最近、俺を襲う化け物が増えているような気がする。ヴァーリ曰く、この町を管理する悪魔が変わったことによる弊害だろうとのことだったが、そもそもこの町を悪魔が管理していることを今初めて知った。
深夜帯、俺を襲う化け物を殺すために深夜徘徊をしていた。俺と『
気持ち悪い視線が天井から感じ、上を見る。トカゲのような姿をした化け物が俺をじぃーっと見つめていた。
「……気持ち悪い」
「見つけたんだね。じゃあ、何時ものように落としてくるよ」
白龍皇の光翼を広げ、地面を蹴る。光速に近い速度で化け物に近づくと、中にいる龍の声が一度響く。
『Divide』
力を半減させられたトカゲ型の化け物は天井にいることが出来ずに、地上に落ちる。通常時とは比べ物にもならない程隆々とした筋肉を縮め、化け物の上にまで飛躍する。
「ゆっくりと眠るといいにょ」
謎の語尾と共に放たれた拳圧により、その体には大きな穴があけられた。通常の生物であれば、これで絶命するのだが…目の前の存在は化け物。裏を知っている人には『はぐれ悪魔』と呼ばれているらしいが、共通して言えることは人間よりも生命力が高いということ。ちょっとやそっとじゃ、死なない。
ミルたんが本気で戦えば、悪魔を簡単に滅ぼすことが出来るらしい。ヴァーリがきちんと戦えば、簡単に殺すことが出来るらしい。でも、それでは俺の力の制御の練習にはならない。
「……静謐のハサンは制御が出来ないって言った。でも、制御をできるようになりたい」
だから、弱ったはぐれ悪魔で猛毒の調整をしている。何れか、普通の人とも会話できる程度の毒にしたいからね。
「……だから、実験台になって」
瀕死のトカゲ型のはぐれ悪魔にそっと触れる。もがき苦しんだかと思うと、その瞬間、命を失った。あぁ、今回もやっぱり駄目だったか。他の力は制御下に置けたのに、この力だけは制御することが出来ない。
「……ごめんね、今日も、ダメだった」
「つ、次があるよ!また、頑張ろ?」
「ふぅー、疲れましたぁ」
ミルたん…ルナさんはある程度の時間、変身状態でいると自動的に少女体型に戻る。また、疲れ切っているため一歩も歩くことが出来ないという状態に陥ってしまう。その為、帰りは俺かヴァーリがおんぶをしながら帰宅することになっている。
「……じゃ、帰ろうか」
「うん!今日は、私がルナさんを持つね‼」
「ごめんね、本当に。前までは一週間くらいは持っていたんだけどね」
元気のない笑みを浮かべるルナさん。そんなルナさんの頭をそっと撫でながらふと、思い出す。
(……そういえば、もうそろそろ年齢的には中学三年生になるんだったな)と。
中学三年生と言えば、修学旅行だったかな。
「……この機会に、どこかに出かけようかな。三人で」
「ん~、どうしたの?」
「……なんでもない」
頭の中で静かに予定を立てているうちに、家に着くのであった。