Aパート後より制作を行っていたのですが、色々と推敲を重ねていた結果此所まで時間が掛かりました。
...が、時間をかけといてこのクオリティ
自分の文才や頭の弱さを痛感する今日でございます。
「話だぁ?」
「えぇ。大胆にもこの学園に啖呵を切った貴方に興味を持っちゃった」
訝しげに女を見ると、そいつは扇子で口元を隠したままクスクスと笑う。
「調べさせて貰ったところ、貴方はISを殆ど触った事が無い…なのに、どうしてあんな啖呵を切ったのかしら?」
そう言いながらほくそ笑む女の顔を見ながら、俺は小さく舌打ちをした。
(気にいらねぇ面だな…)
どこか、人を小馬鹿にするような、上から見ているような眼にイラついていると、女は扇子を閉じて改めて俺を見てくる。
「兵器を玩具かなにかと勘違いしている奴らが気に食わなかった…そんだけだよ」
「一週間後…クラス代表を賭けた試合があるらしいわね。貴方が考えてる程、代表候補生は甘くないわよ?」
手短に話して部屋に戻ろうと踵を返すと、女が背中に声をかけてくる。
代表候補生が甘くねぇだ?
んな事解ってる…だがな
「殺すか殺されるかの世界で生きた事のねぇ奴に、死神が負ける訳ねぇだろうが」
口元を歪め獰猛な笑みを返してそう言うと、俺は女の振り向く事無く部屋へと帰って行った。
「…ふぅ、思った以上の子だったわね」
彼…海動一夏が去った後、私、更識楯無は小さく息を吐いた。
妹の友人である布仏本音から、彼のことは聞かされていたけど、まさか此所までの気配を放つとは予想外だ。
男の子が言う事だから、と高をくくっていたが、蓋を開けてみればどういう事だ。
彼は普通の人とはまるで違う。
立ち居振る舞いや、彼から滲み出る雰囲気
それは、血腥い現場を知らなければ放てないもののそれだった。
私設兵団WSO…中でも、死神と恐れられる部隊に居るという情報は伊達じゃない、という事だろう。
そして…
(彼はきっと、知っているわね…)
携帯端末を取り出し、私は先日送られてきた任務の内容を再び開く。
其処に記されていた内容は…海動一夏と通称『髑髏の魔神』と呼ばれる機体の調査、及び危険度の確認だった。
「ふぅ…漸く着いたぜ」
あの女と別れてから部屋に着いた俺は、着ていた制服を着崩してベッドに倒れ込んだ。
今日は朝から面倒事のオンパレードだったからな…ダラけるのくらいは大目に見てくれると有り難い。
『海動、どうするつもりだ?』
「何がだよ?」
ダラけていると、朝から黙りっぱなしだった真上が声をかけてきたので、状態を起こして返答する。
幸いにもこの部屋は防音性が良いため、こうして話しても声が周りに漏れる事は無い。
仮に聞かれでもすれば、俺は明日から一人で会話するイタい奴のレッテルが貼られる事だろう。
『一週間後の模擬戦についてだ。相手の情報を調べなくていいのか?』
「オルコットとか言う奴の機体についてか?それなら…」
真上の言葉を聞きながらポケットから携帯端末を取り出すと、俺はあるディスプレイを表示する。
『ほぅ…』
「イギリスが作った第3世代機、ブルー・ティアーズ…1対多に優れた遠距離タイプ。中でも特徴なのは、機体の由来にもなった遠隔操作ユニット…簡単に言えばビット兵器だろ」
表示された画面に映し出されたのは、あのドリルが扱う機体についてのデータとスペック。
実はあの後、姉貴に呼び出される前に学校のデータベースにアクセスして閲覧可能なデータを拝借していたんだよな。
勿論、ハッキングとかはしておらず、山田先生にもデータの閲覧許可を取ったから罰せられる恐れはゼロだ。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず…相手と戦うにあたって常識だろ?」
『あぁ、間違いないが…遠距離戦主体ならば、海動には分が悪いのではないか?』
真上の言葉に俺は小さく頷いて返答する。
俺の戦闘スタイルは兄貴譲りの格闘戦が主だ。
相性で言えば、俺ではアイツの相手は難しいだろう。
「あぁ、だけどよ…お前、俺たちが負けるとでも思うのか?」
『…いや』
俺の言葉に真上は小さく笑う。
そう…確かに、俺とアイツは相性が悪い
だが…真上とアイツなら?
「教えてやろうぜ…アイツらが、誰に喧嘩を売ったのかをよ」
そういって、俺はニヤリ、と口角を歪めた。