真剣でサスケ(偽)に恋しなさい。   作:体は大人!!心は中二!!

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7話

襲撃やケンカを売ってくる不良や薬売りのチンピラ達から気と金を毟り取って、両親のいない子供たちを養っている時。

オリジナルは新幹線に乗って、北陸のとある道場宅にたどり着いていた。

 

 

☆☆☆

 

 

「はじめまして。君が…サスケ君かね?フガクから話は聞いている。

修行以外では、自分の家の様にくつろいぐといい」

 

「うちはサスケです。しばらくここで厄介になりますが、ご指導よろしくお願いします。」

 

家の前で、わざわざ出迎えてくれたのは親父殿の友人である着物と髭がトレードマークの黛 大成さん。

腰には刀を帯剣しているラストサムライである。

 

「私は、道場に用があるので年も近い娘に家を案内させよう」

 

「お心遣い、有難うございます」

 

玄関で挨拶を済ませた俺は、黛さんの娘に案内をしてもらう事になったのだが……。

 

「は、はじめましてって!!黛 由紀江でっす!!」

 

「…はじめまして。うちはサスケだ」

 

黛さんと入れ替わるように現れた娘さんは俺をギンギンに睨んで挨拶をかました。

お世話になる娘さんなので何とか、冷静に返したが男が嫌いなのだろうか?

それとも俺のようなイケメンが嫌いなのだろうか?

 

俺もイケメンはあまり好きではないから気持ちは良く分かる。

 

「では!お部屋に案内しまっす!!」

 

「…ああ」

 

彼女は右と右の手と足が同時に動いて歩いている。

新しい修行なのだろうか?

 

いや、どう見てもガチガチに緊張しているだけだな。

 

「なあ、もう少し落ち着いたらどうだ?疲れるだろ?」

 

階段を前にして滑り落ちるのではないかと心配した俺は彼女に話かけたのだが……。

 

「はひぃ!?すみませんすみませんすみません!!」

 

何故か謝られた。

その姿は入社初日の新人君がミスをして、上司に謝っている姿を彷彿とさせる。

 

「怒っていないから…落ち着け。な?」

 

「は、はい……」

 

墓穴を掘り過ぎたと自覚があるのだろう。

彼女はもはや涙目だ。

黛さん……俺よりも精神修行が必要な子が身近にいますよ。

 

ビクビクされながらも家を案内された俺は、道場にて精神修行の日々が始まった。

始まったのだが……。

 

「もう、私に教える事はない」

 

「へ?」

 

道場で座禅を組むように言われたので、ついでにゲーム時代に使えた仙術を使うための自然エネルギーの吸収をやってみたのだが…。

吸収を始めた瞬間に黛先生が匙を投げました。

それからの精神修行は道徳の授業になり、過剰な暴力は何も生まないとか、武人は高潔であるべきだとかの坊主の説法のような時間になってしまった。

 

そんな修行と言えばいいのか道徳の授業と言えばいいのか分からない状態が数日ほど過ぎると、とある事に気が付いた。

黛姉妹の長女、由紀江の事である。

妹は剣技に興味ないようで、子供らしく外で友達と遊んでいる。

 

しかし、長女の由紀江は……。

悲しいまでにボッチだった。

 

初めは気のせいだと思ったんだ。

ただ、剣術の稽古で忙しいからだとか、そんな理由で遊びに行かないのだと……。

 

しかし、三日過ぎたところで俺は決定的な瞬間を聞いてしまったのだ。

 

『頑張れ私!サスケさんを初めてのお友達にして、いずれは百人の友達を……。

その為には、あのような醜態を晒さないために挨拶の練習を百回です!』

 

ご飯が出来たので娘を呼んできて欲しいと、奥さんにお願いされた俺は、彼女の部屋の前にやって来たのだが、悲しい独り言を聞いてしまった。

心の整理を必要とした俺は、彼女の挨拶の練習が終わるまで廊下で時間を潰したのだった。

黛さん俺なんかに道徳の授業をするよりも、娘さんに人との接し方を教えてあげてください。

 

恐らく彼女は対人経験の少ない故にステージ3のコミュ障になってしまっている

このまま進行が進めば、彼女の脳内にはエア友達や脳内彼氏などの架空の存在を妄想し、悲しい青春を過ごすことになる。

彼女を救うのは今しかない。

 

「由紀江。ちょっといいか?」

 

「は、はい!なんでしょうかサスケさん!?」

 

「ちょっと、お前に俺の友達を紹介しようと思ってな。俺と一緒に街を案内してくれないか?」

 

「ほ、本当でうか!?ぜ、ぜひ、お願いします!!!」

 

俺の話に勢いよく食いつく由紀恵。

彼女の鋭い瞳と大きな声で、その必死さは伝わってくる。

ここは、頑張らないといかんな。

 

「では、友達を紹介する。……口寄せの術!!」

 

「はう!?」

 

道場から少し離れた庭先で口寄せの術を行った俺。

煙と共に現れたのはマタタビの同僚であるアメリカンショートヘアの蘭丸だった。

 

「ね、猫さんですか?」

 

「お初にお目にかかります。拙者、蘭丸と申します。」

 

「は、はじめまして?あれ?猫さんって喋る生き物でしたっけ?」

 

蘭丸を見て困惑する由紀江の反応が懐かしい。

川神の人たちも初めは喋る犬と喋る猫には困惑していたんだが……。

適応力が高いせいなのか、すぐに……。

 

『喋る猫…ああ、うちはの?』

 

『うちはの猫ならしょうがないな』

 

みたいな感じですぐに受け止められてしまった。

あの町は俺でもおかしいと思う。

 

「まあ、こいつが特別なだけだ。それよりも案内を頼む」

 

「は、はい!そんな事で済まされる問題ではないと思いますが、すぐに案内いたします!!」

 

黛さんからの許可をもらった俺達はブラブラと街を散策した。

そして、黛 由紀恵に試練が訪れた。

 

「そ、そんな!無理です!!私には早すぎです!!」

 

「早いも遅いも関係ない。簡単な事だ。」

 

「そうでござるよ、由紀江殿。こういうのは実戦で慣らさねば成長出来ないのでござる」

 

そう、公園に案内してもらった俺と蘭丸は公園で遊んでいる少年少女達と仲良くなろうと提案したのだ。

 

「もちろん、はじめは俺から話をするから安心しろ」

 

「ほ、本当ですね?嘘ついたら責任を取って結婚してもらいますよ?」

 

「責任の使い方を間違っているでござる……なんか、心配になって来たでござるよ」

 

俺もだよ蘭丸。

まあ、責任云々は将来に期待して、今は友達作りを頑張ろう。

 

「はう!?」

 

「ちょっと我慢しろよ」

 

「おお、さすがサスケ殿。プレイボーイという奴でござるな」

 

由紀江の手を掴んでグイグイと子供の集団まで引っ張っていく。

自分たちに近づいてくる謎の二人と猫一匹が気になったのか、集団の中で数人が視線をちらちらと向ける者がいる。

 

そして、注目が一定となり距離も近くなった俺達は蘭丸に教えた秘伝の技を子供たちに披露させた。

 

「ぼく、らんまるでーす。ぼくたちとあそばないかい?うしろにいるのはサスケと由紀恵。

由紀恵はちょっとシャイなだけの天然ちゃんだから、なかよくなるとおもしろいよー」

 

お前誰だよと言う事なかれ。

彼は今、国民的人気アニメトラえもんになりきっているのだ。

昨日の夜にボッチな少女の為にと頑張って覚えてもらったんだ。

彼の頑張りに俺はここから感謝する。

 

「わー、この子トラえもんみたいで可愛い!」

 

「触ってもいい?触ってもいい?」

 

「肉球が至高。」

 

少年少女たちがトラえもんに群がり、飼い主だと思われている俺と由紀恵に許可を求めている。

ここだ!ここだぞ!!由紀江ーーーー!!!

俺は彼らに見えないようにお尻をパシパシ叩いて許可を出せと促す。

 

「はい!!いいです!!いいですよ!!」

 

数秒してようやく返事の出来た由紀江。

少年少女たちは蘭丸を撫でまくった。

 

「ちょ!?そこは待って欲しいでござるよ!?」

 

「お?オスだ」

 

「や、やめてーーーーーーー!!?」

 

 

「ねえ、由紀江ちゃん。明日も遊ぼ」

 

「は、はい!!ありがとうございます。ありがとうございますぅ!!」

 

「はは、面白いね由紀江。ユッキーって呼んでもいい?」

 

「はい!ユッキーでもまゆっちでも構いません!!」

 

「え?じゃあ、まゆっちで」

 

こうして蘭丸の犠牲の元で明日も遊ぶ約束をする事が出来た由紀江。

おお!!さりげなくあだ名を増やしていやがる。

一人で考えたのだろうか?

 

こうして、黛 由紀江にご近所の友達が出来た。

帰り道の彼女は嬉しそうな表情を浮かべており、自宅に帰ると友達が沢山出来たと嬉しそうな表情で家族に報告して、俺の心を温かくさせた。

 

ただ……。

 

「子供怖い…子供は悪魔…子供怖い…子供は悪魔……」

 

帰り道、俺達の後ろをトテトテと歩いていた蘭丸は雄猫としての尊厳を粉々にされ、さめざめと泣いていた。

どうやら彼にはトラウマが出来たようだ。

彼を見ていると胸が罪悪感で締め付けられる。

 

こうして、黛家での日々を過ごした俺は黛家の皆さんに感謝されながら、川神へと帰って行ったのだった。

 

あれ?俺って何しに北陸に来たんだっけ?

 

 

 

☆おまけ☆

 

 

サスケは完全に忘れているだろう。

実はサスケが黛家に向かった日の前日、直江大和と知力を使った決闘を申し込まれていたのだ。

 

京の件と原っぱの件で彼の中で思う所があったらしく、サスケをライバルと見定め、男らしく決闘を申し込んだのだ。

しかし、予定の出来たサスケは直江に電話しようとしたが、連絡先を知らなかった為に同じクラスの小雪に伝言を頼んだのだ。

 

伝言を頼まれ、しっかりと返事をした小雪だったが家族団らんの食べ放題の店で沢山のマシュマロを堪能した彼女の記憶には欠片も残る事はなかった。

 

後日、決闘の為に風間ファミリーが屋上で待っていたのだが……30分ほど放置プレイされた後、サスケが修行に行ったと祖父から聞いていた百代にサスケが居ない事を聞かされるのであった。

 

「よく来たな我がライバルよ…いや、もうちょっとカッコよく……よく来たな、我が終生のライバルよがいいか?」

 

彼はこの日の為に様々な準備とカッコイイ口上を考えて、暁のメンバーと遊ぶ時でも時々口にしていたようで、黒い笑みを浮かべた京に全てボイスレコーダーで録音されていたのだった。

 

 




連続投稿完了!

沢山の評価、とても嬉しく思い、頑張ってしまいました。
これからも応援よろしくお願いします。





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