インフィニット・ストラトスSKL   作:ジャッキー007

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第一話 IS学園 Aパート

快晴の空の下…俺、海動一夏はある建物の前に立っていた。

「此所がIS学園か…」

目の前にある近未来的な建物を眺めながら、俺は小さく呟く。

正直言えば、俺はこの国に帰ってくるつもりなんて最初(ハナ)からなかった。

だが…何故か俺は、再びこの地に…日本に来ている。

「なんでこうなってるんだろうな…」

『それを言うか…全ては、あの日を呪うんだな』

俺の呟きを聞いていた真上の言葉を聞いて、俺は深く溜め息を吐いた。

そう…事を遡れば「あの日」に遡る。

 

 

 

「…は?」

荒神谷参謀に呼ばれた俺に待っていた言葉…それは、俺と真上を特務中尉…そして、カイザーの正規パイロットとして任命するという斜め上ぶっ飛んだ言葉だった。

「ちょ、ちょっと待ってください!急にんな事言われても、俺は何がなんだか」

「我々で話し合った結果…そして、カイザーの意志だ。諦めろ」

漸く言葉の意味を理解した俺が慌てふためいていると、俺を見ていたスカーレット姐さんがそう言ってきた。

「つっても…参謀達は真上の事を認めるんですか?それにカイザーの意思って…」

「君が狼狽えるのも理解出来る。確かに真上遼が君の中に居る、というのは荒唐無稽な話…だが、それは我々全員が確認した事実だ」

俺の言葉を聞いていた荒神谷参謀が俺を見てゆっくりと話しかけてくる。

「それに、そんな君だからこそ…カイザーは君をパイロットとして認めたのだよ」

そう言って微かに口角を上げて笑う参謀だが、俺には全く意味が分からない。

だいたい、カイザーの意思って…それじゃまるで、カイザーに意思が…

「一夏、お前カイザーがただのロボットだと思ってねぇか?」

不意に、兄貴が小馬鹿にするように俺を見てきた。

「お前はカイザーに触った時…何も見なかったのか?」

兄貴の質問を聞いて、俺は口を噤んだ。

心当たりがあったからだ。

カイザーに触れた時に見た、あの白い空間と巨大なカイザーの影。

「…兄貴も、アレを見たのか?」

「お前の言うアレが、俺が見たのと同じならな」

俺の質問に、兄貴は口元を歪めた。

「カイザーは自分の意志を持っている。そして…アレのパイロットになった人間は皆、巨大な影を見たと言っていた」

俺たちの様子を見ていた倉古参謀副官が口を開いた。

「カイザーのパイロットには、誰もがなれる訳ではない。アレに触れ、パイロットの資格があると認められた者だけが、カイザーのパイロットになれるのだよ」

副官の言葉を聞いて、俺は大きく溜め息を吐いた。

正直、話にまったくついていけてない。

だが、コレだけは解った。

「…解りましたよ。その任命、ありがたく承ります」

今言い渡された任命は絶対という事だけはな。

 

その後、俺は兄貴にカイザーの扱い方や装備について教わった。

最初に知った事は、カイザーは全身装甲のパワードスーツ…まぁ、ISに近い存在という事だった。

選ばれた人間しかパイロットになれないパワードスーツなんて、ISと同じだ。

だが、カイザーはパイロットとして認められさえすれば誰でも扱える。

それが男だろうが、女だろうが…だ。

そして、今の状態のカイザーは武装をフルには扱えない。

使えるのが、胸飾だと思っていた二丁拳銃「ブレストリガー」

身の丈はある大剣「牙斬刀」

そして、両腕のロケットパンチ…正式な名前があるが、それは今の俺が知る必要はないらしい。

兄貴も少し前まではカイザーのパイロットだったけど、使ったのは牙斬刀とロケットパンチだけだというのに驚いたが…

「銃なんて扱いが面倒クセぇの使えるかよ」

という理由を聞いて、俺は納得した。

兄貴、銃の扱い知っててもノーコンだったし…あの性格だからな。

俺も兄貴から教わってた分、刀とかナイフの方が使いやすいし。

そういうことで、刀は俺で銃は真上、という役割分担が自然に出来ていた。

 

 

それから数ヶ月後、カイザーの扱いにも慣れ、真上との折り合いもついた俺は兄貴と姐さんの3人で買い出しに来ていた。

「…なぁ、兄貴」

「あん?」

ショッピングモールで必要なものを買いそろえている途中だった俺は、中央のイベントスペースに出来た人だかりを見ていた。

「アレって何だ?」

「どうやら、男性対象でISの起動実験を行っているらしい」

近くの係員からチラシを貰った姐さんが、俺に人だかりの原因を教えてくれた。

なんでも、ISを動かした男が居たらしく、それが原因で世界各国で起動実験が行われているんだそうだ。

「ISねぇ…」

姐さんの説明を聞いて思い出すのは、苦々しい思い出。

兄貴達に出会う前に経験してきた、周りに比較され、貶される記憶だった。

「オイ一夏、お前も触ってきたらどうだ?」

「興味ねぇよ。兄貴が触ってきたらどうなんだ?」

面白そうに笑う兄貴の言葉をバッサリ切ると、返すように兄貴を流し見る。

「その辺にしておけ、次の買い物に行くぞ」

呆れたように溜め息を吐いた姐さんを先頭に、俺たちは次の目的地へと向かって行く。

そして、俺たちが道中にある、実験会場の横を通り過ぎようとした時だった。

 

ドンッ

 

突然の衝撃に、俺は横に倒れかけた。

視線をずらせば、反対方向に歩いていく女の集団。

成る程…俺はアイツらにぶつかった訳だ。

(…って、それどころじゃねぇ!)

普段なら即座に反応出来たんだろうが…その時の俺は反応が鈍かった。

咄嗟に身体を支えようと左足に力を入れ、捕まろうと左手を伸ばして柱らしいものに捕まる。

それがいけなかった。

「!」

キィン、という金属音と一緒に、頭の中に情報が流れ込んできた。

俺は、ゆっくりと左手で掴んでいるものを見る。

 

「…マジかよ」

其処にあったのは、翠色の鎧。

世間では「ラファール・リヴァイブ」と呼ばれる、所謂ISで…。

視線を前に戻せば、ポカンと口を開けた姐さんと、必死に笑いを堪える兄貴の姿。

それから導かれるのは、最悪の答えであり……。

 

 

 

 

海動一夏、15歳。2月の事。

本ッッッ………………ッ当に不本意な事だが、ISを起動させてしまったのだった。

 

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