もしも友沢が投手を諦めるほどの天才の親友がいたら・・・ 作:八百屋財団
雛壇たちが新たに決意を固める30分程前。
帝王野球部第一ミーティングルーム
帝王野球部に与えられたもう一つのミーティングルームに、
2・3年生部員総勢32人(マネージャー込)がこの部屋に集められていた。
帝王野球部監督を任せらている守木監督は、
全員が集まっていることを確認してからホワイトボードの前に立った。
「これよりミーティングを開始する。全員!起立!」
ガタッ!
監督の号令で部員全員が一斉に立ち上がり姿勢を正す。
「よろしくお願いします!」
「「「よろしくお願いします!!!」」」
蛇島の号令で部員全員が大きな声を張る。
「よし!全員!着席!」
ガタッ!
最後に監督の号令で再び席に座る。
紅組とは違い何処までも統率された動きであった。
帝王野球部の厳しさを表し、同時にチームとしての一体感を感じさせる。
「さて今回の新入部員歓迎紅白戦だが・・・、はっきり言えば今年の紅組は
話し始めた監督の顔は険しいものだった。
監督は3枚の写真をホワイトボードに張り付ける。
写真の上には赤文字で「重要人物」と書かれていた。
———そこには与志や日下部の写真は無かった。
「友沢亮、奥居紀明、そして雛壇祭。今年の紅組はこいつらが中心と言っていい。今年入部した他の奴らは大したデータ(成績)は無かったからな」
「まずは友沢亮。走攻守と全てに優れたオールラウンドプレイヤー。特にバッティングに関しては飛びぬけてると言っていい。アベレージヒッターとパワーヒッターの両方の特性を持っており、状況によって使い分けられるという天才だ。瀬久維、資料を配れ」
「はい」
マネージャーの瀬久維は資料を配り始める。
「配られた奴から資料を見ろ。奴のシニア時代の成績だ」
部員全員が配られた資料を読み始めた。
「嘘だろ・・・」
「コイツ本当に中学生かよ」
その成績に驚き、数名の部員が声を漏らす。
「驚くのはまだ早いぞ。ページを捲れ、次は奥居紀明だ」
監督の言葉に部員達は次のページを捲った。
「奥居紀明。友沢と同じく走攻守と全てに優れたオールラウンドプレイヤー。特に盗塁及び走塁技術に優れている。典型的なアベレージヒッタータイプだが、先頭打者本塁打を打った事もある。打点・本塁打では友沢が上だが、打率・盗塁数では奥居が上だ。もし奥居が居なければ友沢は中学で三冠王に成れたかもしれないな」
監督の言葉が終わると、ミーティングルームに重い空気が流れる。
二人の成績はどう見ても中学生レベルでは無かったからだ。
「さてここまでが
「「「「!?」」」
監督が再び開いた口から出た言葉に、部員全員が例外無く驚く。
「先の二人も大したものだが、こいつに関してはもう一段上だ」
そう言って監督は一枚の写真を指す。
「雛壇祭。右投げで中学生でありながら最速145kmのストレートを投げる。変化球はスライダーと縦に落ちるスライダー、通称Vスライダーを使う。どちらも変化量・キレともに超高校レベルと言っても良い。またスカウトからの情報によると、少し投球フォームが独特らしい。さらにこいつを語るうえで外せなのは・・・」
一度息を吸い、改めて口を開く。
「シニア最後の試合でノーヒットノーランを達成した。しかもその試合は四球数0だった。事実上完全試合未遂と言っていい」
監督のその言葉で空気はさらに重くなった。
シニアでノーヒットノーラン及び完全試合未遂。これはまだいい、
甲子園で怪物と呼ばれるピッチャーはそういった経験を積んだ者は多い。
だが最大の問題は怪物級の投手に、二人の天才打者が加わった打線が同じチームである事だ。
「さてここまでの説明で貴様らも気づいただろう」
説明を終えた監督は選手たち全員を見渡す。
「今回相手するのは新入部員という生ぬるい相手ではない。間違いなく甲子園出場を果たせるチームと互角と言って良い。決して油断することなく迎え撃つぞ」
監督は雛壇達新入部員を正しく評価してた。
この紅白戦は優秀な新入部員を早々に上げる試験でもあるが、
同時に格下相手に足元をすくわれないように、
スタメンの気を引き締めるために行われるのだ。
「大丈夫ですよ監督。僕たちは帝王野球部、最近まで中学生だった奴らに負けるつもりはありません」
重い空気が続く中、口を開いたのはキャプテンの蛇島だ。
「その通りだ、夏と春の大会で我らは全国優勝を果たせなかった」
次に口を開いたのはエースの山口。
「アンドロメダ学園のエースは引退し、雪辱を果たせなかったが、あかつき大付属の黄金世代は今年が最後なのだ。最も仕上がった奴らを倒してこそ我らが最強だと示せるのだ!」
普段と変わらぬ尊大な態度で仲間を鼓舞する。
「そうだそうだ!」
「一年何かに負けられるか!」
「帝王の厳しい練習の成果を見せてやるぞ!」
山口の鼓舞に呼応し、重い空気が流れてたミーティングルーム「に闘志」が宿った。
「(男の子よね、こんなに熱くなれるんだから。まあそこがカワイイのだけどね♡)
マネージャーの瀬久維は部員達の「熱さ」が羨ましく、
そしれ愛らしく思え、笑顔になってしまった。
彼女は見た目だけでなく、内面も成熟してるようだ。
「よし貴様らのやる気は分かった。中学で好成績を残して天狗になっている奴らに、全国最強クラスの帝王の強さを見せてやれ!」
「「「はい!!!」」」
最後に守木監督の激励でチームは一丸となった。
かつて雪辱を果たす為に彼らは負けてやるつもりなど無いのだ。
新入部員歓迎紅白戦の白組。
燃える「闘志」を抱き、彼もまた青春を満喫していた。
オリジナル設定⑫アンドロメダ学園の設定改変。具体的には大西が既に強化済みで山口の二歳年上になってます。山口の左腕転向が早まったためこうなりました。ちなみに大西と山口は原作通り知り合いです。
オリジナル設定⑬あかつき黄金世代が友沢達の二歳上に。これにより猪狩達が主人公たちの一歳上になります。つまり雅ちゃんが主人公たちより年上扱いに・・・
次回はいよいよプレイボール!
追記
ちょっと抜けてた文があったので足しました。