ここはどこだろうか。
確かボクはあの後頭から真っ逆さまに落ちたのに。
意識がはっきりとしてくると白い天井が視界に入る。
「ここは…?ボクは死んだ筈じゃ」
「並盛でそんな事が許されるとでも?」
感情を感じさせない、冷たい声が聞こえた。
「これから新学期を迎える学校の施設内で不審死とか許さないから」
学校?
ボクは学校で死んでない。
「ボクは学校でそんなことしてませんよ。あの時ボクは門に自分を吊るして…」
「……君、頭を打っておかしくなった?」
「ボクは、嘘をついてません」
声の主は溜息をつくと、部屋を出ていった。
彼がボクの主治医なのだろうか、姿は見ることはできなかったがあの声は知らない人の声だ。
恐らく気が触れたとか、記憶喪失とかカルテに書かれるのだろう。
一人になり静寂の空間に変わる病室。包帯だらけの頭部。
ボクは空を見つめながら呟いた。
「死んでお詫びしたつもりだったのに」
ボクは14歳で罪を償う為に死んだ。
死んだ、はずだった。
だんだん分かってきたことがある。
まずここはボクの居た場所じゃない。
日本に並盛なんて町聞いたことが無い、というか無い。
もちろんこちらの世界にボクの戸籍は無い。
病院に今入院できているのは『雲雀恭弥』のお陰だった。
雲雀恭弥、改めて雲雀さん曰く春期休校の校舎の巡回中に学校の生徒玄関前から鈍い音がして駆けつけた。するとボクが頭から血を流して倒れていた、らしい。
普通なら死んでいたはずの怪我だったが、運悪く生き延びてしまった。
この二点を理解した時ボクは静かに発狂していた。
異常だ。別の世界へトリップなんていうオカルトは聞いたことはあったがガセだと思っていた。
しかし現にその状況に立たされている。
この体は偽りの物で夢なのではないかと疑うもこの夢は覚めることなく続いた。
ボクの精神が芳しくないと見た彼は精神安定剤を渡した。
彼も時々服用するらしい。というのも彼は複数人でいる事が苦痛なのだそうだ。
それは人として生活する上では非常に厳しい。
「ではなぜ同じ部屋にいるんですか?」
「君は一応僕が見つけて拾ったからね、面倒を見れるのが僕しかないだろう?」
正論である。
ボクは仕方なく保護されていることにした。
ボクは子供で戸籍がないから治療費も何も出せない。これも彼の世話になるしか無いらしい、というか全部負担した上で入院させられてた事を知って謝罪しか口にする事ができなかった。
また、ボクと流石に同居は彼の精神的に難しいので彼の家の離れで暮らすことになった。
そして戸籍を作り直した。彼の弟としてこの世界で登録された。
僕は雲雀家の養子になった。
ボクが雲雀蓮奈になった日。