学園黙示録 〜7日も生き残れたら上々Death〜   作:シータが立ったァァア!!

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 どうも。作者です。

 今回で……四話目かな? 中々の駄文ですが、楽しめて頂けているでしょうか。更新も段々遅くなって行きますが、下っ端娯楽として楽しんで頂ければ幸いです。

 そうそう、遅いと言えばですが。中々【1DAY】から抜け出せないですね。良い加減【2DAY】に行きたいのに、中々話が進まない。どうなってんだい、マイケェェエル!!

 と言うわけで本編、どうぞ。
 
 


1DAY ——ゾンビキラー・木トゲ

 

 

 ナナシはアレから、数多くの場所でクロスボウを振るって来た。バシュバシュと弩矢を射出しまくり、ヘッドショットで破壊。

 弾薬(ボルト)は1スタック250本なので、射出したものを再利用してなんとか数を間に合わせている。因みに、幾つか折れてしまったものや傷んだものもあるので、実際回収していても初期数には戻らない。

 

 そんなナナシの行動範囲は、校庭にまで進出していた。1Fと非常階段、渡り廊下と教員室の制圧が完了したのである。

 

 

「おーおー、結構いるねぇ〜」

 

 

 若干壊れ掛かっているクロスボウを構え日陰を作るように右手を額に置くナナシは、ウンザリしたように呟く。もはやウンザリを通り越して楽しみすら生み出されてしまっている為、末期である。

 

 

「右60左40に真正面に50……結構いるんだなおい」

 

 

 ゴキブリの如く目の前に広がるヒトガタを大雑把に数えて、一息零して頭を抱えてしまう。先ほど制圧した数よりは少ないが、短時間でこれだけの作業をして来たのだ。その努力を誰かに評価されたいものである。

 それなのに今度は、一エリアに150体である。音を出そうものなら、一斉に寄ってくる事だろう。

 

 

「(はぁー、爆弾超使いてぇーー!!)」

 

 

 しかし、爆発物を使えば大きめの爆発音が発生する為、《奴ら》にターゲットロックオンされる事は間違いない。

 ガンパウダーの補充も出来ない現状で使うのものでは無いだろう。それにパイプボム自体のダメージも少ないので、囮に使うのも躊躇われる。

 

 

「……ん、囮?」

 

 

 その言葉を機に、ナナシは良いアイデアを思いついた。自分の労力とクロスボウを余り消費せずに、この場にいる《奴ら》の勢力を大幅に削ぐ事の出来る、最高の作戦を。

 

 ナナシは思い付くと同時に、直ぐに作業に取り掛かる。

 まず《奴ら》が余りいない広めの場所に音を立てずに移動し、その間に脳内インベントリ内でこの作戦の要を量産する。数は……200もあれば十分だろう。

 

 単品あたりの生産には時間が掛からない。1秒も掛からずに新たなものが次々と作られていく。ナナシは作製の為に一切手を使っていない事を考えると、このゲームパワーは正にチートだろう。

 その作製作業をしていない手だが、仕事はちゃんとしている。今しがた量産中のソレを、次々へと地面に配置していき、計画の要であるを配置していく。

 

 14x14の正方形にソレを張り巡らせれば、準備は完了だ。予め掘ってあった中心の深めの穴に、点火していないパイプボムを投げ込めば完成である。

 

 

「それじゃ早速、避難しますかねぇ〜」

 

 

 急ぎつつも忍び足で走って行き、校舎の2Fまで急行。道中で『ウッドフレーム(木枠)』を数個作製しながら突き進んでいく。先ほど校舎内は一掃したので《奴ら》の生き残りは居ない。……死体すらも

 

 先ほど急造した罠が見渡せる窓辺まで来たところで、早速窓を開ける。瞬間に吸空気が入れ替わるが、お世辞にも美味しいとは言えない。

 

 

「えーと、中心のアレは……お、あったあった」

 

 

 パイプボムを確認した所で、早速周りにウッドフレームを配置していく。適当に自身を囲んだ所で、取り敢えずの防空壕は完成である。

 

 自身の安全が確保された所で早速作戦を開始する。クロスボウの矛先を先ほど掘ったばかりの穴へと向け、パイプボムにクロスヘアを合わせて、撃つ。

 

 その瞬間に、二種類の音が鳴った。

 一つはいつもの短槍射出音。もう一つは……爆音。

 ダイナマイトに勝らずとも劣らない爆音を響かせて、周囲の空気を一瞬にて静止させる。

 

 

 そして、時は再び動き出す。

 

 

 校庭に、グラウンドに、駐車場にいた全ての《奴ら》が音に反応して、一斉に走り出す。皆の目的はただ一つ。音の発生地点である。

 

 10秒掛からずに先ほどの罠の周りに《奴ら》が現れる。走りながら一点を目指すその光景ははっきり言って、恐怖以外の何物でもない。もしもあの真ん中に自分が居たらと思うと、ゾッとしてしまう。

 しかし、あの中にナナシは居ない。そもそも、《奴ら》の諸君にはわざとあの場所を目指すように仕組んだのだ。あそこを目指す事に寄って《奴ら》は、手を下さずとも自爆してくれる。

 

 

「やっぱりこの作戦は最強だな」

 

 

 囮目指して走り回る《奴ら》の足元に配置された『ウッドスパイク』が《奴ら》の脚部を破壊して、姿勢を崩すと同時に頭にスパイクが突き刺さる。

 スパイクの耐久力は直ぐに無くなってしまうが、そこは数でカバーする。量産品なので、こちらの財布事情は余り痛くはない。

 そして何より、《奴ら》は音にのみ反応する。ピンク色が言うには痛覚や視力がない為、損傷を気にせずに音の発生地目指す。これによって《奴ら》は歩みを止めない為、スパイクがある限り100%《奴ら》を殺す事が出来るのだ。

 

 それから10分後。向かってきた《奴ら》の大多数が死滅した。スパイクは幾つか、というか校舎側のものがかなり残っている為、校舎入り口の防御網として活用するのが吉だろう。

 

 殆ど壊れかけているクロスボウと新品の弓、それと先ほど作製した石斧をスロットに入れてナナシはウッドフレームを回収、1Fを通過して校庭へと出た。

 なかなかの絶景である。《奴ら》の死体だらけだ。

 

 

「……さて、それじゃやるか」

 

 

 早速死体漁りと解体作業の始まりである。今回はいつも通り、解体用石斧を2つ常備している。

 まずは最初に近場の死体をsearch。1秒掛からずに漁って出て来たものは、空き缶。ハズレである。

 

 

「まあ、《奴ら》が持ってる物なんて、そんなものか」

 

 

 こんな物だと割り切って、仮設したチェストにしまう。残り1スタック半の木材の余りをを使用した、なけなしのチェストである。

 

 そこから、数十体searchして解体したものの、中々いいアイテムは手に入らなかった。

 空き缶に雑草、土に空き缶、紙と砂と空き缶、空き缶……etc。空き缶ばかりである。

 それでも農業用の素材が手に入ったのは、不幸中の幸いだろう。

 

 

「いやー、ユッカとアロエがここで手に入ったのはデカイね」

 

 

 ユッカは飲料にしても食料にしても、何方にしても優秀な食材である。これ一つ(というか数スタック)あれば序盤は食生活に困る事は無い。

 しかも暑さ対策にもなる。これはお得である。

 

 もう一方のアロエは、序盤に作成できる数少ない回復アイテムの原材料である。これ4つを使ってできる『アロエクリーム』はそのまま塗っても効果があり、『包帯』に絡めて作ったら更に効果が高い。

 クラフト出来ないカビパンを材料とする救急箱とは違い、篭ってでも量産出来るというのが最大の特徴である。

 

 そんな重要アイテムが、まさかの1日目で手に入った。農業をしようと思って居た今、これが手に入ったのは奇跡であるだろう。

 ナナシは心の中で、絶対に量産しようと決意した——

 

 

「これは——凄いですねぇ」

 

 

 search中にふと、後ろから声が聞こえた。

 後ろを振り向けばそこには、数人の生徒に一人の教師らしき人物がいた。位置的に、先ほどの声の主はこの教師であるだろう。

 それにしても、随分派手なスーツを着込んでいるものだ。ラインが入った細身のスーツなど、余程自分に自身があるものしか着ない。

 

 

「これは、君がやったのですか?」

 

 

 至って丁寧に、かつ探りを入れるように話しかけてくる教師。さて、どう答えたものか。

 

 

「……まあな」

 

 

 とりあえず肯定のみしておく。ただし、それ以上の情報は喋らない。何と無くだが、コイツは裏表がある節がある。下手に出ないほうがいい。

 そんな考えを知らない教師はワザと驚いた様子で、

 

 

「ほぉ、コレを君が! 凄いですねぇ、コレだけの罠を設置するなんて」

 

「先生の言う通り凄いですよ! 遠目でしか分からなかったですけど、この罠が《奴ら》を次々に倒していって!」

 

「ホントよね!!」

 

 

 教師の言葉をキッカケに、後ろの生徒からも賛美の声が上がった。普通のラノベ物ではここで照れるべきなのだが、ナナシは素直に喜べなかった。

 こう言った形で近づいて来て、後ろからブッスリとPKされた記憶が数多くあるからだ。あれ以来ナナシは、協力プレイという物を一切しなくなった。孤独プレイ最強である。

 因みに現在は気分によって変わるようだ。勝手な野郎である。

 

 

「私の名前は『紫藤 浩一(しどう こういち)』 この藤美学園で教師をしていました。貴方は見た所学園の生徒のようですね。何年生ですか?」

 

「……3年生(らしい)」

 

 

 一言だけポツリと話し、余計な情報は限りなく削減する。

 しかし、彼にはそれだけで十分だったらしい。そうですかそうですかと言って、一人で頷いている。

 そんな中、紫藤が思いついたように言った。

 

 

「ああ、そうだ。所で君は、コレから行く宛はあるんですか?」

 

「……」

 

「無いのなら、私と共に来ませんか? 私ならば貴方を安全に守りきれますよ!」

 

 

 ナナシは黙り込んで様子を見る。が、その沈黙を教師は"無い"と取ったらしい。聞いても居ないのに自信満々に答えてみせた。しかもその様子を周りの生徒はキラキラした目で見ているのが、余計にタチが悪い。

 まあ、こんな奴らにする対応など、ナナシには決まっている。

 

 

「へぇ、そうかい。それはご苦労なこったね。じゃ、頑張ってねえ!」

 

 

 適当な返事で、否定の意思を告げる。煽ったように喋るのがコツだ。

 紫藤はこの煽りをマトモに食らったらしく、一瞬だけ表情が固まって居た。筋もピクリと動いてもおり、余程気に障ったらしい。

 

 

「……それは、我々とは合流しないという事ですか?」

 

「ああ、その通りだ。俺は既にこの学園に拠点を構えている。今更他所へ行く義理は無い」

 

 

 吐き捨てるように言ってやった。

 

 そもそも、彼はあくまで一教員に過ぎない。高城や鞠川のようにこの場では役に立つ余計な知識がある訳でも無く、小室のように統率力がある訳でもない。当たり前だが、毒島や平野のように戦闘力がある訳が無い。

 それに、現在の彼らは非常に軽装で、逃げ腰である。そんな奴らにあのメンバーを捨ててまでついて行くメリットは見出せない。

 

 

「ほう……拠点ですか。宜しければ、我々も合流しても?」

 

「……まあ、良いだろう。しかし、条件がある」

 

 

 とりあえずは了承する。見た所純粋な生徒が多いらしく、あまり活発ではないタイプの奴も多い。紫藤という男は危険だが、こいつらを手放すのは、実に惜しい。

 という訳で早速、条件を提示してやる。

 

 

「まず、彼処は俺のテリトリーだ。それを侵害するのならば、容赦はしない」

 

「ほうほう、容赦はしない、ですか。物騒ですねぇ」

 

 

 所詮は子供の戯事だとでも思っているのか、大して脅威には思って居ない様子。……警告しないが、ナメていると、痛い目に会うぞ?

 

 

「二つ目は、俺の指示を聞く事。勝手なことをされては困る、これは絶対だ」

 

 

 尚も適当な反応をする紫藤。恐らく、聞く気が無いのだろう、乗っ取りでもやるつもりか?

 まあそのつもりならばこちらも考えはあるがな。

 

 その後も、幾つかルールを押し付けていったが、全て適当な反応だった。何を言ってもマトモに聞かない。ナナシも彼の反応にはイライラきて居た。

 

 仕方ないので、ナナシは校舎入り口へと向かう。

 

 

「……ついてこい。拠点に案内する」

 

「おお、それは有難い!」

 

 

 ……さて、こいつは一体いつ、本性を現すのかな?

 

 

 

 

 

 

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