京都二日目。午前八時になるとようやくヴァーリが目覚め、半を過ぎる頃にはルナさんも目覚めた。昨日はまともに寝ていない為、きっと俺の眼の下には隈が出来ていることだろう。
「…うみゅ、おはよー。いっしぇえええ‼」
「グフッ…」
目を半分しか開けていないヴァーリが、俺の声に反応して突撃してくる。寝起きで力が弱くなっている状態でよかった。鳩尾に入ったけど気絶するほどではなかった。ただ、眠っていない体にされるのはきつい。
「いっしぇええええ、撫でて撫でて」
「……寝起きのヴァーリは普段のヴァーリと違って可愛いんだよな」
「いっしぇええええ、早く‼」
「……はいはい。わかったよ」
腰に抱き着くヴァーリをベッドまで運び、膝枕をする。なんていうか、普段のヴァーリにない可愛さがあるんだよね。…なんで、俺と一緒に居ようとしているんだろうか。ま、女の人の考えていることは理解できないっていうしな。まぁ、女の人じゃなくても考えていることなんてわからないし、興味なんてないけどさ。
――――――私達も?
「……ハサンたちは一緒だろ。考えていることはわかる。興味がないわけない」
――――――うん、よかった。ヴァーリが悲しそうだよ。撫でてあげな。
静謐のハサンに言われ、下を見ると拗ねた顔をしているヴァーリがいた。…拗ねたヴァーリは可愛い。本人にはいうことはできないけどね。ヘタレって言わないでほしい。
「いっしぇぇえええええ」
「……はいはい。ごめんごめん」
ヴァーリの頭を撫でる俺。気持ちよさそうに眼を細めるヴァーリ。それを微笑ましそうに俺たちを見るルナさん。…何この状況。
「……気持ちいい?」
「うん!」
「いいね、ヴァーリちゃん」
「うん!…ふぇ?」
撫でること数十分、気持ちよさそうに眼を細めていたヴァーリの意識が徐々に覚醒してくると現在の状況に気づき、顔を赤らめる。変な声が出ているのはデフォルトなので気にする必要はないだろう。
「い、一誠‼何をしてるの!?」
「……何って…膝枕?」
「そうじゃなくて!なんで膝枕をしているのさ‼」
「……ヴァーリに頼まr…なんとなくやりたかったから?」
前半の声が聞こえたからなのかはわからないが、顔を茹でだこのように真っ赤に染め上げてじたばたを始める。じたばたするのは構わない。でも、膝の上でするのはやめてほしい。すごく、振動が、痛いです。…何処にとは言わない。
「もう、信じられない‼変態!」
「……誰かが言ってた。男はすべからく変態だと」
「でも、ヴァーリちゃんが膝枕をしてって言ってたのは本当ですけどね。きちんと動画もありますし」
「……一万円で買おう」
「毎度あり」
「何をしてるの二人とも!!」
騒がしい日常。例え駒王町ではなくとも、ここは変わらないらしい。
「お主ら‼話があるのじゃ!」
それを遮る幼女の声。思わず狂想閃影で部屋の中に引きずり込んでしまった俺は悪くないと、そう思いたい。