翌朝、微々たるものではあるがどこからか渡り鳥の鳴き声だろうか無人となったここペテルブルグの街の建物に反響している。鳥の鳴き声と雪が落ちる音以外には何も聞こえない。深く積もったオラーシャの雪はどんな音さえも吸収して身に閉じ込めてしまうようだ。
だが、その雪でさえ吸収出来ない爆音をたてながら平原の上を悠々と飛ぶ一人のウィッチの姿があった。
「ネウロイの野郎、どこだ‼」
オラーシャの冷たい空気に冷やされたー
「何処にいやがる‼」
二本の飛行機雲をー
「くそっ!くそっ!」
すぐに空色に戻すかのように熱くなって怒り、管野直枝は声を荒らげていた。
現在管野は基地周辺の哨戒任務中であるため他の隊員にこの声が聞こえる事はまずない。
その怒りは孝美をすぐに連れてこれない自分の腕の未熟から来ていると自覚している。
よって怒りは自分に向けるべきだと分かっている。分かっているが、分かっているからこそ余計に腹立たしかった。
ネウロイの1匹や2匹、またはそれ以上撃墜せねば今の怒りは治まりそうにない。
その感情からかピッチングは激しくなりユニットからは不快な音を奏で出した。
「うるせえぞ、このポンコツ!」
管野は自分のユニットへ殴るような仕草を見せた。
少し言葉を出すことで『飛ぶこと』に集中出来たのか、はたまた殴られまいとユニットが判断したのか、不快音は和らいだ。
管野は小さくため息を吐き出し、ネウロイの発見に努め様とした。
1面の雪景色である、さらに平地が多いせいであまり変わらない景色をずっと眺めなければならなかった。
先程から、いや大型ネウロイを倒したあの日から空にも陸にもネウロイの姿を見かける事はなかった。ヴァルトルート曰く『ネウロイは公務員だから有休を使って長期休暇でバカンスに行ってるんじゃない?』とのことだ。
管野にとってネウロイと戦えない、というのは3文小説を読むよりも嫌いなことである。
「早くエースになんねえと」
孝美を迎えることが出来ないー、と言おうとしていた時に基地通信所から通信が入った。
ネウロイの発見の報か!と管野は嬉々としインカムの音声を拾おうと右耳に手を当て体をホバリングさせた。
だがその内容は『コースの逸脱』と『基地への帰還命令』を告げられのみだった。
「了…解…!!」
管野はガリッと歯音をたて、息を吸い込んだ。冷たい空気が肺一杯に入り胸が大きく張りだし、自然と後ろのめりになる。
「チクショウッ!!ネウロイの、バカ野郎ー!!!!」
管野の怒声は木霊もせず、オラーシャの雪へと吸い込まれていったのだった。
==================================================
「どうしたんだよ、非常呼集なんて」
管野はグローブを無造作に外套のポケットに仕舞いこみハンガーから降りると出迎えに来ていたニパに聞いた。ニパと一緒にいるのはロスマンやサーシャでは頭が上がらないしクルピンスキーなら何が起こるかわからない。歳も近く気心が知れているからだ。
「うーん…ワタシも分かんない」
とニパは首を横に振る。二人は格納庫を出て会議室へと向かった。他の隊員は集結し二人を残すばかりで、着席を見届けた後ラルは口を開いた。
「敬礼は無しでいい、聞け」
サーシャが敬礼の号令を掛ける前にラルは先手を売った。
「本題から入ろう、急を要するのでな。ペテロザヴォーツクがネウロイの手に落ちた。」
ラルは顔色1つ変えずに淡々と述べた。一通りの説明を終えるとサーシャへと引き渡し自分は椅子へと座った。
「以上が概要の説明ですが質問はありますか?」
鈴が鳴るような美しい声が会議室へと響く。とにかくネウロイを倒したい管野にとってこれほど嬉しいことはない。ネウロイ直々に我が首を差し出さんとしているかのようだ。
「俺がまとめてぶん殴ってやる!」
管野はパシッと拳を掌に打ち付けた。
「その意気だ、管野」
ラルはそうは言ったがサーシャは頭を抱えた。
「次に哨戒任務の編成についてです。編成は二人組、日替わりで行います。これは扶桑、ガリアより各1名、新入隊員を編入します。交流を深める機会にもなるでしょう。」
『扶桑』の単語を聞いた瞬間、管野の耳がピクッと動いた。
「孝美か!?」
管野が急に席を立ったので椅子は後ろへ大きく弾き飛ばされ、その音に隣にいたニパは驚き飛び上がり、膝を思い切り机にぶつけた。
「残念ながら、そうではありません。」
否定の言葉を告げられた管野はしぶしぶと席を直し座った。
「期日は明日より、私は先程話した両名を迎えに行くために数日留守にします。戦闘での指揮はロスマンさんに一時的に引き継ぎます」
「拝命するわ」
それと、くれぐれもユニットを壊さないようにと釘を指し、散会となった。
管野は椅子に凭れた。自分の成果を上げるためには単独撃破が望ましい。二人での撃墜ならば共同撃墜だ。
これではネウロイを幾度倒せど孝美を呼ぶことは出来ないし何よりも自分の戦闘スタイルに反する、チームワークを考えねばならない。早くも挫折しそうだ。
だがもっとも厄介なのは二人組の相手だ。
「どうすれば…」
ニパは一応合わせてくれるし腕も立つ。ロスマンは昨日の負い目もあって気まずいし-ラル隊長はさすがに待機だろう。そんな事を考えていると書類に埋まりそうな隊長が恨めしそうな顔をして『なんなら手伝え』と声が聞こえそうだ。可笑しくて口からフッと息を漏らした。
となるとサーシャだが迎えのために外出というのが辛い。組むとしてもあまり干渉もせず安心できるのは彼女なのだが如何せん、『戦闘隊長』という役柄何かと小言が付き物だ。総論だと、ニパが無難そうだ。
「ヴァルトルートはなぁ…」
管野は顔を歪めた。
ヴァルトルートは絶対に嫌だ。彼女の性癖が好色男の様な性格だからということではなく、その『腕』だ。
単騎で多数のネウロイと戦い、ほぼ無傷で帰るのだ。先日の大型ネウロイとの戦いの結果から彼女の腕は推して知るべしだ。意識しているわけではないがその腕を自分の眼前でされると自分の技術の未熟さから彼女が憎くなってくる。性癖どうこうよりも管野はこちらの方を気にしていた。
翌日
「で、こうなった訳だ」
翌日、哨戒任務初日の編成員として提示されたのは
管野・ロスマン組、ヴァルトルート・ニパ組の編成となった。
「あー中尉とか…」
ニパは頭を項垂れて落胆の表現を大袈裟にした。
「ニパ君、僕がちゃんとエスコートしてあげるよ。じゃあ、打ち合わせのために寝室へ行こうか」
ヴァルトルートはニパの肩に両手を置き、まるで女性に耳打ちするかのように顔をニパの耳元に寄せ付け囁いた。
「お前は憲兵に牢屋までエスコートされろ」
管野は侮蔑の意を込めた視線を言葉と共に送った。
ニパは何事も無かったかのようにヴァルトルートの手を体から離させ距離を取ろうと下がり、その間合いを無くそうと、ヴァルトルートは手を出そうとしたが、管野以外にも侮蔑の目を向けられているのを感じとり、早々に手を引っ込めた。
額には今まで見たことがない冷や汗がにじみ出ている。
ニパと管野はその視線に気付かず、急にぎこちなくなったヴァルトルートに不信感を抱くだけだった。
「管野とがよかったな…」
「こればかりは仕方がねぇ、今さらどうこう言って変えられるかよ」
「まあね…ちゃんとロスマンさんに謝りなよ」
ニパは昨日の事をヴァルトルートには聞こえないように口を片手で覆い管野にだけ聞こえる声で伝えた。
「お前は一言多すぎるんだよ」
管野はそう言うとニパを小突き、哨戒任務発進のためハンガーがある倉庫へと足を向けた。
「なんだよ!人がせっかく心配してやってんのにさ!」
とニパが怒る声を背中で受け止める。少々言い過ぎたのかもしれない…帰ったら、菓子でも部屋に持っていってやろうか。
「もうサルミアッキやんないからな!」
「・・・・・」
前言、撤回-
==================================================
同日 オラーシャ上空
高度3000mでの飛行は地上にいるときの気温よりも、 遥かに寒い。服の内ポケットから取り出した気温計が示す数値よりも、体外の温度は寒く感じる。白く吐き出された息が、首もとに巻いたマフラーにまとわりつき冷たい。
「管野さん、ピッチが速いわ。少し落として」
編隊長としてロスマンは僚機である管野に振り返り注意した。単独でなら普段通りの動作でもいざ仲間を連れての飛行となるとお互いの位置、つまり空間把握を密にしておかねばならない。
つかず、離れず…意識はしているがこれが難しい。
対空、対地の警戒と共にロスマンのケツ(前方の機の後ろに着くこと)についていかねばならない。
単独を好む管野にとって長機の後方につくのは、まっぴらごめんである。自らが認めた唯一無二の相棒、『孝美』を除いては…
「1時方向、地上ネウロイ。数、2」
止まれ、のハンドサインを管野へ送る。
ロスマンはそう言うとインカムへ手を伸ばし、基地管制へと報告し管野へ待機の旨を伝えた。
「あの形のネウロイは、大抵頭部にコアがあるわ」
ロスマンと管野は高度を保ったままホバリングし、ネウロイへと目を向ける。多角形の頭に昆虫の脚を取って付けた様なネウロイである。
ネウロイはこちらに気付いていないのか同じところを行ったり来たりし時折穴を掘るかのように仕草をみせる。優位性は、こちらにある…
ならばー
「管野一番、出る!」
管野はロスマンの制止を振り切り体を捻りながら目下のネウロイへと急降下を始めた。
まずは、裏話(下らない)
管野「お前の小説は3文小説以下だけどな」
ひかり「管野さん!以下って前文についた範囲も含んじゃうんですよ‼」
管野「じゃ、何て言うんだよ」
ひかり「"未満"、です!(ふんす!)」
管野「だ、そうだ」
私「絶句」
-------------------------------------------------------------------------------------
ご愛読ありがとうございます。この話は一時間粘って考えた文章なので短いですが続編が出来次第、再編集して1つに纏めようと思っています。引き続き、ご愛顧のほどをお願いいたします。
===========ネタ===================================
クレープス大将
「ブレイブウィッチーズは無事に終わり、管野がひかりを相棒と認めました。Twitterでも『ひか直』が人気を誇っています。そこには友情のような愛にやられた人たちが多かったんでしょう。BDではCGも修正され高クオリティとなり人気にはさらに拍車が掛かるでしょう」
しがない閣下
「あとは小説版と2期だな」
クレープス大将
「閣下…実は…」
ヨードル大将
「2期はともかく公式より502と506の小説が発売されることとなりました。しかもドラマCD付きです。」
しがない閣下
「この中で1巻発売から小説版はまだ来ないって思った奴だけ残れ」
しがない閣下
「だから言ったんだあれほど公式からの供給を待てと!
それを待てず2次創作に手を出した結果がこれだ!
何が『設定は死んだ』だ!ただ自分が公式発表を確認していないからじゃないか!」
ブルクドルフ大将
「それはあまりにも…」
しがない閣下
「自覚してんだよ、バーカ!」
ブルクドルフ大将
「でも、アンタこれから就職先に入って投稿できなくなるだろ」
しがない閣下
「そういった個人的な話じゃないんだよ!バァンッ!
ちきしょーめー!」
しがない閣下
「2次創作とは名ばかりで自分が好きなように物語を進めるー完結もさせずに僅かな投稿で出来なくなるのが嫌なんだよ!特にネタが見つからなかったがこれだけはお決まりだから言わなければいけない、そうスターリンのように!
他大勢
((ブレ魔女2期よりストパン3期やろ…))
しがない閣下
「でもさブレ魔女最後に見たかったよアウロラ姉様のおっぱ(ry)…
この小説を視聴してくれた方々への冒涜だ…きっと楽しみにしてくださった方々もいらっしゃるだろう…」
ユンゲ
「502予約しにいきましょ」
しがない閣下
「私は投稿が難しくなるかもしれない
こんな状態でもはや下書きは難しい
この小説は不可能かもしれない…
だが言っておく
私はこの小説を未完のまま終わらせない
必ず仕事の合間に携帯をいじりこの小説を
新作が出ても投稿し続けると約束しよう…」