気紛れに時は風と通り過ぎ   作:サンダンス

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風に尋ねよ

HRは自己紹介と転入生である蓮奈への質問になった。

 

一人一枚ずつ配布された紙には氏名、番号、趣味、目標等の項目が書き連ねてある。

その一番下に蓮奈への質問とあり、ボクは少し不安になった。

ボクはこの世界へ来た、別の世界の住人だなんて言えない。この世界にボクの居た町があるのか分からない以上どう答えるべきか。

 

そういや、旅行会社の宣伝チラシにハワイあった。適当にハワイにいたとでも答えよう。

 

時間になり先生はボクに教壇の前に立たせる。

教壇からは皆の顔が一望できた。

 

流石に全員の名前は覚えきれはしない。挨拶と質問を済ませて後で仲良くなればいい。

 

出身がイタリアの生徒がいた。染めていると思っていた銀の髪は自前なのかもしれない。

彼は眉間に皺を寄せながら億劫そうに質問をしてきた。

 

「十代目の事をどう考えている?」

「十代目?十代目って誰のことですか」

 

沢田綱吉の事を彼は十代目、と呼んでいるらしい。

十代目、はインパクトがあり忘れられそうにない。

そう呼ばれた当の本人は慌てているがよくある自分は家を継がない、といった反抗だろうか。

 

「そうですね…ぱっと見の印象では優しくて、後反抗期なのかなと思いました」

「反抗期!?」

 

周りから笑いが起きる。

銀の髪の彼は噛みついてきたがそれを別の男子に諌められ渋々座った。

中高生は反抗期思春期で心が不安定な時期だ。そうなっても仕方はない。

 

後ろの男子からの質問は好きなスポーツだった。

 

「するのは好きですが、体力的にした後は呼吸困難になりかけるので…。特に好きなのは中でも風を感じるのが好きですね、坂道を自転車で駆け下りたりトランポリンで飛んだり跳ねたり」

 

呼吸困難、と聞いて一瞬ざわついたが気にしない。

この体は弱いからできないのだ。

 

「そうなのなー…もしよかったら鍛えるか?俺が教えてやるよっ!」

「え、いいんですか?」

 

まさかの誘いに空気が少し変わった。

 

「では、宜しくお願いします」

 

なんというか、彼のお陰で静まったのはよかった。あのポジティブな性格は尊敬したいものだな、とボクは思った。

 

十代目、と呼ばれた彼の番になる。

雲雀との関係を聞かれた。

 

「雲雀さんとは兄弟だよ。似てないけどね」

 

兄弟、の二文字に女子が少し反応したように見えるのは気のせいだろうか、たぶん気のせいだ。

 

 

 

 

「リボーンの奴、何で雲雀との関係を聞けって言ったんだよ…」

「十代目、蓮奈の情報を纏めました」

「纏めてたの!?」

「おっ、気が利くな獄寺」

「テメェの為じゃねーよ!!」

 

獄寺は雲雀蓮奈について纏めたノートを見せた。

 

雲雀蓮奈。誕生日は7月8日。血液型はAB型。

身長は131cm。体重は31.5kg。

出身はハワイ。

好きな事は茶を飲むことと風を感じること。

嫌いなものはあまりよく分かってない。

雲雀と大きく違うのは覇気というか生気がない。どこか虚無である。

とはいえ感情の起伏は一応あるのか山本の誘いのとき少し目が輝いていた気がする。

等と書き綴られている。

 

「31とか、軽過ぎて持てそうなのな」

「そこかよ!」

 

でも確かにこの身長と体重は異常ではある。食べてたんだよな、と心配になる。

山本は後で自宅の寿司屋に寄らせようと考えた。




風が読まれた日。
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