ヘボ提督の艦これ日記   作:焼き鳥タレ派

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その5:メンテ終了!俺は帰ってきた!

「そう、幾星霜の時を超え、俺は不死鳥のごとく蘇ったのだ!!」

 

「復帰早々うるさいですね!今深夜だということをお忘れなく!」

 

「バイオ7でなんとか乗り切ったとは言え、やはり半日に及ぶメンテは

待ちきれなかったよ、三日月君」

 

「ああ、はいはい……やっとプレイしたんですね、バイオ」

 

「グロテスクVer.を買って正解だったよ。いきなりオールスター勢揃いで

ド派手な展開だった6も悪くはなかったが、

流石原点回帰を謳うだけあって一味違ったよ、今回は。

一人寂れた無人の廃屋に入り込んで、サイレントヒルのような

雰囲気を味わったのも束の間、ウジ虫の湧く死体、流血の惨事、

ホラーの定番チェーンソーで左手チョンパ!ネタバレになるからこの辺にしとくが、

シンプルイズベストを地で行ってるよマジで!」

 

「へーよかったじゃないですか。6850円無駄にならなくて」

 

「なんだ冷めた反応だな。はは~ん、さてはまた俺が

PS4に浮気するんじゃないかと妬いてるんだね。

三日月君たらか~わ~うぃ~うぃ~!(ポン)」

 

「その汚い手をどけないとあんたも左手切り落とすぞ、このウジ虫野郎!」

 

「お、落ち着きたまえ!今日プレイ出来なかった分、

明日からみっちり艦隊育成に力入れるからさ!」

 

「仕事をしろと言っている!あと訂正、ウジ虫以下!

ウジ虫は極限状況では貴重な栄養源になるが、あんたはクソの役にも立ちゃしない!」

 

「そこまで言わなくたって……明日は日曜日だし」

 

「毎日ゲーム三昧でしょうがこのアホ提督!」

 

「とは言え、日付が変わるまではまだ時間があるな……

少しだが今日もプレイしてみるか。さぁ、立ち上がれ!

俺の相棒ノートパソコン、エヌ・イー・スィー!!」

 

「どうしていちいち大声出さないと起動できないんですか!?

今度お隣さんからクレーム来たらあんたが謝ってくださいよ!

また逃げやがったらチェーンソー持ってカリブの果てまで追いかける!」

 

「悪かったよ……あの時は仕方なかったんだ。いきなり急を要する指令が来ちゃってさ」

 

「ほう、天井裏に深海棲艦でも現れたんですか。それはそれは大変でしたねぇ」

 

「え!なんでバレたんだ!?」

 

「デブのオッサンがジタバタしながら潜り込んだから床がホコリまみれでしたよ。

とりあえず埋め合わせとして、バレンタインデーには

最低でも5000円以上の高級チョコを要求します」

 

「えー!ごせんえ……いや、バレンタインって女性が男に……」

 

「今時そんな縛りはありませんよ。友達用や自分用に買ったり、

男性が逆に女性にプレゼントすることも珍しくありません。

とりあえずそういうことで、遅れたら今度こそ左手とはお別れです」

 

「そ、そんなんじゃあ、もうバレンタインとホワイトデーの関係性が

完全に破綻してるじゃないか……おのれ、お菓子業界め!

我々非リア男子に寂しい青春を送らせただけでは飽き足らず、

大人になった俺達の稼ぎまで貪る気なのか!」

 

「ちなみに提督、今まで女性からもらったチョコの数は?

お母様からのはノーカウントで」

 

「久しぶりに提督って呼んでくれたね。話の流れはどうあれ嬉しいよ。

ひとつ……たったひとつだけど貰ったことがあるんだ……」

 

「オチが見えてるような気もしますが、どなたから?」

 

「小学生の時、同級生の女子がクラスメイトに手作りの……」

 

「“みんなに配った”もノーカンです」

 

「厳しすぎだろいくらなんでも!」

 

「厳しいもなにも、典型的な義理チョコじゃないですか。

“みんなのため”、じゃなく、“あなたのため”じゃなきゃ意味が無いんですよ」

 

「ああ、コマンダン・テスト。君のチョコが欲しいよ、ボンジュール……」

 

「ほら、とっくに起動処理終わってますよ。さっさと艦これ始めたらどうです?」

 

「言われなくてもそうするよ……ポチッとな。

さあ、気を取り直して冬季限定海域「光」作戦、やぁぁってやるぜ!!」

 

「本当うるさいし、限定海域は今の提督じゃ無理だと前にも……

もういい、好きにしてください」

 

「ふふん、そう思うだろう。確かに、今は無理かもしれん」

 

「いつかできるような口ぶりですね。相変わらず燃料切れで泣いてるくせに」

 

「ここでまたお便りだ。懐中時計時代からお付き合いくださってる匿名希望さんから、

駆逐艦育成についてのアドバイス。

なになに、“演習で旗艦を駆逐艦にしてS勝利できる編成にすれば

経験値が1000はもらえる”!?どうすりゃいいんだ!ふむふむ、

“正規空母に能力の高い艦戦を積みまくって、制空権確保や優勢にし、

戦艦を観測弾射撃させろ”と、なるほど、

確かに負けること前提で戦ってた俺の考え方とはまるで違うな。

よし、遠征が戻ってきたら早速試そう。いつもお便りありがとう!」

 

「あ、また勝手に人様の感想でお便りコーナー始めて!

うちのバカが本当に申し訳ありません!」

 

「それまではとりあえず新海域を覗いてみよう。

攻略は無理でも1回戦闘を生き延びることくらいはできるだろう」

 

「頼むから、大人しく、静かに、プレイしてくださいね」

 

「はーい」

 

……

………

 

「おお、なんか怖そうな注意書きが出たが、難易度が選べるじゃないか。

ここは迷わず丙作戦だな。マップも血の赤みたいに染まってて怖いし……

ん?なんかオバケみたいなのが付いてきたぞ。どっか行けよ」

 

「……ええと、これは請求書。これも請求書、こっちはカードローンのDM、と。

どうせ審査通らないから捨てとこう」

 

「1マス目は……何もなしか。2マス目は、と……おーし来た!

期間限定海域の初陣じゃ!ってなんじゃこいつら!

どいつもこいつも真っ赤っ赤じゃあねえか、しかも龍驤の烈風が!

あっという間に落とされて全滅!手塩にかけて育てたのに!それになんだ?

……ああ、敵艦載機の魚雷で一気に壊滅状態だ!

ふざけんな、通るかこんなもん、ばっかもーん!!」

 

「静かにやるっていったじゃないですか!あんたの脳は鶏以下ですか!?

せめて3歩歩いて忘れてくださいよ!

座ったまんまで1分前の約束忘れるとか人間として終わってます!」

 

「だってこれ見てくれよ!龍驤なんか改にしたから修理に4時間かかるよ、

大破したから!」

 

「修復材使ってあげればいいじゃないですか!

燃料と違って無駄に余ってるんですから!」

 

「やだ!なんか負けた気になるし今日はもう遅いからふて寝する。おやすみ!」

 

「もう勝手にしてください!そのほうが仕事も捗りますし!

……ってなんで私だけ深夜残業してるんですか!ちょっと待てコラ!

左手惜しいなら戻れぇ!!」

 

「はいはいすみませんただいま!」

 

「提督?寝るのはちゃんとお仕事を片付けてからにしてくださいね。わかりましたか?」

 

「はい。ごめんなさい……はぁ、これ処理してる間に龍驤の修理終わっちゃうよ」

 

「ちょうどよかったじゃないですか。仕事が終わると同時にプレイ再開できますし」

 

「そうだね。前向きに捉えよう……ああ、ところで、

さっき睦月のバレンタイングラを見たんだ」

 

「それで?」

 

「三日月さんからは何かないのかな~なんて思っちゃったり。テヘ!」

 

「……納期までにその仕事片付けたら500円の訳ありチョコくらいは考えてもいいです。

差し引き4500円の黒字ですし。まぁ、交換ってことで」

 

「やったー!なんだかんだ言って優しい三日月ちゃんマジ天使!

おぉぉし!今日こそ俺はぁ!!提督としての力を……」

 

ドンドンドン

 

“うるせえぞ!何やってんだ毎晩毎晩!”

 

「……この処理も仕事のうちですからね。

もう天井裏は溶接してあるから逃げられませんよ」

 

「ああ、やだなぁ。怖いんだよあのオッチャン」

 

ドンドンドン

 

“出てこいこの野郎!居るのわかってんだぞ!”

 

「ああ、最後に匿名希望さん……あなたの方法、上手くいきました。

確かに約1000も貰えて驚きました。でもやっぱり補給で出ていく物が多いので

一日2,3回に止めようと思います」

 

“さっさとしろコラァ!!”

 

「それでは熟練提督の皆さん、光作戦頑張ってください。

俺は地道に通常海域の攻略に当たることにします。それではまた来週~」

 

“居留守使ってんじゃねえ!ドアぶち破るぞ!”

 

「はいー!今行きます!」

 

「水道代の伝票、ピンクビラ、網戸のチラシ、エ○バのパンフ……」

 

 




*死ぬかと思いました…
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