ヘボ提督の艦これ日記   作:焼き鳥タレ派

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その11:提督「今日はちょっと報告だけ。短いよ。三日月君寝てるし」

「やあ、ハーメルンの諸君、こんばんは。ん?“いつもの絶叫はどうした”って?

うん。実は前回飲みすぎた三日月君が二日酔いでグロッキー状態だから、

あんまり大きな声出せないんだ。というわけで、今日は若干トーンダウンして、

ここ鎮守府執務室から三日月君のゲロを掃除しながらお送りするよ!」

 

「うう……三日月のバカ。よりによって提督の世話になるなんて。いたた、頭が……」

 

「ああもう、無理しないの。ほら、近所のセブンで液キャベ買ってきたから飲んで。

さて、とりあえずゲロに新聞紙を被せて水分を……じゃない、艦これだ艦これ!

実はいきなりで済まないが、今回お話しすることはそれほどないんだ。

PC版艦これについてはこれと言った進展はない。

もうすぐ、あきつ丸が改造可能になるくらいだ。なぜわざわざ“PC版”と書いたかって?

よく気がついたな、さすが諸君!」

 

「提督……お世話かけてるのに申し訳ないんですが、

今日だけは2連ビックリマークは勘弁して下さいね。

きっと無意識に引き金を引いてしまいますんで……」

 

「わかってるよ。手短に今日の出来事報告して君のゲロ掃除に戻るから。

パソコンで調べたゲロ始末の方法なら、君のゲロ跡も

綺麗サッパリなくなるから安心してくれたまえ」

 

「あんまりゲロゲロ言わないでください、恥ずかしい……」

 

「本題に戻ろう。今日俺は劇場版アサシンクリードを観に、

三ノ宮っていう繁華街に遠出してきたんだ。ここに遊びに来るのは久しぶりだ。

何しろ神戸電鉄と北神急行は電車賃が高いからちょくちょく来られないんだ。

残念ながら最寄りの映画館では上映していないから

往復2000円近い交通費を払う羽目になった。田舎者の辛いところだ。おっと話が逸れた。

それで、映画を見終わった俺は昼飯を食おうと、

せっかくだから美味そうな店を探してぶらついてたんだ。

その時一件のゲームセンターの前を通りかかったんだが?ふふふ……

勘の良い諸君ならもうお気づきだろう、そう、アーケード版艦隊これくしょんが

絶賛稼働中だったんだよ!もう稼働開始から随分経つのに、

近所のゲーセンに置いてなくてプレイできなかった例のアレさ。

俺は迷わず飛び込んだ!」

 

「3Dになった私達が戦うっていう噂のあれですか。私も未プレイです。

レビュー乞う……以上」

 

「ようそろ、三日月君。さっそく席に着いた俺は度肝を抜かれたね。

デモ画面で、ヌルヌル動く艦娘が立体的になった深海棲艦と

バトルを繰り広げてるじゃあないか!俺はすぐさま100円投入口を探して……

そこでまた驚きさ。なんだか筐体に舵とレバーとボタンがあるじゃないか、

なに?艦娘を出撃させて見てるだけなんじゃないのか?とりあえず俺は100円投入!

スタート画面でいきなり選択を迫られる。初プレイだからチュートリアル有りを選んで、

今度は秘書艦選択。ここは無難に吹雪にしたよ。

そしたら、カード排出口からしっかりした作りのカードが出てきたよ。

あとは指示通りに読取機にカードをぶっ刺して出撃艦を選択。

それからも出撃準備のための指示が次々出てきてかなりテンパったが、

なんとかステージ選択にたどり着いた。ここは無理せず1-1を選んだ。

ようやく出撃だが、正直ここまでで100円分遊べたからもう帰ろうかと

思わせるくらいの出来栄えだね、うん」

 

「この文字しかないシケた執務室も、居心地の良さそうな

清潔な部屋になっていたそうですね……」

 

「そしていよいよ抜錨さ!ここで遂に舵とレバーの用途が明らかになる!

舵は進行方向を、レバーは船速の切り替えを行うらしい。なになに?

これでレーダー上の敵艦生息域に艦娘を誘導……

え、ああ、うん。大変そうだがやってみる。よし、真っ赤なエリアが見えてきた!

とーりかーじいっぱーい、最大船速!よし、接敵だ!

アーケード版艦隊これくしょんの初陣、必ず勝利してみせる。

ん、ここでもまたチュートリアルだ……なんだと?

艦娘を操艦して敵を射程圏内に収めてタイミングよくボタンを押して発砲しろ?

ふ、ふざけるな……舵をぐるぐる回してレバーで船速を調節しながら

敵の攻撃エリアを避けつつ敵を射程圏内に入れタイミングよく発令ボタンを押せ。

但しずっと最大船速だと疲労度が溜まるから気をつけてね!だと……?

俺にそんな離れ業ができるかバッカモーン!

俺はな、俺はなぁ……同時に2つ以上のことはできないんだよっ!

それを4つも5つも……」

 

「提督の情報処理能力はメモリ2GBのVista並ですからね。

一般人を16GBの10だとすると……」

 

「とにかく!先手必勝がモットーの俺は何も考えず敵艦に突っ込んだ。

また同航戦だのT字戦だの言った説明があったが、もう頭が追いつかん。

射撃可能距離に入ったら発令ボタンを押した!

初戦闘だが、3D吹雪がめいっぱい動いて発砲する様は感動モノだったね!が、命中せず!

ただのハズレじゃねえ、わざとやったかのように2発の砲弾が

二等辺三角形を描くかのごとくあさっての方向に飛んでいったんだよ!」

 

「……へたくそ」

 

「そんなん言うならやってみるがいいさ!

ゲームでこんなにあくせくしたのは、いつくらいぶりだったかもう思い出せん!

しかし、次に驚くべきものを目にしたんだ。……夾叉弾だよ。

PC版にはない、アーケード版独自のシステムだよ!

なんでも、次の攻撃は命中率が大幅にアップするらしい。

俺は気を取り直して取舵いっぱいで再び奴を射程圏内に捉える。また攻撃のチャンス!

発令ボタンをオン!死ねよやぁ!」

 

「結果は?」

 

「二等辺三角形だよこんちくしょう!なんで当たんねえんだ!

……ああ、なんかカウントダウンが始まったよ、

どうしよう、ゲームが終わってしまう……って、あれ?撤退と夜戦が選べるぞ。

……よし、夜戦に突入だ、今度こそ奴の息の根を止める。

さぁ、再び砲雷撃戦用意、大分操舵にも慣れてきた。

昼間よりスムーズに敵を射程圏に収められた。チャンスは再び到来、吹雪が三度発砲……

おお、今度は砲弾がまっすぐ深海棲艦めがけて飛んでいき、命中!やったぜざまあみろ!

三日月君が元気だったらビックリマーク5つは使っていたところだ!」

 

「元気なときでもやめろ……っ!いたた……

こっちも元気よくあんたを射殺するぞ……!」

 

「だが、敵もさるもの、今度は敵艦の攻撃をもろに食らってしまった……

体力を半分以上削られ、中破グラになる吹雪。

もちろん中破グラも3D化してリアルだったよ。艦娘の服の破れ具合が

丁寧に再現されていた」

 

「セクハラかどうかは微妙な線ですね、続きを。あー大分酒が抜けてきた」

 

「で、戦闘結果に画面が切り替わった。お互い一発ずつ食らったんだから、

最低でも戦術的敗北くらいにはなるだろうと思ったら、敗北D。敗北だよ敗北。

なんであの会心の一発がD判定なんだ、おかしいだろう!」

 

「食らったダメージの方が大きかったんじゃないですか?知りませんけど」

 

「俺は失意のうちに母港へ帰投した。今度は入渠のチュートリアルに従って

吹雪を風呂に入れたが、正直もう疲れた俺は右上のゲーム終了ボタンを押して

席を立ったよ。暖房の効いたゲーセンから、再び寒い三ノ宮の街に戻った俺は悟ったよ。

俺にアーケード版は無理だと。吹雪のカードは記念に取っておくが、

もうプレイすることはないだろう。俺はPC版に専念する」

 

「無駄だとわかっていても何度でも言います。仕事をしろ」

 

「さらに追い打ちをかけるように残念な知らせがある。大型艦建造に失敗した。

大鳳が欲しくてレシピ通りに材料と開発資材を20投入したんだ。

その結果がなんだと思う?」

 

「もう答え出てるようなもんじゃないですか」

 

「既にLv50の彼女が存在する飛鷹だよ。

……失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した」

 

「ほんとシュ○ゲネタ好きだな、こらタレ派!……ってて、頭痛はまだ少し」

 

「他はいいよ、遠征で手に入りやすいからまだ1万近く残ってる!

だが、ボーキは8000しかなかったのに6000もつぎ込んだから、もう2000しかない!

また遠征で貯めるしかないが、ボーキが入手できる作戦は限られてる上に

量も多くないから時間がかかる……うう、なんでこんなバカやっちまったんだ!」

 

「バカだからですよ、わかってるじゃないですか」

 

「とにかく、とりあえずこれで臨時報告を終える。俺はダメだったが、

他のアーケード版プレイヤーの健闘を祈る。さて、これで掃除に戻るわけだが、

短くなると言っときながらいつもと大して変わらん長さになってしまった。

しかも、なんだか淡々としすぎて面白みもない」

 

「もともとそんなもんないでしょう。はぁ……」

 

「う~ん、やっぱり今回は俺の天に轟くシャウトと、病弱の三日月君の毒舌ツッコミが

精彩を欠いていたことが原因だろう」

 

「要するに、恥の切り売りしか取り柄がないってことですね。このSSは」

 

 




*映画はまぁまぁ面白かったです。もう少しテンプル騎士団が
現代社会に深く入り込んで影響を与えていることと、
テンプル騎士団とアサシン教団の対立が数百年に渡って続いている構図について
深く切り込んで欲しかった気はしますが。

魚雷?当たるわけないじゃない…
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