その輝く君に永遠を誓う   作:ヨーソローはやて

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第41話 ~理事長の帰還~

 十千万での騒動から数日、俺は寝不足になりながらも桜内達の作った曲の編曲を先ほど完成させた。ここまで根を詰めるほど時間が無かったわけでも、急いでいるわけでもなかったのだが、桜内達から貰った歌詞と曲が俺が想像していた以上に素晴らしい出来で、ついついテンションが上がって一気に完成させていまったと言うわけだ。

 

「ダイスキだったダイジョウブ・・・か。高海がこの歌詞を書いたって言っていたけど意外な才能だよなぁ。初めての作詞でこんな言い歌詞を書くんだもなぁ。」

 

 高海の書いた歌詞は凄く純粋で、真直ぐに人の心に届く言い歌詞だと思う。高海は自分が大好きなスクールアイドルの事を歌詞にしたって言っていたけど、この歌詞を読んで俺は、何かに背中を押されたような、頑張れって言われたような、そんな気がしていた。

 

「これでよしっと。・・・ふぁ、ねむ・・・・」

 

 俺は教えてもらっていた高海のPCに曲のデーターを送り、ひと眠りすることにした。高海達がこの曲を聞いてどんな反応するか楽しみではあるけどそれは起きてからのお楽しみにしておこう。

 

 

 

 

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 眠りについて数時間後、俺は一本の電話によってたたき起こされた。

 

「誰だよ俺の安眠を妨害するのは!!・・・お!?」

 

 けたたましく鳴るスマホの画面に表示された名前を見て俺はの怒りは一気に吹っ飛んでいった。なぜならそこに表示されている名前はダイヤだったのだ。それは怒りも吹っ飛ぶさ。

 しかし、現在時刻は昼を過ぎたところだった。こんな時間にダイヤから電話なんて珍しい・・・と言うか、学校に行ってる間は携帯の電源切ってるのにどうしたんだろう。いくら昼休みだからと言って、よほどの事でもない限りこんな時間に連絡してくるのはまずないと言いきれる。一体何があったんだろう?

 

「ダイヤ?こんな時間にどうしたんだ?」

 

『悠さん!何なんですのあれは!?いきなり帰ってきたと思ったら胸が小さいと言うは、あり得ない事態になってれは、これは何の漫画なんですか!?』

 

 俺が電話にですと物凄い勢いでご乱心のダイヤが早口に良く分からない事を捲し立ててきた。唯一分かったのは誰かにまた胸の事でいじられたと言うことぐらいだった。

 

「ちょ!?落ち着けダイヤ!!話がむちゃくちゃでよく分からないんだけど・・・。」

 

『ですから鞠莉さんです!!鞠莉さんが帰ってきたんです!!何の連絡もなしに、唐突に!!』

 

 ごめん、ダイヤ。俺は帰ってくるの知ってました・・・。今日帰ってくるってのは知らんかったけど。

 

「マジか!?・・・でも、その事と、胸の話が繋がるのは分かったけど他のあり得ない事って??」

 

『何でわかるんですか!?やはり、悠さんも小さいと思ってるんですね!?』

 

「ちょ、なんでそうなる!?俺はダイヤのが好きだってこの間言ったじゃないか♪」

 

『・・・グスッ。ですが、分かるんですよね??』

 

 そんな泣かなくても・・・。俺が分かると言ったのは鞠莉に良くからかわれていたから分かると言う意味だったんだけど、どうやら色々混乱していて判断能力が無くなってるらしいな。

 

「いいかダイヤ?俺が分かると言ったのは、マリーにいじられてたのを知ってるからそう言っただけで、ダイヤのが小さいと言ったわけでもないし、そんなこと思ってないから。むしろ毎度お世話になっているのにそんなこと思うわけ無いだろ?」

 

『・・・本当ですか??』

 

「ほ・本当だって///」

 

 うぅ///完全に油断した。電話越の弱々しい涙声にときめいてしまった///ってそうじゃなくて!!話が脱線しちゃったけどマリーの事だよ!!

 

「そ・それよりもマリーがどうしたって??」

 

『え?あ・あぁ、そうでしたわね。実は昼休みに入ってすぐに鞠莉さんから連絡があったのですが、今理事長室に居るからすぐに来るように、って言われたんです。そしたらそこに、千歌さん達もいて・・・そこでむ・・胸・・・。』

 

「あぁ!!胸の話はいいから。話が進まなくなるから。」

 

『そ・そうでした。えっと、それでですね、戻ってきた鞠莉さんが新しい理事長兼学生になってて、千歌さん達にライブをしろって・・・。』

 

「・・・・・はぁ?理事長??ライブ??」

 

 今、理事長って言った?言ったよね?しかも学生やりながら?え?そんな事可能なの?そんなのある意味無敵じゃん!やりたい放題じゃん!

 

「マジで・・・?」

 

『マジです・・・。』

 

 ダイヤじゃないが、どこのマンガだよっ!!

 

「いろいろ突っ込みどころあり過ぎだろ・・・。」

 

『ですわねよねぇ・・・。』

 

 俺とダイヤは同時に深いため息をついた。あのシャイニー娘は毎度の事ながら本当にまったくと言っていいほど行動が読めん。振り回される方の身になったもらいたいもんだ・・・。

 

「・・・あぁ、そうだ。そう言えばさっきライブがどうのって言ってたよな?」

 

「はい。千歌さん達の部活動申請を許可する条件として、体育館をでライブをして満員にすること、出来なければ解散。と言っていました。」

 

 まぁ、ダイヤ達も満員にしてたし、やれなくはないと思うんだけど、出来なければ解散って結構厳しくないか?マリーの事だから発破をかけているだけなんだろうけど、マジで出来なかったらどうするんだ??

 

「そうなんだ。それで、高海達なんて言ってるんだ?」

 

『・・・どうして千歌さんの名字を知っているんですか??それに、悠さんがなぜそんなに千歌さん達の事を気にかけているんですか??』

 

 まずった!!ダイヤは普段高海の事は「千歌さん」としか言っていないんだった!!気にかけるのだって、ダイヤに内緒で手伝ってるからです、なんて言えないし何とかごまかさなければ!!

 

「え?そ・そりゃ高海の名字は前にダイヤから聞いたから聞いたことあるから知っていただけで、知らない子を下の名前で呼び捨てできないじゃん??」

 

『そうでしょうか??』

 

「少なくとも俺はそうなの!!それに、俺が気になってるのどんな曲を作ったのかってことで、一度聞いてみたいなぁ、って思ったからだって!!」

 

『本当ですか??私にはどうも何か隠してるようにしか聞こえないのですが??』

 

「そ、そんな事無いって!!」

 

『ん~・・・。あ、すみません。チャイムが鳴ってしまったので電話を切りますね?それと、今日の放課後なんですが、急に鞠莉さんが理事長になったせいで、急遽提出しないといけない書類が出てしまって帰りが遅くなりそうなので、今日は真直ぐに家に帰りますね?』

 

「わかった。無理しないで気をつけて帰れよ。」

 

『はい♪でわ。』

 

 ほっ・・・。チャイムに救われたか・・・。ダイヤの前では言動に気をつけつようにしないとなぁ。しかし、音信不通だったマリーが帰ってきたか。連絡が取れないと思ったらいきなり帰ってきて、理事長、ってんだから、これから先、マリーに関しては大抵の事では驚かないだろうなぁ。

 

~♪

 

 俺がそんな事を考えていると、俺のスマホがまた鳴った。

 

「噂をすればなんとやら、か?」

 

 画面に表示されたのはマリーの名前だった。

 

「もしもし?」

 

『チャオ~~☆悠ヒサシブリデスネ~♪元気してた??ワタシと連絡とれなくて寂しかった?寂しかったよね?そうでしょ、そうでしょ~☆』

 

 電話に出ると物凄い音量でマシンガントークをかまされた俺は、思わずスマホを耳から遠ざけてしまった。しかし、久し振りに帰ってきたからってのは分かるが、テンションってかノリが凄いな。外国のノリに染まって帰ってきたのかな?

 

「お・おう。」

 

『それでさ、私やっとこっち帰ってこれたんだけど、ちょっと悠に話があるんだけど、いい?』

 

「い、いけど・・・」

 

『ありがとう☆それなら悪いんだけど、今からワタシの家まで来てもらってもいいかしら?』

 

「お前の家って・・・小原グランドホテルか!?しかも今かよ!!」

 

『そうよ☆何か問題でもある??』

 

 いや、問題は無いけど、せめて前日に連絡くらいは欲しかったんだが?まぁ、そんなことマリーに行っても無駄なんだろうなぁ・・・。

 

「はぁ・・・。わかったよ。」

 

『フロントには話し通しておくから、着いたらフロントの人間に話してもらえたら、ワタシの部屋まで案内してくれるから☆それじゃぁね☆』

 

 マリーはそう言うや否やすぐに電話を切ってしまった。本当はもっと寝ていたかったんだが仕方ない。

 俺は寝巻を着替えて淡島にあるホテルへと向かった。ホテルに着くとマリーが言っていた通りフロントの人に話帰ると最上階の部屋へと案内された。

 

「ホテルの最上階って・・・。しかもそのフロア全部あいつの家かよ・・・。」

 

 世の中って不公平だよなぁ・・・。と思いながら、マリーの部屋へ直通のエレベーターに乗った。そして最上階に着いた俺はあいた口が塞がらなくなった。

 エレベーターを降りた俺の目に前にはテレビの中でしか見た事の無い光景が広がっていたのだ。よくわからないが、物凄く高そうな絵画や家具やら小物などが上品に配置され、何故こんなところにあるのか庶民の俺にはまったくもって理解不能だが、部屋の中央には池?だかジャグジー?だか分からないがとにかくそんな物が配置されていた。

 

「ここは本当に日本か?なんか銅像まであるし・・・。って、この銅像のモデルってマリーかっ!?普通自分の銅像なんて飾るか!?」

 

 金持ちの感覚ってのは理解できんな・・・。

 

「あらユウ。ずいぶん遅かったじゃない?ずいぶん待ったわよ??」

 

 俺が見る者に一つ一つ突っ込んでいたら、俺の声を聞いたマリーが部屋の奥からでてきたが、凄く理不尽な事を言われた気がする。

 

「遅いってお前なぁ・・・。俺の家からここまでどんだけあると思ってんだ?ましてや、マリーの家には、はじめて来るんだぞ?ただでさえダイヤ以外の女の子の部屋に行くのも緊張するのに、ホテルの最上階、しかも!ここに来るのに普通に働いている従業員に『あの~小原鞠莉の友人の蒼谷ですけど鞠莉さんの部屋ってどこですか?』なんて聞かなくちゃいけないんだぞ?滅茶苦茶緊張したわ!!」

 

「まったく、男のくせに度胸が無いなぁ・・・。」

 

「この場合、男も女もあるか!!はぁ・・・はぁ・・・」

 

「とりあえず落ち着きなって。」

 

 俺が色々一気にしゃべり息が上がると、マリーが俺をソファーに座らせ紅茶とスイーツを出してきた。てか、なにこのソファー滅茶苦茶座り心地いいんですけど!!

 

「それにしても本当にヒサシブリネ、ユウ。ニネンブリかしら?」

 

「まぁ、こうして直接会うのわな。それにしたってなんで最近連絡が取れなかったんだ?理事長になって帰ってきた事と何か関係あるのか?・・・ってこの紅茶うまっ!!」

 

「まだいっぱいあるからたくさん飲んでイイワヨ☆とゆうかなんで私が理事長なの知ってるの?」

 

「昼にダイヤが相当混乱しながら電話してきて、その時に聞いた。」

 

「あぁ。まぁ、それなら話は早いわね。ユウ!ワタシに協力しなさい!!」

 

 ・・・こいつ一番重要な理由を端折りやがった。あまりにもとんでもなことじゃなければ断る事はしないが、責めて理由を言ってくれよ・・・。

 

「マリー、それだと俺は一体何を協力すればいいのかさっぱりなのだが・・・」

 

「OH!Sorry、Sorry。・・・ユウ、理由を話す前に一つ約束してほしいの。ここで聞いた事は、誰にも言わないって約束して。」

 

 珍しくマリーは凄く真剣な顔で話し始めた。俺はこの顔を知ってる。普段はオチャラケて本音を隠してしまうマリーが本音を話してくれる時の顔だ。つまり、これから話す話は冗談など一切無くかなり深刻な話と言う事だ。

 

「わかった。絶対に誰にも言わない。」

 

「ありがとう・・・。」

 

 マリーは俺の返答を聞くと、僅かに表情を緩めた。

 

「実は今、浦女には統廃合の話が裏で進められているの・・・。」

 

「統廃合?でもそれって2年前から噂ではあったよな?」

 

「えぇ。でもさっきも言ったけど今回はうわさレベルではなく本格的に動き出してるのよ。」

 

「確かに、年々入学希望者が減ってるってダイヤは言ってたけど・・・。そんなにやばかったのか・・・。」

 

「だからワタシが理事長になったの。パパにお願いして、来年度の入学希望者を必ず増やして見せるからそれまで待ってって。まぁそのおかげで、ただ帰ってくるだけのつもりだったのに、引き継ぎやら何やらで戻ってくるのが遅くなっちゃったんだけどね。」

 

 マリーが理事長になって戻ってきたと聞いた時には、何の冗談だろうと思ったけど、まさかそんな深刻な理由があったとは・・・。

 

「まぁ、理事長になったのは色々対策を直に打てるからってのはわかった。でも、なんで俺にその話をしたんだ?俺に協力しろと言われても、俺には学校の運営に関して何の協力も出来ないぞ??」

 

「ワタシは運営に協力してとは言っていないよ?それにユウに話したのはこれでもユウの事を頼りにしているからよ?」

 

「それはありがたいけど、じゃあ、一体何をするんだ?」

 

「前に話してくれたスクールアイドルをやりたがっている子達がいるでしょ?」

 

「あぁ、高海達の事か?」

 

「そう☆ユウには彼女たちに協力してほしいのよ。出来れば、果南とダイヤも誘って☆」

 

「それならもうしてるぞ。まぁ、ダイヤと果南は誘っていないけど・・・。」

 

「What’s??」

 

「いや、だから高海達にならもうすでに協力してるって言ったんだ。」

 

「えぇーーー!?ワタシ聞いてないよ!?」

 

 まぁ、マリーは最近音信不通だったし、なにより曲作りが忙しくて連絡入れ忘れた。

 

「ホント、手が早いんだから・・・。」

 

「ちょっとまて、俺が女好き、みたいな発言しないでくれるか?たまたま高海達と知り合うきっかけがあったから手伝うことになっただけだ。」

 

「本当かなぁ~?☆」

 

「本当だって!!」

 

「まぁそう言うことにしておきましょう☆」

 

「あのなぁ・・・」

 

「さてと、一番大事なお願は終わったし、ついでと言ったらなんだけど、もう少しワタシに付き合ったくれないかしら?」

 

「今度は何だよ?」

 

「果南をスカウトに行くワヨ!」

 

「はぁ?今からか!?何で俺が・・・」

 

 いくら近いからとはいえ、もう夕方だ。あまり遅くなると連絡船が無くなり、俺はこの淡島で野宿をしなくちゃいけなくなってしまう。いくら春とはいえまだ夜は寒い。流石にそれは嫌なんだけど・・・。

 

「お願い・・・」

 

 俺は『帰る』という言葉を言おうとして、それを飲み込んだ。マリーをよく見ると小刻みに震えていたからだ。震えるマリーを見て俺は思い出した。いつもアッケラカンとしていて忘れがちだけど、マリーは実は物凄く繊細なの事を。2年前にあんな事があったんだ、そりゃ果南に会いずらいよなぁ。たぶん俺をここに呼んだの本当の理由は、果南に会いたいけど1人だと怖いから俺に付き添ってくれってことなんだろう。

 

「わかったよ。ただし、少ししか付き合えないからな?」

 

「ありがと☆」




いかかだったでしょうか?

さてさて、次回は新「Aqours」のグループ名決定の話になります。
ダイヤちゃんがどんな思いで千歌達に大切な名前を上げたのか、それがちゃんと書けたらと思います。

話は変わりますが、完全な見切り発車になりますが、思いつきで2作目なんてものを作ってしましましたw
『色を失った世界で見つけたもの・・・』と言うタイトルで書かせてもらっていますので、宜しければそちらの方もよろしくお願いします。

では、また次回も宜しければまた読んでやってください♪
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