「じゃあな。結局お前には勝ちきれなかったな。だけど、次会う時はお前より強くなってると思うぜ。」
「ハハハハハ!そんな簡単に追い越せると思うなよ!鬼の四天王は伊達じゃないんだ!」
「そうかよ......。」
結局、「発」無しどころか割合として4勝6敗となった勇儀との喧嘩。それでも大きく進歩したものだ。
「向こうで伊吹萃香ってのにあったら、よろしく伝えておいてくれ!」
「誰それ?」
「私の仲間で、そいつも四天王だ。」
「へえ、それは楽しみだな。」
「萃香も強いぞ!私ほどでは無いがな!」
鬼の四天王なんだ。あと2人いるだろう。楽しみだ。
「じゃあ、元気でなシャーキャ!」
「ああ」
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「そっか。もう行っちゃうんだね。」
「ああ、お前には本当に世話になったな。ありがとう」
「お姉さんを寂しくさせないように私が慰めておくよ!」
「はは!地底のアイドルが言うからには安心だな。」
「また、会う事あったら貴方の話を聞かせてね。」
「お前のお陰で今まで地底で生きて来れたんだ、もちろん断らないさ。」
「そのセリフはさとりとお姉さんに言ってあげなよ。」
「そうだな。」
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「そうですか。今日なんですね。」
「まあな。特に決めてた訳じゃ無いんだ。ただ何となく今日のような気がしてる。」
「寂しくなりますね。」
「そうでも無いさ.....とは言わない。それでも俺は地上に帰る。」
「こいしにも偶には帰ってくるように言ってください。」
「ついて来ないのか?行けば会えると思うぞ。」
「地底の管理者が地上に出入りする人間を見送る事なんてできません。それに見送り人は貴方のお姉さんが適役でしょう。」
「.........お前がいいんなら、それでいいけどな。まあ、こいしには伝えておくよ。」
「はい、お願いします。.......それと最後にこいしと遊んでくれてありがとうございます。」
「お前の妹なんだし、当たり前だろ。それに俺も面白かったからな。」
「こいしも貴方が察してるような過去を持っています。本人は心を閉ざし、忘れてしまっていますが。そんな彼女と友達になってくれた事には感謝しています。少しではありますが、彼女が変われるきっかけがあるかもしれません。地上で合う事があればその時も友達として接してあげてください。」
「大丈夫だよ。それにアンタとも友達のつもりだからな。」
「ふふ。そうですか、ではお元気で。」
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「ただいま。」
「おかえり。」
挨拶周りを済ませて、家に帰る。
居間ではパルスィが寛いでた。
「.......そう今日なのね。」
「ああ。」
俺の顔を見た彼女は察したようだ。
「いつ行くの?」
「今から」
「じゃあ、見送らないとね。」
パルスィも外に出る。
「意外と遅かったわね。」
「こいしが手伝うと言いだしてから、あいつはすぐに姿を消しやがったからな。1年以上もどこかで遊んでたんだろう。さとりが哀れだな。」
「でも、今日はこいしがいるなんて情報なかったけど?」
「俺の直感だよ。今日はいる。」
大穴の下にやってきた。
「ほらな。」
「久しぶり、シャーキャ!」
「どこ遊んでたんだよ?」
「うーん、色々!」
「.......色々か。一年もほったらかしでてっきり俺との約束忘れてたのかと思ったぜ。」
「え?昨日のことでしょ?」
「..........ああ、そうだな。」
「あれ、シャーキャ背が伸びた?私より高いんだけど!」
「気の所為だよ。」
事実だが。あまりこいつと話込むと話題がこんがらがるからな。
「じゃあ、頼むよ。」
「私の手を握って!」
俺はこいしの左手を握る。
「これで貴方も認識できなくなるよ!」
本当に凄い能力だな。
「それでどうやって穴を登るんだ?」
「シャーキャ毎、飛ぶんだよ!」
「え?そんな事できるの?」
「こいしは弱くても妖怪よ。それぐらいの力はあるわ。」
なるほど。
「パルスィ、今まで俺を助けてくれてありがとう。」
「私こそ、貴方のお陰で私も救われたわ。貴方は少しヤンチャだけど、自慢の弟よ。」
「俺もアンタは本当の姉だって思ってる。」
「もう二度と地底に落ちて来ない事を祈るわ。」
「そんな寂しい事は言うなよ。.......まあ、もしそんな事があればまた俺を助けてくれよ。姉としてさ。」
「..........ええ。さようなら。」
「ああ、元気でな。」
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「もう行ったのね。」
「........さとり」
「.....なんて顔してるの。」
「.....貴女も同じ顔してるじゃ無い。」
シャーキャが去って、タイミングを見計らったようにさとりが現れた。遠くから見ていたのだろう。
「やはり、寂しいわね。こいしは次いつ帰ってくるかわからないし、シャーキャは私と気兼ね無く話せる稀有な人間だったわ。」
「そうでも無いわ。彼はあれでも恥ずかしがり屋だわ。最後の最後でやっとありがとうって言われたもの。」
「粗暴な発言が多いけど、肝心な事は恥ずかしいからか、口にしない彼がそう言ったのなら、それは誇っていい事だわ。」
この5年間、ずっと地上に上がる事だけを目的にしてきた彼。私が迫害されていた事なんて横道でしか無かったのに救ってくれた。それはきっと私に恩を売りたいって打算と命を救われた恩返しだったのかもしれない。でも、それでも命を懸けて私を救ってくれた。
そうまでして、地上に戻りたがっているのはやはり.......
「貴女の考えてる通りよ。風見幽香を倒す事はついで。本当は彼女の所に帰りたいだけよ、彼は。」
最初に会った時、地上にいた時の話を彼から聞いた事がある。年相応に楽しそうに話していた。紅魔館という館の主人レミリア、妹のフラン、魔法使いのパチュリーの名前がよく出ていた。
よく絡みがあったのだろう。他にも門番や司書等も出たが、こちらはそこまで絡みがなかったのか、話題は少なかった。
もう1人話題が無かった人物がいる。十六夜咲夜。
彼女の名前を出した時の彼の顔は今でも覚えてる。
5歳児でも彼は男の子なんだと微笑ましく思った。
だけど、名前だけでその他の事は一切話さなかった。
絡みが少なかった訳じゃないだろう。あの表情を見ればわかる。ならば、恥ずかしい事は語らない彼の性格からして恐らく..........
「女の勘は良く当たるとは言うけど、貴女のは流石としか言えないわね。」
心が読めるさとりが言うんだからそうだろう。
だからこそ不安にも思う。
「大丈夫よ。彼は裏切らないわ。それは貴女が1番知ってるでしょう?」
「.......そうね。」
「そんな風に疑っていると、せっかく貴女を救ってくれた彼が悲しむわよ。姉としてしっかりしなさい。」
「ねえ、さとり。今から地霊殿でお酒を飲みましょう。」
「あら、今日は紅茶じゃないのね。」
「弟を思い出すから。それに今日は飲みたい気分だわ。」
「奇遇だわ。私もそんな気分。」
こうして私達は2人で泣きながら、酒を煽った。
どうか彼の進む道に幸多からん事を
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大穴を進む。
途中で蜘蛛の糸が張り巡らされていた。ヤマメの家なんだろう。
本来ならここでヤマメに目撃される筈だが、今日は
「ここを抜けた先は妖怪の山。天狗の縄張りだからすぐに逃げるよ。準備してね。」
「りょーかい。」
思い出す。確かに俺はここで天狗の群れに襲われ、穴に落とされた。今はこいしの能力で見つからないが、地上に上がった瞬間襲われる可能性を頭に入れておかなければ。
そのまま上がりやがて、自然の太陽光が見えた。5年ぶりの太陽光は酷く眩しく見える。
地底では、溶岩の光が天井の岩盤に反射した光と人工光だけだったからだ。
穴を抜け切る。
穴の周りには4体の天狗がいたが、全員気がついていない。さすがこいしの能力。
そのまま天狗の縄張りを抜けた所で降ろされる。
「とーちゃく!」
「サンキューな。」
「うん!じゃあまた遊ぼうね!」
「ああ、でも偶には地霊殿に帰れよ。さとりが心配してたぞ。」
「うん!わかった!」
そのままこいしは消えてしまった。
随分とあっさりしてるな。まあ仕方ないか。
「............」
さーてと、じゃあ太陽の畑に行きますか!