「いよっしゃあああ!メカジキ、捕ったどおおぉ!!」
「いい加減にしてください!昼休みはとっくに終わってるんですよ!?
艦これしてる暇があるなら
99%私が作った書類に承認のハンコを押してください、この給料泥棒!!」
「まぁそう目くじら立てずに聞いてくれたまえ。
コマンダン・テストさんとゴトランド君を手に入れてから、
俺の艦これ人生が再び花開いたことは前回話したね」
「汚ったない花ですけどね。名前もわからない密林の毒草みたいな。ほら承認」
「それ以来ふたりの育成や強化に心血を注いでいたわけなんだが、
先日とうとうコマンダン・テストさんを改にすることに成功したんだ!
見てくれ、彼女のグラフィックがホロになった!
立ち絵自体は変わっていないが、彼女の美しさに彩りを添える、
素晴らしい装飾じゃあないか」
「聞いてだの、見てだの、あんたは要求ばっかり。
たまには私のお願いも聞いてはいただけませんかねぇ。
私はいつまでこの遠征報告書を持っていればいいんですか?」
「ハピネスが最高潮に達した俺は、コマンダン・テストさんのさらなる強化をすべく、
とある任務を実行に移したのだ!何だと思う?何だと思う?」
「激しくイラつかせる聞き方やめてもらえません?
もういいです、こんな時のために買っておいた提督のシャチハタ勝手に押しますから」
「おいぃ!?それは完全なる規則違反だろう!
提督たる俺が存在する意味がなくなるじゃないか!!」
「元々そんなもんあった試しがあるんですか?寝言は寝てから言ってください。
気の毒に。あきつ丸さん達の努力も、こいつのせいで上層部に伝わることなく
ルーティンワークとして片付けられているというのに」
「わかったよ、三日月君達が頑張っていることは直々に上に報告しておくから
俺の話を聞いてくれ。
いや、俺の話を聴けぇ!……ってマクロスのパロにしたほうがよかったかな」
「大阪人に“それおもろいとおもて言うてるん?”と言われたら、逃げた方が無難らしい。
ヤフー記事に書いてありました」
「ほ、砲を収めてくれたまえ!黒潮君ならともかく、君は佐世保出身だろう!?
わかった、手短に話すから。約束するから。絶対頑張るから」
「全然信用ならない約束ですが、提督をひっぱたく口実が必要なので発言を許可します。
さっさと嘘をついてください」
「そんなにキツくあたることないじゃないか……結論から言うよ?
『飛べ!下駄履きメカジキ』という春の期間限定任務にチャレンジしたんだ」
「それはなぜ?」
「ハハハ、さっきも言ったじゃないか!コマンダン・テストさんを強化するためさ。
クリア報酬がSwordfish(水上機型)という高性能な水上機だったんだよ。
これに挑まない手はないだろう!?爆装や雷装を中心に各ステータスを底上げしてくれる、
まさに一流の水上機母艦に相応しい一機!」
「いちいち笑い声がムカつくんですよね。それが冒頭の叫び声につながったと?」
「話がわかるじゃないか!だがそこに至るまでの道のりは決して単純じゃなかった!
クリア条件自体は至って単純、旗艦水上機母艦、駆逐艦or海防艦1隻、自由枠4隻編成で
(1-4)、(2-3) 、(2-4) をクリアせよというものだった。しかぁし!!」
「うるさい!!」
「ごめんよ。謝るからせめて安全装置は掛けてほしい。
話を戻すと、簡単そうに見えて相当手こずるミッションだった」
「具体的には?」
「まずクリア条件の“自由枠4隻編成”が曲者だった。
確かにどの艦娘を入れてもいいならそう難しくはない。
しかし、いつもお世話になってる戦艦や正規空母でゴリ押ししようとすると
羅針盤が逸れてボスにたどり着けないんだよ。駆逐艦や重巡で妥協せざるを得ない。
だけどエースばかりを使って中途半端にしか彼女達を育ててなかったから
比較的序盤の南西諸島海域でも大破続出で逃げ帰る日々!」
「現実から逃げてばかりの提督らしいですね。次」
「なんだか警察の不審尋問みたいな会話だね。
いつから僕らはこんな関係になったんだ。俺は寂しいよ。
そろそろ砲を下ろしてくれると……わかったわかった。
それでも俺は諦めず、演習でレベルアップ!か~ら~の~?再出撃!を繰り返して
日々2-4制圧を目標に頑張ったんだ」
「何度も言ってますが、頑張ってるのは艦娘であって
提督という名の怠け者では決してない」
「序盤とは思えないほどワラワラ出てくるエリートやフラグシップ達の
容赦ない波状攻撃に耐えきる部隊を作るのには苦労したさ。
面倒くさいから艦これにアカウントを作ってから一度もやってなかった
キラ付けにも手を出した。
そんな努力が実ったある日、ついに大破者なしでボスマスに突撃することに成功した!」
「ひとまず中破以下だから轟沈の心配はなかったと。
一人でも沈めていたら提督に赤城さんの後を追ってもらうところでした」
「でも戦艦連中がまた堅てえんだ!開幕雷撃でもとどめを刺せなかったし、
駆逐重巡の砲撃でもなかなか死なない。戦いは夜戦までもつれこんだぁ!!」
「……一応聞きますが、その時点での被害状況は?」
「大破が一人だけ……痛い!!虫取り用の電撃ラケットで叩くのはやめろぉ!
それはマジで痛いから!」
「あんたは!あの悲劇から本当に何も学んでないんですね!!赤城さんごめんなさい!
このバカタレを今日に至るまで冥土送りにできなかった三日月を許してください!」
「まま、待ってくれ!敵は中破した戦艦一隻だけだったし、これは慢心じゃないんだ!
皆の絆と底力を信じた結果だったんだ!本当だってば!」
「戦果は!?」
「心配はいらない!開戦直後、ぜかまし君の魚雷カットインが奴に大命中さ!
さしものフラグシップ戦艦もクリティカルヒットであの世行き!
そうとも、俺はついにやり遂げたんだ!下駄履きメカジキのミッションを!!」
「だからやり遂げたのは……
もういいです、学ばない人に何言っても無駄に喉がすり減るだけですから」
「帰投するなり、俺は大淀君から祝福の言葉を受けつつ作戦成功の報告をした!
やっとこの日が来たんだよ!
選択報酬からSwordfish(水上機型)を選び、続いて新型航空兵装資材を選択。
コマンダン・テストさんへの愛がこもったプレゼントが、
とうとう我が艦隊に配備されたぁ!!ケッコン指輪より一足早い永遠の愛の誓いさ!」
「ありがた迷惑にも程がありますね。訂正、純粋なる悪意です」
「こいつをコマンダン・テストさんの空きスロットに装備すると……
Late 298B×2、瑞雲、Swordfish(水上機型)という
完全無欠の水上機母艦に彼女がグレードアップ!長かった~!
彼女のためとは言え、ここまでしんどいミッションになるとは思ってなかったからさ」
「はいはいよかったですね。喋り終わったなら仕事に戻ってください」
「ちなみに、このSwordfishを上位機種にできる任務もあったんだがそれは早々に諦めた。
貴重な物資をいくつも消費するし、そもそも持ってない。
手に入れるにはメカジキ以上の難関ミッションをたくさんこなさなきゃならん」
「執務というミッションを最優先してほしいのですが」
「だがなあ……
目の前の目標を達成したら、次に何をしていいのかわからなくなってしまった」
「会話になってるようでなってないんですよね。前回も似たようなことを言いましたが」
「次はゴトランド君を改にしたいし、そろそろメインステージも進めたい。
あと、五十鈴君を改にして先制爆雷要員を作りたいし、
日向君は将来的に改二にしたいからその資材も集めなきゃ。
そうそう、改二と言えば金剛君のレベリングもしたいんだ。
まだ練度53くらいだからまだまだ先は長いなぁ。
♪あれもしたい これもしたい もっとしたい もっともっとしたい~」
「もし音声に形があったら執務室がゲロまみれになっていたところです。神様ありがとう。
当たり前の事に感謝できるようになるのは幸せなのか不幸なのか、
時々わからなくなるんです。
というわけで、存在しているかどうかわからない読者の皆さん、今日はここまでです。
さようなら」
「♪あれも欲しい これも欲しい もっと欲しい もっともっと欲しい~」
*フラグシップ逝ってよし