面白いですよね。
これはオリ主の成長物語です。たぶん。
オリ主は修行によってこの世界にしてはチートな力を得ますが基本ヘタレです。
しかし偶には勇気を振り絞って戦います。たぶん。
しかし戦う動機も元を辿れば保身のためです。たぶん。
○月☓日
オレの名前はリク・クリムゾン。
今日この日より日記をつけることにした。
誰かに読まれるのは抵抗があるため、『日本語』にて表記する。
突然だがオレは転生者だ。
しかも神様転生の様なテンプレではない。
リリカルやネギまの様に嬉し恥ずかしな世界に生まれたわけでもない。
この世界には夢も希望もない。
巨人の支配する絶望の世界だ。
突如現れた謎の巨人により人類は滅亡の危機に追い込まれた。
生き残った人々は巨大な三重の壁の中に生活圏を作ることによって生きながらえている。
しかし、その平和は突如現れた『超大型巨人』と『鎧の巨人』によって文字通り破壊された。
城郭都市の外縁地区ウォール・マリアの南端、シガンシナ区の壁が破壊されたのだ。
オレは両親と共に逃げた。
この時だった。巨人の顔を見た瞬間、オレの脳裏に何かが駆け抜けた。
走馬灯のように目まぐるしく流れた映像はリク・クリムゾンとして生まれる以前の人生。
日本人として生きた記憶だった。
気がつくとオレは母の腕の中だった。
父は巨人に食い殺され、母は泣きながらもオレを連れてウォール・ロゼへ避難していたのだった。
巨人怖い。超怖い。
何あれ、あんなのに喰われるなんて嫌じゃ!
△月○日
母が死んだ。
ウォール・マリア奪還の名目で、その実、口減らしの為に多くの避難民が巨人が支配するシガンシナ地区へ送り込まれたのだ。
そして全員が生きて帰って来る事はなかった。
悲しみよりも恐怖の方が圧倒的に強かった。
オレって前世の記憶を取り戻してから人として壊れたのかもしれない…。
それにしても『進撃の巨人』か…。
絶望しか無いじゃん。
○月□日
今日は兵士になる為に訓練兵団の門を叩いた。
勿論、「巨人を駆逐してやる」とか「世界はオレが救う」なんて高尚な動機ではない。
立体機動装置が欲しいのだ。
アレを戦うためではなく逃げるためだけに利用すれば生き残れるかもしれない。
カッコ悪いと思うが巨人が超怖いので仕方がない。
オレにもテンプレ的オリ主の様なチート能力がアレば、ちょっとは違ったのかもしれない。
今期は勿論、第104期訓練兵団だ。
原作の主人公であるエレン達がいる。ちょっと感動だ。
くそったれ!3年後には必ずオレが生き残ってやる!
□ 月○日
早速訓練が始まった。
座学から始まり基礎体力づくり。兎に角延々と走らされた。
走るのは得意だし体力には自身があったので、訓練にはついていける。
もしかして才能有るかもしれない。
調子に乗っていたら教官から追加十周を言い渡された。
気づいたら“あの”ミカサを周回遅れにしていた。
どうやらこの身体、体力だけはスペックが高いらしい。
■月□日
今日は待ちに待った立体起動訓練。
早くこれを身に付けて国に貢献、じゃなくて巨人から逃げる能力を身につける。
結果、どうにも上手くいかない。エレンも悪戦苦闘しており先は長そうだ。
立体起動、本気で難しすぎる。
昔、アニメで見た時、兵士の皆さんビュンビュン飛んでいたけど、マジでパネェ。
因みにミカサさんは即効で使いこなしていました。悔しい・・。
主人公エレン、この時だけは仲間に見えた。
●月×日
遂に立体機動を習得した!
エレンが。
くそう!オレは未だ鋼糸に絡まれて蜘蛛の餌状態なのに…。
因みに既に十人以上が脱落している。
未だみっともなく食い下がっているオレに対する教官の視線が痛い。
まぁ、立体起動以外の授業は上位の成績ですからね…。
教官も長い目で見守ってくれてるのでしょう。
明日こそは習得してみせる!
▲月■日
相変わらず教官の視線、だけでなく皆の視線が痛い。
人一倍の努力は続けているのだが、オレは依然として立体起動を習得できないでいた。
オレ一人のために、これ以上訓練を遅らせる訳にはいかない。
教官から明日、最終試験をしてダメなら脱落だと警告された。
マジでどうしよう…。
立体起動無しで巨人と遭遇、結果生きたまま踊り食い…。
人生オワタ\(^o^)/
○月▲日
今日から寝床が変わった。
最終試験に落ちたオレは脱落者の烙印を押されて追放されたのだ。
まさかここまで立体起動の適性がなかったとは思わなかった。
補給兵という道もあったが、巨人から逃げる事が出来ない以上、留まる理由はない。
くそう、立体起動以外ならミカサ以外には負けないのに…。
オレは強制労働の農地開拓組へと送られた。
訓練の成果か、農作業後も体力は余裕だった。
◆月△日
どうやらオレは遂に血迷ったらしい。
最近、アニメのことばかり考えているのだ。
しかし目を瞑ると脳裏に楽しかったアニメが浮かんでくるのだ。
これ以上の現実逃避はない。
そういえば此処は一応アニメの世界。
だったらオレもアニメのキャラの様に強くなれないかな…。
気がつけば亀仙流の修行をやっていた。
仲間から変な目で見られた。
そして孤立した。
❒月○日
農地開拓もとい亀仙流の修行を始めて一年が経った。
背負っている重りも既に50㎏を超えている。
オレが耕した畑は他の人間の10倍以上にもなっていた。
耕す場所がもう無い。明日からどこを耕そう…。
因みに配達の仕事を増やした。スキップしながらやってる。
そして口元には水で濡らしたマスクをして取り入れる酸素に制限を掛けている。
結果また変な目で見られた。
そして、ご近所さんから孤立した。
◎月◆日
849年。
巨人の再侵攻まで一年を切った。
重りは80㎏といった所だろう。成人男性一人分くらいだ。
ここでオレは初めて修業の成果を見ることにした。
これで何の効果もなければ首でも釣るしかないだろう。
重りを外すと、体が羽のように感じた。
思いっきりジャンプすると20メートルほどの高さまで一瞬だった。
スゲエ…。亀仙流スゲエ…。
ここまで超人的な力がつくと次は気の制御だろう。
立体起動は諦めた。でもここで新たな希望が生まれた。
舞空術だ。
これさえ習得すれば間違い無く巨人から逃げられる!
絶対にやってやるぞ!思わず叫んでしまう。
結果、また変な目で見られた。
◆月◎日
武術の特訓をしているので戦う時、不恰好にならない様に空手の型を練習することにした。
前世で習っていた通信空手を思い出しながらやってみる。
ちゃんと形になっているだろうか?
狩人漫画を習って感謝の正拳突きでもしてみようかな…。
しかし仕事の時間がなくなるので止めた。
今までどおり鍛えたほうが効率が良い。
◇月△日
850年まで半年を切った。
修行も更に進み、オレは気の制御を身に着けていた。
気をコントロールして高める事で唯でさえ超人的な身体能力は更に上がり爆発的な力を発揮する。
もしかしたら今なら破壊された壁を防げるかもしれない。
しかし早まる気はない。だって巨人怖いもの。
技は色々とリスペクト済みだ。
気弾や気功波、残像拳など。そして念願の舞空術を遂に習得したのだ。
しかし問題も在る。亀仙流の修行を続けていたとはいえ、気功波や舞空術は多用は出来なかった。
体力の消費が半端無かったのだ。
舞空術にいたっては二時間以上の連続飛行を続けると体力が底をついてしまう。
巨人から逃げる途中で体力がつきた所を想像する。
人生オワタ\(^o^)/
残りの時間は基礎能力の口上を徹底しよう!
それから念の為に実戦も経験したほうがいいかも…。
◆月▽日
850年を迎えた。
憂鬱だ。もうすぐ壁が破られて日常が崩壊する。
しかし来るなら来やがれ!
オレは3年前とは比べ物にならないほど強くなったんだ。
いやマジで。
生き残る為に必要だと思う事は全部やったつもりだ。
気を感じ取り気配も読めるようになったし、蜂の大群を相手に動体視力も鍛えた。
実際に巨人とも戦ってみた。
夜中にこっそりとウォール・マリアに忍び込んで巨人と戦ったのだ。
思いの外、あっさりと殺せたので調子に乗った結果、体力がやばくなった所で大群に囲まれてパニクって死にかけたのは今はいい思い出だ。
この時の経験を教訓に作戦は常に「いのちをだいじに」でいこうと決心した。
人間調子に乗ると碌な事にならない。
これは原作主人公にも言えることですよ。マジで。
▽月◆日
相変わらず修行は続けている。
重りはウォール・マリアの崩された壁から拝借した。
結構重いと感じるって事はまだまだ鍛える余地は残っているのだろう。
今日はなんと、『かめはめ波』を出せた。感動した。
けど疲れるので実戦では没だな。
なんか最近、ご近所さんの態度が軟化した気がする。
気がつけば畑仕事を全部押し付けられてた。
○月×日
そういえば今日が第104期訓練兵団の卒業式だ。
エレン達、オレのこと覚えてるだろうか?
もう配属は決まったのかな?
ミカサさんやアニさん見てみたい。
絶対美人に成長してるよ。
エレン羨ましい。
オレは相変わらず泥臭く修行してるのに…。
あれ?なんか地響きが聞こえた。
恐らく巨人の襲撃だろう。
日記はここで終わるとしようか…。
オレはノートを静かに閉じると立ち上がった。
横を見ると今まで世話になった修行用の重りがあった。
「今までありがとう…」
オレは何となく礼を言うと、この日の為に作っておいた道着に袖を通した。
背中の【陸】の刺繍がおしゃれポイントだ。
「さてと、逃げるか」
オレは舞空術で浮かび上がるとウォール・ローゼの壁を目指して飛び立った。
巨人超怖い。
つづく?
リク・クリムゾン(15)850年
845年、巨人襲撃の際、前世の記憶を取り戻した東洋人の少年。
2年後、巨人に対向するためでなく巨人から逃げ切り生き残る為だけに立体機動装置を求めて訓練兵団に入団する。
しかし立体起動の適性が壊滅的であった為、兵団を追放され脱落者扱いとなった。
そんな彼を待っていたのは劣悪な環境での強制労働だった。
拒めば巨人からウォールマリア奪還の名目で口減らしの目に合ってしまう為に涙を呑んで受け入れた。
少年だったリクに求められたのは農地開拓だった。
そして何を血迷ったのかリクは亀仙流の修行を独自に始めたのであった。
常に大人一人分の重量を背負い、畑は常に素手で耕した。
体力を着けるために食料を盗みもした。
その甲斐もあって3年後には超人的な身体能力と気を操ることに成功していた。
3年の修業によって武道家として成長。
上背は低いが強靭な筋肉に覆われていて逞しく成長した。
ただし15メートル級の巨人の力には敵わない。
身長160㎝ 体重62㎏
服装は自作の道着を着用。
背中には【陸】の刺繍が施されている。
習得技
残像拳、多重残像拳、気弾、気功波、舞空術
超人的な肉体を持っている割には性格はヘタれており、巨人に食い殺されるのを何よりも嫌っている。
戦う前に先ずは逃げるの方向で、しかしどうしても戦わなければならない状況に陥った場合は涙を呑んで戦う姿勢も見せる。
戦法は気の消耗を抑えて残像拳を駆使して巨人を翻弄してうなじを狙う。
戦闘力は恐らく170前後。
最大戦闘力は250程。
一点に集中させることによって約450程。
ダイの大冒険が行き詰まったので最近流行っている進撃の巨人に手を出してみました。