今よくある自己紹介『俺転生者ヨロ』。今の時代この一言で五割程相手に伝えることができる魔法の言葉。とりあえずこれ言っとけば大体通じる。
と、いうことでやってきました。ファァァアンタジィィィィ!夢と魔法と人外が蠢く夢いっぱいの世界だ。魔王倒して英雄になっちゃう?それともどこかの国にでも属して緩やかで怠惰な生活でも送っちゃう?答えは……何も決めてない。なにしろこの世界の情報を何一つ持ってないのにアレコレ動くのは正直マズいと思うな僕ぁね。
二次創作物のよくある流れで、『人里目指して歩く→敵勢力とエンカウント→命の危機→どこかのイケメンorヒロインに助けられる→その後面倒な事に巻き込まれる』ここまでテンプレ。だが僕ぁそんな手垢の付いた古い流れには乗らない!絶対にだッ!
では早速、この森の中に引き籠もろう。動くからフラグが建つんだ。だから僕ぁ動かない。ここでのんびり村人A〜Zが来るまで待機だ。
「ここに伝説の魔法使いがいるんですね?」
「はい!この場所で間違いないです勇者様」
ユビツ・メール王国の勇者候補に選ばれた僕は魔王討伐のため、仲間を集めにこの伝説の魔法使いが隠居していると言う噂の森へと来た。僕の他にも何十人も勇者候補がいるから強い味方は早めに確保しておかないと旅の途中で強力な魔物に倒されてしまうかも知れない。そんなことは御免だ。何としても生きて帰る!
「イヤァアアア!」
「ヒール!」
森の入り口からかなり歩いて来たが未だに伝説の魔法使いに会えていない。それどころか魔物との遭遇率が高過ぎて伝説の魔法使いと会う前に力尽きそうだ。
「はぁはぁはぁ……そろそろ一休みしよう」
「そうですね。度重なる戦闘と長時間の移動では流石の勇者様でも大変ですものね」
「うん。それにプリーストさんもそろそろ法力の回復をしないと……丁度ひらけてる場所があるね。あそこで休もう」
そう言い疲れた体を動かしひらけてる場所へと向かう。だけどこの選択が正しかったことになるとは思いもしなかった。
クッソ暇。いつになったら村人来んの?もうこの際盗賊でも良いわ。出来れば姉御肌の美人さん希望。臭い野郎は帰ってどうぞ。つーか○ね。あーもうこの『修行僧ごっこ』飽きたわ。誰か来ねえ「『居たあああああ!」」ワッザ⁉︎なにごと⁈
「あなたが伝説の魔法使い様ですか?僕は勇者。この人はプリーストさんです。あの突然ですが僕の……魔王討伐の仲間に加わってはいただけないでしょうか?どうかお願いします!」
「お願いします!」
んんwww勇者様ですとwww……笑ってる場合じゃねえ。なぜだ?どこで間違えた?俺は確実にフラグを建てずにここで待機してたはずだ。どこでミスった。ああ辞めろそんな誠心誠意頭を下げるなプリーストさん。野郎勇者はそのままな。
さて、どうするか?正直、仲間に加わりたくない絶対面倒だ。なんだよ魔王討伐って。そんなもん勇者+αの少人数に任せるなよ。国が軍出してヤレよ。マジ国王無能オブ無能。つか、伝説の魔法使いってなんですか(笑)自分完璧な物理特化型ですが?まあ、良い。向こうが勘違いしているのならそれを正すのが人としての矜持?義理?どうでも良いか……兎に角自分は魔法使いなんかじゃないことを伝えねば。
「んんっ!……二人とも大変申し訳ないが私は魔法使いでは『グルァァアアアアア!』うるせえ!」
神サマーから脅迫して頂いた特典の能力を使い背後に居た虎に似たバケモノの上半身ぶっと飛ばす。やれやれ汚ねえ花火だ。
「「す、凄い!」」
「へっ?」
「まさか一級モンスターのドン・キャットを一撃で倒すなんて!」
「流石伝説の魔法使い様!無詠唱であの威力……私感激です‼︎」
「どうか僕達の国を救うためその御力をお貸し下さい!」
「いや、あの俺は……行かな」
「さあ行きましょう勇者様、魔法使い様!共に平和のために」
「平和のために!」
アァァァァアアアアッ!どうしてこうなったッ!
閑話 伝説の魔法使い(笑)接触前
プリースト「あ!あれは⁉︎」
勇者「どうしたんだプリーストさん?」
プリースト「あれはZAZEN!嘗て伝説に名を連ねた魔法使い達が行なっていたと伝えられている修行の一種です!なんでも長い年月を重ねるとSATORIと言うモノを開いて世の理を知ることができると言われています!間違いありませんあの方が伝説の魔法使い様です!」
魔法使い(笑)「……(二○のラーメン食いてえ)」