『バレンタインデー』そう、全国の乙女が意中の男性にチョコと同時に愛の告白をする日だ。しかし、あーしは今までこの、バレンタインデーで意中の男性を落とせたためしがない……って言うか、1年前は成功しなくて本当に良かった……なんせ、好きな相手がまさかのロリコンだったし。そして、今年こそはと意気込んでみたものの、バレンタインデー前には彼氏が出来ていた……しかし、周囲の人達は、あーしらをカップルと呼ばない。何故か夫婦と呼んでいる……なんでだし!まぁ、そんな事は置いといて、どうも、三浦優美子です。今日はバレンタインデー、しかし、チョコの用意をしていない……すっかり忘れてたし……だから
優美子「チョコ作るし!」
美咲「おぉー!!」
八幡「……なぁ?」
優美子「ん?なに?」
八幡「お前、バカなの?」
優美子「はぁぁ!?バカってなんだし!」
八幡「いや、はぁ!?って言いてぇのは俺だからね?普通さ俺の前でバレンタインデーの話とかするか?しないよね?普通は」
優美子「今さら乙女チックな事をアンタの前でやっても意味無いっしょ?」
八幡「いや、やっぱりよぉ、お前の可愛い姿とか見てみたいじゃんかよ」
優美子「つか、あーしは365日ずーっと可愛いし」
美咲「みさきもそーおもう!」
優美子「だしょ?」
八幡「いや、だしょ?じゃねぇし」
優美子「ほら、文句言ってないで手伝う!」
八幡「は?手伝う?俺って貰う専門じゃねぇの?」
優美子「んで?どーやって作るん?」
八幡「え?そこから?もう、良いじゃん市販ので」
優美子「はぁ?なに言ってるん?折角なんだから手作りチョコを食べてもらいたいじゃん!乙女心分かって無いな」
八幡「おまっ!マジで何なの?乙女心を語るくらいなら俺の前でチョコ作んなや!」
優美子「んで?どーやって作るん?」
八幡「本当に話を最後まで聞かない奴だな……先ずはそこにある板チョコを細かく刻んで湯煎するんだよ。ってかよググれよ」
優美子「おぉ!その手があったか!んじゃあ、じゃあ、自分の部屋で待ってて、あと、バレンタインデーの事は忘れてね?後のお楽しみってことで!」
八幡「無茶苦茶過ぎんだろ……はぁ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
八幡 自室
八幡「バレンタインデーってもっとドキドキしたりするもんじゃねぇの?中学の時とかはすっげードキドキしてたよ?本当のドッキリだったけど……あれ?目の前が何か霞んできた……心の汗が半端ねぇよ」
ってか何で普通に俺んちでチョコを作ってるんだ?三浦んちで作ればいいじゃねぇか……
コンコン
八幡「んあ?入っていいぞ」
優美子「ヒキオ、部屋で待たせるのもなんか可哀想だし、外に行ってぶらぶらしてきたら?」
八幡「あぁ、そうする。終わったら電話くれ、すぐ帰るから」
優美子「ん」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
公園
八幡「あぁぁ、寒いぃぃ……何が悲しくて、こんな日に外でボーッとしなくちゃいけねぇんだよ」
??「ん?そこにいるのは師匠じゃないですか!どうかしたんですか?」
八幡「げっ……なんでお前がこんな所に居るんだよ……葉山」
葉山「いや、だって今日はバレンタインデーですよ?」
八幡「まぁ、そーだね。バレンタインデーだね。でもお前の格好は明らかにサンタクロースだぞ?」
葉山「いや~、色々な方からチョコを貰ったらこんな風になってしまったんですよ」
八幡「ほーん、んで?何か用か?久々にぼっち気分をエンジョイしてんだから邪魔すんなよ」
葉山「フラれたんですかぁ?」
八幡「うわっ、その喋り方、超うぜーな。取り敢えず散れ……シッシッ」
葉山「扱いが酷いな……じゃあ、失礼します」
八幡「あぁ……どっと疲れた」
Prrr Prrr Pi
八幡「あい、もしもし?」
美咲『パパー!!』
八幡「うぉ、うるさ!」
美咲『チョコできたよ!かえってきてー!』
八幡「あいよー、今すぐ帰るからお利口さんで待ってるんだよ?」
美咲『はーい!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
八幡「てでーま」
美咲「パパー!!おかえり!」
八幡「おー、ただいま。上手にチョコできたか?」
美咲「うん!」ニコ
八幡「あら、可愛らしい笑顔をありがとう……んで?ママは?」
美咲「パパのベッドでグダーってしてる!」
八幡「マジか……じゃあ、疲れてるところ起こしたら可哀想だから少しの間放っておくか」
美咲「うん!ねぇねぇ?みさきのチョコたべる?」
八幡「おっ、くれるのか?じゃあ、食べたいな」
美咲「じゃあ、とってくるー」タタタッ
八幡「さぁて、どんなもんかねぇ」
美咲「パパー!!はい、どーぞ」
ありゃりゃ、これは思った以上にヒドイ出来だな……でもなんだか嬉しいな…
八幡「おぉ、ありがとう。美味そうだな……食べていいか?」
美咲「どーぞ」
八幡「んじゃあ、いただきます」モグモク
美咲「……おいしー?」
八幡「ん、うまい!美咲は料理が上手だな!」
美咲「やったー!パパにほめられた!」
八幡「うん、美味かった……美咲も疲れただろ?少しお昼寝しなさい?俺も少し寝るから」
美咲「……はーい、おやすみなさい」グシグシ
八幡「はい、おやすみ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……キオ……ヒキオ!」
八幡「んあ?あ~」
優美子「早く起きろし!あーしももう、帰らないとなんだから」
八幡「あぁぁ、よく寝たー」
優美子「はい」つチョコ
八幡「お、ありがとな」
優美子「あと、これも」つ包み
八幡「何この包み」
優美子「あとで見てね!じゃあ、あーしは帰るから!」
八幡「家まで送っていくぞ?」
優美子「いい、大丈夫だから!じゃあね」バイバイ
八幡「おう、気を付けてな」バイバイ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
八幡「なんだったんだ?あいつ、取り敢えず中見てみるか……ん?手紙?」
「八幡へ
さっき、チョコの用意をしてないって言ったのは嘘です。なんだか恥ずか
しくって用意してきたとか言えませんでした。なので、あんな態度をとってしまいましたが、どうか嫌いにならないでください。私は貴方の事が本当に大好きです。これも、よろしくお願いします。 優美子より」
八幡「いや、だからなんで手紙だと丁寧口調なんだよ。ってか嫌いになるわけねぇだろったく……はぁ」
電話してみるか…… Pi Prrr Prrr ガチャ
八幡「もしもし?」
優美子『……もしもし?』
八幡「あぁ、俺だ……手紙読んだぞ?ありがとな?」
優美子『……うん』
八幡「大丈夫だからな?絶対にお前の事を嫌いになったりしねぇから」
優美子『うん、よかった……』
八幡「寧ろ、前よりずーっと好きになったから……そんだけだ、じゃあな」
優美子『あっ!ちょっと待って』
八幡「ん?どーした?」
優美子『あーしも!…あーしもヒキ……八幡の事大好きだから!じゃあね!』
Pi ツーツー
八幡「ビックリしたー!初めて生声で八幡って呼ばれた……なんか、こう」
嬉しいな……
続けたい