人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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大変お待たせしました!

それと、結局ラウラだけです!

では、どうぞ!


Episode99 家族-ファミリー-

「いやー、怖かったぜ」

「何が怖かったの?一夏」

「色々だ」

まさか本人を相手に、『サーベルを振り回すシャルロットの顔が怖かった』と言える訳がない。

「さて、俺はまた扉に行かなきゃ…」

残りは、ラウラと箒だ。

一夏はとてつもなく逃げたくなったが…謎の殺気×2を感じ、渋々扉の前に立つ一夏。

「い、一夏。何で泣いてるの?」

「いや、泣いてないぞシャル。これは目から汗が出ただけだ」

「それを泣いてるって言うんじゃ…」

シャルロットのツッコミをスルーして、一夏は衣装データが変わると同時に扉を開けた。

…ヤケクソ気味に。

 

 

私の名はラウラ・ボーデヴィッヒ。

ドイツ軍所属、IS配備特殊部隊【シュヴァルツェ・ハーゼ】の隊長で現在は____

 

『ワールド・パージ、完了』

 

____現在は新婚2ヶ月目の【嫁】を愛する【新郎】だ。

「ラウラ、朝食出来たぞ」

「うむ、今行く」

軍からの給付金で買った一軒家が、私達の愛の巣だ。2人で住むには広すぎる気もするが、将来のことを考えると丁度良いくらいだろう。

「今日は和食にしてみたんだ」

「お前の料理なら何でも良い」

全く、本当によく出来た嫁だ。

嫁____織斑一夏は家事良し、器量良し、更に顔も良いという最高の嫁だ。

む?欲しいだと?誰にもやらん!

「ラウラ、今日も仕事かい?」

「いや、今日は特別休暇を貰ったぞ」

「つまりは1日中2人っきりってことなのか⁉︎」

嫁がガタタッと音を立てながら立ち上がる。

むう…ここ最近、確かに忙しかったからな。寂しい思いをさせてしまっていたかもしれん。

「ならラウラ!頼みたい事があるんだ!」

「な、なんだ?一応言っておくが、ゴスロリはもう着ないからな⁉︎」

「分かってるよ」

アレは恥ずかしかった…2度と着たくない。

「わ、分かってるのなら良い…」

ホッとしたところで、嫁で淹れてくれたココアを飲もうとするが…

「ラウラの裸エプロンが見たいなあ」

「ぶうぅぅぅぅぅ!!?」

吹き出した。それはもう盛大に。

その後嫁にCQCを決めるべく、飛び込んだのは言うまでもない。

 

 

「デバイスを作ってみたけど…」

束が渡してきたのは、簪が使っている眼鏡型デバイスとよく似ていた。

「…コレじゃあ、入れないな」

一樹はひと目見ただけで、そのデバイスが使えない事を見抜いた。

「うん…電脳ダイブはそもそも、ISのコア・ネットワークを使ってやるのが前提だから…」

束の言葉に、ミオが疑問を持つ。

『ねえマスター。私がいるよ?』

「(悪い…今回、学園のサーバーにお前の存在を送る訳にはいかないんだ。コアナンバー0のISコアの存在を記録する訳にはな)」

今更無駄かもしれない。

そんなことは百も承知だ。

だが…戦闘ならともかく、データに少しでも残るかもしれない電脳ダイブは危険すぎる。

そして、一樹が正攻法で電脳ダイブをするという事は、一樹に関するデータを集められるはずだ。そうなると…

 

人間の脳では、間違いなく【破裂】してしまう。

 

「(折角…雪は暗闇から抜けれたんだ。また闇に送る確率は、なるべく下げたいんだ…)」

『…そう』

ミオが納得したところで、一樹は束に向き直る。

「…ちょっと試したい事がある。束さん、サーバールームに案内してくれませんか?」

「え?うん」

 

 

「ハア、ハア、ハア…」

「そんな涙目にならなくても…」

自分を守る様に、私は嫁から距離を取った。

コイツ…いつの間にか私のCQCを受け流す技術を持っていた。解せぬ。

「い、嫌だからな!わ、私が裸エプロンなど…恥ずかしくて死ねる!」

「何言ってんのさ。夜はもっと凄いことしてるのに」

「言うなぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ふ、夫婦の生活を持ち出すのは卑怯だぞ!!?

「夜のラウラは凄いよな〜。俺何度気絶させられかけたことか…」

「だから言うなぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

束の案内により、サーバールームに入る一樹。不思議に思ったのか、簪も付いてきた。

「……」

サーバールームに入ってすぐ、一樹はキーボードを操作し始めた。

「かずくん?」

「櫻井君?」

一樹は2人の言葉を無視し、サーバー情報を開く。

「……コイツは調整に時間がかかるな」

どこからかゴーグルを2つ取り出し、ひとつを束に渡す。

「ここからはスパークが激しくなる。更識さんは外でアイツらと一緒に待機しててくれないか?」

「え?でも…」

「悪い、ゴーグルが2つしか無いんだ」

「…分かった」

素直に出てくれた簪に、ホッとする一樹。束は漸く、一樹のしようとする事が分かった様だ。

「かずくん、もしかして…」

「イレギュラーに対して、イレギュラーで対応するのは当たり前でしょ?」

「…まあね」

一樹は立ち上がり、エボルトラスターを取り出す。

「…雪が寝たきりになるのは、もうこりごりなんで」

「…うん、分かってる」

 

ドックン…

 

一樹の手の中で、小さく鼓動を打つエボルトラスター。それが意味するのは…

「…この先は、俺の領域(テリトリー)なんで。束さんは他の人が入ってこないようにして下さい」

束は静かに頷いた。一樹はそれを見ると、エボルトラスターを引き抜く。

光が一樹を包むと、そのままサーバーマシンへと入っていった。

「…雪ちゃんをお願いね、かずくん」

 

 

「くぅ…まさか負けるとは…」

「ラウラはカウンターに弱いよね。相変わらず」

「う、うるさいうるさい!」

あの後、嫁のカウンターを貰い、数分気絶してしまった…

その隙に着替えさせられた事は一生忘れん。

「ラウラ…」

「ち、近付くな!近付くと酷いぞ!」

もはや自分でも何を言ってるのか分からない。しかし、このままでは嫁に()()()()しまう。それだけは…

…ん?別に良いのではないか?

と思った矢先だった。

 

「だからっ!何でみんなこんな夢ばっかり見てんだよ!!?」

 

何者かがばしーんとドアを開けて入ってきた。

全身をみっちりと銀色の甲冑(かっちゅう)で包んだ、不審者だった。

「何者だ貴様!」

手に届く場所にあった出刃包丁を、甲冑男に向けて投擲した…が。

「はっ!」

甲冑男は峰の部分を叩く事で、出刃包丁を落とした。

「やっぱりラウラは厄介だな…けど!コレはこの間感覚を思い出したばかりなんだよ!!」

「訳わからん事を言うな!」

落ちた出刃包丁を拾って、甲冑男に向かって踏み込む。

「悪いラウラ!少し寝ててくれ!」

私の刺突攻撃を、甲冑男は腕を掴む事で阻止すると、足払いで私を転ばせる。

「ガッ!?」

背中を叩きつけられ、肺から空気が強制的に吐き出される。

「がんばれ、ラウラ」

嫁の声援を受け、私は立ち上がる。私は、負ける訳にはいかない!

両手に包丁を持って甲冑男に斬り込む。

「テメエは…」

私の攻撃を両腕で受け止めながら、甲冑男が叫んだ。

「テメエは…ラウラに戦わせて自分は高みの見物か!?ふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

甲冑男は私の横を通り過ぎ、一夏に向かって駆け出す。

「せえりゃあぁぁ!!」

いつ私から出刃包丁を奪っていたのか、両手に出刃包丁を持って一夏に飛びかかる。

「がんばれ、ラウラ」

「黙れぇぇぇぇ!!!!」

甲冑男の斬撃が、一夏に決まる。

その一撃は確実に決まっているのに、血が一滴も出ていない。

それどころか…

「がんばれ、ラウラ」

壊れたラジオの様に…

「がんばれ、ラウラ。がんばれ、ラウラ」

同じ台詞を繰り返す…

「がんばれ、ラウラ。がんばれ、ラウラ。がんばれ、ラウラ」

何度も、何度も。

「がんばれ、ラウラ。がんばれ、ラウラ。がんばれ、ラウラ。がんばれ、ラウラ…」

がんばれ、がやがて『戦え』に聞こえてくる…

「(わ、私は…戦うために、生まれたのか…)」

「ラウラ!正気に戻れ!お前は人間だ!世界でたった一人しかいない!ラウラ・ボーデヴィッヒだろうが!!こんな人形の戯言なんか聞くんじゃねえ!!」

甲冑男が、その兜を脱ぎ捨てる。

そこには、見慣れた顔があって…

「戦いなんて!無くなっちまえば良いんだよ!そうすれば!お前がお前でいれる!その世界を…」

甲冑を着た状態で飛び上がると、ニセ一夏に向かって右足を突き出す。

「一緒に見に行こうぜ!ラウラ!!」

ニセ一夏は、本物の一夏の攻撃で、跡形もなく崩れて行った…

 

 

サーバーを進むウルトラマン。

だが、束にひとつ説明していないことがあった。

今回の戦場はウルトラマンの作ったメタ・フィールドでも、メフィスト達が作り出したダーク・フィールドでもない。

電脳世界なのだ。

負けたら…帰ってこれない。

だから、失敗は許されない。

「…シュウッ!」

心なしか、先ほどより飛ぶスピードが上がったウルトラマンだった。

 

 

「にしても…何でみんなの夢に俺が出てくるんだ?」

『それはね〜』

ラウラを夢世界から救出した一夏が呟くと、束が説明してくれた。

『多分だけど、対象者の精神に直接アクセスして、その人の願望…まあ、願いだね。それを見せる事で外界と遮断してるんだよ〜。まだ意図は分からないけどね!』

「願いを見せる…か」

『そうだよ〜。()()()()()()

「…どういう意味ですか?」

『だから〜。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「…?」

『まあそれは、かずくんの方が分かってるみたいだけどね!そろそろそっちに着く…』

束の声は、途中で途切れた。

一夏の前方に、強い光が現れたためだ。一夏が目を凝らしてみると…

「…ウルトラマン?」

光に包まれた、等身大のウルトラマンがいた。

「ハアァァァァァ…」

ウルトラマンは両手を頭上でクロスし、ゆっくり下ろす。

光が晴れたそこには、見慣れたS.M.Sの制服を着た一樹がいた。

「…ふう」

「一樹?」

「よお一夏。お前がここにいるって事は、俺も上手く潜り込めたって事だな」

「え?だってISのコア・ネットワークを使ってるんじゃ…」

「色々事情があってな。俺だけ()()を使わせてもらった」

裏技、の言葉と同時にエボルトラスターを見せる一樹。

「そっか…」

「で、雪が入った扉はどれだ?」

「その端っこの奴」

一夏が指した扉の前に立つ一樹。

「…お前も、あとひとつ頑張れよ」

「ああ、分かってる」

そして、お互い(一夏は変装して)ドアを開けた…




次回、Episode100!

箒?ダレソレ?
状態です!
箒ファンの方はすいません。
…自分の作品を読んでる方でいるのなら、ですけど。

雪恵オンリー!
やってやるぜぇぇぇぇ!!!!
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