気紛れに時は風と通り過ぎ   作:サンダンス

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春風来たる

学校に通うように言われた。

義務教育で通わなければならないと。

ボクはそれに従い学校に行く事にした。

 

制服を注文して届いたものを確認すると詰め襟型の黒い服。

雲雀さんと同じ物だが、サイズと腕章が無い事が違った。

 

春休みがあけて初登校の日。

ボクは雲雀さんと同じ時刻に家を出た。が、雲雀さんとは別ルートで行く事になりボクは一人で学校に向かった。

また風紀委員の仕事か。

風紀委員は元いた世界には無かったのであまりよく分からなかったが、今は一応何をしてるのか分かってきた。

 

桜が綺麗だと眺めながら歩いていくと早めについた。

転入生なので先に職員室に向かわねばならない。

他の人と同じ方には向かわずに職員室へ行く。

 

「失礼します」

「あら、どなた?」

「私は、転入生の雲雀蓮奈です」

「ああ、雲雀恭弥君の…ちょっと待っててね」

 

入ると皆もう知ってたのか名前を呼ぶ。

雲雀、の名字だけでざわついたのは明らかだったところを見ると、やはり雲雀さんは有名人らしい。

 

 

 

 

「転入生?」

「はい、何でも雲雀の野郎が入れさせたようで…」

「ま、いい奴なら別にいいけどなっ」

「おーまーえーなー!!」

 

2-Aでは転入生の噂があちらこちらで聞こえていた。

男か女か、どんな趣味の持ち主なのか、雲雀恭弥とはどんな関係なのか……内容は様々である。

 

「はい皆さん、席についてお静かに」

 

担任教師が教室に入ってくると生徒達は噂話を止めて席についた。

 

「この四月から入る事になった転入生を紹介します。どうぞ」

 

ガラガラと扉を開けて入ってきたのは一昔前の学ランの少年。

小柄な綱吉よりも小柄で線の細い見た目をした子供。

 

その間に先生は黒板にチョークで字を書いた。

 

雲雀蓮奈。黒板にはそう書かれている。

 

「転入生の雲雀蓮奈君です。皆さん、仲良くしてくださいね」

 

「雲雀ーーーーっ!!??」

 

教室に驚愕の声が響く中、『雲雀蓮奈』と呼ばれた子は一礼した。

 

 

 

 

学校から帰ろうとすると雲雀さんから呼び出された。

入りたい部活があるのなら入るといい、とのことだった。

 

部活見学は一週間後からだ。

それまでまだ時間はあるが把握はした方がいいかもしれない。校舎もまだ分からない場所が多い事を考えると覚えなければいけない事は多い。

考える程痛くなる頭を抱えて帰宅の途につく。

 

何者かの視線を感じる。

無視してしまおう。気のせいだろうとせいでなかろうとどうでもいい。

 

「いいわけ無いだろう」

 

振り向くと黄色のおしゃぶりをつけた子供が立っていた。

 

「今の声は君で合ってる?」

「ああ、オレが言ったんだぞ」

 

こんなに小さい子供が話す世界か、と頭痛だけでなく目眩がしそうになった。

まあトリップした事を考えれば不思議では無いのかもしれないが。

 

赤ん坊はニヤニヤとこちらの様子を見ていたあとじゃあな、と去っていった。

さようなら、と条件反射で返すがまだ正気には程遠い。

ボクは家につくと大きなため息をついた。




ボクが転入生になった日。
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