僕と紅魔郷とスカーレット姉妹   作:ゆっくり翼

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一瞬の油断が命取り。


第二十五問 救出

『さて、スカーレットは確保した。後は吉井だけだな』

 

『スカーレットは女だし、吉井ってやつは弱そうだし、これは楽勝な仕事だな!』

 

「…………」

 

僕は母さんが言っていた廃工場に潜入した。

入る際見張りが二人程いたけど、ちゃっちゃとやっつけて、一人が持っていた鉄パイプを拝借した。

そして今はフランがいる部屋のドアの前でチャンスを待っているところだ。

 

『しっかし、まさかあんなに抵抗するとは思わなかったぜ』

 

『まぁ一発で伸びちまったがな』

 

……っ!

……いや、耐えろ僕、今はまだチャンスじゃない。

 

『で、どうする? ヤッちゃう?』

 

『ヤッちゃおうぜ、こんな上玉、滅多にお目にかかれねぇし』

 

『あー、楽しみだぜ』

 

『お前ロリコンかよ』

 

『違い無ぇ』

 

品の無い笑いをした後、不良達の注意がフランの方に向いた。

よしっ、今だ!

 

「てやっ!!」

 

僕はドアを思いきり蹴っ飛ばした。

その衝撃にドアは耐えられなかったようで、勢いよく吹き飛んだ。

僕はそのドアに続いて中に入る。

そこには余りの出来事に唖然としている不良達と手首を縛られて気絶しているフランがいた。

 

「……っ!」

 

よくもフランを……!

 

「な、何だてめがっ……!?」

 

僕は不良の一人に近づき、首に鉄パイプの一撃をお見舞いした。

 

「まさかこいつ、吉ぐはぁっ!?」

 

そのあと、フランの近くにいる不良の股間を思いきり蹴った。

 

「くそっ、こうなったぐほぉっ!?」

 

そして最後にフランを人質にしようとした不良の顔面に鉄パイプを投げつけた。

…………よし、全滅したね。

 

「ふぅ」

 

良かった、何事も無くて。

僕はフランに近づいて、手首を縛っている縄を解いた。

よし、あとはフランを背負って帰れば救出完了―――

 

「っ!?」

 

僕は反射的に左に跳んで避けた。

と、同時に右腕に鋭い痛みが走った。

どうやら右腕を斬られたみたいだ。

 

「油断したなぁ!」

 

気絶したと思っていたリーダー格の不良が血濡れのナイフを持っていた。

……完全に油断していた。

……でも右手を怪我しただけっ!?

 

「……ぐっ!?」

 

急激に目眩がして僕は思わずその場に倒れた。

急いで立とうとしても手足が上手く動かせない。

一体なにが……ってあれ? あのナイフ、よく見ると液体が塗ってある感じが……

ってまさか!?

 

「毒……か……!」

 

「ご名答、このナイフに塗ってある毒は強力な麻痺毒でなぁ、象でも回復するのは一日掛かるぜ」

 

くっ、やられた……!

 

「それにしてもこの俺様がこんなガキ相手に一撃をもらうとは……これは是非ともお礼をしなきゃなっ!」

 

「がっ……!」

 

僕は不良によって思いきり蹴っ飛ばされた。

 

「はっ、まだまだぁ!」

 

「ごはっ……!」

 

「おらおらぁっ!」

 

「がはっ……!」

 

そして数分間、僕は不良に蹴られ続けた。

けど昔父さんに鍛えられたおかげで体が無駄に丈夫だから今のところは右腕以外はアザとかの軽傷だ。

 

「ちっ、なかなかしぶてえな……まぁいいか」

 

……ん? 蹴るのを止めた? どうして?

よく見ると不良はフランの方に!?

 

「何をする気だ!」

 

「ふん、それはなぁ……」

 

そしてフランの服を掴むと

 

「お前の前でこの女を犯してやるよ!」

 

そのまま引きちぎった。

 

「っ!?」

 

それによって、フランの下着が露になった。

こいつ、何ていうことを……!

 

「フランを離せ!」

 

「ふん、お前は指をくわえたまま、この女が犯されるのを見てるんだな!」

 

そして不良は下着を剥ぎにかかった。

……あの時と同じだ。あの時も僕が皆を頼らなかったからこんなことになった。

そして―――。

 

「……ぅーん」

 

その時、不幸にもフランが目覚めた。

フランは寝惚けているのか、キョロキョロと辺りを見渡した。

……そうだ、あの時もこんな風だった。そして―――

 

「…………!」

 

あの時と同じようにフランは僕を見た。

見てしまった。

 

「あき……ひさ……」

 

僕を見たフランは驚愕した。

でもそれは一瞬で、急に無表情になった。

その後、フランは近くにいる不良を見た。そして

 

「あなたがやったの?」

 

あの時と同じことを聞いた。

 

「あぁ、そうだぜ。そしてこれから―――」

 

「コロス」

 

「は……?」

 

不良が答えた瞬間、不良の姿がぶれた。

そして気がついたら、不良は壁に叩き付けられていた。

 

「ごはっ……!?」

 

不良はずり落ちて、そのまま倒れた。

その不良にフランが近づき馬乗りになった。そして

 

「…………(ニヤッ)」

 

「……っ!?」

 

狂った笑みを浮かべた。

その後、不良の顔を思いきり殴った。

 

「がはっ!」

 

「アハッ」

 

何度も

 

「ごほっ!」

 

「アハハッ」

 

何度も

 

「ぐ……ほ……!」

 

「アハハハハハッ!」

 

何度も。

 

「…………」

 

不良にはもう意識が無い。

その顔は見るにも耐えないぐらいグシャグシャになっている。

それでもフランは殴るのを止めない。

こうなったフランは気が済むまで殴るのを止めないだろう。

その途中で不良が死んだとしても。

 

「……止めないと……」

 

フランに人殺しなんて絶対にさせるものか……!

僕は無我夢中で立ち上がった。

その時、体を怠さと痛みが襲った。

でもフランを助ける為なら

 

「どうということは、無い!」

 

そして僕はフランに近づき、

 

「フラン!」

 

抱き着くことによって止めた。

そして、暴れるフランの口に右腕にある傷口を近づけた。

 

「アハハハ……?」

 

フランは僕の右腕の傷口を見た後、口をつけそのまま思いきり吸った。

 

「うっ……」

 

結構染みる……でも我慢だ。

そして暫く吸わせていると

 

「…………」

 

吸う勢いが徐々に無くなってきた。

表情も徐々に普通の表情に戻ってきた。

そして

 

「…………?」

 

いつものフランに戻った。

……良かった、元に戻って……でも……。

 

「あぁ……」

 

…………。

フランは自らが傷つけた不良の方を見ていた。

信じられないというような顔だった。

そしてフランは

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

絶叫した。

声が枯れるんじゃないかと思うぐらいの大声で。

そしてその場に倒れた。

 

「…………」

 

……僕のせいだ。僕が皆を頼らなかったからこんなことになった。

僕が一人でも大丈夫だと思ったからこんなことに…………。

いや、反省は後にして、今は

 

「帰ろう……」

 

僕はフランを背負ってドアを開けた。

 

「…………」

 

「…………」

 

そこには目以外は笑顔の母さんが立っていた。

 

「……来てたの?」

 

「ついさっき来たばかりだけどね」

 

「そうなんだ……」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……とりあえず一発殴るね」

 

ですよねー。




次回は一言で言うと説明回です。
フランのあの状態の説明とか腕輪の説明とか明久の母が来た理由の説明とかです。
それでは次回も

ゆっくりしていってね‼










あの不良共、潰す……!
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