンビのごとくこちらに向かってくる。
加賀「格納庫の扉を開くから援護して!」
加賀は格納庫の扉にハッキングを仕掛け開いた。
瑞鶴「回収地点まで向かうわよ!」
吹雪たちは加賀に続いて格納庫へと逃げ込む。全員が逃げ込んだのを確認した加賀は扉を閉めた。
吹雪「私たちはもう大丈夫です。捕虜を解放してやってください」
金剛「さっきも言ったケド、優先事項じゃ・・・」
吹雪「そう言う問題ではありません!彼らだって人間です!」
吹雪は珍しく声を荒らげた。その迫力は駆逐艦でありながらまるで戦艦にも匹敵するもののようだった。金剛は金剛はこれに心を動かされた。
金剛「わかりマシタ。計画変更デース!ブッキーたちは中尉と元帥を連れて回収地点に向かってくだサーイ!ワタシたちB班は捕虜の救出に向かいマース!」
吹雪「ロボット兵はどうするんですか?」
瑞鶴「あいつらのことはまかしときなさい!アウトレンジで屑鉄にしてやるんだから!」
北上「さっ、早く脱出しなよ。私たちも後から追うから」
金剛たちと別れた加賀と吹雪は鷹泉中尉と元帥と共にLAV-25に乗り込んだ。ドライバーは加賀でターレットは吹雪だ。加賀はアクセルを踏み込んだ。LAV-25はシャッターを突き破り検問所を突破した。待機していたであろう敵車両とロボット兵に吹雪は射撃を加えていった。
加賀「V.T.O.L.よ!蜂の巣にしてやって!」
吹雪が引き金を引くと分速200発で放たれるAPDS弾はV.T.O.L.の装甲を貫通し、V.T.O.Lは炎に包まれた。吹雪はどんどん敵車両を廃車にしていく。加賀はハンドルを右に切って道無き道を進む。
吹雪「加賀さん!?何してるんですか!?」
加賀「こっちの方が近道よ」
その瞬間右から敵装甲車が飛び出してきた。
加賀「右から敵装甲車!片付けて!」
言い終えた瞬間爆発音が聞こえる
加賀「大した腕ね」
道路に出るとV.T.O.L機が出現した。吹雪は命令するよりも早く機体を撃ち落とした。
装甲車が急に止まってしまった。
吹雪「どうしましたか!?」
加賀「エンストしているわ!耐え切って!」
鷹泉「加賀さん!早く出してください!」
加賀「私が何をやっているように見えるの!?動いて!」
無数のロボット兵がこちらに向かってきている。吹雪はターレット、主砲、機銃、手榴弾、ありとあらゆる方法で敵の攻撃をしのいでいた。
加賀「お願い、動いて!」
その瞬間エンジンが大きく唸りを上げた。
加賀「やりました!出発!」
装甲車は猛スピードでトンネルへと突入する。すると右に装甲車が現れた。装甲車は加賀たちにぶつけてきた。加賀たちは壁に抑え付けられるように走る。
加賀「頭にきました」
加賀は急ブレーキをかけ敵の右後方に出た。加賀は思いっきり敵の右後方部分に車体をぶつけた。
吹雪「えっ、ちょっ、うわぁぁぁ!?」
装甲車は大きくバランスを崩し目の前で一回転した後、加賀たちの装甲車とトンネルの天井の間のすれすれのところを飛んでいった。吹雪は飛んでくる瞬間大きく身をかがめて助かった。
吹雪「何やってるんですか!!?上半身無くなるところでしたよ!?」
加賀「無くならなかったでしょ?それにあなたなら避けられると思ってたのよ。」
吹雪「・・・信頼されてるんだか雑に扱われてるんだか」
吹雪は加賀に聞こえないように愚痴を言った。トンネルを出るとV.T.O.L.機が襲いかかる。
加賀「V.T.O.L.!撃墜して!」
V.T.O.L.は巧みに回避しようとするが、たちまち火を吹いた。
ドローンオペレーター妖精『ドローンが到着する。30秒だ。着陸地点の座標を送る。』
金剛『カガ!追加の捕虜を確保したネー!元帥と一緒に脱出させてくだサーイ!新しい4人と一緒に衛星towerに向かいマース!』
加賀「わかったわ。吹雪さん!回収地点はもうすぐよ!道を外れる!」
加賀は猛スピードのまま回収地点である衛星タワーへと向かっていった。衛星タワーが見えてきたが、ドローンはまだ到着していない。
加賀「早く来すぎたようね!」
片方のタイヤが大岩に乗り上げ車体が大きく傾く。
加賀「みんな何かに捕まって!」
猛スピードで荒地に突っ込んだためLAV-25は数回横転してようやく止まった。
吹雪「うぅ・・・ん・・・か、加賀さん。だ、大丈夫ですか?」
加賀「え、ええ。なんとかね。肋骨が2、3本折れたみたいだけど・・・」
吹雪「それって大丈夫って言わないんじゃないんですか!?」
加賀「そんなことより早く脱出しないと」
吹雪「そんなことって・・・わかりました。」
加賀と吹雪はLAV-25から脱出し、衛星タワーへと向かった。
ドローンオペレーター妖精『回収ポッドが到着した。それに乗り込め。』
回収ポッドに到着すると元帥を乗せた。それを逃すまいとロボット兵が向かってくる。
加賀「吹雪さん!時間を稼いで!私が元帥と中尉を援護するから!」
吹雪「了解です!」
吹雪は主砲と機銃で時間を稼ぐ。ロボット兵は機銃で粉々になり、ストライカーICVは砲弾で爆発した。またその炎に巻き込まれて爆発をおこすロボット兵もいた。
加賀「元帥を守って!深海棲艦を近づかないで!」
吹雪「うおおおおお!」
吹雪は叫び声を上げて敵を撃ちまくった。それでも多勢に無勢、徐々に押されていった。
ドローンオペレーター妖精『ドローンが到着した。回収に備えろ』
加賀「今よ!早く回収ポッドに乗り込んで!」
吹雪「了解!今か」
吹雪の至近距離で爆発が起き、吹雪のみが出遅れてしまう。
ドローンオペレーター妖精『ドローン移動可能。回収を開始する』
加賀「駄目!待って!吹雪がまだ!」
吹雪が乗り込む前に無情にもドローンは飛び立ってしまった。
加賀「クソ!2分よ!2分待って!必ず戻ってくるから!」
その瞬間、吹雪の体が強い力で後ろに引き倒される。さっきのロボット兵だ。主砲と機銃は先ほどの爆発でどこかにいってしまった。ロボット兵に足で押さえつけられる吹雪。足を左手で殴り続ける。するとロボット兵はその左腕を掴み・・・
吹雪「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
引きちぎった。鮮血がどんどん吹き出す。足で蹴ると吹雪は両足をへし折られた。残った右腕もついでとばかりに引きちぎられた。あとは力任せに何度も吹雪の腹を殴りつけた。激烈な痛みと出血多量で意識が朦朧とし始める。
吹雪(加賀さん・・・どうやら・・・2分の約束は・・・守れそうにありません・・・加賀さん・・・約束して・・・ください・・・必ず・・・深海棲艦を・・・滅ぼす・・・海を・・・取り戻す・・・って)
最期を覚悟したその瞬間、ロボット兵は銃弾で粉々にされていた。そしてロボット兵を倒したであろう何者かがこちらに近づいているのが見えた。
???「大丈夫デース。しっかりしてくだサーイ」
吹雪は確かに聞き馴染みのある声を聞いた。だが吹雪はその声の持ち主が誰かに気づく前に意識を手放した。
『余ハ常ニ諸子ノ先頭ニアリ』 ―栗林忠道
次回予告
深海棲艦の攻撃で瀕死の重傷を負った吹雪。アトラス社の科学者鶴田翔はとある技術を吹雪に施す。第五遊撃部隊の新たなる戦いが始まる。