学園黙示録 〜7日も生き残れたら上々Death〜   作:シータが立ったァァア!!

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 ……ファッ!? お気に入りが3倍以上に増えている!? ←さっきまでの私。

 と言うわけでどうも。作者です。お気に入りがなんかかなり増えているようで、ビックリしました。たった二話で30人越えしてるなんて、夢にも思っていなかったです。何が原因なんでしょう?

 あ、何度も言うようですがこの作品は色んな意味でやらかしていく予定なので、それに拒否反応が出た方は即座にブラウザバックを。

 と言うわけで本編、どうぞ。
 
 


1DAY ——新たな生存者確保へ向けて。

 

 

「ちょっとナナシ! この弓使いづらいわよ!!」

 

「そう言うなって、高城。物資が足りないこの現状じゃ、拾った弓でも使わなきゃ生きていけないだろ?」

 

「うるさいわね!!」

 

 

 ピンク色の罵声が何故か飛んでくる。物資が足りないと言う状態なのに武器を与えられただけ、良いと思うのだが。というか品質が悪いのは《奴ら》から剥ぎ取ったものだから当たり前だと思うのだが?

 

 と、こんな感じで今は彼らと合流して、学園の捜索を行っている。一日だけなら待ってあげるわとは、ピンク色(高城)の談である。

 因みに、ちゃんと役割分担をして捜索をしている。ナナシが教室・廊下に突撃して《奴ら》を駆逐、学ラン男( 小室 )オレンジ色( 宮本 )が内部を捜索・回収する。その間ピンク色( 高城 )ぽちゃ男( 平野 )が扉前で見張り、迎撃を行う。ナナシも内部で暴れ終わったらコッチに来るという、ナナシを基本とした、というか生贄にした作戦である。

 

 

「ふぅー、結構疲れるな……しかし本当にこんな物が必要なのか?」

 

 

 廊下に物資を運びながら、腰に手を当てて背伸びする学ラン男が疑問は呟いた。

 普通の奴には分からないかもしれんが、それは溶かして精錬鉄にするのだよ、学ラン男よ。

 

 

「ナナシさん、来ました!!」

 

 

 カスタムネイルガンパスパスと撃ちながら、ぽちゃ男(平野)が叫んだ。ふむ、少し想定より早いな。流石に生徒の感染速度が速すぎる気がする。

 

 

「(まあ、今は生き残る事が先決か……)了解、今向かう」

 

 

 クロスボウと即席石斧をスロットに入れて、廊下へと乗り出す。

 外には既に、数十体もの《奴ら》がいた。

 

 

「パイプボムでも投げ込みたいが……仕方ない、一匹一匹丁寧に捌くとしますか!!」

 

 

 ナナシは早速短槍を射出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから1時間ちょっとで、3Fの制圧が終わった。まだ下の階や非常階段など掃討していない所があるが、流石に時間をかけ過ぎだ。人数が多い為に慎重になり過ぎている。

 と言うわけで、

 

 

「それじゃあ俺はこれから、一人で2F制圧に行ってくるから」

 

 

 守るべき人が居ない、かつ遠慮をしなくて良いと言う条件さえ揃えば、派手に暴れる事ができる。謎補正が掛かっている自分ならばと、ナナシは強気である。

 しかし、そんな自殺行為が普通に許されるものでは無い。

 

 

「何言ってるの、ナナシさん! 一人じゃ危険よ!」

 

 

 勿論、心配の声が上がってくる。今回はオレンジ色のようだ。

 しかし、この程度じゃナナシは折れない。

 

 

「いや、全然大丈夫だ。俺にはこれがあるしな」

 

 

  クロスボウを軽くあげてみせる。そう、ナナシにはクロスボウという最強アイテム、そして謎補正というチート能力があるのだ!

 

 

「そんなので許す訳ないじゃ無い!!」

 

 

 今度はピンク色から却下の声が届く。いやいや、大丈夫なんですけど……。

 ……仕方ない。ナナシは無言で空きスロットにウンコをセットした。

 

 

「……なあ、高城」

 

「何よ、ナナ——し!?」

 

 

 ピンク色が此方を振り抜いた瞬間にピンク色の足元に茶色の泥物質を叩きつける。

 それで一瞬、場の空気が混乱に落ち行った。逃げるなら、今である。

 

 

「と言うわけで、じゃあな!」

 

「あ、ちょっと待ちなさ——臭い!?」

 

 

 ナナシはダッシュで逃げ出した。

 

 

 

 

 

 そして、今現在。

 ナナシは先ほどとは打って変わって速攻でクロスヘアを回し回っていた。バシュ、バシュとクロスボウを撃ちながら近付いてボーンナイフで一刺し。すぐに教室が制圧出来てしまうというのが現状である。

 一部屋に時間が掛からないため、1時間掛からない撃ちに2Fは制圧完了してしまう。

 

 

「うーん、これはちと速すぎる気がする……」

 

 

 流石のナナシも、自分の異常さに気がついたようである。ゲーム人間になっても、ナナシは人間なのだ。

 

 

「(というか、このフットワークの軽さは学生時代に戻ったからという理由では片付けられないぞ。なんだよ、このチートボディ。全然疲れねえ)」

 

 

 その理由はスタミナを切らさないように立ち回っているからなのだが、それでも長時間動き回って疲れないとは、異常である。

 疑問を抱きつつ、ナナシは周囲の回収に向かう。ゾンビの死体は時間経過と共に自動解体されてしまうのが、7DTDの常であるが故に。

 

 

「……お、またリュック拡張材みっけ」

 

 

 解体していくと、バック拡張材は案外大量に見つかった。今回の2F制圧だけでも3つである。

 それに、骨はなんと50本! かなりの数である。これは骨ナイフにさっさと換算して全員に配った方が良いかもしれない。

 

 

「とりあえず次は1Fの制圧に——」

 

 

 ——きゃああああ!!!

 

 

 階段を降りようとした瞬間に、叫び声が聞こえた。本日二度目の悲鳴である。因みに今の声はピンク色のでは無かった。

 方向は、非常階段からのようだ。

 

 

「……行くか」

 

 

 人数は多い方が良い。成功すれば、農作を見る係が作れるかもしれない。

 ナナシはあくまで、自分が生き残る為というスタイルは崩さずに、生存者(サバイバー)の救出に向かった。

 

 

「た、卓造っ!!」

 

「クソっ! 下がってろ!!」

 

 

 ナナシが救援に向かった頃には既に、男子生徒の一人が噛み付かれていた。卓造と呼ばれていた男子生徒である。

 

 

「うわっ、遅れちゃったかぁ……しゃーない」

 

 

 すぐさまクロスボウを構えて、現在卓造に噛み付いている《奴ら》の頭部を破壊する。

 

 

「!? —だ、だれ!!」

 

 

 答えずに、非常階段を登ってボーンナイフを装備。すれ違いざまに一匹に首根っこを斬り取って無力化する。

 

 

「あらよっと」

 

 

 そのままち血みどろのボーンナイフを投擲、2匹いる内の近い方の頭部を深い刺し傷をつくる。

 その間にクロスボウを装備。弩矢(ボルト)を装填して、

 

 

 ——バシュッ

 

 

 最後の一匹を排除する。あっという間に《奴ら》に集団を刈り取ってしまう。

 

 一仕事終えたナナシは、非常階段の手すりに寄りかかる男子生徒、卓造の容体を片手間に見やる。

 その傷は、酷いの一言に限った。

 

 

「(しっかりと食い千切られてんな……感染してるだろうし、このまま介錯してやるか、それとも……)」

 

「お、お願いします! 卓造を助けて下さいっ!!」

 

 

 ナナシがちゃっかり考察していると突然、両腕に重力がのった。若干青みがかかった黒髪の少女である。

 何やら、彼を助けて欲しいらしい。

 

 

「と言っても出来ることは限られているんだが……」

 

「お、お願いします! お願いします! 何でもしますから、卓造を助けて下さいっ!!」

 

「お、おい直美!」

 

 

 土下座までして頼み込む少女。非常階段で良くやるものだ。ほら、卓造くんを見てみろ、困ってるだろ?

 

 

「(まあ、助けてやりたいのは山々だしな……成功するか分からんが、やってみるか)」

 

 

 とりあえず、自分の数少ない貴重資源を使うことを決意する。

 と、その前に。

 

 

「卓造くん、一応確認しておくが……ここで人間として死ぬか、《奴ら》として蘇るか、選べ」

 

「……え?」

 

 

 瞬間、少女、直美の顔から笑顔が消える。当然だ、救いを求めた先が死神に思えたのだから。

 

 

「ちょ、ちょっと待って下さい! 話が違——」

 

「お前は黙っていろ——それで卓造くん、君が望むのはどっちだ?」

 

 

 瞳を覗き込むように問いかける。その行動に、卓造はくっ、と歯を食いしばる。

 

 

「か、介錯で、お願い…します……」

 

「た、卓造ッ!!!」

 

 

 ニカッと笑って死ぬ決意をした卓造。その態度が気に入らないのか、直美が止めに入る。

 それを気にも留めずに、ナナシは続ける。

 

 

「それじゃ、死ぬ覚悟は出来たんだな?」

 

「…は…い……」

 

「ふむ……ならば、そうだな」

 

 

 その言葉を聞いて、ナナシはもう一度問いかけた。

 

 

「死ぬ覚悟があると言うのなら、もう一つ選択肢をやろう。これなら、人間として生き延びられるかも知れないな」

 

「——え」

 

 

 一瞬、唖然となる一同。最初に再起動したのは、卓造だった。

 

 

「ど、どういう——」

 

「いや、実は俺はとある薬を持っていてな。効き目があるか分からんが、感染を留められるかも知れない」

 

 

 その名も、『抗生物質』 普通の薬に見えるが驚くなかれ、7DTDでは全段階の感染症を全快するのだ!

 ……まあ、この世界のウイルスに効くか分からないが。

 

 

「一応言っておくが、効くかは分からない。もしこっちを選べば《奴ら》の仲間入りを果たすかもしれない。

 死ぬ覚悟が出来た君にだからこそ言わせて貰う——君は、どうしたい?」

 

 

 実際問題、選び辛い問いかけである。

 片や名誉の死亡を遂げられる。片や《奴ら》化と生存の確率が半々の博打行為。どっちに転んでも、死ぬ可能性があるのだ。

 

 

「……生き、たいです」

 

 

 しかし、彼は生きれる可能性がある方を選んだ。《奴ら》化しても、ナナシがいれば安心だと思っているのだろう。

 とりあえず、彼の証言は聞けた。となると早速、診察開始である。

 

 

「それじゃコレ、さっさと飲んじゃって」

 

 

 抗生物質と水瓶を渡して飲むように強要するナナシ。

 しかし一人では飲めなかったらしい。直美に手伝って貰ってやっと、飲み込めた。息も絶え絶えである。

 であるのだが……

 

 

「い、息が…苦しくない…?」

 

 

 仮称『奴らウイルス』の感染は終わったようである。とりあえずは成功である。実験の意味でも、生存の意味でも。

 次は、傷の手当てである。すぐさまカーテンから剥ぎ取った布切れで、通常包帯を創り上げる。

 

 

「……とりあえず巻きつけって、と」

 

 

 適用に傷口を中心にぐるぐる巻きにする。ガーゼも何もしなかったが、ゲームでも同様だし、大丈夫だろう。

 

 

「それじゃ、あとは幸運を祈るぜ。はい、コレ」

 

 

 直美にボーンナイフを一本渡す。出来立てホヤホヤの新品だ。

 

「……コレは?」

 

「分かってるだろ? 卓造の、だよ」

 

「……!!」

 

 

 因みに意味は、二通りある。

 卓造を守るために使え、と卓造が『奴ら化』したら使え、の二通りである。

 

 

「それじゃ、俺はコレで。合流する気があるんだったら2Fから上の階を目指せ。俺の仲間がいるはずだから」

 

 

 それだけ告げて、ナナシは非常階段を降りて1Fに降り立つ。

 今回の治療(実験)で、分かった事がある。抗生物質は『奴ら化』の進行を全快する、と。

 

 

「ふぅー、結構easyモードじゃないか。……今の内は」

 

 

 時間が経てばハードモードになるのがゲームでの常である。勿論、ナナシは死ぬ気は無い。

 彼は今も、クロスボウ構えて短槍射出作業を繰り広げているのだから。

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 ナナシがう◯こ爆弾で逃走した後、小室達一行は屋上へと避難して居た。理由は単純、3Fがう◯こ臭くなったせいである。

 その臭いは、3F全体に広がってしまっていた。

 

 

「全く、あいつが何考えてんのよ!」

 

 

 ピンク髪のツインテール、高城 沙耶(たかぎ さや)が叫んだ。ゾンビがいるのに、大丈夫なのだろうか。

 しかし、この場の一同は彼女と同じ気持ちであった。

 彼が、ナナシが一体何を考えているのか、それはこの場の誰にも分からない。

 いきなり《奴ら》だらけの学校に住もうとか、2Fからは一人で制圧にいくとか、トンデモなく臭いう◯こを所持してるとか。最早変態である。

 

 

「でも、彼の技術力には眼を見張るものがあります」

 

 

 ぽちゃ男、平野(ひらの) コータが彼を掩護するように言った。

 

 

「彼が使っていたのはクロスボウっていう海外発祥の弓矢何ですが、本来ならばあれだけのパワーのものを片手で装填できるようなものでは無いんです。

 しかも、反動もそれなりにあるから、次々にポンポン撃てるようなものでも無い……。

 そんな物を毎回頭に直撃させているんだから、本当に凄いですよ」

 

 

 冷静に、淡々と述べるその解説に、一同は息を飲む。

 彼は実は、そんなに凄い技術の持ち主なのか、と。まあ変なやつという印象が一番だが。

 因みにコータは違ったベクトルでナナシに興味を持っていた。

 

 

  そんな中。

 

 

「——うぅ、くさぁいい!!」

 

 

 廊下から声が漏れてきた。一瞬だけ構える一同だが、その声の主がちゃんとした言語を喋っているとわかり、警戒を解く。

 バガァン、と屋上の扉をぶち破って出てきたのは……

 

 

「あ、えっと……こんにちは?」

 

 

 ナナシが救出した、卓造達一行であった。

 今この瞬間に、新たなメンバーが合流したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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