駄天使の英雄譚   作:100¥ライター

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前回あのような内容だったのに見てくださった方はありがとうございます。
今回はこの小説にR-15のタグをつけることになった主な犯人が登場します。
またお付き合いしてくれると嬉しいです。
ここから若干if要素入ります。
色々修正入れました。


1話 入学初日

入学式も無事に終わり、初日はある説明会が行われた。

 

 

 

それは七剣武祭の代表を決める大会について。

まずは七剣武祭について説明すると各高校から選ばれた抜刀者の代表が優勝を目指して戦う大会である。

選抜方法はランクだとか持っている特殊能力などから優秀な選手を選抜するのが一般的なやり方だがこの破軍学園では今年からこのやり方になったらしい。

 

 

能力があっても上手く使いこなせず弱いやつを採用するくらいならちょっと劣っても戦い慣れたやつや自分の能力を上手く使えるやつを採用するってわけか。これなら才能がなくて見向きもされなかったやつであろうと誰にでもチャンスがあるので中々いいと思う。優秀なやつでも無慈悲に落とすと考えれば少し荒っぽいかもしれないが。

 

 

 

無論俺は七剣武祭に参加するつもりでいる。初戦に一輝やステラと当たれば絶望的だが。

 

 

少し辺りを歩いているとさっそく一輝とステラが戦った試合が校内新聞として記載されていた。この試合に関して周りの見解はステラが手加減してやられたなど一輝の高評価はほぼなかった。更に調べてみると一輝は不当な理由で留年することになってしまったのだとか。そうともなれば悲しいことだが周囲の見解は妥当なものだと思う。

 

 

そんな考え事をしていると一輝やステラが通りかかっているのを見た。

 

 

 

今日は特にやることがないので寮でゆっくりしていようと思ったが一輝に近づく一人の少女がいた。

 

 

 

銀髪で翡翠色の目をした少女。正直かなり可愛い。確か破軍学園1年生次席らしい。

 

 

「お兄様…」

 

 

「し、しず、く…?」

 

 

「はい、お久しぶりです。お兄様。」

 

 

「あぁ、ステラ。紹介するよ。この子は僕の妹のしー」

 

 

 

名前を言い切る前に妹が一輝の口を塞いだ。唇で。

 

 

「ッ!?」

 

 

通りすがりの生徒たちが皆動揺のあまり足を止める。無論俺も例外なくその場で立ち尽くした。

 

 

「っ…はぁ…」

 

 

あいつキスの時に舌を入れてやがった。イタリアかどっかではキスは軽い挨拶だと聞いたことはあるがあれは絶対挨拶の域を超越している。

 

 

「し、珠雫!?今のは!?」

 

 

「今のは…って、もちろん口づけですが…」

 

 

「そ、それは分かっているよ…?だけどさ、どういうつもり?」

 

 

「どういうつもりもなにも口づけとは親愛の証。ならば固い絆で結ばれた兄妹が口づけすることはごくごく自然のことです。外国では挨拶でしていますよ?」

 

 

「アタシの国ではあんなキスする人いないわよ!!」

 

 

うん、他の国でもあれはないと思う。だが、ステラが見えていないかのように珠雫は続ける。

 

 

「ふふっ、他所は他所。うちはうちですもの。私達の四年分の愛おしさを表現するにはセッー」

 

 

「そ、それ以上は言っちゃダメだって、珠雫!!」

 

 

「うふふ。冗談ですよ。顔を赤くして…そんな可愛いお兄様も素敵です。お兄様…」

 

 

珠雫が再び兄とキスをしようとし始めた。おい、一輝抵抗しろよ。これ以上のもんやったらR-15じゃ済まないぞ。だが、俺も兄妹の関係に口を挟む筋合いはないし、野暮でもない。一輝の良心に任せるしかないか。

 

 

「ダメー!!」

 

 

俺が諦めた矢先にステラが二人を引き剥がしにいった。

 

 

「あ、ありがとうステラ…危うく引き込まれるところだったよ。」

 

 

「全く…誰かと思えばステラ殿下ではありませんか。私とお兄様が何をしようと貴方には関係ないはずです。」

 

 

「っ…!か、関係ならあるわよ…」

 

 

ん?確かにあの時戦っているのを見たがもしかしてあの後に何かあー

 

 

「私はイッキの下僕なのーーーッッ!!!」

 

 

嘘だろおい。最近の高校生は進んでいると聞いたがまさかここまでとはな。

 

 

「特大スキャンダルキタコレーー!!早速これを記事にー」

 

 

「ち、違うんだ!!あれはもうなかったことになって…」

 

 

「違わないわよ!だってイッキ言ったじゃない!『俺と同じ場所で寝ろ』って!!」

 

 

「そんなイケメン知らない!確かに似たようなことは言ったけども!」

 

 

「…それは本当なのですか?」

 

 

今まで黙っていた少女から物凄く冷たい声が飛び出した。

あまりの冷たさに周りの温度が下がったかのような錯覚すら覚える。

 

 

「本当なのですか?お兄様。」

 

 

これルート間違ったら一輝死にそうだな…なんて無責任なことがよぎったがこれ危なくないか?

 

 

「ほ、本当だよ…一応は。」

 

 

「そうですかぁ……」

 

 

「ふひひ…」

 

 

最早生気すら感じない程凍てついた声で不敵な笑みを浮かべ、彼女は淡々と一輝に語り始めた。

 

 

 

「あの…珠雫…さん?」

 

 

「どうしてそのようなことを言うのですか?お兄様。お兄様はそのようなことを言うはずがありません。お兄様はいつも珠雫に優しくしてくれました。そんなお兄様が珠雫を悲しませるようなことを言うなんて例え天地がひっくり返ろうと絶対にありえません。」

 

「ねぇ、ちょっと珠雫?」

 

度々一輝が口を挟むがそれでもまだ珠雫は続ける。

 

「あぁ、そうですか。あの女のせいですね、お兄様。きっとあの女に弱みでも握られていて、お兄様は珠雫に気を遣ってそのことを伏せているのですね。そうに決まってます。なんて酷い女なのでしょうか。お兄様の反応を見て気づくべきでした。ごめんなさい、お兄様。私がもっと早くお兄様の緊急事態に気づいてあげることが出来ればお兄様は苦しまずに済んだのに。そもそもは私があの時お兄様を止めるべきでした。お兄様は格好いいんですもの。格好よすぎるのですもの。あんな羽虫が湧くほど出てくるのも理解できます。酷い話です。きっとこれから勘違いと妄想でお兄様に薄っぺらな愛を語るに決まっています。珠雫とお兄様は生まれた時から一緒で運命に結ばれています。あのようなぽっと出女が入り込む隙間なんて1ミクロンもありません。

改めて言っておきますが、お兄様は悪くありません。悪いのはあの女です。全てあの女のせいです。あの女を消してお兄様を自由にしてあげます。」

 

 

 

「飛沫けー《宵時雨》!!」

 

 

珠雫の固有霊装(デバイス)は小太刀か。いやいや、そうじゃなくて!!学園の許可なしに能力を使うのは校則違反だ。止めなくてはならないが…

 

 

「珠雫!?それはダメだって!落ち着いて!」

 

 

「問題ありませんよ。私の属性は水。炎属性のステラさんを殺れます。でも私の心配をしてくれてありがとうございます、お兄様。」

 

 

「お願いだからちゃんと言葉のキャッチボールをして!!」

 

 

「傅きなさい!《妃竜の罪剣》!!」

 

 

「どうしてステラも乗り気なの!?」

 

 

「剣を抜いたからには覚悟出来ているんでしょうね…」

 

 

主席と次席が剣を抜いた。ここが崩壊するのも時間の問題だと判断したのか周りのギャラリーはみんな逃げている。

 

 

「えぇ、とっくに。」

 

 

「あら、あんたのその胸と同じく慎ましいデバイスね。」

 

 

「そう言う貴方のデバイスは無駄に大きいですね。あればいいというものではありませんよ。」

 

 

「無い者の僻みは聞くに耐えないわね…」

 

 

 

「…デブ」

「ブス」

 

 

不毛な争いを見ていたら突然何かが切れたような音が聞こえた。だがその時にはもう遅かった。

 

 

「くたばれぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

周りのことなど知るかとばかりにお互い殺る気満々で斬り合いに行った。

 

 

 

「ヤバい!!ストップストップ!!」

 

 

俺は焦って間に入り、デバイスを出してから自身の魔力をかなり込めた光のバリアを展開した。

 

 

『!?』

 

 

魔力以外の攻撃に対しては弱いが、逆に魔力の攻撃に対して強力な耐性を持ち、遠距離攻撃なら跳ね返す。魔力を纏っているのはデバイスも例外ではないので二人の殺し合いは避けられたし、止められた。ここまでは良かった。だが…

 

 

ドォォォォォン!!

 

 

バリアと剣が打ち合ったことで生じた衝撃波でここら一帯がぶっ飛び、主席と次席、そして第3位らしい俺は1日謹慎処分となった。

 

 

「やれやれ…これはついてないと考えるべきなのか。あるいは休む時間が出来てラッキーととるべきなのか。」

 

 

謹慎期間中は部屋から出られないので引きこもり状態になるが暇を潰すためのものなら結構あるので問題はないだろう。さて、結局俺のルームメイトは誰かな…

 

 

「案内に入っていた内容によればここら辺に…いたっ、ごめんなさい!」

 

 

 

うっかりぶつかってしまい、流れるような速さで頭を下げて謝罪をすると相手は一礼だけして寮へと入っていった。

 

 

 

「ん?もしかして俺のルームメイトか?」

 

 

寮の部屋の前には表札があり、苗字が書かれている。まずは俺の苗字である白銀…そしてもう一人は…黒鉄?待て、確かさっきぶつかったのって…

 

 

も表札を見た時点で嫌な予感しかしないが覚悟を決めてドアを開けた。

 

 

「あら、私のルームメイトは貴方だったのですか。」

 

 

先ほどの事件を起こした破軍学園1年生次席。黒鉄珠雫がここにいた。




珠雫ちゃんの登場です!
この子と兄を絡めてはいけない…
アニメでは本当ですか?と問い詰めた後比較的早く宵時雨を出しますが、原作だと一輝が何度か間に口を挟めながらあんな感じで長い台詞を喋ります。
次回は一応主人公であるオリ主刀夜と珠雫がメインになります!
それでは、最後まで閲覧していただきありがとうございます!
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