「あははははははっ♪あぁ、腹いて~♪」
「うぅ~///、そんなに笑わなくてもいいじゃありませんか!!」
桜内と別れ、ダイヤと合流した俺はダイヤから話を聞いてから、車の中でも家に帰って来てからも笑いが止まらず、ずっと腹を抱えて笑っていた。その横で顔を真っ赤にしているダイヤがまた可愛くてニヤニヤも止まらなかった。なぜこんなに爆笑しているかと言うと、遡る事約2時間前になる。
~ダイヤ Side~
「あら?悠さんからメールですわ。えっと・・・」
私が生徒会の仕事をしていると悠さんからメールが届きました。内容は『大学の講義が早く終わったから迎えに行く』と言うものでした。もともと今日は生徒会の仕事が終わったら悠さんの家に行く予定でいたので、迎えに来てもらえたらその分早く悠さんに逢えるので大歓迎なのですが、生徒会の仕事が山のようにあるのでこれをある程度片してからでないと帰れないので、悠さんに1・2時間ほど待っていてもらえるよう返信をして仕事に戻りました。
「しかし、私以外の生徒会役員が何かしらの部活動と兼部と言うのは考えものですわね・・・。」
私は仕事の山を見つめながら溜め息を漏らしてしまいました。今も言いましたが、仕事が山のようにある要因の1つとして、私以外の生徒会役員全員が部活動と並行して活動している為、実質私1人で仕事をしているようなものなのです。生徒会の仕事自体嫌ではなく、むしろやりがいがあって好きなのですが、悠さんとの時間が減ってしまうのが唯一の悩みでしょうか・・・。
コンコン
「失礼しま~す。」
私がそのような事を考えながら仕事を片付けていると、ノック音が聞こえすぐに千歌さん達が入ってきました。私は『どうぞ』一言も言っていないのですが・・・。
「と言うわけで、部の申請許可お願いします!!」
「お断りしますわ!!」
「こっちも!?」
「あはは、やっぱり・・・。」
何が『と言うわけ』なのかは分かりませんが、本当に懲りない人ですね・・・。先日1人が2人になっただけなのにも関わらず申請に来たり、作曲が出来ないとラブライブに出れないとも言ったというのに・・・。申請書を見る限り1人も増えていませんし、今度は何が変わったと言うのでしょうか?
「5人必要だと言ったはずです。それに作曲はどうなったんですの?」
「それは~・・・たぶん、いずれ・・・きっと・・・はっ!!か・可能性は無限大!!」
「可能性は無限大って、つまりは何も進展していないと言う事ですわよね?よくそれでまた来ようと思いましたわね・・・。」
私は呆れて思わず溜め息を漏らしてしまいました。この直向きさは羨ましいと思いますが、それにしても勢い任せ過ぎませんか?
「それはそうなんですけど・・・。あ!!でもでも、最初は三人しかしなくて大変だったんですよね、『ユーズ』も・・・」
「ユーズ?」
「知りませんか?第2回ラブライブ優勝!音ノ木坂学院スクールアイドル、ユーズ!!」
間違いなくμ’sの事を言っているのですが、あろうことか名前を間違えるとは!!私はあまりの怒りにナワナワと体を震わせていると、隣で見ていたもう一人のメンバーである渡辺 曜さんが私の様子に気づきオロオロしていましたが、我慢の限界に達した私は椅子から立ち上がりました。
「それはもしや、μ’s(ミューズ)の事を言っているのではありませんわよね?」
「え!?あ・・・もしかしてあれってμ’s(ミューズ)読む・・・」
「お黙らっしゃーーーーーーいっ!!」
「「ひっ!?」」
「言うに事欠いて、名前を間違えるですって!?あぁ!?」
「ご・ごめんなさい!!」
こうなれば、いかにμ’sが尊い存在なのかしっかと教えなければなりませんわね!!
「いいですか?μ’sはスクールアイドル全ての伝説、聖域、聖典、宇宙にも等しき生命の源ですわよっ!!その名前を間違えるとはっ!!!片腹痛いですわ!!」
「ち・近くないですか?」
私は興奮するあまり千歌さんに一歩また一歩と詰め寄ると、私から逃げようとした千歌さんが一歩また一歩と後ずさり、校内放送用の機材まで追いつめられていましたが、私は気にせず話を続けました。
「その浅い知識だと、たまたま見つけたから軽い気持ちで真似をしてみようかと思ったのですね?」
私は本気でラブライブを目指していると思っていましたし、その真直ぐさが羨ましいとさえ思った方が、他の方々と同じだったんだと思うと心のどこかでガッカリしていました。
「そんな事ありません!!私は本気で・・・」
「ならば・・・」
そんな事はないと言う千歌さんに、いくつかμ’sに関する問題を出しましたが全問不正回。なんとい事でしょう!!まさかこの程度の事も分からないでμ’sを語るとは!!
「うぅ・・・難しいよ~・・・。」
「千歌ちゃんガンバ!!」
「では、これが最後です。ラブライブ第2回決勝、μ’sがアンコールで歌った曲は・・・」
「それなら知ってる!!『僕らは今のなかで』」
掛かりましたわね!!ちゃんと問題を最後まで聞かないのはよくありませんわね。
「ですが・・・、曲の冒頭スキップしている4名は誰?」
「えぇ~!?私の答えを聞いてから問題を変えるのズル~イ!!」
私が止めと言わんばかりに千歌さんに詰め寄ると、千歌さんは校内放送用の機材にぶつかり、のけ反っていました。その時にマイクのスイッチがONになってしまったんことに気付かず、私は意気揚々と話を続けてしまいました。
「ぶっぶっぶ~~~っ!!ですわ!!絢瀬 絵里、東 條希、西木野 真姫、星空 凛。こんなの基本中の基本ですわよ!!」
「す・凄い・・・」
「生徒会長って、もしかしてμ’sのファン??」
「当たり前ですわっ♪私を誰だと・・・はっ!!コホンッ!!い・一般教養ですわ!!一般教養!!」
「「へぇ~~??」」
「と・とにかく!!スクールアイドル部は認めませんっ!!」
「だけど・・・」
「それに前回と何も変わってないわけですし、今は生徒会の仕事も忙しいので帰りなさい!!」
「千歌ちゃん、今日は生徒会長の言う通りだし、行こう?」
「曜ちゃん・・・。わかったよ・・・。でもまた絶対に来ますからね!!」
そう言い残して千歌さんと曜さんは生徒会室を出て行きました。
「まったく、千歌さん達には困ったものです・・・。」
バタンッ!
「会長!!」
「な・なんですの!?」
私が仕事に戻ろうとすると千歌さん達と入れ替わりに生徒会メンバーの一人が血相を変えて入ってきました。
「ま・マイク・・・」
「マイク?外国の方ですか?」
「そ・そうじゃなく、校内放送のマイクが・・・。」
走ってきたのか息を切らせながら校内放送用の機械を指差すので、機械を見てみるとマイクのスイッチがONになっていました。
「なっ!?」
「さっきの会話が校舎内に響き渡ってましたよ!?」
「そ・そそ・・そんなの、ぶっぶーー!ですわーーーー!!」
「わ~~会長!!マイク、マイク!!」
「はっ!!」
私は慌ててスイッチを切りましたが、時既に遅し・・・。全校中に醜態を晒してしまいました・・・。
この後は生徒会の仕事をやろうにも、恥ずかしさやら後悔やら、何とも言えない感情が湧きあがり仕事が手に着かなくなってしまい、ほとんど仕事を消化することなく今日は帰る事にしました。
そして学校の傍で私を待っていて下さった悠さんと合流しました。
~ダイヤSide END~
と、このような事があり、話を聞いた俺は面白いやら、ずっと赤面してるダイヤが可愛いやらで、思いだしては笑っていたのだった。
「いや~、しかしμ’sの事となると、我を忘れるところは昔と変わらないなぁ♪」
「そ、そうですか?」
「あぁ。2年前だってμ’sの事で今回と同じような事言って暴走しただろ?」
「うぅ・・・。よく覚えてますわね・・・。」
「まぁな♪ダイヤの事だったら何でも覚えてるぞ♪」
「よく言いますわよ。久し振りに会った時は忘れていたではありませんか!」
おぅ、痛いところを・・・。しかしあれは忘れていたわけじゃなく、ダイヤだって気がつかなかっただけなんだけどなぁ・・・。
「まぁそんな事より、本当にダイヤはもうスクールアイドルをやらないのか?」
「誤魔化しましたわね?・・・ふぅ。この間も言いましたけど、もうやりません。」
「なら、せめて同好会って形で認めてやったらどうだ?」
「・・・・・。」
そう、確かに部活動の方が部費はかなり出るが、とりあえず同好会から始めたっていいわけだし、ダイヤがその事に気付いてないわけがない。だから聞いてみたのだが、ダイヤは黙ったままだった。
「μ’sの事で暴走した事は置いとくにしても、ダイヤの事だから、その子達の事はもう認めてるんじゃないのか?」
「どうしてそう思うんですの?」
「認めてる事を認めたくなくて、ダイヤ達がスクールアイドルをやっていた事を消したくなくて、意地になってるんじゃないかなぁって思っただけなんだけどさ。」
「少し違いますわね・・・。確かに千歌さんのやる気は認めています。ですが、私が設立を認めないのは別の理由があります。」
「別の?それはやっぱり規則だから?」
「それもありますが、そんな事は建前でしかありません。第一、生徒数も少なく、ほとんどの生徒が部活動なし委員会に所属しているわけですから、今から新たに部活動を立ち上げるのに人を集める相当難しいのはよくわかっています。」
「ならなんで?」
「まず、曲を作れないと言う事です。話を聞く限り、まだ曲を作れる人を見つけていないようですし、悠さんも知っての通り、ラブライブはオリジナルの曲でないといけません。」
「確かスクールアイドルの人口はここ数年でかなり増えているけど、その陰にはコピーバンドならぬコピーアイドルも相当数いるくらい作曲はネックになるところだよなぁ・・・。」
「えぇ。それに仮に作曲できる人が見つかったとしても、ラブライブに行けるとは限らない。優勝ともなれば尚の事です・・・。」
ダイヤは少し辛そうだった。夢半ばで解散することになった訳だし当然と言えば当然だけど・・・。
「だからって、やってみなければ分からないだろ?ダイヤ達はあんな結果になってしまったけど、その子達がそうなるとは・・・。」
「そうですわね。ですが、悠さんは毎年増えるグループがある一方で、解散しているグループがどのくらいあるかご存知ですか?」
それはたぶん卒業してラブライブ参加資格が無くなって、とかって話じゃないよな?そんなの意識したことなかったから全然分からないや・・・。
「んと~~~~・・・」
「その年に増えたグループの約半数です。」
「そ・そんなにか!?」
結構なグループが解散していたようで正直驚いた。だって毎年1000組近くはスクールアイドルが増えてるのだ。それだけでも相当な数だが、その半分って・・・。まぁ、理由は色々あるだろうけど、ダイヤが今ここで言うくらいだから、おそらくトップクラスのグループとの実力差や、どれだけやっても人気が出ないとか、そう言った現実に直面して辞めていったりしたのだろう。
「知らないのも無理ありませんわ。人気グループでなければ話題になる事もなく人知れず消えているのですから。」
「そうだったのか・・・。てことは、それが理由ってことか?」
「そうですね・・・。『叶わない夢なら見ない方がいい』とまでは言いませんが、こんな片田舎ではその夢を叶えられる可能性は限りなく0に近いでしょう・・・。」
まぁ、言わんとしている事は分からないでもない。まず知名度を上げなければいけないが、その為には曲がいいのはもちろんの事、目を引くパフォーマンスなどが求められるが、都会ならばパフォーマンス場所は色々あるだろうが、内浦みたいに山と海しかない様な場所だとどうしてもマンネリになってしまう。もちろん他には無い様ないい場所は沢山あるんだけど、派手さが無いが故に見劣りしてしまうのは否めない。地元と関係無いところでパフォーマンスをしてはいけないと言う明確な決まりは存在しないが、学生の行動範囲を考えたら地元以外でと言うのはかなり難しいだろう。
「とは言え、ダイヤだって一度は目指した夢だろ?」
「あの頃はただ憧れて、目に見える部分しか知らなかっただけですわ・・・。」
「そっか・・・。」
ダイヤの言っている事は全部事実だろうけど、俺の知っている本当のダイヤなら『そんな事は関係ありませんわ!!むしろ燃える展開ですわ!!」とか言って夢に向かって行っているだろう。おそらくはスクールアイドルへの未練を押さえる為に、自分を納得させる理由を無理やり作って納得しようとしているんだろう。
まぁ、それ自体は仕方ないとして、それに巻き込まれる後輩ちゃん達は不憫だ・・・。
何とかしてやりたいが、知らない子にいきなり『俺が何とかしよう』とも言えないし・・・。せめて、こっちに帰ってくると言ったきり音信不通のシャイニー娘が帰ってきたら、良くも悪くも物事が動きそうなんだけど、それを待っていて、折角の灯った火が消えて行くのを見てるだけってのも嫌だし、どうしたもんか・・・。
『この話はここまで』とダイヤが言うのでこの話を辞め、この後はのんびり夕飯を食べ、ダイヤとテレビを見ていたら、いい時間になっていたのでダイヤを家まで送り届けた。
ダイヤを送った俺は風呂に入り、寝ようとしたら果南からメールが入っていた。
『今度の日曜日、家に来て。』
と、果南らしい短い文だった。
いかがだったでしょうか?
今回はダイヤちゃんの葛藤を書いてみました。
次回はお久しぶりの果南さん登場いです。
そして、この場を借りて、Katosoさん、高評価ありがとうございます♪
では、宜しければ次回も読んでやってください♪