------------
「ハァイ、果南☆久し振り☆」
「え!?鞠莉!?・・・それに悠君も?」
「よ・よぉ・・・」
俺とマリーが果南に会いに行くと、マリーの突然の来訪に果南は驚きを露わにしたが、俺を見つけると何を企んでるんだと?言わんばかりに俺を睨みつけてきた。
「それで?なんで帰ってきたの?」
「こっちでやりたい事があってねぇ☆それで帰ってきちゃった☆」
「帰ってきちゃったって、何考えてるの鞠莉!?何のために留学したか分かってるの??」
やっぱりこうなるよなぁ・・・。すんなり『お帰り、鞠莉♪』とはいかない事は分かっていたが、果南さんや、そんなあからさまに不機嫌な顔をしなくても・・・。
「わかってるよ☆それでもこっちでやりたい事があったノ☆」
「分かってないよ!!これじゃ何のためにわたしが・・・」
「果南?」
「と・とにかく!!挨拶に来ただけなら帰って。」
「実はね、果南に話があって・・・。」
「わたしにはない!いいから帰ってよ・・・!後片付けもあるし、わたし結構忙しいの。」
「・・・わかった。また来るね?」
「・・・・」
マリーは少し寂しそうな顔をして帰っていってしまった。
「ちょ、マリー!!・・・おい果南、本当にいいのかよ?」
「いいも何も、わたしはもう決めたの。」
「そうかもしんないけどさぁ・・・。」
「悠君しつこいよ?とにかく、本当に忙しいから悠君も、もう帰って。」
「・・・わかった。」
------------
と言うような事がマリーが日本に帰ってきたあの日にあった。少しマリーが可哀想になるくらい果南に冷たく突き放されていたが、取り付く島も無く俺にはどうする事も出来なかった。マリーには本当の事を言ったところで受け入れられないと思うし、果南は果南で凄く頑固だから、俺が説得したところで余計意固地になってしまうだけだろう。ダイヤはダイヤで相変わらず硬度10だしどうしたらいいものやら・・・。
とまぁ、そんな事で頭を悩ませつつ、あれから数日が経ち、今俺はダイヤを迎えに浦女の傍に来ていた。
「すみません、お待たせしました。」
「おう、お疲れ♪相変わらず生徒会の方は忙しいみたいだな?」
「えぇ。仕方のない事ですが、部活動と掛け持ちの方ばかりですので、どうしても私1人でやらなければいけなくなってしまうので・・・。」
「そっか。よしよし♪」
俺は疲れた表情を見せるダイヤの頭を優しく撫でてやった。ダイヤはダイヤなりに、あの日の決意を全うしようと頑張っている。もう少し柔軟に生きてもいいと思うし、もっと我が儘を言ってもいいとは思うけど、一生懸命頑張る姿を見たら凄く愛おしくなってしまった。
「な・なんですか突然///!?」
「いや、頑張ってるからご褒美?」
「なんで疑問形なんですか?というか、こんなところで凄く恥ずかしいのですが///」
「嫌か?」
「嫌ではありませんが///」
「ならもう少し撫でさせてくれ♪」
「////はい」
俺は暫くダイヤの頭を撫でた。なんだかんだ言っていたダイヤも顔を赤らめながらも大人しく頭を撫でられていた。
『えぇぇぇーーーーーー!?』
ダイヤを十分撫でて満足したし、そろそろ終わりにしようとしたその時、海の方から聞いた事のある声が聞こえてきた。
「ん?」
「あれは・・・、曜さん・・・ですわね?」
声のした方を見ると高海達3人がいた。どうやら声の主は渡辺みたいだったけど、こんな時期に3人は浜辺で何をしてるんだ?
「どうやら3人はここで練習をしているみたいですわね。」
あぁ、そう言えばそんな事を言っていたような気がする・・・。出来る事なら何でも手伝うとは言ったが、ダンスなんてのはさっぱりで練習に付き合っても何の役にもたたないから、練習に付き合うのは断ったんだった。それにしても・・・。
「あれって、練習してるのか?俺には砂浜に何か書いて遊んでいるようにしか見えないんだけど・・・。」
どう見ても俺には高海達が練習しているようには見えず、なにか落書きをしているようにしか見えなかった。と言うか、暫く見守ってみたが浜辺に十数メートルにわたり何かを書いているところしか見えなかった。
「一体何を書いてるんだ??」
「近くで見てみましょう。」
「ちょ!?ダイヤ!?」
そう言うとダイヤはスタスタと浜辺へ歩き出したので俺は慌ててダイヤの後を追い浜辺に向かうとそこには大量の文字が書かれていた。
「これは??」
「・・・グループ名じゃないですか??」
「グループ名??これが!?」
驚いた・・・よくよく考えたらグループ名を聞いていなかったが、まさかまだ決まっていなかったとは・・・。それにしても、ダイヤは浜辺に書かれている文字がグループ名候補という事に良く気付いたなぁ・・・。俺には何が何やらさっぱりわからんかった。だって『波の乙女』とか『うずまきーず』『みかん』しまいには『海鮮』なんて書かれていて、何?ってなるよね?
「はぁ・・・。まったく、仕方ありませんわね・・・」
ダイヤは溜め息をつくと打ち上げられていた枝を拾い、砂浜に文字を書き始めた。
「??なんかいいアイディアでもあったのか??・・・・ってこの名前!?」
俺はダイヤが浜辺に書いた名前に驚きと困惑を隠せなかった。何故この名前にしたのか聞こうとすると高海達がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
「悠さん、逃げますわよ!!」
「え?ちょ、だ・ダイヤ!?」
歌海達に気付いたダイヤは俺の手を引いてこの場からダッシュで逃げた。幸いにも話に夢中になっていたみたいで俺達には気付かれなかったみたいだ。ダイヤに引っ張られながら後ろの方から高海の嬉しそうな声が聞こえてきたが、ダイヤは俺の車が停まっているところに着くまで止まることなく俺を引っ張り続けた。
「なぁダイヤ、本当にいいのか?あの名前は・・・『Aqours』はダイヤにとって・・・ううん、ダイヤ達にとってとても大切なものだろ??」
「えぇ。・・・だから、あそこに書いたのですわ。」
「どう言うこと??」
「大切だから・・・。だからこそ私はあの名前を彼女たちに託したのですわ。もっとも、あれに気付いて、彼女たちがその名前を選ぶかどうかは分かりませんが♪」
ダイヤはどこか悪戯を楽しむ子供のような笑顔をしたダイヤは初めてみた。・・・可愛い///
「・・・じゃなくて!!託したって、いきなりどういう心境の変化なんだ?ついこの間まで反対してただろ??」
「別に今だって認めたわけではありませんわよ?」
「・・・はい?」
「ですから、千歌さん達を認めたわけではないんです。」
「ならなんで??」
「・・・彼女達を見ていると、あの頃の私達を見ているような気がするんです。」
ダイヤはそう言うと浜辺ではしゃぐ高海達を優しく見つめていた。俺はそんなダイヤの横顔がとても綺麗で見とれてしまい言葉が出なかった。
「きっと彼女達もいずれ私たちのように壁にぶつかるでしょう。ですが、彼女達なら私たちが越える事の出来なかった壁を越えて行ける。そんな気がするんです。・・・だから託したのですわ。あの頃に置いてきてしまった私達の想いを・・・。」
「ダイヤ・・・」
「ですが!!だからといって簡単には認めませんわよ!!」
「ダイヤ!?」
「そう簡単に認めてしまったら、まるで私達が負けてしまったみたいで悔しいではないですか・・・」
「悔しいって・・・」
少しいい話風だったのになんだか台無しだぞ?
「それに、大きな壁にぶつかるまでは私が立ちはだかり、彼女達を鍛えなくてはなりませんしね。いざという時に乗り越えられるようになってもらわないと。だから”今”は認めませんわ。」
進んで悪役を引き受けようとするんだから、相変わらず損な性分だこと・・・。まぁ、ダイヤらしいと言えばらしいけどさ。
「さぁ、そろそろ帰りましょう。ここでのんびりしていたら彼女達に見つかってしまいますわ。」
「おう♪」
2年前のあの日以来、時々ダイヤは思いつめた表情をしていたり、楽しそうに笑っていてもどこか物足りなさを感じているような、そんなダイヤを見てきていたから、どこかスッキリとした顔のダイヤを見て、少しは前を見る事が出来るようになったんだと思うと少しホッとしたし、高海達にはこっそりと感謝しておこう♪
そして、ダイヤを送りながら『高海達のグループ名がどうなったかは分からなかったなぁ』なんて考えていたが、数日後俺とダイヤは意外な形でその結果を知ることになったのだった。
いかがだったでしょうか?
少しでもダイヤちゃんが可愛く書けてたらいいなぁ、と思う今日この頃です。
ここ最近は2ndライブツアーのブルーレイをずっと見ていて更新が少し遅くなりましたが、また頑張りますよ~♪
とか言いながらもう一つの方もそこそこアイディアが出てきて、どちらから書こうか悩んでますがw
なんにせよ、次回は初めてのライブまで書けたらいいなぁと思っています。まぁ、書いてみないとどうなるかは分かりませんがw
では、宜しければ次回もまた読んでやってください♪