インフィニット・ストラトスSKL   作:ジャッキー007

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最初に自分で言っておきます。



なんという駄文orz


プロローグ4 Bパート

「海動」

「なんだよ」

カイザーに触れる一夏を見ながら、スカーレットが声をかけてきた。

視線だけを移動させると、スカーレットは訝しむ様子で一夏を見ている。

「一夏のヤツ…何時までカイザーに触っているつもりだ?」

その言葉を聞いて、俺は改めて一夏を見た。

あれから3分…一夏は、カイザーに触ったまま微動だにしていない。

その異常性に気づいたのか、周りの奴らも不安そうに一夏を見つめていた。

ったく…仕方ねぇ。

俺は、一夏の下へ歩いていき、カイザーから手を離そうとして……手を止めた。

「…オイ」

俺の言葉を聞いて、一夏はゆっくりとカイザーから手を離して此方を振り向いた。

「テメェ…誰だ?」

 

 

 

時を遡れば数分前…目覚めたばかりの()は、宿主とも呼べる少年…織斑一夏と向かい合っていた。

「真上…お前はいったい」

「ふむ…」

織斑一夏…いや、今は海動一夏と名乗っている少年の質問に、俺は腕を組む。

自分の事を語るにしても、荒唐無稽な話だし…なによりコイツだけが理解しても周りに受け入れられなければ俺が俺として生きる事は叶わない。

そんな時だった。

背後から誰かが歩み寄る気配を感じ、俺は小さく笑みを浮かべた。

「海動一夏」

「な、なんだよ」

たった今思いついた…この少年と周り、その全てに俺を知ってもらう方法を実行するために。

「少しの間、身体を借りるぞ」

俺は…海動一夏の主導権を一時的に奪い取った。

 

 

目を開けた先に見えたのは、黒鋼の躯体。

俺があの場所で出会った彼…カイザーだという事を理解するのに時間はかからなかった。

そして…それと同時に襲いかかってくる記憶の津波。

今居る場所や出会った人々…海動一夏が今日まで見てきた記憶が頭の中に流れ込んでくる。

いや…頭の中、というのは語弊だろう。

正確に言うとすれば…魂に刻み込まれていく、と言うべきか。

この身体は海動一夏の身体であり、俺はその身体に宿る寄生虫のような存在だ。

故に、この表現が正しいと言えるだろう。

「…オイ」

不意に、後ろから声が聞こえた。

振り返った先に居たのは、一人の男。

纏っている服に差異はあれど、この身体が纏っている服と変わらない。

俺を突き刺すように睨みつけるその瞳は、飢えた獣のそれに似ている。

先ほど刻み込まれた記憶を掘り返して、該当する人物は一人だけ。

成る程…この男が海動剣か。

「テメェ…誰だ?」

彼のその言葉を聞いて、俺は目を見開いた。

彼らから見て、俺の姿は海動一夏にしか見えない。

だが、この男は()という存在に気づいた。

面白い男だ…。

「俺は…真上」

そして俺は…辺りに居る人達を見回した後

「真上遼だ」

彼らに聞こえるように、名を名乗った。

 

 

彼らに全てを話した後…格納庫の中には居心地の悪い静けさが漂っている。

「…真上、と言ったな」

全員が黙っている中、スカーレット大尉が口を開いた。

「貴様の話だが、ハッキリ言うと信じ難い。いや、信じられる内容ではない」

彼女の言葉を聞いて、俺は嘆息した。

まあ、無理もないだろう。

神と名乗る少女によって海動一夏の中に宿った元殺し屋など、誰も信じる話では無い。

だが

「よって…貴様には、我々グレンファルコン隊と模擬戦を行ってもらう」

唐突に、彼女は俺を見てそう言ってきた。

「信じられる話じゃないのではなかったのか?」

「あぁ、安易に信じていい話ではないだろう。だが、貴様は先ほどの話に虚言を交えたか?」

まさか。彼女の言葉に首を振って答える。

「ならば、貴様の言葉が正しいという事を行動で示せ。此処に居る全員を貴様が認めさせろ」

 

 

 

 

 

スカーレット大尉の言葉によって、俺たちは現在艦内にある訓練室へ来ていた。

辺りを見回せば、彼女の言っていたグレンファルコン隊の隊員達が俺へ怪しむような視線を投げ掛けている。

(…大方の流れは予想していたが、これからどうなる事やら…)

そう考えながら、俺は腰に装着したホルスターに触れる。

指先に伝わる鉄の感触は、生前俺が愛用していたものと同じM9のグリップ。

模擬戦と言うことで銃弾はペイント弾を使用するが、コレに触れると、戦場を駆けていたのがつい昨日のように思えてくる。

「用意は出来たか。これからグレンファルコン隊と真上遼の模擬戦を行う。ルールは二つ。此方が戦闘不可能と認めた場合、即刻に戦闘を中断する事。そして、各自使用する武器は模擬戦専用のものを使う事」

訓練室に設置されたスピーカーから、モニター室に居るスカーレット大尉の声が聞こえる。

それと同時に、隊員達の気が引き締められ、意識が昂っていくのを感じた。

「…」

俺は、腰のホルスターに収めたM9二丁を抜き、安全装置を解除する。

既に薬室に銃弾は込められており、後は狙いを定めて引き金を引くのみ。

「……」

息が苦しくなる錯覚を覚えると同時に、室内の緊迫感が一層強くなっていく。

チラ、と辺りを見回せば、隊員達は全員各々武器を構え、開始の合図を待っていた。

一分、一秒がとても長く感じる。

「それでは、始め!」

そして、その合図と同時に俺は目の前に居た隊員の懐へ飛び込んだ。

 

「っ!」

俺の動作に気づいた隊員が握っていたナイフを振り上げ迎撃しようと試みる。

だが…遅い。

俺は彼の動きを制限するに密着するように左肩を押当てると同時に、右手のM9の銃口を胸元に押しつけ…両手の引き金を引いた。

響いた銃声と飛び散ったペイント剤は二つ。

一つは目の前に立つ男…もう一つは、その向かいに立っていた男。

それを切っ掛けに、隊員達は雪崩のように押し寄せてきた。

ナイフを、警棒を、模造刀を、銃を構え、(おれ)を倒す為の行動に移っていく。

しかし、その隙さえあれば十分だった。

最小限の動きで攻撃を捌きながら次々と狙いを定め、休み無しに引き金を引き続ける。

その度に眉間や胸に紅の花を咲かせていく隊員達。

気づけば、開始してわずか4分で20人全員が戦闘不能になっていた。

 

 

 

「…何だ、あの動きは」

俺たちは、訓練室の近くにあるモニター室で模擬戦の様子を見ていた。

モニターを見ながら呟いたのは、スカーレット。

俺も、その言葉に同意だった。

俺たちは今まで一夏を鍛えてきたし、銃の扱いも教えていた。

だが…今まであんな動き方を教えた事は一度もない。

最小限の動きで相手の動きを捌き、制限するだけではなく…的確に一発で相手を仕留める。

そんな動き…それこそ、長年の訓練や研鑽でしか至れない境地の動き

それを、モニターに映る一夏…いや、真上の奴は行っていた。

「…」

その映像を無言で見ている一人の男。

WSO参謀の荒神谷…コイツもまた、若い頃は各地で傭兵をしていた猛者の一人だ。

荒神谷は、ジッとモニターを睨んだまま、硬く引き締めていた口を開いた。

「……君たちは、『二丁拳銃(トゥーハンド)』と呼ばれた男を知っているか?」

俺とスカーレットは、言葉の意味を掴めないまま首を横に振る。

「20年前、傭兵達の中で噂されていた男だ。二丁のM9を手に、たった一人で一師団を壊滅に追いやった殺し屋…二丁拳銃」

「…参謀は、その男の事を知っているのですか?」

言葉を聞いていたスカーレットの質問に、荒神谷は首肯で答える。

「私も嘗て、あの男を見た事がある…海動一夏のあの動き、あれはあの男そのものだ」

その言葉を聞いた俺たちは、改めてモニターを見る。

其処に映ったのは、ペイント弾で顔や胸が汚れた隊員達と、跳ね返った塗料で顔を濡らした真上の姿。

「時に、君は海動一夏をカイザーに触れさせたそうだな?」

さっきまでモニターを見ていた荒神谷は、俺を見て聞いてきた。

「あぁ」

「何故か…教えてくれるかね?」

そう言われて、俺は頭を掻いて面倒そうに溜め息を吐いた。

「理由なんざねぇよ。ただ、一夏ならカイザーを完全に扱いきれると思っただけだ」

俺の言葉を聞いて、荒神谷は腕を組んで再びモニターを睨んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫での邂逅…そして、グレンファルコン隊との模擬戦から数時間後、俺…海動一夏は自室で数日間の待機命令が下されていた。

その間、改めて俺は真上の話を聞き…少しずつだが、奴を認めていた。

こうしている間も、俺たちは気が気じゃない。

上の方々がどんな判断をするのか…それが気になっていた。

運が良ければ船を降ろされるだけでなんとかなるだろうが…下手したら実験材料として解剖とか

『海動、不安になるのも解るが…そう考えてばかりだと気が滅入るぞ』

「元はと言えば、お前が原因だろうがよ」

頭の中に響く真上の声に、不機嫌そうに返事を返す。

「第一、なんでこうなるんだよ…」

『恨み言なら、全ての元凶はあの神ではないか?』

頭を抱えながら呟いた言葉に返ってきた真上の返事に、俺は大きく溜め息を吐いた。

そんなやり取りが数時間続いた頃、突然部屋の扉が開いた。

「よぉ、一夏。生きてるか?」

「兄貴…」

入ってきて早々、質の悪い冗談を言ってきたのは兄貴だった。

そして...

「荒神谷のオッサンが呼んでるぜ、ついて来いよ」

続けざまに兄貴が発した言葉は、今の俺にとって死刑宣告に近かった。

 

 

「海動一夏、入ります」

艦長室の前に立ち、俺は数回深呼吸を繰り返した後、俺は室内に入っていった。

中で待っていたのは、荒神谷参謀だけじゃなかった。

其処に居たのはスカーレット姐さんと参謀副官の唐古さんの二人。

それに兄貴を居れて4人…全員が俺を見ていた。

突き刺さるような8つの視線に、俺は思わず身を強ばらせる。

参謀は、他の3人に目配せをした後、改めて俺を見る。

その間の沈黙がとても辛く、俺は終わりを覚悟した。

俺は、固唾をのんで参謀の次の言葉を待つ。

そして…

「海動一夏、ならびに真上遼。両名を特務中尉…そして、カイザーの正規パイロットとして任命する」

参謀の口から発せられた言葉は、俺が予想していた言葉の遥か斜め上をいっていた。

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