ONE PIECE ~アナザー・エンターテインメンツ~   作:悪魔さん

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少しずつ飛ばしながら、肝心の世界会議へと突き進んでいきます。
まァ、ドレスローザ編はドフラミンゴ倒せばそれでいいですから、ね。


第184話〝逆襲のガンマナイフ〟

 ドレスローザ国防戦は、佳境を迎えつつあった。

 ウソップが見聞色の覇気を覚醒させ、シュガーを遠距離射撃で気絶させる事に成功したのを機に、幹部達が次々と芋づる式に倒されていったのだ。

 デリンジャーはキャベンディッシュに、グラディウスはバルトロメオに、セニョールはフランキーに、マッハバイスはハイルディンに、ジョーラはレオに……新世界でも名を通すドンキホーテファミリーが少しずつ崩れていく。さらに最高幹部であるピーカもゾロに斬り伏せられ、残るはドフラミンゴとトレーボル、ディアマンテだけとなる。

 そして、ひまわり畑では、キュロスとディアマンテの戦闘が苛烈を極めていた。

「〝半月〟~~……!! 〝グレイブ〟!!」

 ディアマンテは半月を描くような構えで、地面を抉る程の巨大な斬撃を放つ。

 キュロスは紙一重で躱し、一気に距離を詰める。

「おれがただヒラヒラするだけの天才マタドールだとでも思ったか!? いつまでもてめェがコロシアム史上最強だなんて思うな!!  おれには確かな実力がある!! 現コロシアムの英雄はこのディアマンテ様よ!!!」

「肩書などどうでもいい!!!」

 キュロスは平突きを放つが、ディアマンテは能力で文字通り自分自身を旗のようにヒラヒラとはためかせ、嘲笑うように正確な回避をする。

「今日一日国中をかけ回って、この揺れる大地で娘の命をかばいながら戦闘!! それを片足でやってんだ。常人ならもうとうに動けねェよ」

「片足を気遣ってくれなくて結構だ。それを言い訳にするくらいなら戦場に立たん!! 無い足は大恩人に捧げた私の誇りだ!!」

「そうか、じゃあ安心して弱点をつける。もう疲労困憊のお前におれがトドメをさすのも味気ねェ…こういう遊びはどうだ?」

 ディアマンテは「ラストショータイム!!」と高らかに叫び、ひらひらにして隠し持っていた花火筒を取り出す。

 能力が解けて元に戻った花火筒は、火を吹いて何かを打ち上げた。

「紙吹雪?」

「そう、その紙っぺらに見えるのはおれがヒラヒラにした()()だ。さァ能力を解くぞ。〝解放(ヒラリリース)〟!!」

 ディアマンテは唱えた瞬間、紙吹雪が無数の棘付き鉄球になった。

 いや、なったのではなく戻ったと言うのが正解だろう。

「棘の鉄球!?」

「見ろ、美しい!! まるで星屑の様だ!!」

 ディアマンテは嫌らしい笑みを浮かべると、自身が巻き込まれないように鉄の傘を差した。

「せいぜいもがけ! アディオス!! 〝死の星屑(デス・エンハンブレ)〟!!!」

 鉄球の豪雨が降り注ぎ、キュロス達に襲い掛かる。

「〝千紫万紅(ミル・フルール)〟!! 〝花傘〟!!」

 ロビンは能力で咲かせた1000本の腕で大量の向日葵を刈り取り、それを集めて傘代わりにした。

 上空からの鉄球攻撃に見事耐えており、ディアマンテも思わず「ほォ…うまくやりやがる」と感心した。

 対するキュロスはというと……。

「うおおおおおっ!!」

「何だと!?」

 自前の剣捌きで弾き返しながら突っ込んで来たのだ。

 コロシアムの伝説の英雄は伊達ではない。

(フッ……こんな事もあろうかと……)

 ディアマンテは懐から一丁の拳銃を取り出す。

 キュロスの片足に照準を合わせ、引き金を引こうとするが……。

 

 バァン!!

 

「があっ!?」

 その前に発砲音が鳴り、ディアマンテの拳銃に命中。

 ピンポイントに命中した弾丸により、非常用の拳銃は弾かれて落としてしまった。

「だ、誰だ!?」

 ディアマンテがそう叫ぶと、視界の奥に一人の男が拳銃を向けているのが見えた。

 あれは、まさか……!?

「……久しいな、ディアマンテ」

「コ~ラ~ソ~ン~!?」

 かつて海兵としてドンキホーテファミリーに潜入していたドフラミンゴの実弟――コラソンもといロシナンテだ。

 スワロー島でテゾーロ直属の部下である〝剣星〟の妨害にあって以降、消息不明となっていたが、この戦場に姿を現したのだ。

「10年のツケ、ここで払ってもらうぜ」

「待て、まだ鉄球が止んで……!!」

 鉄球がまだ降り注ぐ中、ロシナンテは拳銃の引き金を引き、ディアマンテの左腕を撃ちぬいた。

 撃たれた痛みで身を守る鉄の傘を放してしまい、身体が「軍隊をも皆殺しにする星屑」の下にさらされる。

 

 ドドドドドド!!

 

「ウギャアァァーーーーーーーッ!!!」

 ディアマンテは星屑の鉄球の餌食となり、悲鳴を上げながらひまわり畑に沈んでいった。

 卑劣な手段でとことん相手を追い詰めた男は、自分自身の卑劣な大技で足を掬われるという滑稽な結末だった。

 

 

 一方、テゾーロ達やコロシアムの猛者達の助けを借りてドフラミンゴの下へ辿り着いたルフィは、血まみれで倒れるローを庇うように立っていた。

 彼の目の前には、余力が十分残ったドフラミンゴとトレーボルの姿があった。

「ところで麦わら、気づいてるか? ゲームの趣向が代わった」

「ゲーム!? 何だ今更!!」

「まァ聞けよ。町を囲む〝鳥カゴ〟は今、少しずつ収縮しているんだ。まるでゆっくりと傘を閉じる様に」

 その言葉に、ルフィは唖然とした。

 藤虎が呼び寄せた隕石すらも容易く切断する鳥カゴが、時間経過と共に少しずつドフラミンゴを中心に縮小するというのだ。そうなれば内側に存在するあらゆるモノはただでは済まない。この国の全てを切り刻むだろう。

「時間にして約1時間ってとこか…フッフッフッフ、どこへ逃げてもムダだ。おれは誰も助ける気はない。国の秘密を知った者達を生かしておくメリットがどこにある?」

「っ……!!」

「町も人も動物もお前の仲間達もお前も全てだ。つまり、お前の友人達は一足先に死んだだけだ」

 ドフラミンゴはそう嘲笑いつつも、ある男に関してはどこか残念そうに語った。

「テゾーロの奴は…まァ世間にゃ()()()()()としか言えねェなァ。お前らがブチ殺した事にするか? フフフフフフ…!! まァ奴がいなくなれば、世界の風向きも大きく変わるからそれもいい……!!! フッフッフッフ!!!」

 ドフラミンゴは不敵な笑みを浮かべ、〝新世界の怪物〟を事故死として処理する気らしい。

 もし本当にそうなったら、彼を頼る者達は絶望する事だろう。

「ドレスローザは今日消える」

「お前をブッ飛ばせば済む話だろうが!!」

「それができねェって話をしたつもりだったが…」

 ルフィは両腕を武装硬化させて突進する。

 ドフラミンゴは指先から一本ずつ糸を伸ばして斬りつける〝五色糸(ゴシキート)〟で応戦する。

「懲りねェ奴だ!! 〝弾糸(タマイト)〟!!」

 続けざまに指先から糸の弾丸を発射するドフラミンゴ。

 ルフィはそれを見聞色の覇気で躱し、拳を構え殴りかかった。

「〝ゴムゴムの〟ォ……!!」

「バカの一つ覚えか? 麦わら」

 ドフラミンゴは余裕綽々といった態度で構えた。

 その時!

「〝シャンブルズ〟!!」

「ロー!!!」

 何とルフィの姿が一瞬で入れ替わり、刃のような形に集約したオペオペのエネルギーを手にしたローが襲い掛かった。

 死んだと思っていた男が復活してきたことに、ドフラミンゴは驚愕を隠せない。

「消えるのはお前だ!!! ドフラミンゴ!!!」

 ローはオペオペのエネルギーをドフラミンゴに叩きつけた。

 執念の刃は、外傷を一切与えない代わりに内臓に対して致命的なダメージを与える、渾身の一撃だ。

「〝ガンマナイフ〟!!!」

「ぐおああああああ!!?」

 ドフラミンゴは激しく絶叫し、吐血する。

 その直後、トレーボルはハッと気づいた。

「ロー!! てめェなぜ生きてる!? なぜ〝ROOM(ルーム)〟もねェのにオペオペの攻撃を!?」

「いや、ここは〝ROOM(ルーム)〟の中だ!! 多少命を削るが、目の届かねェ程の大きな〝ROOM(ルーム)〟をずっと張り続けてた!! この瞬間、この一撃の為に!!!」

 ローは種明かしをする。

 彼は数分前、ドフラミンゴの銃撃で蜂の巣にされたのだが、実はそれはシャンブルズで身代わりになったドンキホーテファミリーの下っ端である。ルフィが上がってきたところでローは作戦を伝え、この攻撃を通す為に囮役をルフィに一任したのだ。

 そしてそれが功を奏し、ドフラミンゴに無視できないダメージを負わせる事に成功したのだ。

(体内は誰にも防御できねェ!!この技ならお前も耐えきれない!!)

「ゲホ……!! やってくれたな…生かしちゃおかねェぞ…!!!」

 ドフラミンゴは吐血しながら手を伸ばすが、ルフィが追撃の〝JET(ジェット)スタンプ〟で吹き飛ばされてしまう。

 ガンマナイフは外傷なく内臓を破壊する技…勝負ありと言える状況だ。

「ロー~~!! おのれ、ドフィに何をしたァ~!?」

「邪魔すんな!!」

「ぶほっ!?」

 ローに激高し襲い掛かるトレーボルだが、真横からのルフィの攻撃をモロに受けて吹っ飛んだ。

「てめェは…てめェに都合のいい奴らを集めてファミリーと呼んだだけだ」

「ぐ……」

「そして、お前の暴走を止めようとした実の弟…コラさんを殺そうとした。知っていたよな? コラさんが引鉄を引かない事を……」

 ――おれなら引けた。

 そう語るローに、ドフラミンゴは笑いながら「お前はおれと同類だ」と返した。

「ロー……おれにとってコラソンは足手まといで目障りだった。あの日ブチ殺せなかったのは実に惜しかった……!!」

「お前みてェな悪魔野郎ならそう言うだろうな……くたばれ!! 〝カウンターショック〟!!」

 ローはすかさず、一瞬で人体を黒こげにしてしまう程の強力な電撃を与える。

 流石のドフラミンゴも、これには耐えられないだろう――そう思った直後。

「フフフ……!」

「っ!? 何でだ…!?」

「時間さえくれりゃあ、おれは自分で応急処置できる。体内では今、糸による内臓の修復作業が進んでいる」

「何だと……!?」

 ドフラミンゴが起き上がるという予想外の事態に、ローは絶句した。

 何と彼は、肉体の内外を問わず相手の攻撃によって受けた傷を糸で縫い合わせる事が出来るというのだ!!

「能力は使いようだ。回復とは違うが、なっ!!」

 ドフラミンゴはローを蹴り飛ばす。

 それにルフィが気を取られると、トレーボルが粘液を鎖のように伸ばして彼を拘束した。

「フフフフ……自爆ご苦労。息の根くらい止めてやるよ!!」

「くそォ!!!」

 あと一歩のところで、ローは仕留め損なった。

 ドフラミンゴはそんなローを嘲笑い、彼の頭を踏みつけ砕き割ろうとしたが……。

 

 ガッ!!

 

「っ!?」

「……!!」

 何と、ベタベタの拘束を解いたルフィがドフラミンゴの足を止めていた。

 〝天夜叉〟と〝麦わら〟の最後の衝突が、幕を開けた瞬間だった。




一応予定では5話以内にドレスローザ編を終わらせるつもりです。
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