鋼の心   作:モン太

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考察

自室に帰り、椅子に腰をかける。紅茶を淹れて一息つく。

 

咲夜から八雲紫について聞いた。聞けば聞くほど、ヤバイやつとしか思えない。

 

明らかに勝てない相手なら、それに勝てる奴をぶつけるとか考えたいが、矛先が間違いなく俺にくる以上、俺が対象しないといけない問題だ。

 

八雲紫に俺の存在がバレて、俺を消すとしたら何をしてくるだろうか。

 

まずは情報収集か。今の俺がやっているように奴も俺の事を調べるだろう。

 

俺が念能力を話したのは、紅魔館、地底、太陽の畑だ。

 

詳しく詳細まで話したのは幽香のみ。幽香と八雲紫は仲が悪いから幽香が話すとも思えない。

 

地底はさとりが俺の事情を知っている事から此方もバレないだろう。

 

なら紅魔館からしか情報源がない。だけど、彼女達には念の基礎しか教えていない。だから、八雲紫には俺が見えない鎧を纏っていることしかわからないのだ。

 

じゃあ、次に有効な手段は直接ではなく、間接的に排除する方法。人質だ。

 

此方は幽香が八雲紫に屈するとは思えない。地底のさとりやパルスィは戦闘能力が低いが、人質に取れば、地底と地上の全面戦争になるだろう。ならば、やはり狙われるのは紅魔館か。

 

だが、紅魔館はすでに幻想郷に受け入れられている。つまり妙な真似をすれば、博麗霊夢が関知するのだ。幻想郷の管理者として、博麗の巫女との関係悪化は死活問題だ。これも取れない。

 

人質でないとして間接的手段としては、俺に有利な者をぶつけてくる事か。

 

八雲紫視点で俺は見えない鎧を纏う能力者。それなら、遠距離に長けた者をぶつければいい。この幻想郷中に沢山いるだろう。弾幕ごっこなんて遊びを作れるくらいには。膂力もある妖怪なら近接でも対応できる。

 

ただこの想定は無意味に等しい。それは対戦相手の数が無数にあるからだ。誰が来るかなんて予想できない。

 

以上より、俺が考えないければならないのは八雲紫との直接対決のみ。

 

相手は空間を移動できる事から予め罠を仕掛ける事も可能。そして、俺はそれを予測する事ができない。幻想郷は八雲紫の箱庭。地理も向こうが詳しいだろう。

 

空間の移動が可能な事から、不意打ちもあるだろう。

 

どうしても先手は相手に譲る事になる。

 

相手の強大さがわかってるいるのに、此方は受身にならざるおえない。

 

もうそこは仕方ないと割り切ろう。

 

八雲紫は遠距離攻撃で俺を倒す可能性が高い。見えない鎧での肉弾戦が俺の能力と考えているからだ。

 

俺にも投げナイフがあるが、空間移動で回避されるだろう。音速で接近しても同じ事だ。それでも攻撃を当てるか、接近しないと勝ち目が無い。そこが攻撃面での課題か。まあ、これは大地の意志(マグネティックフォース)の新技で解決可能か。

 

そして前衛にくるであろう八雲藍。

 

実力はお嬢様とパチュリー様程度。単体なら問題ないだろうが、後衛の八雲紫との連携が問題か。速やかに排除して八雲紫に集中したいが、お嬢様級の妖怪。簡単にはやられてはくれないだろう。結局は戦いの中で如何に不意打ちを決めるかが、俺の勝利の鍵になるだろう。

 

防御面は俺の「堅」を信用するしかない。物理的な攻撃は最悪聖なる盾(アブソリュートインターセプト)で防げる。想定として恐ろしいのは、硬さを無視した攻撃。概念的な攻撃だ。考えられるのは、あの「スキマ」で挟まれたり、閉じ込められたりする事。幻覚を見せたり、妹様のような即死攻撃などか。記憶の懐中時計(リバースタイマー)があるとは言え、戦闘中は一回しか使えない。

 

やはり部が悪い。攻撃に徹しておかなければならないか。だが、先手は向こう側。しかも、攻撃しようにも離脱されやすく、遠距離に徹せられるとほぼ詰みになる。

 

と、考えるが新技は不意打ちに長けたものが一つある。何度も通用するものではない為、使い所が大事だ。

 

少ないチャンスで確実に仕留める。

 

これが結論か。

 

ただ、勢い余って殺してしまうのは、それはそれでアウト。幻想郷の管理者たる八雲紫が不在となれば、どのような影響があるかわからない。

 

此方は殺さず、向こうは殺す気で襲いかかる。難儀な話だ。

 

「はあ〜。」

 

溜息が出る。結論に至ったが、その難しさに苦い思いが胸に広がる。

 

咲夜のあの顔を思い出す。覚悟を決めた者の目だった。

 

先程は咲夜と戦うことを了承したが、俺は彼女を連れて行く気はない。彼女を裏切る事になるのは申し訳ない。一生恨まれるても構わない。

 

それでも、100%勝つ気でやる。それが念使いの気概。

 

そうだ。覚悟によってオーラは応えてくれる。

 

制約と誓約だ。

 

己の命や死を代償にするような、後向きな覚悟ではない。必ず勝つと言う前向きな覚悟が必要だ。

 

冷えてしまった紅茶を流し込み、更に思案する。

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