本編更新の前に、先にこちらの小話を上げておきます。
つまらぬ内容かと思いますが、楽しんでいただければ幸いかと。
この話は、海動一夏がISを動かし、【世界で二番目にISを動かした男】と世界に報道された時の、とある少年少女の、ちょっとした小話である。
とある少年の話
『繰り返しお伝えします。本日14時、世界で二番目にISを動かした男性が発見されました。名前は…』
実家の定食屋にあるテレビから流れるニュースの内容に、店の中は静まり返っていた。
名物の業火野菜炒めを作っていた爺ちゃんも、店に来てる常連のおっちゃん達も
そして…俺と、手を止めていた俺を殴ろうとしていた妹も。
全員が、テレビに釘付けになっていた。
「お、お兄...」
「あぁ...」
後ろに居た妹...蘭が声を震わせて俺を呼ぶ。
曖昧な返事しか返せていないが、それは蘭も同じだ。
「あれ...一夏さん......だよね?」
「...あぁ」
テレビに映る、世界で二番目にISを動かした男...ソイツの顔を見ながら、蘭が呟く。
それに、短く...ハッキリと返事をする。
随分と外見が変わっているが...コイツは、俺が。
俺たちが知っている男...織斑一夏だ。
確証なんてものはあってないようなものだ。
コイツは一夏だ、間違いない。
俺の中の何かが、そう告げていた。
暫くして、後ろから小さく嗚咽が聞こえた。
振り返ると、蘭が店の中にも関わらず泣いている。
「っ...一、夏さん......い、生きてたんだ...」
「あぁ...あのバカ...生きてやがった...」
蘭の言葉に返事を返しながら、頬に暖かいものが流れるのを感じた。
だが、俺はコレを止めない。
これは...喜びの涙だからだ。
悲しみの涙は、3年前...一夏が居なくなった時に流しきった。
この涙は、アイツが生きていたと知った喜びで流しているものだ。
(バカ野郎...やっと帰ってきやがって...)
アイツの事だ、あの時と変わらない笑顔で此所にまた来るだろう。
その時は、思いきりぶん殴って、そして言ってやる。
「おかえり」って。
俺は、涙を流しながらそう誓った。
とある少女の話
「え...?」
訓練の後、食堂で夕食を取っていた私は、テレビに目が釘付けになっていた。
周りの人が何か言っているけど...それも耳に入ってこない。
持っていたお箸が床に落ちたけど...それすら気にかける暇が無かった。
テレビから流れるニュースは、世界で2番目にISを動かした男が見つかったって話。
でも...私は、そんな内容よりも、その男の名前に集中していた。
「い、ちか...?」
一夏...テレビのニュースキャスターは、ハッキリとそう言っていた。
他人の空似かもしれない。名前が一緒かもしれない。期待をするな。
心の何処かで、もう一人の私がそう言っていた。
でも...画面に映し出された男の顔を見て、私は目を見開いた。
逆立った髪に鋭い目つき。
何処かの軍服を着た、私と同じくらいの男が映っている。
それを見て...電流が走る感覚を覚えた。
見た目は違うけど...コイツは、私が知っている
私が好きな...織斑一夏なんだ。
そう確信した瞬間、涙が溢れた。
「いち、か...生きてたんだ...」
止めどなく溢れる涙を抑える事無く、小さく呟く。
一夏がいなくなった3年前のあの日...その時から、私の時間は止まっていた。
弾や蘭が懸命に励ましてくれていたけど、それすら聞こえず...あの時の私は、死んでいたようなものだった。
それは、中国に帰ってきてからの今までも変わらなかった。
ただ、機械のように訓練を行う毎日。
何時からか、みんなが私を避けるようになっていた。
だからだろう。
近くに居た人達が、私を見てビックリしている。
でも、関係ない。
あの時から止まっていた時間は動き出した。
だったら、止まっている暇はない。
一夏はきっと...いや、絶対にIS学園に行くに決まっている。
だから...今よりも頑張らなきゃいけない。
代表候補生になって、IS学園に行く為に。
(バカ一夏...今度会ったら、思いっきりビンタしてやるんだから!)
一夏が帰ってきたとき、最初に「おかえり」って言うのは私なんだ。
そう思いながら、私は胸の前で拳を強く握った。
ごh...あとがきですよ!
以前、とある作品のキャラクターをぶっ込みたいと考えていると書きましたが...決めました。
カイザー繋がりという事で、彼、コウタ・アズマとコンパチブルカイザーを無理矢理ねじ込みます