ONE PIECE ~アナザー・エンターテインメンツ~   作:悪魔さん

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本作が海賊でも海軍でもなく、一国の国王が主人公となってるので、ドレスローザ編が終わったら世界会議編を最終章にしようと思ってます。
もしかすれば、イム様との全面衝突も……?


第181話〝海兵達の戦場〟

 テゾーロが自らピーカの相手を買って出たことで、ルフィを始めとしたコロシアムの強者達が足並みを揃え始めた頃。

 イッショウは自らの部隊とクザンと合流し、部下の報告に耳を傾けていた。

「コロシアムから出て来た名だたる猛者達が、〝麦わら〟と共にドフラミンゴのいる王宮へ向かっている模様です!!」

「そうですか…悪名高き奴らが規則通り動くはずがねェと踏んではいやしたが、足並み揃えて来やしたか」

 イッショウは思案し、別行動中のバスティーユに連絡を取った。

「コロシアムから出た猛者共が足並み揃えて動き出した様で……」

《町中が混乱状態の上、奴らが揃って暴れてるなんで最悪だらァ!!》

「いや…こちらとしちゃあ、その方が好都合でさァ」

《ど…どういう事だらァ? イッショウさん》

 イッショウは自らの思惑を語り出す。

「この国じゃあ、海軍はヒーローにゃなれねェ……今更「正義」を掲げた海軍や政府なんかに助けて欲しくねェってのが本音でござんしょう」

《イッショウさん……》

 バスティーユはイッショウの狙いを察すると、了解したと返答して通信を切った。

「島内に散らばった中将さん方、至急援軍を。あっしらも動く時が来たようです。王宮の麓に集結しやしょう」

 部下に援軍を要請したイッショウは、クザンに視線を向ける。

 新参者の狙いを理解していた旧大将は、含み笑いを浮かべながらその視線を返した。

 

 

 同時刻、旧「王の台地」。

 地下交易港より地上へ出たウソップ達は、コロシアムを伝ってリク王らと合流していたのだが…。

「サイ、いたぞ」

「八宝水軍の彼とごちゃ混ぜになりそうなので、下の名前で呼びませんか?」

「メッツァーノなんて呼びづらくて仕方ねェんだが……」

 スナイパーライフルを背負った男と、黒スーツ姿でコートを羽織った外交官のような男が現れる。

 テゾーロの側近であるメロヌスとサイだ。

 新世界でも名の知れた強者である二人が現れ、一同は息を呑んだ。

「お、おいロビン、あの二人って確か……!!」

「〝新世界の怪物〟の側近よ…サイって男は、サイファーポールの諜報員なの」

「ハァッ!? ってことは、おれ達を捕らえに――」

「そういう命令は下されてませんよ、ゴッド・ウソップ」

 警戒するウソップに、サイは朗らかに笑う。

 彼はサイファーポールの人間だが、あくまでも直属の上司はテゾーロのようだ。

「おい、見ろよウチのバカ上司をよ。いい年こいた国王が、あんなデカい像を操ってこの国の見せかけの平和を無法者達と一緒に壊してる。国際問題もいいところだぜ…」

「七武海の称号を与え、この国にドフラミンゴを君臨させたのは世界政府……今更救っても負った傷は深すぎる」

 メロヌスとサイは、廃墟の街中でゴールデンテゾーロを操り、ドンキホーテファミリーの雑魚共を蹂躙する上司に目を向ける。

 この国の動乱は、七武海制度の完全撤廃についての大きな布石となる。凶暴な海賊を一国の王に君臨させ、その悪行の数々に目を瞑ってきた世界政府へのツケとなる。つまり、世界を変えるまたとない好機なのだ。

 おそらくイッショウもそれを理解しているだろう。三大勢力の均衡を崩し、新時代への大きな一歩となり得る。だからこそ、あえてドフラミンゴを捕らえに行かず標的をルフィ達に定めている()()を貫いている。海軍大将である自分がドフラミンゴに対して何もできなかった形で引きずりおろすことで、世界の均衡という建前で成り立った王下七武海制度の危険性を世界に知らしめようとしているのだ。

「クロコダイルに続いてドフラミンゴまでもが加盟国を滅茶苦茶にしたんだ、どんな形になっても七武海の不要論は避けられねェだろう」

「――ああ。そうなりゃあ世界政府は王下七武海制度を撤廃せざるを得なくなる。ドフィもここまでだ」

 不意に、また別の男が姿を現した。

 ハートをあしらった服を着用し、羽が大量についたコートを羽織った金髪長身で、顔には道化師のようなメイクをしている。

 その姿を見た一同は、ドフラミンゴの手下ではと一気に警戒心を露にする。

「何者だ、貴様!?」

「まさか…ドフラミンゴの刺客!?」

「い、いやいやいや!! 待ってくれ、それはそんなんじゃない!! そりゃドフィとは縁があるが…」

 リク王とロビンが警戒したのを見て、道化師のような男は慌てて弁明する。

 すると、サイが男の正体に気づいてハッとなった。

「まさか……ロシナンテ()()!?」

「おお、おれのことがわかる奴がいて助かった!!」

『!!?』

 サイの一言に、一同は驚愕する。

 男の正体は、海軍本部中佐でありドンキホーテファミリーに潜入していた海兵――ドンキホーテ・ロシナンテ。ドフラミンゴの実弟だった。

「いやー、〝新世界の怪物〟に話が回っててよかった。センゴクさんのおかげだな」

「センゴクって……あの元海軍元帥の!?」

「ああ。おれは直属の部下なんだ」

 ロシナンテは衝撃の事実を連発。

 ウソップ達は情報量の多さに混乱していると、ヴィオラが気づいた。

「そうなのね……あなたが〝コラソン〟!! お姉さまを匿ってくれた…!!」

「ヴィオラ王女、今まですまなかった。ドフィ達にバレないようにするためには、小人族んトコに潜伏する他なかった。ずっと口伝だったのに、よく信じてくれた」

「何と……!! ではスカーレットは生きているのか!? 死亡説が囁かれていたと聞いたが…」

「ああ。ドフィ達の目を欺くためにの死亡説を流したのはおれだ。あんたには辛い思いをさせたな、リク王……」

 ロシナンテはリク王とヴィオラに謝罪する。

 スカーレットはリク王政権が崩壊したことで身分がバレ、ドンキホーテファミリーに追われる日々を過ごしていたところ、食料の調達に出たところで偶然ロシナンテと出会った。その際にディアマンテの襲撃に遭い、咄嗟に偽装工作をしたことで難を逃れ、長い年月の間ずっと匿われ続けたのだ。

 そして、ロシナンテはテゾーロのドレスローザ電撃訪問に合わせてリク王軍と決起。ドンキホーテファミリー壊滅の為に動き出したというわけである。

「おれは本来、もっと早くに死んでた人間だ。ドフィの奴を食い止められず……申し訳なかった…!!」

 ロシナンテは涙を流しながら土下座をする。

 海軍中佐という立場とドンキホーテファミリー最高幹部、そしてドフラミンゴの実弟という縁で苦しめられてきたのだろう。

 その心中を察したリク王は、「顔を上げてくれ、ロシナンテ中佐…」と言葉を投げかけた。

「君が尽くしてくれなければ…この国の未来はなかった。この国の怒りの声を受け止めた君をなぜ恨もうか」

「ええ。あなたの戦いを冒涜も侮辱もしないわ。だからもう顔を上げて?」

 リク王に続き、ヴィオラも顔を上げるよう諭すと、ロシナンテは「ありがとう……!!」と感謝した。

 すると、そこへ更なる大物が姿を現した。

「あららら……ドジっ子のロシナンテ君がこんな立派になっちゃって」

「っ!? ク、クザンさん!?」

『〝青キジ〟!!?』

 元海軍大将にして、現「SWORD」の最高幹部である〝青キジ〟ことクザンの登場に、一同は戦慄する。

 しかし当の本人は相変わらず飄々とした態度で、「よお」と軽く挨拶しただけだった。

「クザンさん、なんであなたがここに?」

「いや……ゼファー先生の命令受けてよ。まさかセンゴクさんの部下が先に行ってたとはね」

 クザンは軽く挨拶すると、その場で胡坐を掻いた。

「まー……おれも今回は麦わらに手を出さねェよ。こんな狭いところに七武海と「最悪の世代」だけじゃなく、革命軍と〝新世界の怪物〟までいるんだ。ゴチャゴチャしたこたァ嫌いでね。サカズキからギャーギャー言われても気乗りしねェし…」

「そうか、今の元帥はセンゴクさんじゃないんだったな……」

「っつーわけで暫く寝るから、戦況変わったら叩き起こしてくれ」

 ついに寝そべり始めたクザンに、ロシナンテは「相変わらずだな」と呆れながら煙草を咥えた。

 すると、クザンはふと思い出したように話を切り出す。

「そういやあ……今更だが、服燃えてんぞ」

「え? ってあっつ!! 煙草の火がァ!?」

「おい、本当に大丈夫かよ!!?」

 ロシナンテの相変わらずなドジっぷりに、一同は何とも言えない不安に駆られたのだった。

 

 

           *

 

 

「変よ! キャー変っ!」

 一方、王宮のすぐ下で待ち構えていたドンキホーテファミリーは、幹部である女装少年のデリンジャーの言葉に眉を顰めていた。

「どうした、デリンジャー」

「どおしてコロシアムの集団が登って来るの!? 下には海兵が何千人もいたハズよ!?」

 眼下には、コロシアムの強者達が下っ端達を薙ぎ倒して迫っていた。

 格闘家から新世代の海賊、伝説の海賊とその孫まで、我先にドフラミンゴを討ち取らんと、続々と大地に集結してきていた。

「少し面倒だな……何をしてやがる、藤虎は」

 グラディウスは悪態を吐く。

 世界徴兵で最高戦力に特任された男が、なぜドンキホーテファミリーに盾突く愚か者共を始末できないのか。

 その答えを見つけたのは、同じ幹部格であるベビー5だった。

「いたわよデリンジャー! 海軍全員足止めされてる!」

「何ですって!?」

 そう、ベビー5の言う通り、王宮へ向かっていたイッショウ達はサボの足止めを食らっていたのだ。

「どうしても…どいていただけやしませんかね?」

「そうだなァ…海賊麦わらの一味及びそれを手助けする戦士達、それらに危害を加えようとする者をこの先通すわけにはいかない」

 仕込み杖を構える海軍大将に対し、革命軍の参謀総長(ナンバーツー)は鉄パイプを担いで対峙する。

「海賊の援護は革命軍の仕事ですかい?」

「そうだとも。革命軍としてこの道は通さない!! …… いや、間違えた。兄としてだ」

「ほう…一体どちらのお兄ィさんでしょうね?」

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