僕と紅魔郷とスカーレット姉妹   作:ゆっくり翼

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何故なにゆくつばは第二章の最終話の後書きに載せることにしました。
じゃないと小説の投稿に支障が出そうだからです。
あと、質問の募集は今日までとします。


第二十四問 召喚大会準決勝戦

「じゃあ行ってくるよ」

 

「お店よろしく!」

 

「気を引き締めてやりなさい」

 

「頑張って下さい」

 

四回戦後、喫茶店で暫く働いてたらあっという間に準決勝戦の時間になったから、僕らは着替えた後、レミリア達に見送られながら会場に向かった。

 

「……次の試合、勝てるかなぁ……」

 

会場に向かっている途中、フランがそう呟いた。

 

「大丈夫だよ、今までも勝ってきたんだし」

 

そう言ったものの、実は僕も不安だ。

だって次の対戦相手は―――

 

「よぉ、明久」

 

「……さっきぶり」

 

「雄二、霧島さん……!」

 

―――雄二と霧島さんなのだから。

 

「まさかお前達が準決勝まで来るとはな」

 

「そのわりには予想通りって顔をしているけど?」

 

「まぁ、お前達は俺が考えた優勝候補の一ペアだからな」

 

「そうなんだ」

 

やっぱりAクラス下位の点数だけど操作技術が高い奴()全教科で腕輪使用可能の点数を取る奴(フラン)のペアだからかな。

 

「で、お前の狙いは腕輪か?」

 

「っ!? な、何でそれを……!」

 

レミリアに誰にも言うなって言われたから誰にも言ってないのに……!

 

「いや、釜かけて言っただけなんだが……何でそんなに慌ててんだ?」

 

釜かけ!?

てか変に慌てたから余計に怪しまれた!

と、とりあえず、ここは話を反らそう。

 

「ゆ、雄二も腕輪狙いでしょ?」

 

手に入れたら試験召喚戦争での戦略の幅が広がりそうだし。

 

「いや、両方だ」

 

やっぱりか……って両方!?

 

「チケットも狙いなの!?」

 

それを聞くと雄二はそっぽを向いた後、頬をかきながら言った。

 

「……翔子と約束しちまったからな、今度手に入れることがあったらチケットをやるってな」

 

……あー、成る程。

 

「流石は代表カップルだね」

 

「待て! まだカップルじゃねぇ!」

 

「まだ?」

 

「くっ……いいから始めるぞ!」

 

あ、逃げた。

……それにしても今までは点数差があったけど今回は逆に負けてそうだし、操作技術でも僅かな差しかなさそうだしなぁ。

うーん…………。

 

「(フラン)」

 

「(何?)」

 

「(僕が霧島さんの足止めをするからその間に雄二を倒して)」

 

「(分かった)」

 

とりあえずこれなら何とかなる……と思う。

 

「それでは、召喚を開始してください」

 

よしっ、気合い入れていこう!

 

『試獣召喚!』

 

 

 

古典

吉井明久 Aクラス 201点

フランドール・スカーレット Aクラス 413点

 

VS

 

坂本雄二 Fクラス 361点

霧島翔子 Aクラス 497点

 

 

 

「フラン!」

 

「うん!」

 

試合開始直後、早速僕は霧島さんの召喚獣に斬りかかった。

 

「……甘い」

 

霧島さんの召喚獣はそれを左に避けた後、斬りかかってきた。

 

「えっ!?」

 

―――フランの召喚獣に。

 

「うわっ!?」

 

フランの召喚獣は危なげながらもそれを回避。

てかヤバい、加勢しないと!

 

「フラン、今加勢する―――」

 

「させるか!」

 

「っ!?」

 

僕は慌てて後ろに回避、直後そこを拳が通過した。

 

「お前の相手は俺だ」

 

「雄二……!」

 

くっ、これじゃ迂闊にフランの召喚獣のところに行けない……!

 

「どうせお前の事だからお前が翔子を足止めしてる間にスカーレットで俺を倒すつもりだったんだろう?」

 

「何でそれを!?」

 

「お前が考えそうなことを予想しただけだ」

 

流石にそう簡単にはいかないか……!

 

「じゃあ早速行くぜ!」

 

言うやいなや雄二の召喚獣は殴りかかってきた。

僕はその攻撃を軽くいなし、そのまま首に―――

 

「甘ぇんだよ!」

 

「っ!?」

 

雄二の召喚獣が剣の腹にアッパーを当てた。

それによって僕の手に衝撃が走った。

咄嗟に受け流したおかげで剣を手離しはしなかったけど、少しバランスを崩した。

 

「終わりだ!」

 

その隙に雄二の召喚獣が勢いよく殴りかかってきた。

僕はその攻撃を右手で受け止めた。

 

「ぐっ……!」

 

フィールドバックの影響で右手に痛みが走った。

てか思ってたよりか痛い……でも、

 

「チャンス!」

 

僕は雄二の右手を掴んだまま剣を横に凪いだ。

けどさっきの痛みの影響で右手の力があまり出なかったから、すぐに振りほどかれ後ろに回避された。

でも、浅くだけど斬ることに成功した。

 

「……操作技術、上手いね」

 

「あれから毎日模擬試験召喚戦争で操作技術を上げてるからな、このぐらいの操作は楽勝なんだよっ!」

 

言い終わるやいなや雄二の召喚獣が勢いよく突っ込んできた。

……よしっ、今だ!

 

「っ!」

 

僕はさっき盗った(・・・・・・)雄二の召喚獣のメリケンサックを雄二に向かって思いきり投げた。

 

「なっ!?」

 

雄二は突然の事に驚いたのか、反射的に避けた。

最も、召喚獣の武器は実体化していないから避けても意味は無いけどね。

 

「やぁっ!」

 

「しまっ!?」

 

僕は雄二が気をそらしている内に雄二の召喚獣を思いきり斬った後、後ろに跳んだ。

本当はもう一回ぐらい斬りたかったけど雄二は切り替えが早いからなぁ……。

でも倒すには至らなかったけどこれで結構なダメージを与えられたはず。

 

「舐めるな!!」

 

すぐに体勢を調えたのか、雄二の召喚獣が殴りかかってきた。

流石雄二、切り替えが早い。

 

「『炎剣』!」

 

……よし、もうそろそろかな。

僕は雄二の召喚獣の拳をまた後ろに跳ぶことによって避けた。

 

「……『反射』!」

 

直後、霧島さんの召喚獣が腕輪を使った。

今だ!

僕は剣から手を離した。そして、丁度良い高さまで落ちた剣を

 

「てやぁっ!」

 

思いきり蹴っ飛ばした。剣は真っ直ぐに飛んでいき、霧島さんの召喚獣の背中に当たった。

霧島さんを囲うように展開していた障壁は、僕の攻撃を反射した後そのまま消えた。

その際、フィールドバックの影響で背中に痛みが走ったけど、別に大した痛みじゃない。

 

「……っ!?」

 

そして、炎の剣は無防備な霧島さんの召喚獣を呑み込んだ。

 

「喰らいやがれ!」

 

直後、雄二の召喚獣の拳が隙だらけの僕の召喚獣の頭にめり込んだ。

僕の召喚獣はその一撃に耐えられず、消滅した。

って

 

「頭が割れるように痛ぁぁぁぁぁい!?」

 

点数が減ってるとはいえ、顔面への攻撃は流石に痛い……!

僕が痛みに悶えていると、

 

「あきひさの仇!」

 

攻撃した後の隙だらけの雄二の召喚獣をフランの召喚獣が炎の剣で斬った。

フラン、怒ってくれるのは嬉しいけど、僕まだ死んでないから。

 

 

 

古典

吉井明久 Aクラス 0点

フランドール・スカーレット Aクラス 173点

 

VS

 

坂本雄二 Fクラス 0点

霧島翔子 Aクラス 0点

 

 

 

「勝者、吉井・スカーレットペア」

 

ぐぅぅっ、勝ったけど顔が痛いから素直に喜べない……!

 

「あきひさ、大丈夫!?」

 

「な、何とかね……」

 

まだ痛いけど。

って雄二がこっち来た。

 

「まさかあんな手を使ってくるとはな」

 

「いやぁ、ああでもしないと隙は作れないかなぁと思って」

 

「そうか。それでお前、俺の召喚獣の武器をいつ盗ったんだよ?」

 

「雄二の召喚獣の拳を掴んだ時、振りほどこうとして暴れたでしょ? その時に盗ったんだよ」

 

「あの時か……」

 

少し会話をしていると、突然雄二は思案顔になった。

どうしたんだろう?

暫く様子を見ていると、雄二は顔を上げた。

 

「やっぱりお前があの時いれば勝てたんだがな」

 

あの時ってAクラスVSFクラスの時かな?

 

「そんな事無い、雄二は僕を過大評価しすぎだよ」

 

操作技術が二年の中では結構高いってだけだし。

 

「いや、正当な評価だ」

 

……まぁ雄二が納得しているんなら別にいいけどさ……

 

「不満そうな顔だな……まぁ、頑張れよ」

 

雄二が左手を挙げた。

 

「うん、分かってるよ」

 

僕もそれに倣って左手を挙げた。そしてその後、両方が自分の左手で相手の左手を叩く行為―――ハイタッチをした。

……さて、フランはどこだ?

 

『……ありがとう、フランは良い人』

 

『どうもいたしまして』

 

ってあっちで霧島さんと話してるや。

丁度終わったところみたいだけど、何を話していたんだろう?

ちょっと気になる……まぁ良いか。

 

「じゃあ行こうか、フラン」

 

「うん!」

 

僕達は先に会場を後にした。

そして暫く歩いていると、

 

「あきひさ、先に帰ってて」

 

フランがそう僕に言った。

 

「何で?」

 

何か用でもあるのかな?

 

「ちょっとトイレ行ってくる」

 

……こういう時は普通、お花を摘んでくるって言うべきじゃないかなぁ?

 

「……じゃあ僕は先に帰ってるよ」

 

……フランはもう少し恥じらいを持った方が良いと思う……

 

 

 

……で戻ってきたけど

 

「全然帰ってこない……」

 

10分経っても帰ってこない。

どこかで油売ってるのかな?

 

「全く、何をして……ん?」

 

唐突に携帯が震えた。フランからかな?

 

「って母さん?」

 

そういえばゴタゴタしていて母さんに急に帰国した理由を聞いてなかったから、その説明かな?

とりあえず、僕は携帯のボタンを押して、電話に出た。

 

「どうしたの、母さん?」

 

『落ち着いて聞いて、明久』

 

……母さんの雰囲気がいつもと違う? 一体何が―――

 

『フランが拐われた』

 

…………え?

 

『場所は近くの廃工場だよ』

 

誘拐? フランが?

 

『本当は私が行きたいんだけど、今凄く忙しいから、悪いんだけどレミリア達と一緒に―――』

 

僕は携帯を切るやいなや走り出した。

 

「明久!?」

 

レミリアの驚く声が聞こえたけど、僕は気にしないで走った。

……フラン、頼むから無事でいて……!




……次回は捕まったフランを明久が一人で救出しに行く話です。
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