尸魂界。
瀞霊廷にある六番隊隊舎に四人の死神がいた。
六番隊隊長、朽木白哉。
六番隊副隊長、阿散井恋次。
十三番隊副隊長、朽木ルキア。
死神代行、黒崎一護。
ユーハバッハ率いる「
多くの被害を出しながらも尸魂界は復興を果たしていた。
かく言う一護も、死神代行を続けながら大学に通っている。目指すのはーー医師。
現在は家族から離れ一人で暮らしている。そんな中でも尸魂界からの救援要請(主に空座町の担当死神である車谷善之助から)には応えている。
この日はルキアからの救援要請を受け、尸魂界での虚を討伐。その報告を行っていた。
「つーか、アレ本当に俺必要だったのか⁇ どー考えてもルキアだけで対処出来ただろ」
「う、煩い‼︎ 私だって見誤る事もある…」
「いや、もう副隊長なんだから、そーいうのはマズいだろ…」
「まぁイイじゃねーか。一護もいいストレス発散になっただろ」
「いや、虚退治ってそーいうんじゃ…」
「ともかく」
一護たち三人の言葉を遮り、白哉が口を開く。一瞬、視線を机の上にある一枚の紙に落とし、すぐに三人を見る。
「懸案の虚が討伐されたのであれば、何の問題も無い」
「イイのかよ、それで…」
「問題無い」
呆れる一護の言葉に、白哉は小さく頷いた。
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白哉への報告を終えた三人は、瀞霊廷に寄り道ーーする事無く穿界門にいた。
「テメェ、ちったぁ寄り道してもいいだろーが」
「そうだぞ、一護」
「悪い、大学の単位がちょっとヤベーんだ。最近、イモ山さんからの呼び出しが多くてな…」
「イモ山…⁇ あぁ、車谷殿の事か。まぁ、臨時の担当だ。近い内に新しい担当死神が来るはずだから、それまでの辛抱だ」
「ま、いざとなりゃ浦原さんや石田、茶渡に井上もいるからな。何とかなるだろ」
「アイツらだって、予定あんだろ…。ま、何とかするさ」
一護はルキア、恋次と別れ扉が開いた穿界門へと飛び込んで行った。
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扉が閉まり、薄暗くなった断界を一護は走り始める。
死神代行として、初めて断界に来た時は戸惑ったが、既に慣れたものだ。
拘突がいない断界を進んでいると、一護の目に変わった光景が映る。
一護が進む道の先に白装束の男が立っていた。体つきはやや貧弱、顔はフードで隠れてよく見えず、口元しか見えない。
その手には八角形の銅鏡がある。訝しげに見る一護を見て、口元に笑みを浮かべて白装束の男が口を開いた。
「…死神代行黒崎一護ですね」
「…お前、何モンだ⁇」
「私はしがない道士です。今回、貴方にお願いしたい事がありまして…」
物腰柔らかい言葉に、一護は目を細める。
目の前の男から、霊圧は全く感じない。そんな奴が断界に入り込んでいる時点で怪しさ満点だ。
「悪いが、この後の予定が詰まってんだ。他当たってくれ」
「そうおっしゃると思ったのでーー」
男はそう言って銅鏡を一護に向け。
「無理にでも来ていただきます」
拳で銅鏡の鏡を割った。
(何だ…鏡を割って何がしてぇんだ?)
何かを呼び出すのか、それとも既に何かが起きているのか。
嫌な予感を感じながら、斬月に手をかけると割れた鏡から強烈な光が溢れた。
「なっ…何だ…⁈」
「では、吉報を待っていますよ」
「まっ、待て‼︎」
眩しすぎる光の中、男の背中に手を伸ばしながら一護は光に飲み込まれた。
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瀞霊廷内・技術開発局
「断界内の黒崎さんの霊圧が消えました‼︎」
「穿界門を抜けたんじゃないのか⁇」
「断界の途中です」
「おヤ、面白い事になっているじゃないカ」
技術開発局の面々が一斉に振り向く。そこには面倒くさそうな表情で立つ十二番隊副隊長、阿近と玩具を見つけた子供のように目を輝かせる十二番隊隊長、涅マユリが立っていた。