12歳の悪役幼女に転生しましたが、菅原様を籠絡して助かります   作:ないしのかみ

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第20話目です。


スピンオフ作品

<20>

 

 習志野三尉を執務室から出して、改めて私はレミーに向き直ります。

「転生者。だね?」

 チチはレミー・マルタンへ問いかけました。

「そうよっ!」

「転生者とは何か分かりませんけど、お尋ねします。何をそんなに怒っているのですか」

 これは嘘です。しかし、包み隠さず自分もまた転生者であると、敵対する目の前の小娘へ馬鹿正直に教えるつもりはありません。

 レミーはむすっとした顔をしてあたしを睨み付けました。その雰囲気から察する限り、シェリーへの好感度はゼロですね。

「いつから、今の自我になったんだい?」

 チチが尋ねます。まず、気になるのはそれでした。

「…三つの…3歳の誕生日の頃からよ」

 えと、シェリーとレミーは大体同じ歳でしたよね。確か現在は12歳だったから、貴女は9年も前に転生したのですか!

「そうよ。あたしはここが『GATE』(げて)の世界と知って努力したのよ。シェリー、小憎らしいあんたをせせら笑う為にね!」

 目の前の黒髪の娘は、身体を震わせながら続けます。

「フラグをひたすら守って、あんたを破滅させる為に計算して、途中まで上手く行ってたのに、どうして悪役令嬢を止めたのよっ」

 その叫びに私は困惑しました。

「そっか。あんたはファンディスク5がある世界から来たのかい」

 ファンディスク5ですって?

 煽情的な格好の娼婦が説明を付け加えてくれます。

「『GATE』(げて)のファンディスク5。

 苛められ令嬢のレミー。

 アルヌスにある酒場の主人メスカル。

 そして薔薇騎士団の百合で腐女子騎士ストリチナヤ・エ・リモーヤナだっけかな、が各々メインの作品だよ」

 ファンディスクは端役達のスピンオフ作品てす。伊丹達メインでは無く、本編では無名だった者達に光を当てるサイドストーリー編と言えるでしょう。

 私もファンディスク2でプレイヤーキャラクターになった口です。本編では単なる脇役であった存在だったのです。

 でも、5になると本当に脇役達が主役なんだなと実感しますね。レミーとかは3のシェリーで付け加えられた後付け設定のキャラだった筈ですから。

「! そう言えば、何であんたが転生者の存在を知ってるのよっ!」

 突然、気が付いた様にレミーはチチに噛み付きます。あ、彼女もチチの事を知らないんですね。あたしの知識になかった登場人物。

「鈍いね。あたいも転生者だからだよ。あたいを知らないって事は、あたいより先に現世から消えたね」

 それを聞いたレミーは呆然としていましだが、次第に肩を震わせて何かぶつぶつと呟き始めました。

「そうか…」

 呟きに次第に笑いが混じり始めます。

「その女に入れ知恵をしたのはあんたね」

 ええと、これってやばいパターンなのではないでしょうか。

「許さない。あたしは悪役令嬢を蹴落として、『ざまぁ』して最高の幸せを手に入れるハッピーエンドを迎える予定だったのにっ」

 懐中から小振りのファルカタ(短刀)を引き抜くレミー。

「止めときな。あんたは世界を支配する主人公じゃない。ここはゲームの世界その物じゃないんだ」

 対する翼人は焦っていません。あくまで自然体で、いえ、どちらかと言えば哀れみの視線を向けてレミーと対峙していますね。

「きゃあああああっ!」

 白刃を煌めかせて振り上げる姿に、私の悲鳴が上がりました。

 

<ここで解説>

 

 ここまで書いていて思いました。チチって使い易いキャラだ。

 最初はミードをその立ち位置に付ける予定で、単にミザリィさん的キャラとして設定したんですけど、取りあえず何でもこなせて使い勝手が異様に高い。

 思わぬ、つーか、嬉しい誤算であります。

 もう少し、まともな名前を付けてあげるべきだったかな。




 昨日間違って『エロエロンナ物語』の方へ、本作を投稿してしまった。
 直後に気が付いて消したけど。皆様もケアレスミスには気を付けよう。

 明日、『エロエロンナ物語』(オリジナルファンタジー)を投稿予定です。
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