東方男娘録支援作品集   作:いのかしら

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どうも井の頭線通勤快速です。
アリスのせいで性の悦びを知ったる〜ことのIFストーリーとなります。


原子力は動き出したら止まらない。K

其の島に天降り坐して、天の御柱を見立て、八尋殿を見立てたまひき。是に其の妹伊邪那美命に問曰ひたまひけらく、

「汝が身は如何にか成れる。」

ととひたまへば、

「吾が身は、成り成りて成り合はざる処一処あり。」

と答白へたまひき。 爾に伊邪那岐命詔りたまひけらく、

「我が身は、成り成りて成り余れる処一処あり。故、此の吾が身の成り余れる処を以ちて、汝が身の成り合はざる処に刺し塞ぎて、国土を生み成さむと以為ふ。生むこと奈何。」

とのりたまへば、伊邪那美命、

「然善けむ。」

と答曰へたまひき。

(古事記上つ巻 より)

 

古事記は何十度も目を通してはいるが、ここは少なくとも人前では余り読む気がしなくなる。

今日もこうして店番を務めてはいるが、珍しく客がいない。

だからこそ今ここを見ているわけだが。

ここの土地を生む、国土を作るという点でここまでの表現を利用する古代の人間の感性の独自性が窺い知られる。

少なくともこれに近い感性を持った人を、私は知らない。

店の前の往来はあるが、その足のうちこちらに向くものはない。

私は欠伸のついでに息を吹きかけ、再び本を纏めて何枚かめくった。

 

まだ先まで読み進めようとした矢先、やっと入り口の幕が捲れる音がした。

「いらっしゃいませ。」

入って来たのは緑の髪をした女性。買い物帰りなのか、物が詰まった袋を腕にぶら下げている。

確か近くの醤油屋のおばあさんから聞いた博麗神社に新たに来たメイドだっただろうか。

神社とは付き合いがあるが、どういうものかはほとんど知らない。

ただ、人ではないとは聞いた。外の本で少し調べたが、何であるか確証は得られていない。

 

その女性、まぁ人扱いでいいだろう、は棚の背表紙を上から順に流し見て本を探しているようだった。

私は一応本をたたみ、その女性の元へ向かう。

横から近づくと、彼女の視線がこちらを向いた。

「何かお探しですか?」

「あ。だ、大丈夫です……」

「そうですか。失礼しました。」

一礼して席に戻るが、少しこの客変である。

何かやけにそわそわして、周りの様子を異様に気にしている。

顔の赤さから、医者なら風邪だと言うだろうが、そもそもこの者風邪を引くのか分からない。

彼女が、私から遠ざけたい本を霊夢さんから頼まれて探している、というなら分からなくもないが、棚の位置から考えてそういう関連のものでもなさそうである。

借りに来るまで待てば良いかと私は席に戻り、閉じた本を開いた。

 

しばらくして彼女の足音が止んだ。お目当が見つかって良かったと少し待っていたが、本棚の向こうから少し息が荒れる音がするのがやけに気になる。

もしかしたらこのメイド、本当に風邪を引いているのではなかろうか。

一人しか客もいないし、気に掛けることは罪ではないだろう、と私は再び席を立ち、彼女の足音が途切れた場へ赴いた。

本に視線の全てを投入し、呼吸音を響かせながら直立している彼女が本棚の前にいた。

角度的に本の中身は分からない。だかこの彼女本当に風邪なのかもしれない。

「あのー。」

「!くぁwせdrftgyふじこlp!」

しかし声をかけた途端ただでさえ紅い顔をさらに紅潮させ、立ち位置から少しずれた場所に持っていた本を素早く仕舞うと、よく分からない声をあげて慌てて駆け去って行った。

背中を追いかけようとも思ったが、安々と店番を離れるわけにはいかない。

「あーあ。全く、本は丁寧に扱ってくれないと……」

仕方なく彼女が読んでいた本の方を見る。乱暴に入れられた為か、本が棚から軽く飛び出ている。

それはかつて数度赤蛮奇が手に取っていた本だった。

裏表紙に書かれているのは、

『18歳未満閲覧禁止』

の文字。

 

小鈴はその薄い本の背表紙を押し込み、全てを見なかったことにした。

 

 

夕刻、斜めに落ちた日は間も無く辺りの葉の散った森の中に紛れる。

霊夢が部屋の中で休息を取っていると、外の方から参道を駆ける足音がする。

その主は博麗神社である限りすぐに検討がつく。

「おかえりー、る〜こと。」

駆ける音の主は確実に霊夢が呼んだ名前であるが、その本人は顔を伏せたまま走り去る。

「る〜こと、食材は台所に置いておきなさいよー。夕餉は作るから。」

返事はないが、向かった先から考えてその通りしてくれそうだ。が、

「変ねぇ……」

「どうしたんですか?」

「ゆっ?」

足元にゆっこに乗った針妙丸が寄り添う。

「る〜ことが帰ってきたんだけど、声かけても返事してくれないのよ。」

「確かに、何時もなら一言返してくれそうなものですが。」

「まぁ、後で話を聞いてみますか。」

 

襖を閉じ、2人と1匹は揃って部屋の中で休息を取ろうとしていると、台所に荷物が置かれる〜ことの部屋に入った後、裏手に出て行くのが耳に入った。

「あれ?こっち来るかと思ったんだけど。」

「どうしたんでしょう?」

「もしかしてお風呂?」

「かもしれませんね。帰りに何か汚れることをなさったのでしょうか?」

「そうは見えなかったけどね。

まぁ、何か風呂に入りながらゆっくり考えたいことでもあるのかしら?」

壁に寄りかかりながら霊夢が頭の後ろを掻く。

「人間ってそういうものなのでしょうか?」

「あの子も人間じゃないけどね。じゃあ、私は夕餉の支度に向かいましょうかね。」

霊夢は片腕とそれに付随する袖を回しながら立ち上がった。

「ゆっ!」

「ゆっこさん、どうなさったんですか?」

いきなり針妙丸の下が跳ね上がる。

「ゆゆっ!」

「何?今風呂に小夜が入っているけど大丈夫か、って?

流石に大丈夫でしょう。いくら何でも小夜のタオルをひっぺがしたりしないだろうし。

それに小夜は時間的にもう直ぐ出て来るはずだしね。」

「ゆ〜……」

ゆっこは眉をひそめながらその顔の向きを風呂の方に変えた。

 

 

ここから起こることは、幾つかの偶然の不幸と幸運の連鎖による産物であった。

 

まずはる〜ことが先程の貸本屋の件で精神的に混乱して、集中力が散漫になっていたこと。

次いで風呂にいた小夜が脱衣所からの音に気づき、少し急いで風呂から出ようとしていたこと。

そしてる〜ことが小夜が予想していたよりも早く行動したことである。

 

これらの要因により、る〜ことは小夜の服に気づくことなく全裸で浴場への扉を開き、小夜の方はタオルを巻き桶を股間に当てた格好で、浴場の扉から人一人分離れた位置に来ることになった。

無論小夜の方は正面に現れたたわわに実る胸の二つのものなどを見た為、即座に桶の上側から鈍い音が鳴る。

勿論頭の中では困惑が渦巻いていた。

 

問題はこちら、る〜ことの方であった。

目と鼻の先に小夜がいた為、踏み出そうとした一歩目の歩幅が大きく縮む。

即ち体重が前方に大きくかかる。

果たしてその足が置かれたのは、扉のレールが成すちょっとした段差であった。

この為、アンドロイドであるる〜ことの身体は前方に大きく傾いた。

普通の人間ならば、地面に手をついてこのショックを緩和せんとするだろう。

しかし彼女がアンドロイドである為か、はたまた他に理由があるのか、彼女の両手はそれぞれ位置的に頭の少し先にある小夜が持つ桶と体に巻かれたタオルに向かっていった。

 

石畳の浴場の床の上を木の桶が跳ね、桶の口を下にして鈍い音を内部で反響させ、縁と床の接点を移動させながら回る。

「あわわわわ。あの!すみませ……」

地面に伏せたる〜ことは直ぐに顔を上げる。

もし怪我をさせていたりしたら靈夢にも申し訳が立たない。

しかしながら彼女のちょうど正面に見えたのは、先程の貸本屋で眺めていた対象に違いなかった。

おまけにそれらの本に見られるような黒の線やぼかしなどが存在しない、正真正銘紛いようのないそれの裏側である。

それが本で見た通り、かなりの角度で上向きに、先の衝撃の為か前後に小刻みに揺れていた。

る〜ことはそれから目を離せずにいた。

桶はいつの間にか安定を取り戻し、その回転を止める。

状況をやっと理解した小夜は、思わずその小さな両手でる〜ことの視線の先を塞ごうとするが、残念ながらどう見ても手遅れである。

目の前の手の動きで我に帰ったる〜ことも、直ぐに顔から火を吹かさんばかりになり、その石畳に顔を擦りつけるように伏せた。

まさに前にアリスに言ったあの言葉の通りになったのである。

二人とも声を上げることもその場から去ることもできず、しばしその場は全裸の人間二人のうち一人が倒れ、もう一人がそれを見下ろしているような奇怪な光景を見せた。

 

 

る〜ことは小夜の依頼通り身体にタオルを巻き、小夜はまだ治らぬそれを覆うように、腰のあたりに自身のタオルを乗せた。

二人はシャワーの前にあるバスチェアをそれぞれ取り、それに腰掛けていた。

無言。

取り敢えず腰を落ち着けたものの、双方とも恥ずかしさから話を切り出せずにいた。

向こうの温泉からの湯気が冷える外気に溶かされていく。

 

最初にそれを打ち破ったのは小夜であった。

「あ、あの……この事は秘密にしていただきたいのですが……」

これへの返しを直ぐにすることをる〜ことは躊躇った。

顔から見て、それが真剣な願いである事は明白である。

だが人間と同じように失敗するように設計された私は、口を滑らさないと言えるだろうか。

いや、言えない。

ドジってなんかの拍子に漏らすことはない、と断言できない。

どうすればそのようなことを無くせるだろうか。

 

そして心の中で、先程目に焼き付いた、未だタオルを押し上げているものへの興味と興奮があるのは事実だ。

アリスから聞いた話を、あの本の中に描かれたものを実現し得るものが目の前にあるのである。

下腹部から湧き上がる熱気に、彼女にインストールされた抵抗力は確実に削がれていた。

 

背中を丸めながら、る〜ことは口を開いた。

「……えっとですね……私もこのことは秘密にはしておきたいのですが……何分私ドジなもので、何かの拍子に言っちゃわないとも限らないんです……」

「ですが、これは……」

「ですから、えと……私も、人に絶対に言えなくなるほど、更に恥ずかしいことを経験して……自分への口止めにしたいんです……」

「はぁ……それで更に恥ずかしいこととは?」

心に決めてここまで口にしたものの、恥ずかしさから更に歯切れが悪くなる。

正面の小夜の真面目な顔を見ればバツが悪くなるものだ。

しかしそれは、貸本屋から高くキープされた興奮に連動した彼女の口へのブレーキにはなり得なかった。

「えっと……その……小夜さんの……ものを……触らせて頂けないかと……」

「えっ!」

「お願い……できません……か?」

 

 

「では……失礼します……」

る〜ことはバスチェアから身を乗り出し、小夜の腰にかけられた布の右を持ち、ヘソの近くを通って左に持ってくる。

その目的地は先程よりは一回り小さくなったものの、再び視界内に入った。

恥ずかしさはさっきの反動か、いささかましである。

「えっと……早目に済ませて頂けると……」

「あ、す、すみません。」

手を伸ばし、指先が触れる。

「んっ」

股間のそれはぴくんと反応し、小夜の体の方に振れる。

本当に別の生き物みたく動くのかと感心していたが、そうゆっくりもしていられない。

下手したら靈夢さんなどが遅いのを気にしてこっちにくるかもしれない。

そのまま卵を掴むように柔らかく指を絡ませる。

熱を帯びたそれは手の中で膨らみ、いつの間にかる〜ことの手を押しのけ、硬度を増していった。

鼓動が手を通じて伝わり、共鳴するが如くる〜ことの鼓動を早める。

「……すごい。」

口から飛び出した感想はそれだけだった。

 

アリスから聞いた体験談を元に、それをゆっくりと上下に動かし始める。

手の中で幼い身体に生えた異形の脈動は、る〜ことの腕を振るわさんばかりになる。

「ほっ……ほっ……」

小夜は一切抵抗しない。

全てをる〜ことに委ねる。

それが生む加虐心と罪悪感、そしてそれに相反して沸き起こる愉悦感が混じり合い、る〜ことをさらなる新境地へいざなう。

少しずつだが、手の中のピストン運動を加速させる。

確実に小夜の息は荒くなっている。

確実に小夜の剛直は頭を中心に大きくなっている。

る〜ことは自身の股の下から液体が滴り落ちていることも無視して、夢中で凝視しつつ手首から先を抽送させた。

「ああっ……で、出る。すいません、る〜ことさん。もう……」

振動が一際激しくなる。

出る。

そう、間違いない。

アリスから聞いた生命の水である。

本の描写なども見るに、止めようとして止められるものではないらしい。

優しく声をかける。

受け入れると。

 

きのこの傘が紅く大きく膨らみ、次の瞬間る〜ことに向け白い粘液が放物線を描き発射された。

何度も脈動を繰り返しながら放たれたそれは、右胸から太ももまでタオルを白く染め上げる。

右胸あたりのそれに触れると、粘度の高いそれは指と指の橋渡しを何本も形成する。

小夜は先程までの周期の短い呼吸から、深呼吸を繰り返す形で息を上げた。

先程まで硬くそそり立ち、手に熱と鼓動を伝えていたそれは、今はもう力が抜けたようにしぼみ、向きも斜め下になった。

見るからに小夜の顔に疲れが見えるが、それもそうだろう。

鍛錬を終えた後にこれをしたのだから。

 

 

「本っっ当に申し訳ありませんでしたぁ!」

「い、いえ。その代わり……」

「はい!死んでも話しません!というか絶対話せません!恥ずかしすぎて!」

風呂の床の上で、地面に伏せるる〜ことに対し、立った小夜がそれを宥めていた。

「あの……そろそろお風呂入りませんか?身体冷やしてしまいますよ。」

「そ、そうですね……」

小夜の顔を見ることもできず、る〜ことは顔を手で覆いながら小夜から少し離れて湯の中に浸かった。

アンドロイドではあるが、風呂に入ると心地よさを覚える。

そのままじっと浸かっていると、オーバーヒート仕掛けていた頭も落ち着きを見せてきた。

 

しかし脳内にこびり付いたこの恥は、小夜さんとの約束を守るのに重要な役割を為すに違いない。

こうしてしまった以上、これからの日常生活で不自然なことが生じないように正常な関係を築かなければ。

 

る〜ことは温泉の中を進み、同じく浸かっていた小夜の元に近づき、段差に腰を下ろした。

「あのー、小夜さん。」

「はい?どうしましたか?」

「あ、いえ。今回のこと、靈夢さまはご存知なのですか?」

「いえ、知らないです。ですが、る〜ことさんがお会いした方だと静葉様や穣子様、あとアリスさんなどは知っています。」

「……アリスさん、ご存知なのですか?」

「はい。」

 

アリスはこのことを知っている。

そして風呂の中での話。

おまけに体験談。

これから導き出せる答えは一つしかない。

(ま、まさか……アリスさんの体験談って……相手小夜さん!)

こう考えたものの、それを口にすることはなかった。

それよりも話を早く逸らして、気兼ねない話に持っていきたかった。

幸い、その後はその系統の話題を外すことに成功した。

 

 

浴場への扉が大きく開かれる。

「ちょっと小夜。幾ら何でも風呂長すぎよ。

夕餉もう直ぐできちゃうじゃない。」

開いたのは両腕の袖を外した霊夢であった。

「あ、霊夢さん。すみません、直ぐにでます。」

「る〜ことも早目に出なさいよ。」

「分かりました。」

小夜は霊夢が脱衣所から出る音を聞くと、温泉から出て脱衣所へと歩いて行った。

温泉にはる〜ことただ一人が残される。

アリスさんのお陰か、今日一日で私は大きく成長し過ぎた気がした。

もっとも、いい成長なのかは分からないが。

 

秘密は人の命を楽しませるが、守るための苦労も同時に背負わせるのである。

 

 

こうしてる〜ことの動作回復後の重大イベントは、恥で封ずる形で一先ず終わりを迎えた。

この先る〜ことと小夜がこの博麗神社での安寧を守ることができるのか、それは誰にも分からない。

 

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