あと、ユニット対抗戦で、ギルキス優勝おめでとう♪
俺は今二人の美少女を目の前にしている。
一人は俺の大好きな彼女。もう一人は俺の彼女の親友。
だがしかし、俺はこんな美少女二人を前にして俺の心は軽い修羅場になっていた。何故ならば、今目の前には俺の大きめのTシャツを一枚だけ着た果南がホットコーヒーを飲んで座っているからである。
あ、先に言っておくけど、なんかそれっぽく語ってるけど別に俺が彼女の親友と浮気したとかじゃないからね!!そりゃ果南はダイヤほどじゃないけどかなり美人だし(あくまでも悠君個人の意見です。果南ファンの方は気分を悪くしないでね。)、ダイヤよりも魅力的なグラマラスボディで目のほよ・・・・こほんっ!目のやり場に困るけど、陰でそんなことしてるとか断じてないからね!!
まぁ、冗談はこの辺にして・・・本当のところは、雨に濡れた果南が訪ねてきたんで、このままでは風邪を引いてしまうので、シャワーを貸して、女物の着替えなんてある訳がないので、俺の洗いたてTシャツを服が渇くまで貸してるだけなんだけどね。
では、なぜ心の中が修羅場かと言うと、今のこの状況にある。さっきまでもダイヤと二人きりで気まずい空気が部屋を覆い尽くしていたのに、今はそれが二倍だ。シャワーを浴びた果南は、礼こそ言ったものの、それ以降口を開かないし、ダイヤも気になっているのに何にも言わない。ついでに言うと、男の憧れの一つであろう裸ワイシャツならぬ裸Tシャツの美少女が目の前に・・・。しかも女性特有の部位が惜しげもなく主張しているのだから目のやり場に困る・・・と同時に出来る事ならダイヤのこの姿を見てみたいけど、お願いしたら怒られそうだなぁ、とか『悠さんがそんな破廉恥な方だったとは!!!』とか言って嫌われそうだなぁ、などと言った色々な葛藤が俺の心に修羅場を作り出していた。
とはいえ、いつまでもこのままってわけにはいかないし、何より、何の理由もなく果南が俺の部屋を訪ねて来る訳はないから話を聞きださないと・・・。
「あぁ、えっと、それで、果南。落ち着いたところに早々で悪いんだけど、一体何の用があって俺を訪ねてきたんだ?」
果南は俺とダイヤを交互に見てから俺の問いにポツリポツリと語りだした。
「悠君に相談に乗ってもらおうと思って・・・それとダイヤが居ると思ったから・・・。」
「私が?」
「うん・・・。二人に聞いてもらいたい事があったから・・・」
「それで相談って何だ?」
「まずは先に謝らないとね。ごめんねダイヤ・・・。わたしが勝手に辞退しちゃって・・・」
「・・・いえ、確かに驚きましたし、ショックはショックでしたが、今はもうその事は気にしていません。ですが、やはり鞠莉さんの怪我が原因でしょうか?」
「うん・・・」
「やはり・・・」
「あ・あのさ、話の腰を折って悪いんだけど、マリーはなんで怪我したんだ?その辺の詳しい事情をまだ聞いてないからなんで辞退したのかも全然分かんないんだけど・・・」
「え?あぁ、そう言えばまだ話していませんでしたね・・・申し訳ありません。私も色々と頭の中が混乱していて悠さんに全然事情を説明していませんでしたね・・・。実は・・・」
俺はなんとなく置いてきぼりを食らっていたが、説明を求める事でやっとダイヤと果南から今日の出来事を掻い摘んで説明してもらえる事が出来た。これを聞くのにどれだけ苦労したことか・・・。
「なるほど。そういう事情だったのか・・・。まぁ、確かに残念だし、悔しいのは分かるけど、これで終わったわけじゃないんだし、あのイベントが全てじゃないんだからそこまで深刻にならなくても・・・」
「それはそうなんですが、これはそれだけで済む話じゃないんです・・・」
「だよな。一体何があったんだ?」
二人から話を聞いた俺はこんなことで挫けるなんてらしくないなと思っていた。この二人なら悔しがりこそすれ、こんなに落ち込んで立ち止まってしまうような性格じゃないと思っていたからだ。確かに昔のダイヤなら泣いて諦めていたかもしれない。でも今のダイヤは違う。自分で決めた事はやりきるくらい芯がしっかりした女性へと成長している。果南だって、付き合いこそ短いものの、逆境に挫ける様な性格じゃない事は分かったいるつもりだ。だからこそ、この二人がこれほど落ち込んでしまう理由が俺には想像することができなかった。
「悠さんは鞠莉さんのことどう思います?」
「なんだ急に?・・・どうって、いつも無駄に明るくて、人の話は聞かなくて、自分が楽しい事なら周りが迷惑だと思おうがお構いなしに巻き込んで突っ走っていくやつ、とか?」
「ま・まぁ、間違ってはいないけど、悠君何気に酷いね・・・」
「む、侵害だなぁ!ちゃんといいところも分かってるつもりだぞ?なんだかんだで本当に人が嫌がる事はしないし、なんだかんだで結構周りの事を見てるし、なんだかんだで友達が困っていたら陰から手助けしてるし、なんだかんだで・・・・」
「悠さん、それは褒めてますの?」
流石に、なんだかんだで、と言い過ぎてダイヤに突っ込まれた。でもいいところは本当にちゃんと分かってるつもりだ。ただ、普段いじられ過ぎているせいか、本人が目の前にいるわけではないが、素直に褒めるのはなんだか負けたような気がしてしまい思わずこんな褒め方になってしまった・・・。
「おう。まぁ、それはそうと、何で急にこんなこと聞いてくるんだ?」
「まぁいいですわ。確かに悠さんの言う通り鞠莉さんは普段あのような感じでアッケラカンとしていらっしゃいますが、凄く頭の言い方なんです。」
「まぁ、ダイヤの話からなんとなくは分かっていたけど、それとこれが何の関係が?」
「悠君は鞠莉の成績知ってる?」
「いや?でも、学年上位とかそんな感じ?」
「いえ・・・。学年ではなく、全国で15位ですわ・・・。」
「・・・・・はい!?」
今ダイヤさんは何とおっしゃいました?15位?学校でではなく?全国で?え?全国って、日本中の高校生の中で15番目ってこと?マジですか!?
「驚かれるのも無理ありませんわよね。しかも途中で眠くなって全部の問題を解かないで寝てしまっての15位ですから・・・。」
え?てことは何?全部解いていたらもっと上だったてこと?それこそ全国1位なんてのもあり得る話だって事!?
「マジか・・・。あいつそんなに凄かったのか・・・。」
「まぁ、普段の言動からは想像しにくいよね。」
いや、果南さん?しにくい、ではなく、出来ない、と言った方が正しのでは?いやいや、そんな事よりもこの話が一体何の関係があるっていうんだ?
「少し回り道をしましたが、鞠莉さんはそれくらい素晴らしい才能を持ってらっしゃると言う事ですわ。」
「ふむ。それで?」
「それくらい頭が良ければどうなると思う?」
「どうって・・・推薦が貰えるとか?」
「それもそうだけど、鞠莉くらい頭がいいとね、海外の有名な学校から留学してこないかって話が来るみたいなの」
「へぇ・・・。」
「でも、鞠莉さんはそう言った話をすべて断っているらしいんですの。」
「マジか!?もったいない・・・。」
「だよね・・・」
「・・・」
俺はもったいないと素直に思った。ただ、俺の素直な感想を聞いた二人はさっきよりも更に浮かない顔になってしまった。
「でも、なんでマリーはそんなすごい話を蹴ったんだ?まぁ、あいつの事だからそんなのに興味ないとかそんな感じなのかなぁ?」
「スクールアイドルを始めたから・・らしいですわ・・・。」
「そうなのか?」
「えぇ、ただ私達も鞠莉さん本人から聞いたのではなく、担任の先生に聞かされただけなので、本当のところは分かりません。」
「たぶん、本当にそれが理由だと思う・・・。」
果南はそう言うと、今にも泣きそうな顔をして俯いてしまった。しかし果南はなんでマリーの留学しない理由が本当だと分かったのだろうか?たぶん、と言っていたから果南自身もマリーから聞いたわけではなさそうだし、そう言うだけの何かがあったのだろうか?
「果南さんはどうしてそう思われるんですか?」
「ダイヤはさ、今日の鞠莉の怪我があんなに酷いと思った?」
「え?い・いいえ。ジャンプもしていましたし病院の診断を聞くまではあんなに酷いとは思いませんでした・・・。確かに帰るときには痛そうだったので肩を貸しましたが・・・。」
「わたしさ、ダイヤと鞠莉と別れてから医務室の先生に声をかけられて、鞠莉の怪我が酷いって聞かされたんだ・・・。」
「あの後にそんな事が?」
「うん・・・。わたしは最初、先生が大げさに言ってるだけかな?とも思ったんだけど、控室で鞠莉がジャンプした時に片足で跳んでるのに気付いちゃったんだ・・・。」
「そうだったのか・・・。でもそれが留学しない話とどうつながるんだ?」
「先生が鞠莉の怪我の具合を教えてくれたときにね、教えてくれたんだ・・・」
果南は思いだして涙をこらえているのか膝の上に作った握りこぶしをギュッと握りしめ泣かないように耐えているようだった。
「鞠莉ね、凄く辛いのにそれでも踊るって聞かなかったんだって・・・。先生が理由を聞いたらわたし達の為だって言ってたんだって・・・。」
「私達の為?」
「うん・・・。わたし達の夢だからこんなところでつまずくのは嫌だって・・・・。正直その話を聞いたときにわたしはこのまま踊っていいのか悩んだんだ。でも鞠莉は何も言わないし、今日の為に一番頑張ってきたダイヤにこの話をするのも躊躇われて・・・。」
「・・・・」
「でもね、いざわたし達の番ってなったときに、鞠莉が負けられないとか、ダイヤの夢の為って言っているのを聞いたときに、『あぁ、やっぱり鞠莉はそうやって自分よりわたし達を優先しちゃうんだ』って思ったら、踊る事が出来ないかった・・・ごめんねダイヤ・・・」
「果南さん・・・!!」
ガバッ!!
一人、鞠莉の怪我の重さに気付きながら、ダイヤを悲しませたくないと悩み、すべてを背負って今にも泣きそうな果南。そんな果南の話を聞いてダイヤが目に涙を浮かべながら優しく果南を抱きしめていた。
抱きしめられた果南は一瞬驚いた顔をしていたが、すぐにダイヤにしがみつくように抱きつき果南は涙を流していた。
それから暫く俺は声をかけることなく二人を見守り、雨音と二人のすすり泣く声だけがこの空間を埋め尽くしていた。やがて、ひとしきり泣いて落ち着いたのか、果南ダイヤに抱きついたまま、またぽつぽつと話し始めた。
「わたしね、鞠莉の事が好き・・・もちろんダイヤの事も。二人とも私の大切な親友。だから、わたしは鞠莉の可能性を奪いたくないの。だからと言ってダイヤの夢も奪いたくない・・・。どっちかを選ぶなんてできないよ・・・。ねぇだダイヤ・・・」
「果南さん・・・。」
果南の心の叫びを聞いたダイヤはとても辛そうな顔をしていた。まぁ、当然だろうな。親友が自分達のせいでこんなにも苦しんでいるんだ、辛いに決まっている。
正直二人のこんな姿は見ていられない。今俺がこの二人にしてやれる事は何だろうか?
「なぁ、二人はどうしたい?」
「「え?」」
「ダイヤと果南はこれからどうしたいんだ?俺は正直言って果南の話を聞いてどうしたらいいのか、なにが正しいのかは分からない。たぶん果南は俺にこの事で相談したかったんだろうけど、すまんな。」
「悠さん・・・」
「悠君・・・」
「でも、俺は二人がこれからどうしたいのか知りたい。マリーがどうとか、ダイヤの夢だとか、そう言うの抜きに、自分がどうしたいのか・・・酷かもしれないけど、出来るだけ後悔しないようにゆっくり考えてほしい。」
俺は無力だよなぁ・・・。今の俺じゃこれが精一杯だ・・・。これくらいしか二人に言ってやれることが思い浮かばないなんて情けない・・・。
「私がどうしたいか・・・」
二人はそれっきり、また黙ってしまった。おそらくは自分の心と真正面から向き合っているのだろう。すぐに答えは出ないだろうし辛いかもしれないけど、これから先スクールアイドルを続けるにしても、辞めるにしても、出来るだけ後悔するような選択だけはしてほしくない。
もちろん、二人がどんな選択をしようと俺はきちんと受け止めてやるし、答えを出すためだったらいくらでも話を聞いてやるつもりだ。
それから1時間くらいたっただろうか?静かな部屋に電子音が響いた。さっき乾燥機にかけていた果南の洋服が乾いたみたいだ。するとさっきまで黙っていたダイヤと果南は我に返り慌てて時間を確認しだした。ちなみに今の時間は午後の8時過ぎだ。そして内浦方面のバスの最終は9時前。俺もうっかりしていたがダイヤ達を送るならそろそろ出ないとタクシーを使わないといけなくなってしまう。
「き・今日はごめんね・・・。なんか長居しちゃって・・・。」
「いや、気にするな。」
「ありがとう。ダイヤも今日は本当にごめんね・・・・。」
「いえ、私こそ果南さんがこれだけ悩んでいるのに気付く事が出来なくて申し訳ありません・・・。」
「ううん。私が勝手に抱え込んでいただけだし・・・」
「それでもですわ・・・」
「「・・・・」」
二人がお互いを気にかけ自分が悪いの押し問答が始まってしまいまた黙ってしまった。まったく、この二人はどもまで優しいんだか・・・。いまどきこんないい子なかなかいないぞ?
まぁ、それはそうと早くしないと本当にバスが無くなってしまう。
「はいはい、この話は今日はここまで!時間があれば納得いくまでここにいていいけど、今日はもう時間がないんだから急がないと。ほら、果南は服乾いたから急いで着替えて。俺は外にいるから、後はダイヤよろしくな。」
「う・うん。」
「分かりました。」
俺は財布と部屋の鍵だけ持って部屋の外へ出て二人が準備し終わるのを待っていると、そんなに時間もかかることなく二人が出てきた。
もう遅くなってしまったので二人を家の近くまで送り、別れ際に果南とダイヤから『今日はごめんなさい。それと付き合ってくれてありがとう。』と言われた。俺は二人に何か、あったらいつでも連絡してくれ、とだけ伝え家に帰ってきた。
家に帰ってきた俺は買ってあった弁当を食べてから風呂に入り布団にもぐった。この先どうなるか分からないが、慌てず結論を出してくれたらと思いながら眠りに着いたが、まさかあんなに早く事態が動くとはこの時の俺は思いもしなかった。
いかがだったでしょうか?
なかなかうまく書けなくて自分の頭の悪さを恨む今日この頃ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
お気に入り登録してくださった方々、ありがとうございます♪
では、まだ次回も宜しかったら読んでやってください♪