自分の度胸の無さを克服しようと、努力を続けるクムユ。
日々僅かに成長を見せているが、ある魔物退治の依頼を受けた際、クムユはその未熟さから姉のククルを危険な目に合わせてしまう。

それから数日経ったある日、度胸のなさを改善する方法を姉のククルに相談するが・・・。

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自分の度胸がの無さを改善しようと、日々努力するクムユ。
クムユが少しずつ成長を見せるある日、魔物の討伐依頼を受けた際、魔物に襲われそうになったクムユをククルが庇い、怪我を負ってしまう。

それから数日経ったある日、クムユはククルの部屋を訪ねるが……。


度胸をつける方法【クムユ・ククル、???】

ラカム「おい!魔物がそっちに逃げたぞ!」

 

ティナ「ここは私に任せてっ!・・・て、わきゃっ」

 

ラカムのフォローに回ろうとしたティナは、運悪く木の根にひっかかりバランスを崩してしまう。

倒れたことで魔物の攻撃は避けられたが、逃げた魔物が向かった先には…。

 

クムユ「ぴゃ、ぴゃああ!?」

 

ククル「クムユ!危ない!」

 

ククルは咄嗟にクムユを抱え、その勢いのまま地面に倒れる。

 

 

クムユ「く、ククル姉ちゃんっ!大丈夫ですかっ」

 

ククル「あ、あはは、姉ちゃんならダイジョブダイジョブ!…痛っ!」

 

ラカム「おいふたりとも!大丈夫か──」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

良く晴れた日のグランサイファー。

クムユは、姉のククルの部屋を訪ねた。

 

クムユ「く、ククル姉ちゃん。いますか・・・?」

 

ククル「…ん、クムユ?あっ、ちょっとまってね!」

 

しばらく待った後、ククルの部屋のドアが開いた。

この日のククルは、いつも着ているブカブカの上着をしっかりと着込んでいた。

 

ククル「どうしたのクム坊?…あ、もしかして寂しくて姉ちゃんに会いたくなっちゃっ

    たか!」

 

クムユ「え、えと、今日はそうじゃねぇです! そ、その・・・。」

 

ククル「ん?どうしたのクム坊?話したいことがあるなら、我慢せず姉ちゃんに話して

    みな。」

 

クムユ「その・・・。この間の依頼での傷、見てもいいですか?」

 

ククル「あぁ、なぁんだ、そんなことか。」

 

そう言うと、ククルは傷を見せるのを拒むように、上着を少し引っ張る

 

ククル「クム坊は気にしないでいいよ。まだ小さいんだから魔物が怖いのは当たり前だ

    し、それに傷だって大したことないんだから!」

 

クムユ「……うそです。」

 

ククル「え?」

 

クムユ「大したことないなんて、絶対嘘です!だってあの時、姉ちゃんとっても痛そうにしてました!」

 

クムユ「クムユが…、クムユがいつまでも臆病なせいで、団のみんなに迷惑かけて…ククル姉ちゃんにまで怪我させて…」

 

クムユ「クムユ……やっぱり、クムユなんかに騎空士なんか出来っこないんです!!」

 

ククル「あっ、、」

 

ククル「クムユ!!」

 

 

ククルの呼び声も聞かず、どこかへと走っていってしまうクムユ。

 

そこに、偶然廊下の曲がり角で居合わせた者にぶつかってしまう。

 

 

 

クムユ「きゃっ」ドサッ

 

クムユ「き、気をつけやがれぃこんちきしょ・・」

 

???「・・・おい」

 

クムユ「ぴゃっ・・・」

 

 

■■□―――――――――――――――――――□■■

 

 

ククル「クムユ~~!」

 

 

ククル「クムユったら、一体どこに・・・」

 

グランサイファー内のどこかにいるクムユへ向けた呼び掛けは、届いているのか、届いていないのか。

そんな疑問をククルが感じる中、クムユは・・・

 

 

 

■■□―――――――――――――――――――□■■

 

 

???「・・・おい」

 

クムユ「ぴゃっ・・・」

 

 

 

 

パーシヴァル「・・・おい、勢いよくころんだようだが、大丈夫か?」

 

そう言うと、パーシヴァルは尻もちをついたクムユの手を引いておこしてやる。

 

クムユ「ぴゃっ……って、ぱ、パーシヴァルさん・・。ありがとうございます。クムユ

    なら大丈夫です・・・。」

 

パーシヴァル「そうか・・・。今回はころぶ程度ですんだが、もし相手が貴重なものを

       運んでいたのなら、こうは収まらんだろう。」

 

パーシヴァル「だから、廊下は非常時でない限り、極力走らないことだ。いいな?」

 

クムユ「・・はい・・。」

 

パーシヴァル「よし。・・そうやって物分りの良いところは、お前の良いところだ。」

 

パーシヴァル「ところで、随分と急いでいたようだが、なにかあったのか?」

 

クムユ「え、ええと・・。それは・・。」

 

 

クムユは、以前の依頼でククルに怪我をさせてしまったこと。そして、また同じ失敗を繰り返さないために、もっと自分が度胸をつけなければならない節を話した。

 

パーシヴァル「・・・。」

 

パーシヴァルはクムユの話を終始黙って聞いていたが、全てを聞き終えると、やがて口を開く。

 

パーシヴァル「クムユ。お前は自分に度胸がないと言うが、それならお前のまわりの人

       間は、魔物に対して微塵も恐怖がないと思うか?」

 

クムユ「み、みじん、も…?」

 

パーシヴァル「ああ、言い方が難しかったな。」

 

パーシヴァル「例えば、お前の姉は、本当に魔物を恐いと思っていないか、ということ

       だ。」

 

クムユ「それは・・、そんなの、ククル姉ちゃんが魔物なんて怖いなんて、思ってるは

    ずねぇです!」

 

パーシヴァル「それは違う。態度には出さずとも、誰しも胸のうちに一抹の不安や恐怖

       は持っているものだ。」

 

クムユ「!」

 

パーシヴァル「俺とて、胸のうちに全く恐怖がないわけではない。各地を旅する中、団

       長と出会い、この騎空団に入るまでにも、何度か不安になるときはあっ

       た。」

 

パーシヴァル「だが、それでも戦うことができるのは。それは、恐怖を覆せるだけの理

       由があるからだ。」

 

クムユ「……。」

 

パーシヴァル「俺なら、俺は自分の叶える目標を守りたい。そのためにいずれ家臣にな

       る仲間達を守るのは、王として当然の役割だ。」

 

パーシヴァル「そしてお前の姉の場合、恐怖を覆せる理由が、お前を守ることだったん

       だろう。」

 

クムユ「!!」

 

パーシヴァル「ではクムユ。お前が強くなりたいと思う理由はなんだ。」

 

クムユ「クムユが…。クムユは…。」

 

クムユ「クムユは、ククル姉ちゃんを守れるようになりたい!騎空団のみんなの役に立

    ちたいです!」

 

パーシヴァル「…ふん、よく言った。」

 

パーシヴァル「安心しろ。その気持ちを忘れなければ、お前は必ず姉さんを守ることが

       できるようになる。」

 

クムユ「ほ、ほんとう、ですか…?」

 

パーシヴァル「ああ、本当だとも。炎帝の名に誓ってやろう。」

 

パーシヴァル「分かったら、早く姉さんのところに戻るってやるんだな。今ごろ、きっ

       と心配しているだろう。」

 

 

と、2人が話すところに声がかかる。

 

ククル「……あっ、クムユ!こんなところにいた!」

 

ククル「もう、急に走っていっちゃうから、お姉ちゃん心配したんだからね!」

 

クムユ「ククル姉ちゃん!」

 

お互いがお互いに駆け寄る。

 

ククル「あれ?クムユ、もうげんきになったの?」

 

クムユ「はい!その、パーシヴァルさんがお話をしてくれたので…。」

 

ククル「パーシヴァルさんが…?」

 

そう言って、ククルは腕組をして立つパーシヴァルを見つめる

 

ククル「え、えっと、あの、なんだか妹のクムユがお世話になったようで!なんとお礼

    を言ったら良いか…。」

 

パーシヴァル「気にするな。これ以上あんな調子で廊下を走られたのでは、いつ事故が

       起こるかわからんからな。」

 

パーシヴァル「オレはもう行く。次からは、妹の様子はしっかり見ておくんだな。」

 

 

そう言って立ち去るパーシヴァルを、ククルは頭を下げながら見送り………。

 

銃工房の娘、クムユは、以前よりもちょっぴり怖がりが改善したのだった。

 

 


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