・タッグマッチは一回戦と六回戦
・科目は交互に決める
「では両名、共に準備は良いですか?」
「あぁ」
「……問題ない」
時刻は10:00、Aクラスの教室で一騎討ちが始まった。
「それでは一回戦目の方、どうぞ」
一回戦か、誰が出るんだろう?
「行ってきなさい、明久、フラン」
「分かった!」
「えっ? 僕?」
「そうよ」
「何で?」
点数はAクラスの中で結構低いはずなんだけど。
「操作技術が高いからよ」
確かに相手の点数が僕の2、3倍ぐらいだったら倒せるけど……
「でも反対とか出ない?」
「それは私が言いくるめておくわ」
うーん、ここまでされるなら出ないわけにはいかないかな。
「分かったよ」
僕は舞台に立つ。さて、Fクラスからは誰が―――
『ウチが出るわ』
『いや、ここはイスアード姉妹で―――』
『うるさいわね、出るったら出るのよ!』
『お、おいっ、島田!』
……島田さん、こういう時に代表の意見に逆らったら駄目でしょ。
「吉井っ、覚悟しなさい!」
うーん、こうやって勝手な行動をとりすぎるといつかクラス内で孤立するかもしれない。
ここは一つ、友人として島田さんに注意しておこう。
「島田さん、代表に逆らうのは出来るだけ止めた方が―――」
「うるさいわよ! 吉井の癖に!」
理不尽すぎる!?
「Fクラスの人、もう一人出てください」
「あたいが出るよ」
そう言って出てきたのは交渉の時にいた青いリボンを付けた水色の髪の女の子だった。
「チルノ・イスアードよ、よろしく」
へぇ、イスアードさんっていうのか。
僕も自己紹介しよう。
「僕は吉井明久。よろしくね、イスアードさん」
「わたしはフランドール・スカーレット。よろしく、ちるの!」
「よろしく、明久、フラン」
よしっ、自己紹介終わり!
「吉井、後でポッキリとお仕置きよ」
「えぇっ!?」
僕何か悪いことした!?
「教科は何にしますか?」
「数学でお願いします!」
島田さんが勝手に決めた。
いいのかな?
「承認しました。それでは、始めてください」
よしっ、絶対に勝つ!
『試獣召喚!』
数学
吉井明久 Aクラス 234点
フランドール・スカーレット Aクラス 441点
VS
島田美波 Fクラス 184点
チルノ・イスアード Fクラス ―――
「『炎剣』!」
イスアードさんの点数が表示される前ににフランが『炎剣』を使用し、前方を凪ぎ払った。
それに島田さんの召喚獣が巻き込まれて、瞬く間に戦死した。
炎はそのままイスアードさんの召喚獣に迫っていく。その迫り来る炎をイスアードさんの召喚獣は跳んでかわした。
「えっ?」
跳んでかわすって結構な操作技術が必要なんだけど?
イスアードさんの召喚獣は着地した後走ってフランの召喚獣に近づき、思い切り斬りかかったってまずい!!
僕は大剣の腹に剣をぶつけて大剣の軌道をずらした後、イスアードさんの召喚獣を思い切り蹴っ飛ばした。
イスアードさんの召喚獣が立ち上がるのを横目で確認しながらイスアードさんの点数を見てみる。
数学
吉井明久 Aクラス 234点
フランドール・スカーレット Aクラス 341点
VS
島田美波 Fクラス 0点
チルノ・イスアード Fクラス 539点
「高っ!?」
500点越えって滅多に見ないよ!?
しかもさっき僕蹴ったから最高得点じゃ無さそうだし!?
高い点数に操作技術の高さ、これは結構苦戦しそうだ。
「フラン、剣貸して」
「うん」
フランの召喚獣が差し出してきた剣を僕は受け取った。
「ありがと、後………」
あの操作技術だと操作に慣れてないフランが加わっても意味がないから加わって欲しくないんだけど、どう説明しようか…………
「分かってる、下がればいいんでしょ?」
うっ、バレてたか。
「……ごめんね、フラン」
「いいよ、頑張ってねあきひさ」
よしっ、フランの為にも絶対に勝とう。
僕は右手の剣でイスアードさんの召喚獣に斬りかかった。
イスアードさんの召喚獣がそれを大剣で受け止めた瞬間に、僕は左手の剣をイスアードさんの召喚獣の首目掛けて振った。
とその時、イスアードさんの召喚獣が大剣を思い切り振ってきたので、僕は後退して避けた。
くっ、点数差が激しいから攻めずらい!
どうしようか…………相手の武器を落とした後、首を斬るか。
イスアードさんの召喚獣が僕に斬りかかってくる。
僕はその一撃を剣でいなした後、イスアードさんの召喚獣の手首を蹴り飛ばした。
大剣がイスアードさんの召喚獣の手から離れる。
よしっ、チャンスだ!
僕はイスアードさんの召喚獣の首目掛けて剣を振った。
僕の召喚獣の剣の軌道はイスアードさんの召喚獣の首に吸い込まれていく。
が、イスアードさんの召喚獣に僕の召喚獣の左手首が掴まれ、剣の軌道が止まったって左手首冷た!
召喚獣を見ると掴まれてるところからじょじょに凍っていく。しまった、腕輪か!
「これで終わっ!?」
赤い影がイスアードさんの召喚獣に迫り、イスアードさんの召喚獣を突き飛ばした。
えっ、何が起きたの?
「あきひさ、大丈夫?」
あぁ、赤い影はフランの召喚獣か。
「ありがと、フラン」
「どうもいたしまして」
でも戦況は結構やばいな。
僕の召喚獣は左腕が凍っている状態だし、
数学
吉井明久 Aクラス 96点
フランドール・スカーレット Aクラス 341点
VS
島田美波 Fクラス 0点
チルノ・イスアード Fクラス 312点
おまけにこの点数差だ。
やっぱり、腕輪がないと…………ん? 腕輪?
そうだ!
「フラン!」
「何?」
僕はフランにさっき思いついた作戦を話してみた。
「じゃあ頼んだよ、フラン」
「うん!」
その後、イスアードさんの召喚獣と対峙した。
「何でそんなに操作技術が高いの?」
「他クラス戦で戦っているうちに慣れたのさ」
「慣れるの早くない!?」
「コツを掴んだら案外簡単だったよ」
「えぇー………」
ちょっとした会話の後、僕は剣を腰に添えた。
相手も同じように構えた。
そして数秒後、消しゴムか何かが落ちる音がした。
「「っ!」」
その瞬間、僕は
『えっ?』
周りから驚きの声が上がった。
まぁイスアードさんの召喚獣との距離があるのに攻撃したら普通驚くよね。
でもこれでいいんだ!
「『炎剣』!」
そのキーワードで僕の持っている
「なっ!?」
そして炎がイスアードさんの召喚獣の首に迫り、そのまま首をはねた。
数学
吉井明久 Aクラス 96点
フランドール・スカーレット Aクラス 241点
VS
島田美波 Fクラス 0点
チルノ・イスアード Fクラス 0点
「Fクラスが両名戦闘不能になったので、一回戦はAクラスの勝ちです」
「よっしゃあぁぁぁぁぁ!!」
よしっ、危なかったけど何とか勝てた!
「まさかあんな方法があるとはね、完敗だよ」
イスアードさんが僕に近づいてきた。
「いや、僕も勝てるかどうかは分からなかったよ、イスアードさん強かったし」
「そう言ってもらえるとうれしいよ」
そう言いながらイスアードさんが右手を差し出してきた。
僕はその右手を握り、
「次は絶対に勝つよ」
「そう簡単には負けないよ」
イスアードさんと握手をした。
『氷結』
毎秒10点(総合科目では100点)で身体に冷気を纏わせる。武器には纏わせることが出来ない。
その状態で触れた相手は触れている間は徐々に凍っていく。
次回はFクラス二回戦目を予定しています。
六月十四日 Fクラスが一回戦に出す予定だった人物を霊夢と魔理沙からイスアード姉妹に変更。