「いやあああ!!返して!私の赤ちゃんを、返してえええ!!」
「黙れ!死んだのはあんたの雑な作戦が原因だろうが!
なにより赤城様を気色悪い呼び方するな!」
「ようやく2-5ボスまでたどり着いたんだ!確かにその時点で赤城は大破だったさ!
でも、1戦くらいは持ちこたえられると思うだろう!?
しかし、彼女は敵戦艦の直撃を受け、涙とともに、母なる海へと帰っていったんだ……」
「それをいわゆる慢心というんですよ。あんたは先人達の経験から
何も学ばなかったようですね」
「もういい、今日から俺は鬼になる!赤城を失ったことで
我が艦隊に正規空母はいなくなった。だが、まだまだ可能性を秘めた軽空母達がいる!
駆逐艦育成は一旦お休みだ。彼女らにあの猛攻は耐えられん。2月の2-5攻略は諦める。
しかぁし!!3月こそは軽空母、重巡を高レベルに育て上げ、
ある程度育っている戦艦日向を組み込み、あの怪物共を叩きのめす!
今日はなんの日?……殺戮の日じゃあ!!」
「うるさいですねぇ!タイトル通り赤城様の告別式を
しめやかに執り行なおうという気にはならないんですか!?」
「君に俺の気持ちがわかってたまるか!誰にもこの怒りは止められない!
復讐の邪魔もさせはしない……
じゃまする ヤツは ころす! この テイトクさまが まるやきに してくれるわ!
がががーっ!」
「ごく一部にしか伝わらないローカルネタねじ込んだら受けるとでも思ってるんですか?
その4で学習したこと思い出してくださいよ!」
「そういうわけで当分は地道な艦隊育成に入ることにする。
すまないが、しばらく君にも構ってやれそうにない」
「いらんわ、気色悪い!あんた一人で所要時間80:00の遠征に行けばいいのに!
いいからさっさと喪服に着替えて赤城様を弔ってください!
それすらできないなら本気で人間として軽蔑します!!」
「うっ、わかったよ……ちょっと給湯室で着替えるから待っててね」
「急いで下さいよ!」
………
「お待たせ。ああ、ベルトがきつくなってて苦しいよ~」
「座ってプリングルス食べながらゲームばかりしてるからですよ、このデブ!」
「そんな直球の毒吐くことないじゃないか……
さぁ、彼女のために用意した遺影にお焼香をあげようじゃないか」
「言われなくてもそうします。……赤城様。
愚かな上官の無謀な命令で命を落とされた赤城様。
貴方の雄々しい戦いぶりは決して忘れません。どうぞ、迷うことなく
彼岸の地へ旅立たれますよう、お祈り致します」
「赤城君、ごめんよ……一度まぐれでゲージを削れたから、
今度もうまくいきそうな気がして、誘惑に勝てずつい進撃ボタンを押してしまった。
許してくれ、同じ過ちはもうしないよ。君との出会い、過ごした時間は決して忘れない。
安らかに眠ってくれ」
チーン
「ああ……俺はこれからどうすればいいんだ。さっきはああ言ったが、
彼女がいなくなって心にぽっかり穴が開いたようだ。初めての正規空母だったんだ。
確かどっかのクリア報酬だったと思う。バレンタインにはチョコだってくれた。
“お返しなんていりません”とまで言ってくれる慎みのある大和撫子だった。
ゲームの中だけど」
「……初志貫徹するしかないでしょう。しっかり反省して、3月は明石のことも忘れて、
みっちりレベリングに力を入れて、2-5攻略に全力を上げてください。
ちなみにその言葉を真に受ける輩は一生モテないので覚えておいてください」
「うっ、わ、わかってるとも。よし、とりあえず今育成中の第一艦隊を
再確認しようじゃないか。旗艦は改にしたい飲んだくれ空母隼鷹Lv23、
2番目に飛鷹改Lv45、3番高雄改Lv26。今日やっと改にできた。
4番愛宕改Lv49、全員このくらいのレベルに達したら2-5攻略も見えてくるだろう。
5番伊58。決戦の際はここに戦艦日向Lv36を入れるつもりだ。最後に青葉改Lv36。
正直彼女はメンバーに入れるかどうか再検討してるところだ」
「なぜですか?」
「どういうわけか俺の青葉は命中率が異様に低いんだ。
Wikiでの評判も悪くないのに、いざ実戦に出るとmiss連発。
夜戦に入ると、ようやくまともにとどめを刺せるって感じでさ」
「はぁ、そうなんですか。で、愛宕さんだけやたらLvが高いのはどうしてです?」
「彼女とは古い付き合いだ。俺がまだ艦これを始めて間もないころ、
偶然出会った重巡洋艦。いやぁ、こんなに強い艦に出会えるなんて
俺はラッキーだなぁって当時感激したものだ」
「で、本心は?」
「ワーオ!パツキンのボインボインじゃん!マジ感激で一軍確定……ああっつ!!
何やってるんだ三日月君!“絶対人に向けないでください”って
線香バーナーの箱に書いてあるだろう!」
「やかましいわ!人の告別式でもボケやめられない人非人など、
テッドファイヤーで遺伝子の欠片まで焼き尽くしてくれるがががっ!!」
「君だってローカルネタに乗っかってるじゃないか!」
「うるさい!始めたのはあんただし、あとがきで注釈入れれば問題ない!」
「そんな無茶な……とにかく、真面目に艦隊運用の話に戻るから
バーナーしまってくれよ」
「はぁ、はぁ……赤城様、申し訳ありません。
貴方の葬儀でこんなバカをやらかしてしまい、本当に申し訳ありません……」
「とにかく俺は、このパーティ+日向-伊58をLV50以上にして
赤城君の弔い合戦を行うつもりだ。こればっかりは冗談抜きだ。
俺は3月に奴らと決着をつける!」
「ようやくまともな口を利きましたね……そうです、そもそも提督が原因なんですが、
赤城様の敵討ちはしていただかないと困ります!」
「そういうわけだ。このちっとも場面が変わらない
窮屈なSSを読んでくださっている諸君に断っておきたい!
しばらくこのSSはお休みになる可能性が高い!なんせレベリングくらいしか
やることがないからな!次に会うのは2-5のボスゲージを完全に粉砕し、
赤城君と共に成し得るはずだった宿願を達成したときだ!
その時こそ、共に凱歌を高らかに歌おうではないか!ハッハハハハ!!」
「ニコニコなら“やりたくねえ”“うぜえ”といった字幕が流れてるんでしょうね。
とにかく、みなさんしばらくのお別れです。
明石でもドロップすれば話は別ですが、まぁないでしょう。それではさよなら~」
「しまったあ!!」
「なんなんですか、せっかくきれいに締めたと思ったのに!」
「烈風があぁ!!赤城に積んでいたSホロ烈風も共に消えてしまったあああ!
ちくしょう……ちくしょおおお!!」
「えー、というわけで、みなさんも慢心には気をつけましょうね。今度こそさよなら!」
*えー、申し訳ありませんでした……
彼らが“ががが!”だの“テッドファイヤー”だの言ってたのは、
SFCソフト「メタルマックス2」に登場する、テッド・ブロイラーという
中ボスが元ネタです。一応ラスボスではないのですが、私が知る限り、
RPGの中ボスとしては史上最強の存在です。