今日の俺はノートパソコンを畳んだまま、シャーペンを持って考え込んでいた。
コピー用紙に円グラフを書き、何かの配分を表にしていた。
ああでもないこうでもないと書いては消し、書いては消しを繰り返し、
最適な答えを導こうとしていた。その姿を見た三日月が感激した様子で駆け寄ってくる。
「提督!やっとまともに仕事をしてくれる気になったんですね!
よかった……もう喉が枯れるほど大声で罵声を叫び続ける日も終わるんですね。
ようやく私もみんなからツッコミ艦と呼ばれる日々から解放される……
ところで何されてるんですか?」
「いやさ、ちょっと積みゲー増えすぎちゃって、
1日の自由時間をどのゲームに割り当てるか考えてたんだよ」
「どう見てもぬか喜びです。本当にありがとうございました」
「いや、ガチでやばいんだって。双生の陰陽師は序盤でストップしたきりだから
そろそろストーリー忘れそうだし、バイオ7、四女神オンラインはまだ手付かず。
もうすぐ発売予定のアサシンクリードエツィオコレクション!こいつが曲者だ。
俺はアサシンシリーズが好きでたまらない。
普通のゲームじゃ絶対登れないような、垂直な壁やネズミ返しをひょいひょい登って
フィールドを駆け回れる自由度の高さ、多様なミッション、コレクティブル要素、
何より、数ある暗殺テクで、静かに、時に大胆にターゲットを始末する緊張感!
一度起動したら止め時が見つからん!」
「こいつにエア・アサシン決めたいけど、引きこもりだから
チャンスがないんですよね……とにかく、別ゲーの話はその辺にしてください。
いくらチラ裏SSでも艦これがメインテーマなんですから」
「そういえば裏が白いチラシってすっかり姿を消してしまったなぁ。
あってもツルツルで書きにくいやつばっかりでさ」
「なんでこいつも消えないんだろう。しっかしアナログなグラフですね。
線フニャフニャで字汚い。それこそご自慢のノートパソコンで
グラフ作れば良いでしょう、エクセルで」
「俺にそんな高等技術あるわけないだろう!
XPの時代からユーザーインターフェースが、がらっと変わっちまって
どこにどの機能があるのかわかんなくなっちまったんだよ!」
「それに付いていくのが勤め人でしょうが、
あなたにそんな当たり前を期待するほうが無理でしたね。続きをどうぞ」
「……本題に戻るぞ。それで、そのエツィオコレクションには
そのアサシンシリーズが3本も入ってるんだぞ!
こんな没入度の高い作品を3つも一本に収められたらどうしていいか俺はわからん!」
「そういえばエツィオの武器にはピストルもありましたね(ガチャッ)」
「やめろぉー!その12.7cm連装砲をしまえ!
はっ、さてはお前、テンプル騎士団の刺客だな!?
アブスターゴめ、この鎮守府にまで魔の手を……」
「別ゲーの話をやめろと言ってる!この作品の劣悪極まるクオリティには
どうにか目をつむってきましたが、最も重要な艦これのテーマからも外れるようなら、
私、辞めさせていただきます!」
「ま、待ってくれ!これは君にも関係あることなんだ!重要なことなんだよ!」
「10秒だけ待ってやる」
「俺が積みゲーを崩すってことは、必然艦これに割ける時間が
減ってしまうってことだよな?これは君にとっても大問題だろう。
このSSに出演する機会もまた減るということなんだから」
「私にとっては、あんたの顔見なくて済むいいチャンスなんですけどねぇ」
「しまったぁっ!!」
「今度はなんですか!」
「スパロボだ!スパロボVの存在を忘れていた!
俺としたことが、こんな伏兵が潜んでいたとは!」
「あんたが何でもかんでも予約しすぎなんですよ!
別ゲーの話はするなといったはずです。さぁ、神様にお祈りを」
「ああ待て、撃つんじゃない!これも、これも大事な話なんだ!
聞いて驚け、なんと、本作には、宇宙戦艦ヤマトが出るんだよ!
今までファンの間で参戦希望は多数あったものの、“ロボットじゃねえから無理だろ”と
諦められていたあのヤマトが!2199のほうだけど」
「今度はアニメ談話ですか。砲塔で撲殺したほうが気が晴れそうです」
「ちなみに昭和TV版は1>3>2の順で好きだ。1は言わずと知れた名作、
3は良くも悪くも普通。砲塔のストライプと船体の錨マークが
個人的にダサくて嫌だったが。
2は無駄に人が死にすぎだし、拡散波動砲の見せ場がほとんどなかった……
まぁ、1の感動も劇場版完結編に台無しにされたがな!」
「死にたくなければ今すぐ艦これの話に戻れ。これが最後の警告です」
「おおお落ち着け、落ち着くんだ!ちゃんと艦これの話もある。
グッドニュースだ!落ち着いてくれ!」
「あんたが落ち着け。……で、なんですグッドニュースって。
引き金に指がかかってる。言葉は慎重に」
「いや、あの、例によって練習艦や潜水艦が当たらないから、
気晴らしに開発をやってみたんだよ。それがどうだい!“烈風”が当たったんだよ!
ほっぽちゃんも欲しがる高性能戦闘機!ステータスを見たらSホロって書いてあった。
いかにもレアそうだろう!たまにはこういうご褒美もなくっちゃな!
もちろん、すぐ駆逐艦引率係の龍驤に持たせた。
縦横無尽に飛び回り、敵機を撃墜してくれてるよ。アッハッハ」
「やっと本筋に戻った。……艦これの話で安心するとか、
私も脳にバイ菌が入ったのかもしれません」
「いいんだ。それでいいんだよ。君だって艦これの一員じゃあないか。
共にこの喜びを分かち合おうじゃないか」
「ゲームと現実を一緒にするな、このアダルトチルドレンが!
いい加減提督の仕事してくださいよ!このバカみたいなやり取りを繰り広げてる間にも、
時間はどんどんなくなっていくんですよ!?
この溜まった書類、いつ片付けるつもりなんです!」
「さてここでお便りを紹介しよう。
“建造で出るのは姉の香取であって鹿島は出ない”そうだ。
さらに“6-5でドロップする”との情報が寄せられた。
匿名希望さん、どうもありがとうー。うむ、どうやら俺は思い違いをしていたようだ。
あと、せっかくの情報を頂いたのに申し訳ない。俺はまだ2-3止まりなんだ。
ひょっとして俺の艦隊のレベルそのものがまだ低すぎるのかもしれん。
高望みをしすぎていたということだな」
「勝手にハーメルンに届いた感想、お便りコーナーにするな!
ああ、ごめんなさい、匿名希望さん!あと低いのはあんたの知能レベルだバカ!
高校時代数学で3点やら0点取ってヘラヘラしてた阿呆が何言ってるんですか、
この親不孝者が!」
「ここでそんなこと言わなくていいだろ!
ちゃんと元気にたくましく成長したんだからそれだけで親孝行だろう!」
「それを言っていいのは親の立場だけです。
そんな親心に甘えてるからカイジに出てくるようなクズなんですよ!」
「今度レベルアップしたら三日月から利根川に改名したらどうだ……」
「ああもう、クズで思い出しましたが、焼き鳥タレ派の野郎は何をしてるんです?」
「……前回の最後でもちょっと引っかかったんだが、
君、作者になんか恨みでもあんの?」
「ふふっ……何か恨みでも、ですってぇ……?」
「あの、三日月さん?」
「このクソ以下の状況見てわかんないんですか!
“ヘボ提督の艦これ日記”も4回目に入りましたが、相も変わらず
この狭っ苦しい部屋で、ムサいオッサンがバカやらかす度に
大声で怒鳴り散らさなきゃならないこっちの身にもなってくださいよ!
仕事に逃げようにもあんたが何かに付けて叫びまくるから手に付かない!
場面もメンツも変わらないから淀んだストレスが溜まる一方!
そりゃ、個人のプレイ日記やよもやま話系の小説は他にもありますよ。
でもこれは単なる作者の与太話の垂れ流し!日記の体すら成してない!
私をこんなところに閉じ込めたタレ派の野郎にはいつか制裁を加えるつもりです!
恨みはらさでおくべきか!」
「ストップ、ストップ!今度は君がヒートアップしてるよ……」
「はぁ、はぁ……そうですね。これではあなたと同じです。
深呼吸して落ち着かなきゃ……ところで彼はゲームばっかりして、
普段は何をしているんでしょうか」
「なんでも、ちょっと体調崩して休職中らしいよ」
「はあ!?だったらゲームにへばりついてないで寝てなきゃ、
治るもんも治らないでしょう!」
「最初は真面目に横になってたけど、寝すぎると夜眠れないんだってさ」
「いっそエボラ出血熱にかかれば面白いのに。嫌でも眠りたくなるでしょうね」
「そこまで言わなくても……」
「ラッサ熱でも可!(キリッ」
「おい、タレ派君。彼女の不満も爆発寸前まで来てる。
早いとこ手を打たないと、ヤバいことになるぞ。
彼女ならいつかモニター越しに砲弾を飛ばしてきてもおかしくない。
そのくらいの勢いだ。早急な対策を求む。以上だ」
*今回は流石に趣味に走りすぎました。すみません…