インフィニット・ストラトスSKL   作:ジャッキー007

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ども、作者のジャッキーです。
プロローグは4で終わりですが、長くなりそうなのでABパートの2話構成でお送りします。


プロローグ4 Aパート

「なんなんだ、兄貴の奴...急に話があるって...」

グレンファルコン隊の皆に飯を出し終わった頃、俺は兄貴から通信を受けた。

内容は「話がある」...たったそれだけで通信は切られ、代わりに兄貴が居る場所の地図が送信されてきた。

その地図に従ってスカーフェイスの中を歩いてはいるんだが...。

「此所って...」

俺は、廊下を見回しながら昔...兄貴についてきた頃の事を思い出した。

 

 

『兄貴』

『勝手に呼んでんじゃねぇ、殺されてぇのか?』

あの頃は俺が勝手について来て、まだ皆に...勿論兄貴にも認められていない頃だったから、そう呼んだだけで兄貴は不愉快そうに殺気を飛ばしてきた。

そして...保護してもらう以上タダじゃないから働いてもらう、と艦内を案内されている時だった。

『っ...なぁ、この廊下の先って何があるんだ?』

その当時...生活するのに必要な区画の案内をされている俺は、なんとなく兄貴に聞いていた。

興味本位だったのを覚えている。

『テメェには関係ねぇ。余計な事聞いてんじゃねぇよ』

たった一言。俺の質問は兄貴に一蹴され、スカーレット姐さんに聞けば

『貴様が知る必要はない。命が惜しくない訳ではないだろう?』

と言う脅しという名の拒絶が返ってきた。

それから数ヶ月経ち、此所の皆に認められてなお...俺は今日まで此処に足を踏み入れる事も、此所の事に触れる事も禁止されていた。

というより、触れようとすれば問答無用で兄貴と姐さんと2対1の模擬戦が待っていた。

そこまでして俺に触れる事を禁止していた区画...其処を、俺は歩いていた。

 

 

「ここか...」

地図の案内に従って歩いた先に待っていたもの...それは、重厚な鉄の扉だった。

それも、ただの鉄の扉じゃない。見た目からも、その先にあるものが重要で...それでいて、中のものを外に出さないようにと作られた檻のようだった。

こんな場所に...兄貴が居るのか?

そんな事を考えていた時、目の前の扉が急に音を立ててスライドし開いていく。

完全に開いた扉の先は光がなく、一面暗闇が広がっていた。

息を呑み、俺は一歩部屋の中に足を踏み入れた。

「ッ!」

その瞬間、眩い光が暗闇に慣れようとしていた目を刺激した。

咄嗟に腰に帯刀していたナイフを抜き逆手に構え、周囲の状況を確認する。

人の気配はチラホラとあるが...敵意はない。

だが...

「...なんだよ、これ......」

俺は、光に慣れた目が捉えたソレにさっきまでの集中を切られてしまった。

 

 

ソレは、一言で言えば巨人だった。

と言っても其処までデカくはない。せいぜい3~4mくらいだ。

目の前に悠然と立つソイツは、漆黒の鋼を身に纏い

悪魔の顔をイメージする紅の胸飾が全身の黒を際立たせている。

金色に輝く二本の角を持つ頭部...特に、頭頂部の形なんかは、中央の髑髏の意匠も併せて王冠の用に見えた。

俺の目の前に立つ鋼鉄の巨人...その姿は、王と呼ぶには存在感が強すぎる。

「皇帝......」

無意識に小さく呟いた言葉、それが目の前の巨人には一番相応しかった。

 

「ほぅ、見ただけでソイツの名前を言い当てるか」

「スカーレット姐さん、それに兄貴も...」

横からかけられた声に左を向くと、其処には俺を此処に呼んだ張本人である兄貴...海動剣と、スカーレット・ヒビキの姐さんが居た。

「俺はついでかよ。まぁ良い...一夏、お前を呼んだのはコイツを見せる為だ」

何処かふてくされるように言いながら、兄貴は俺の前に立つ鋼鉄の巨人を顎でしゃくった。

「カイザー...それが、コイツの名前だ」

「カイザー...」

兄貴の言葉を聞きながら、改めて俺は巨人の...カイザーの名前を呟く。

『KAISER』...ドイツ語で『皇帝』を意味する言葉。

成る程、俺がアイツを見て感じた事は概ね合っていた、という事か。

俺は、改めてカイザーを見た。

その雄々しく佇む姿は、皇帝の名を持つに相応しい姿だろう。

そして...初めてその姿を見るにも関わらず。

俺には、コイツを扱えるという漠然とした自信があった。

「...一夏」

カイザーを見ていた俺に、スカーレット姐さんが声をかけてきた。

姐さんを見ると、姐さんだけじゃない。

兄貴も、俺を見て笑っていた。

まるで、何か確信をしたかのように。

そして...。

「カイザーに触ってみろ」

俺に、そう言ってきた。

 

 

 

 

 

カイザーに触ってみろ...その言葉に従い、俺はカイザーの足下まで近寄った。

姐さんの言葉の意図は掴めない...だが、促されるままに俺は右手でカイザーに触れた。

ヒンヤリとした鉄の冷たさに、俺は目を閉じた。

そして...

 

...ドクンッ...

 

「!」

 

微かに感じた脈動に、俺は思わず我に返って目を見開いた。

さっきまで触れていたカイザーが、目の前にない。

それどころか、目の前に広がる風景がまるで違っていた。

辺り一面白が延々と続く空間...俺は其処に立っていた。

「何が...起きてやがる...」

目の前の状況に、俺は混乱していた。

兄貴や姐さん...皆はいったい何処に行ったと言うんだ...?

「んっ...」

不意に聞こえた声に、俺は後ろに振り返る。

其処に居たのは、一人の男だった。

無造作にセットされた肩まで伸びた髪でよく見えないが、微かに覗く瞳は鷹のように鋭い。

グレーのコートを羽織っているソイツは、俺を一瞥するとゆっくり立ち上がり、俺の方へ歩いてきた。

「「......」」

互いに何も言わずに互いを見る。

「...成る程」

俺を見ていたソイツは、何かを理解したように小さく頷いた。

「オイ、何勝手に解ったように頷いてやがる」

「いや、俺が目覚めた(・・・・・・)という事は、時が来たという事だろう」

男の言っている事は全く訳が分からない。

目覚めた?時が来た?何を言ってやがんだ。

「兎に角、お前とはこれから長い付き合いになるだろう。そして...コイツともな」

そう言うと、男は俺から視線をそらして上を見上げた。

それに釣られて上を見上げ...俺は呆気にとられた。

「な......」

今まで辺りには俺と前に立つ男しか居なかった場所に、黒く巨大な影が浮かんでいた。

その影には見覚えがある...いや、更に言えば先ほどまでソイツに触っていたから解る。

「カイザー...そうか、それがお前の名か」

男がカイザーの名前を呼んだ事に、俺は男を見た。

なんでカイザーの名前をコイツが...

「お前、いったい...「真上遼...それが、俺の名だ」」

俺の質問を遮るように、男...真上は俺を見た。

 

 

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