特典を貰った純粋な男がいつの間にかチーレム作るだけの話。   作:冷めたフライドポテト

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どうしてこうなった。


第三話 俺、怒ります。

ジリリリリリ!

 

目覚まし時計が勢いよく鳴り、目を覚ます。カーテンから入ってくる日差しは暖かく心地よい気分にさせてくれる。

 

「ニャ♪」

 

クロも起きていたようで、体を起き上げた俺の膝に乗っかってくる。

可愛いなこんちくしょう!

 

「そういえば今日から学校に行くんだったな」

 

忘れてた。

 

時間を確認すると、まだ朝早い時間だったため安心する。昨夜早めに設定しといて良かったと自分を褒める。

 

「なあクロ、お前猫じゃないだろ?」

 

「ニャ!?」

 

「ははっ、なんて冗談だよ!はぁ…やっぱ広すぎるよな、この家」

 

「ニャア…」

 

クロも気持ちが一緒なのか、低いトーンで鳴く。

 

「うっし、気合入れてくか!」

 

「ニャッ!」

 

頬を軽く叩き気合を入れた後、ワシワシとクロの頭を撫でて支度を始めた。

 

***

 

「ん〜、この御手洗団子美味しいな〜♪」

 

少しだけ早めに家を出て、今は行く途中の道にあった団子屋さんで勝った御手洗団子を食べながら歩いている。

 

「ふぅ…ごちそうさま!」

 

ちゃんと串をゴミ箱に捨てて学校へと足を進めて行った。

 

 

「おお!ここか!」

 

ここが今日から通う高校、駒王学園か。いい学校そうだから良かった良かった。

 

「ん?転校生ですか?」

 

校門の前でボーッとしていると、ポニーテールで美人な人が話しかけてくる。

というか、この子何処かで見たことあるような……

 

「はい、今日から転入した柊 瑞希と言います」

 

ふっ、自己紹介は完璧。前世では噛みすぎて失敗したことがあったから練習したんだぞ?

 

自分が自己紹介すると、ポニーテールさんは固まった。うん、物理的にじゃないよ?

 

「あ、あ、あの!柊 瑞希って私を救ってくれた瑞希さんですか!?」

 

ん?救った?この子セラフォルーっていう人ではないし…朱璃さんでもないよな……。もしかして朱乃ちゃん?

 

「朱乃ちゃんか!」

 

思わず声を上げる。だから何処かで見たことあるような感じがしたのか!ふっふーん、俺ってば優秀さん?

 

「み、瑞希さんなんですか…?」

 

「うん?朱乃ちゃんが言う瑞希さんっていうのは俺じゃないかもだけど、俺の名前は瑞希だよ?」

 

なんて冗談混じりで返すと朱乃さんは人目を気にせずに俺の胸に飛び込んできた。

わわっ!胸が…!胸が当たってるって!

 

「どどどどどどすこい!……じゃなかった、どうしたの?」

 

「会いたかった……!ずっと、ずっと探してたんですよ!?瑞希さんに会いたくてずっと!」

 

「そ、そうか……というか朱乃ちゃんって何年生?」

 

「ふぇ?三年生ですよ?」

 

うわお!俺の年下♪……やばくない?さっき思いっきしタメ語で喋っちゃったよ?

 

「なら、朱乃さんの方が年上なので敬語を使いますね」

 

「え!?瑞希さんって私の年下だったんですか!?」

 

まあお爺さんのせいであそこに転移したからな。

 

「はい、だから俺に敬語使わなくて大丈夫ですよ」

 

「そ、そう、なら瑞希君って呼ばせてもらうわね♪」

 

「はい!」

 

***

 

「えっと…今日からここで皆さんと一緒に勉強することになった柊 瑞希です。よろしくお願いします」

 

現在、教室で自己紹介中の瑞希君です。

 

「「「「「「き」」」」」

 

木?

 

「「「「「キャーーーーーーーー!!!!」」」」

 

うるせえええええええええ!

なんだよいきなり!どうしたんだ?喋るスポンジボブでもいたか?

 

「イケメンよイケメン!」「かっこいいわ!」「ねえ柊君!彼女はいるの!?」

 

次々と質問が飛んでくることに、頭を抑えたくなる。うう、俺これからやっていけるかな。

 

女子たちの質問を適当に返して、席につく。

ふう、やっと落ち着ける。

 

机でぐたーっとしていると隣にいた男子生徒が声をかけてきた。

 

「よお、大変だったな!」

 

「まじで、大変すぎて、死にそう……」

 

「お、おい、まじで大丈夫か?」

 

「おう、一応大丈夫だ………………多分」

 

「おい!……はぁ、俺の名前は兵藤一誠!イッセーって呼んでくれ!お前のことも瑞希でいいよな!?」

 

おお、この子が主人公君か。いい人そうで良かった。

 

「おう、よろしくなイッセー」

 

そう返すと、イッセーは満足そうに笑っていた。

 

***

 

「なあ、瑞希、そのいきなりで悪いが旧校舎の方に来てくれないか?」

 

やっと、授業が終わり帰れるぞい!ってときにイッセーが話しかけてきた。

旧校舎?向こうにある少しボロついてる校舎のことか?

 

「え?何で?」

 

「その、朱乃さんが呼んでる」

 

朱乃さんが?

 

「了解、案内してくれよ」

 

「すまねえな」

 

イッセーは申し訳なさそうに頭を掻く。ったく、イッセーは悪くねえよ。だからって誰が悪いっていうことも無いけど。

 

 

 

 

「で、ここに朱乃さんがいるってことか?」

 

確かに朱乃さんの魔力は感じるが、他にも魔力の反応が五つ感じる。

 

「朱乃さん、瑞希を連れてきましたよ」

 

『やめて!』

 

「「!?」」

 

イッセーがドアをノックすると、中から女性が嫌がる声を上げた。

え?イッセー嫌われてるの?

 

「イッセー、お前嫌われてんのか?」

 

「んなわけねえよ!取り敢えず入るぞ!」

 

イッセーがドアを開けようとするが、何かがつっかえているようで上手く開かない。

 

「ちょいとどいてろイッセー」

 

「お、おう」

 

ドアに向かって力を込めて殴る。少しだけ魔力も込めて。

バキィ!という音がして、ドアを吹き飛ばした。

 

「な!なんだお前らは!」

 

中にいたのは朱乃さんと、赤髪の美人さんと、白髪の少女。それと金髪の少女と金髪の少年。あとヤンキーみたいな人。

 

「おい!お前部長に何してる!」

 

イッセーが怒気を孕んだ声でヤンキーさんに掴みかかる。てことは部長さんは横にいる赤髪の人?

 

「おいリアス!なんだこいつらは!しかも片方は人間か!?」

 

うん?人間……あ、俺のことか。

 

「やれ!ミラ!」

 

突然ヤンキーさんの後ろに魔法陣が現れた。その中から一人の女性が現れて、持っている棍棒でイッセーに殴りかかる。

 

「しまっ」

 

「おいおい、俺がいること忘れんなよ」

 

手に魔力を纏わせて、棍棒を片手で受け止める。ミラと呼ばれた女性は酷く驚いた顔になる。

まあそれもそっか、人間が悪魔である私の一撃を止めた!?ってなってるだろうし。

 

え?悪魔ってことしってたのって?……うん。

 

「ほう、そこの人間は少しだけやるようだな」

 

随分と上から目線ヤンキーさんが言ってくる。うわあ、うざぴっぴ。

 

「やめて!その子は関係ないわ!」

 

「やれユーベルーナ」

 

再び魔法陣から少女が出てくる。その少女はいきなりこちらを睨んだかと思うと、炎の槍を飛ばしてきた。

 

「"マカラカーン"」

 

焦らずに、魔法を一度だけ反射するマカラカーンを発動させる。炎の槍俺にぶつかると、キィンと音を立ててユーベルーナ?さんに向かって飛んでいく。

 

「なっ!?」

 

ユーベルーナさんが炎の槍を躱そうとするが、少しだけ遅かったせいか、服にかすって服が焼け焦げていた。

 

「どうしたユーベルーナ、早く殺れ」

 

先程魔法が返ってきたのが、効いたのか魔法を撃つのに抵抗があるのが分かった。

俺はユーベルーナさんに近づいていき、肩に手をポンと置いた。

 

「やめてください、関係ない人は傷つけたくないです」

 

ユーベルーナさんは腰を抜かして、地面にぺたりと座り込んだ。

 

「っち!使えない雑魚だな!」

 

ヤンキーさんがユーベルーナさんに向かって拳を振り下ろそうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ?使えない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、そこの金髪野郎」

 

「あ!?なんだよ下等生物」

 

ヤンキー君は明らかに見下すような視線でこちらを見てくる。

 

「てめえ、今この人のこと使えない雑魚って言ったか?」

 

腹の内側からグツグツと湧き出てくる怒りに身を任せたくなるが、理性でなんとか抑える。

 

「あ!?当たり前だろ?人間一人殺せない雑魚は、俺様ライザー・フェニックス様の眷属にいらねえよ!」

 

「フェニックスだか、焼き鳥だか知らねえけどよ……この子を傷つけるなら俺はお前を『殺すぞ?』」

 

「はぁ!?ははっ!やってみろよ!たかが人間ごとき指一本で潰してやるよ!」

 

流石に我慢の限界が来て、焼き鳥君に能力を使いそうになったところで、突然焼き鳥君のとは別の魔法陣が出てきた。

 

「ライザー様、そこの殿方。ここでの争いはしないでください」

 

銀髪の女性が魔法陣から出てきて、威圧をこめてそう発言する。

 

「そうだな……どうせ一週間後にはこいつらボコボコにできるしな」

 

一週間後……?

 

「なあ、そこの銀髪さん、その一週間後にある何かしらの行事。俺も参加していいか?」

 

「いかがしますか?ライザー様」

 

「いいだろう!お前らは全員俺と俺の眷属たちがボコボコにしてやる!一週間後が楽しみだな!」

 

焼き鳥君は笑いながら、自分の魔法陣の中へと入っていった。

 

***

 

やってしまったあああああああああああ!

 

銀髪さんと焼き鳥君が帰った後、自分がしたことに恥ずかしさを覚えた俺は心の中で叫んでいた。

心が叫びたがってるんだ。

 

「あ、あの、瑞希さん?どうしたんですか?」

 

オカルト研究部というらしい部室のソファーで悶えていると、ユーベルーナさんが心配そうに声をかけてきた。

 

「いや……あんなの俺のキャラじゃないからさ……」

 

「でも、その、あの時の瑞希さん……カッコよかったですよ///」

 

やめてくれやい。僕ちん照れちまうぞ?

 

「はぁ…それで瑞希といったかしら。貴方何のようでここに来たの?」

 

部長さんがこちらを見てくるが、俺も知らない。朱乃さんに呼ばれただけですしおすし。

 

「それは私が呼んだんですわ」

 

「朱乃が?」

 

「はい、リアスにも昔話したでしょう?私達母娘を救ってくれた人がいるって」

 

「それが、この子?」

 

「ええ」

 

「なるほどね……で、何でこの子がライザーとの試合に参加するの?」

 

「それは知りません」

 

「それは、その、いきおいで……」

 

「はぁ…まあさっきの戦いで足を引っ張るようなことは無さそうだからいいわ、ただし!命の危険を感じたら直ぐに逃げなさいよ?」

 

「了解です」

 

部長さんは呆れたようにため息をついた。

 

 

***

 

その後、色々とあり家に帰ってきた俺は、リビングのソファーに倒れ込んだ。

 

「あー疲れた……」

 

「あ、あの私本当について来て良かったんですか?」

 

心配そうな様子のユーベルーナさん。なんでここにいるのかというと、焼き鳥君から見捨てられたようどこにも行く場所ががない。なら俺の家来る?ってことで連れて帰ってきた。

 

ユーベルーナさんの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は俺の能力でかき消したから、焼き鳥君の眷属からは外した。

 

「いいっていいって。取り敢えず好きな部屋使っていいから。ふぁ……俺はもう寝る」

 

「あの!」

 

「ん?」

 

「ありがとうございます!」

 

「おう!」

 

 

***

 

ユーベルーナside

 

今日は厄日だ。

 

ライザー様から呼び出された時、そう思った。私は昔からライザー様から暴力を振るわれていた。

 

私が力不足だから、私失敗してしまったから。

 

自分に嘘をついて、何とか耐えてきた。

でも、それも今日で終わりだ。

 

私を身を呈して守ってくれた瑞希さんは、王子様のように見えた。

 

『ユーベルーナ。君は俺だけのお姫様だ……愛してる』

 

なんて言われたりしたいな……///

 

 

窓から入り込む、月の光を見てこう思った。

 

 

あぁ、今日は、本当にいい日だ。

 

と。

 

 




ユーベルーナちゃん、なぜかヒロインになりました。本当にどうしてこうなったんでしょうかね……。
感想や評価をいただくと作者が電車の中でブレイクアダンス踊ります。嘘です。
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