「なんんんじゃこりゃあぁ!!一体何が起こってる!どうして俺ばかりこんな目に!!」
「あんたは冒頭で叫ばないと死ぬんですか!?ここは仕事場なんですよ、
大人ならけじめ付けてくださいよ!」
「艦隊育成も提督の立派な仕事じゃないか!」
「ゲームの提督はやらんで結構!リアルの提督やってくださいよもう!」
「そんなことより聞いてくれよ、まずいことになったんだよ!
一体全体なにがどうしてこうなった!!」
「その辺にしとかないと、いい加減ハーメルンの運営に通報されますよ。
“ビックリマークで字数稼いでる奴がいる”って」
「だ、ダメだ、それは困る!いや、俺はいい。昔、小○家にな○うで
某作品の二次小説を書いて放ったらかしにしてたら、規約変更に引っかかって
いつの間にか削除された過去を持つ焼き鳥タレ派君が困る!
あ、そう考えるとまんざら俺達も無関係ではない!
もし運営に目を付けられたら、俺達の存在も抹消されてしまう!
ああ、もうコマンダン・テストちゃんには会えねえだ~……」
「私はよく消えてなくなりたいと思います。こんなクソの掃き溜めみたいな世界から」
「三日月君、それは心の風邪というものだよ。頑張ろうとしちゃだめ。
リラ~ックスリラ~ックス……」
「黙れこの病原体が!珍しく普通に喋ったと思えば声がねちっこくて気持ち悪いし!
もうやだこんなとこ……」
「ああ、彼女うずくまっちゃったよ……
タレ派君、その4で頼んだ抜本的対策まだ?彼女のステータスに
真っ赤な顔マークがついてるよ。いくら自分の秘書艦だからって
こんなになるまで酷使しちゃだめだ。……え、お前が言うなって?
いや、そりゃ俺の秘書でもあるわけだし
ちょっとくらい用事を頼むのはしょうがないだろう」
「ちょっとどころじゃないだろうがポンカス野郎!
ポンカスってのは麻雀で特定の役を作った時に余る、捨てるしかないゴミ牌のこと!
何が悲しくて昔英語教師が言ってた豆知識、こんなとこで披露せにゃならんのです!!」
「ほらだから無理しちゃだめだって……ほら、今日はソファに横になって。
横になっててね、いい?
で、話の続きだけど、本当に何か対策ない?
……なになに、心のケアにはカウンセリングが必要。
手持ちの艦娘をゲストによこすから彼女と話をさせてやってくれ!?
おい聞いたか三日月君、この執務室にゲストの艦娘が来るらしいぞ!」
「本当ですか!この事故物件のような忌まわしいゴミ溜めに来てくれる
優しい娘がいるって本当なんですか!!」
「お、一気に元気を取り戻したね!なんか酷いこと言われた気がするけどまあいいや!
秘書艦が復帰してくれてなによりだ」
「それでいつ!いつ来てくれるんですか、その方は!?」
「タレ派君がアイデア思いつき次第すぐ来るよ。なに、ほんの2,3行だ」
「こんなに次の展開が楽しみになったのはこの企画始まって以来です……」
ピンポーン
“こんにちは~球磨だクマ。開けて欲しいクマ”
「球磨さん!ゆるふわキャラ代表格の球磨さんが、この汚いタコ部屋に!?
今行きます、すぐ開けますから帰らないでー!!」
「んな一瞬四つん這いになるほど急がんでも……
なるほど、うちの軽巡枠の球磨君を選んだかタレ派君。
確かに癒し系の彼女なら、三日月君の荒んだ心を治してくれるかもしれん」
ガチャッ
「おじゃましま~す、だクマ……ってあわわわ!どうしたんだクマ。
いきなり抱きついて」
「よかった……ジュデッカの果てに訪れし一柱の女神、お会いしとうございました!!」
「変な三日月ちゃん。でも本当久しぶりだクマ。
部隊再編で離れ離れになって以来だクマ。また会えてうれしい……けど、
三日月ちゃん目に隈ができてるクマ。
くまは球磨の専売特許クマ……って冗談は置いといて、疲れが溜まってるみたいだクマ。
ちゃんと休んでるか球磨は心配だクマよ」
「全然休めてないんです!あの変態ゲーオタのせいで!ちっとも仕事しないバカが
何かにつけて叫ぶ度にこっちも大声張り上げて止めなきゃならない!
私も秘書の仕事があるというのに、手を止めて職務怠慢を諌めなきゃいけないんです
毎日毎日!鉄板の上で焼かれて嫌んなっちゃうよ!」
「あー……これは重傷だクマ。大丈夫だクマ、今日は上の人に事情を話して
球磨も三日月ちゃんもお休みクマ。ゆっくりお話しようクマ」
「はい、喜んで!何時間でも居てください!」
「あ、その前に……てーとく~、これあげるクマ。お土産だクマ」
「お土産かい?ありがとー悪いね気を使わせちゃって」
「大丈夫だクマ。中身はチョコだクマ。安心して食べるクマ」
「チョ、チョッコレイト!?バレンタインの?おい聞いたか三日月君!
俺が、この俺が義理とは言え始めて他人の女性からチョコを貰えたぞ!
君にこの喜びがわかるかね!?苦節三十数年、金では手に入らない宝物を
ようやく手にしたよ!見てくれてるかい、コマンダン・テスト!
やったよ、俺はやったんだよ!!しかもこれ……手作りじゃないか!
おいしいよう、おいしいよう……」
「うわ、マジ泣きしながらもう食ってる。紛争地域の難民かお前は……
球磨さん、どうしてシアン化合物入れてくれなかったんですか……?」
「医務室のロッカーに鍵がかかってたクマ。あの提督の悪評は
この鎮守府の皆が知ってるクマよ。三日月ちゃんが彼のせいで苦労してることも。
だから今日はせめて球磨が労いに来たクマ」
「ありがとう女神様……どうぞ直にあの男の悪行をご覧になってください。
そしてどうか私をお救いください。ささ、こちらのソファへ。
……何やってるんですか提督、彼女にお茶をお出しして!」
「はいはい只今~ってこれ君の仕事じゃ……いや、今日は君をを休ませなきゃね。
わかった、ちょっと待っててね」
「球磨さん、よくご覧になっててください。あの男の異常行動を」
「噂には聞いてるけど、いちいちうるさいってどのくらいクマ?」
「イヤホン付けて音量最大にしたほうがマシに思えるくらいです。
奴のせいで難聴になったらガチで訴訟起こします」
“気体燃料供給弁(元栓)オォォプン!給水タンク(やかん)設置完了!
総員衝撃に備えろ!3,2,1,点火ぁ!!”
「……本当にうるさいクマね」
「こんなもん日常茶飯事ですよ。パソコン付けたらもっとやかましいですから。
ああ、それにしても一般人と話せるのがこんなに嬉しいなんて、
こんな世界に生まれたばっかりに……うう」
「三日月ちゃん……さあ、これで涙を拭くといいクマ」
どうしたどうしたそれからどうした
「お待たせ。チョコのお返しじゃないけど、提督お手製の緑茶だよ」
「ありがとクマ」
「提督、彼女にはくれぐれも1万円以上のお返しを」
「い、いちまん!?そりゃいくらなんでも……」
「下手すりゃ一生貰えなかったはずのチョコを貰ったんですよ?しかも手作りの。
とにかく1万のチョコがなければアクセサリーでもなんでもいいです。
男なら経済力で誠意を示してください」
「かしこまりました……」
「三日月ちゃん厳しいクマね」
「これぐらい毅然とした態度でないと、どこまでも増長するんです。
ガミガミ怒鳴りまくってる今ですら迷惑行為を止めようとしないんですから」
「それじゃあ、俺は仕事に戻るから……」
「はいはい。艦これというお仕事ですね、わかります。
……球磨さん、ここからが本番です。奴の正体をしかと目に焼き付けてください」
「なんだか怖いクマ~」
「さあ開け我が叡智の書よ、再びその力を取り戻すがいい、電源……オォン!
インテル、入ってるぅぅ!!」
「うう、鼓膜にジンジン響くクマ……」
「毎日こんなんなんです。私もう嫌になっちゃって」
「見たところ彼の精神年齢は子供クマ。自制心が育ってないから
声のボリュームが調節できず、厨二病も併発してるクマ」
「流石カウンセラーの先生、的確なご診断です。
そうなんです、声が大きいだけでは飽き足らず意味不明なことまで……」
「やっぱりどこも地獄じゃねえか!レベル上げと潜水艦・明石狙いで周ってた1-5も、
ようやく2-4を突破して現れた3-1も!どこもかしこも赤、赤、赤!
酷いところは真っ黄っ黄!駆逐艦メインの部隊じゃ
1回戦っただけで中破大破続出じゃねえか!」
「ああ始まった……」
「彼に休暇申請は出してないけど、なんでゲームしてるクマ?」
「それは……あのアホに聞いてください。いつもいつも言ってるんです。
“仕事しろ”って。声が枯れるくらいの罵声に乗せて。
でも奴の脳は都合の悪い情報を常にシャットアウトしてしまうんです。
人の気も知らないで……ぐすっ」
「ほら、涙を拭いてほしいクマ。秘書艦娘泣かせるとは許せないクマね……
ここは一つ彼に現実を教えてやることにするクマ」
「どうするんですか?」
「見てて欲しいクマ」
「ちきしょおお!!かと言って戦艦空母を出すとまた遠征で蓄えた資材が飛んでいく!
なぜだ!なぜ俺が艦これを進めようとするといつも邪魔が入る!?
なぜ俺だけが恵まれない……」
「提督、ちょっといいかクマ」
「どうしたんだ球磨君……俺は今絶望の縁に立たされているんだ、手短に頼む」
「多分それはレベリングのしすぎクマ。艦隊司令部Lvが一定値を超えると
敵も強化されるようになっているクマ」
「なんだって!?それじゃあ、強敵を倒すためにレベル上げすると、敵もまた強くなる!
強い敵を倒すために強い艦を出すと今度は燃料不足に陥る!
八方塞がりじゃねえかこんなもん!俺は、どうすれば、いいんだあぁ!!」
「(間近で聞くと耳が痛いクマ)提督。これはもうゲームは卒業しろという
DMMからのメッセージ、クマ。これからは真面目に心を入れ替えて、
現実のお仕事に専念するほうが提督のためクマ」
「そんな、それじゃあ今まで艦娘を育てた苦労や
入渠ドック開放につぎ込んだ2000円はどうなるんだ!諦めきれないよ!
今更後には引けないよ!」
「(せこいクマ)だからこそ今だクマ。これ以上傷口が広がる前に
撤退するのも勇気クマ。2000円は今まで楽しんだプレイ料金として割り切るクマ」
「ああ、ああ……コマンダン・テスト。
俺は君に会う前に轟沈するしかないのか……うぉぉ」
「大の大人がマジ泣きしないで欲しいクマ。それじゃあ、
球磨は三日月ちゃんとおしゃべりしてるから、お仕事に専念してほしいクマ」
「とーどけ とーどけ おーもいーよ とーどけ……」
「球磨さんすごいです!今までの馬鹿騒ぎが嘘のように大人しくなりました!」
「これで提督も艦これとは縁を切って、現実の世界に戻ってくれるクマ」
「……さあ、艦これのタブを閉じよう。今までありがとう。
次は今まで世話になったWikiを閉じて、次は攻略サイトを……ん!?」
「やっぱり今のトレンドは抹茶スイーツ、クマ」
「いいですよね~口に含んだ瞬間に鼻を通る香りが上品で」
「うおあああ!やったぞ俺はああ!!」
「あああ、束の間の夢が……久方ぶりのガールズトークの時間が終わってしまう……」
「提督、静かにするクマ!三日月ちゃんは今静養が必要なんだから
配慮して欲しいクマ!」
「ああすまん!しかぁし!俺は見つけてしまったのだ、禁断の知恵の実を!!」
「全然わかってないクマ!とにかく声を落とすクマ!」
「気分が……ちょっとお手洗い行ってきます」
「最後の別れに1-5をもう1周しようと攻略サイトを見たら、
有力な情報を見つけたのだよ球磨君!俺としたことが灯台下暗しだったよ。
潜水艦が倒せないなら、爆雷を作ればいいじゃない作戦だ!更に!
龍驤に攻撃機4スロット積めば対潜攻撃は完璧!
これはきっと“まだ諦めるな”という神の啓示だ!」
「余計な知恵の実を見つけたクマ。メギドの炎で焼かれればいいのに……
あ、三日月ちゃんの気持ちが今わかったクマ」
「なにより!さっそく俺が爆雷レシピを回したら、当たったのだよ、
ホロの三式爆雷が2つも!もう間違いない。
俺は艦これからは離れられない運命なんだよ!!」
「うう、まだ頭がくらくらする……」
「大丈夫かクマ三日月ちゃん!ごめんクマ、奴が復活してしまったクマ……」
「ええ、お手洗いまで聞こえてました。球磨さんのせいじゃないです、
どうせ私はこんな運命なんですよ。ハハ……」
「よおぉし!ホロ爆雷とたまたま持ってた音探を積み込んで
再び1-5にSYU・TSU・JI・Nじゃあ!!待ってろ明石に潜水艦!」
「これに毎日耐えてる三日月ちゃんの精神力は大したものクマ。
気持ち悪けど喋らない分、まだ潜水深海棲艦ペットにしたほうがましクマ」
「なれるものなら深海棲艦になりたいですよ。合法的にアレを殺せますから」
「できる範囲で一緒に少しずつ頑張っていこうクマ……」
「球磨さん……ありがとう……」
「またまたレベルアップだ!おおし!!」
*いきなりフラグシップ化とかそりゃないよ…