ONE PIECE ~アナザー・エンターテインメンツ~   作:悪魔さん

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新年あけましておめでとうございます。
本作も連載開始から来月で9年目に突入しようとしていますが、今後ともよろしくお願いします。
今年の一発目は、短めの投稿です。

後書きに重要なお知らせがあるので、要チェック。


第196話〝根拠なく言えば〟

 〝世界会議(レヴェリー)〟が終わってから、世界はさらなる混乱を迎えた。

 何と突如として地震が()()()を襲い、それに伴う1メートルもの海面上昇により世界各地から砂浜が消え、人が住めないようになる島が続出するという前代未聞の事態に見舞われたのだ。

 その影響はグラン・テゾーロにも及び、テゾーロは幹部達と共に対応に追われていた。

「被害状況を確認しろ!!」

「住民全員の避難は完了してます!!」

「これ程の超巨大地震だ、余震と二次災害に警戒しろ!!」

「海を見張って!! 津波の兆候があるかもしれない!!」

「海面上昇がヤバいぞ!! 海岸線は気をつけろ!!」

 騒然とする自国。

 テゾーロはひたすら頭を抱えるばかりだった。

(一体何がどうなっている…海面が1メートルも上昇しただと!!? あと3、4メートル上昇したら大抵の島々は水没しかねないぞ!!!)

 海賊襲撃や伝染病の流行、国家間の緊張状態とは違った前代未聞の大混乱。

 前世でも大地震の経験はある――震源地からはかなり離れていた――が、これ程の巨大さはなかったし、何より前世と違って全ての建物が優れた耐震構造ではないこの世界での被災状況は甚大だ。ケガ人も多いが、死者がいないのがせめてもの救いだ。

 しかし、地震の原因がわからない。地震は地下で起きる岩盤〝プレート〟の「ずれ」による現象。海のプレートが海溝で沈み込む時に陸地のプレートの端が巻き込まれ、やがて巻き込まれた陸のプレートの端は反発して跳ね上がる事で発生する。こちらの世界では例外で〝グラグラの実〟の行使という原因があるが、コントロールできないと下手すれば自分の足場や味方にまで甚大な被害が及んでしまう為、流石の黒ひげもそこまで愚かではないだろう。

 残念ながら()()()のプレートや地殻が現実世界と同様か否かは把握できないので、真相究明は不可能。できるとすれば、それこそベガパンクぐらいだ。

(とりあえず、次に備えてなるべく耐震性を上げていかなければならないが……)

「あなた、電話が来てるわ!!」

「! こんな時に?」

 妻のステラから連絡が来たと聞かされ、テゾーロは駆けつける。

 自分に直接電話をしてくるとなると、相手は限られてくる。政府関係者か有力な海賊か、または加盟国の王族か……。

「こちらギルド・テゾーロ」

《テゾーロ、そっちは無事か!?》

 電話の相手の声を聞き、テゾーロは目を見開いた。

 

 

「ようやく一息つけそうだね……」

「海面上昇による浸水はないそうだ…」

「今、こっちで部隊を派遣して医療従事者の支援をしたよ」

「海岸線は安全が確認できるまで封鎖する事にしたぜ」

 財団の頃からテゾーロを支えてきた仲間達の迅速な対応により、どうにか復旧の準備が整った。

 皆が安堵しているところに、見るからに深刻な表情をしたテゾーロが入ってくる。

「…テゾーロさん?」

「まさか政府関係者が何か言ってきたのか?」

 仲間達が口々に心配の声を上げる中、テゾーロは言った。

「…………皆、落ち着いて聞いてくれ……政府加盟国であるルルシア王国が消えた」

『!!?』

 国王から告げられた衝撃的な内容に、仲間達は信じられないと言わんばかりに硬直する。

 ルルシア王国は革命軍が〝世界会議(レヴェリー)〟で起こした事件を契機に勃発した、民衆によるクーデター「8か国革命」の一国として世界に大きく知れ渡った国だ。

 テゾーロの言い回しだと、先の巨大地震で完全に海に沈んだようにも聞こえるが……。

「今回の地震でか?」

「いや……さっきの電話の主からは、今日の地震の6日前らしい」

『ハァ!!?』

 仲間達は驚愕の声を上げた。

 そんな彼らの心境を理解しながらも、テゾーロは話し続ける。

「どうにも嫌な予感がしてならない……あの国は天上金で財政がギリギリだって事ぐらいで、特に不都合ではないはず……わざわざ四皇が襲う理由もない」

「では、災害でもバスターコールでも、海賊の侵略でもないと!?」

「ああ、だから嫌な予感がするんだ……!!」

 テゾーロはタナカさんの問いに頭を抱えながら返す。

「おそらくだが、世界政府は「古代兵器」の一つを所有している…!! それが何らかの理由でルルシアを島ごと吹き飛ばした…!! 根拠はないが、そう考えれば辻褄も合う……到底公言できない案件だろうがな……」

 〝新世界の怪物〟の発言に、空気が重くなる。

 ベガパンクなら超兵器を作る事が可能だろうが、ドラゴンから「あからさまな人殺しの道具は決して作らない男」と称されてる為、ルルシア王国を消したのは「古代兵器」としか考えられない。

 ルルシア国民の生存は絶望的どころか、国ごと消滅してる上にたとえ運よく消滅前に脱出できても攻撃の余波を受けている可能性が高い。もし仮にこれが自分の国だったとしたら、考えるだけでゾッとする。

 何より不気味なのは、()()()()()()()()()()()という点。国民の反乱で政権が倒れたとはいえ、世界政府に反旗を翻したわけではない。まさか物理的な距離が近いからなんて理由ではないだろうが……。

(そして政府が持っている古代兵器は〝ウラヌス〟と考えるのが妥当だろうな……()の証言通りなら、プルトンとポセイドンは飛ばないからな……)

 「神」の名を冠する古代兵器は、三つ存在するとされている。

 プルトンは造船史上最強最悪の〝戦艦〟、ポセイドンは魚人島の王族に数百年に一度生まれてくるとされる〝人魚〟の二つ名なので、二つ共「空を飛ぶ」要素は見受けられない。よって消去法として政府が所有していると思われる古代兵器は〝ウラヌス〟だろう。

 もっとも、古代兵器が恐ろしい存在になるかはあくまでも使う者次第であるが……。

「とにかく今は復興に集中だ……そしてルルシア王国の件は、全貌が判明するまでは伏せておけ。憶測が飛び交って不安を増長させるのはマズい。おれの発言もオフレコで頼む」

『了解』

 国王の命令に、一斉に動き出す。

 世界は未曾有の混乱の真っただ中であり、いつまた次の災害が来るかもわからない。一刻も早く元通りにしなければならない。

 テゾーロ達は気を取り直して、復興作業に取り掛かった。




イム様の能力も判明してきたので、エルバフ編の進行次第で本作は早めに終わるかもしれません。
一応今年中に終わらせて、他の二つの連載作品に集中しようかなとは思ってますが……。


大まかな流れとしては、以下の通りです。

例のベガパンク放送開始。

テゾーロ、世界政府に代わる国際統治機関の樹立を目指す
(原作のエルバフ編~)

色々あって世界政府が倒れる
(多分この辺りでルフィが海賊王に)

最終回

みたいな感じです。

最終回は実は前々から決めていたんですが、そこに至るまでの過程が難しくて……。
尾田っちの気持ちがわかります。

……あれ? これ話数的に10話ぐらいで終わるかも?
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