人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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大変お待たせしましたぁぁぁぁ!!

ではどうぞ!!!!


Episode103 救出-レスキュー-

「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

何度も悔しげに地面を叩く一樹。

その目から、涙が溢れる…

「ううっ…ぐうぅ…ぢぐじょう"」

自分の不甲斐なさに崩れる一樹の背後に、近付く影…

「…誰だ?」

警戒心が最大まで上がり、一樹がゆっくりと背後に振り返る。

そこにいたのは…

「…大丈夫か?一樹君」

「ご、郷さん…」

マント持ちの1人、郷秀樹だった。

 

 

「はい、姐さん(あねさん)。アストレイ・ゼロの整備、終わりやした」

S.M.Sの整備室では、雪恵が整備士達と共にアストレイ・ゼロの整備をしていた。

「あ、ありがとうございます…けど、姐さんっていうのは…?」

「ボスの女ですから、【姐さん】なんです」

「ううっ…かーくんの彼女って言うのは間違ってないけど…私、そんな怖く見えますか?」

涙目の雪恵に、整備士は慌てて否定します。

「ち、違います違います!すいません…自分、元々そっち系の出なもので…」

「え、そうなんですか?見た目は普通ですけど…」

雪恵と話している整備士は、クラスに1人はいる体育会系という印象だった。

「昔は虎刈りにしてたのですが…ボスにボコボコにやられてから、真島の叔父貴に預けられたので…そこで叩き直されました」

「えっと、そっち系の出って事は、組の報復とか大変だったんじゃ…」

「と思いますよね、やっぱり…それが、組が無くなったんですよ」

「…え"?」

「今じゃみんな、真島の叔父貴のところで働いてますよ」

「そ、そうなんですか…ちなみに、組が無くなった理由って、何ですか?」

「えっと、真島の叔父貴のところにいた頃の話だと…『叔父貴より怖いガキ達にやられた』って聞きやした」

「それって…」

「十中八九、ボスや宗介のアニキ達でしょうね」

ヤクザすら圧倒する一樹達の絵が、容易に想像出来る雪恵達。

「あれ?でも何で1人だけこっちに?」

「ある日、叔父貴に聞かれたんです」

 

 

『オマエ、何かやりたい事は無いんか?』

『やりたい事…ですか?』

『そうや。オマエはまだ若い。学校に行きたいって言うんなら金の支援はするし、やってみたい仕事があるって言うんならそれ関係の職場に連絡したる』

 

 

「真島さんって、優しいんですね」

「怒らせなければ、ですけど」

整備士の言葉に、苦笑する雪恵。

「かーくんと似てますね…」

「ボスが叔父貴の影響を受けたんじゃないかと…結果、叔父貴すら『かず坊をキレさせたらアカン…命が幾つあっても足らん』って言うレベルになってますし」

「あ、あはは…」

整備士は知らない、その一樹の影響を、雪恵が受けている事を。

雪恵がキレた時、S.M.Sで鍛えた一夏や弾ですら腰が抜ける程怖い事を…

「で、俺は叔父貴に言ったんです」

 

 

『俺…実は機械関係に進みたいんです』

『機械やて?』

『はい。まだまともだった時は、整備士を志していたんで…』

『ふうん…なら、良いところがあるで』

『良いところ?』

『オマエをボコボコにしたかず坊のところ、S.M.Sや』

 

 

「最初聞いた時は『マジか⁉︎』って思いましたね。自分をボコボコにしたとはいえ、ガキが経営する会社だなんて」

当時を思い出したのか、苦笑いを浮かべる整備士。

「でも、叔父貴が勧めてくれたところだから、とりあえず行ってみようと思いましてね。面接に行ったら、ボスなんて言ったと思います?」

「え?普通に『志望動機は?』かな?」

「いえ。『じゃあ、それをマニュアル通りやってくれ。それで配属部署を決める』ですよ」

「採用前提!?」

「なんでも、丁度機械関係の人材が欲しかったらしいですよ」

「へえ…」

そんな事を話していると、雪恵の携帯が鳴った。

 

PiPiPiPiPiPi!

 

「あ、かーくんからだ」

「出て大丈夫ですよ」

「すみません」

軽く頭を下げてから通話ボタンを押す雪恵。

「はいはーい、どしたの?」

『雪、今から言う事はドッキリでも何でもない。落ち着いて聞いてくれ』

「…?分かった」

『セリーが、攫われた』

雪恵の時が、止まった。

 

 

「ごめん…ごめん…」

背中を郷にさすられながら、一樹は雪恵に謝り続けた。

『…かーくんは、どうするつもりなの?』

責めるでも、慰めるでもなく、雪恵がしたのは質問だった。

「…しばらく帰らない。セリーを助け出す。絶対にな」

涙を拭ったその目には、力があった…

『…そう。止めても、無駄なんでしょ?』

「流石、よく分かってるじゃねえか」

『だったら…私達の家族、セリーちゃんを必ず連れ戻してね』

「ああ…分かってる」

通話を切り、郷の方を向く一樹。

「…すみません、郷さん」

「なに、電話するように言ったのは僕だからね。気にしてないよ」

「…すまないついでに、聞きたい事があるんですけど、良いですか?」

「僕に答えられる事なら」

「…バット星人の、アジトの見つけ方について」

 

 

『ふふ…今日は気分が良い。ここまで上手くいくとは、思ってませんでしたからね』

バット星人は、自分の円盤にいた。

ワイングラスをくねらせながら、バット星人は1()()()笑う。

『本当ならゼットンにワインを()がせるところですが…まあ、仕方ないでしょう。この素晴らしい時間に、他人は不要…』

バットの言葉は最後まで続かなかった。

 

バァァァァンッ!!!!!!!!

 

『オゴッ!?』

突如凄まじい勢いで扉が吹き飛び、バット星人に命中した。

「へえ、セリーは今いねえのか…なら丁度良いや」

手をブラブラさせながら現れたのは、S.M.Sスタイルの一樹だった。

『な、何故ここが!?いや、それよりも…ゼッ』

セリーを呼ぼうとするバット星人に肉薄すると、一樹はその喉元を掴んで床に叩きつけた。

『ガッ!?』

「てめえには幾つか聞かなきゃなんねえ事があるからな…円盤なら油断しきってると思って入ってみれば…案の定、レーダーだけに頼ってるっていうな」

更に足で肺と思わしき部分を思いっきり踏みつける一樹。

『ゴッ!?』

「さて、色々喋ってもらうぞ…てめえに拒否権は無い。さっさと喋れば楽に終わらせてやるから…さっさと喋ろよ?」

声音はいつも通りに、しかしその眼光はとても鋭い。

『グッ…何故、です?』

「あ?」

一樹の足に押さえつけられながら、バット星人は話し出す。

『あなたはウルトラマン…こんな、力ずくの方法は、取らない筈…』

「勝手に俺を判断すんじゃねえよ」

一樹の目は、酷く冷たい…

「確かに、()()()()だったらここまではやらねえ。だが、てめえみたいな()()()には話は別だ…俺の家族に手を出した奴はな」

『グッ!?』

話しながら踏みつける力を強める一樹。

「さて…後はてめえが喋るだけだ。話してもらうぜ?ゼットンの洗脳の仕組みについてな…」

『誰が話す…もんですか』

一樹はため息をつくと、押さえつけていた足を離し、勢いを乗せた蹴りを放つ。

その姿、サッカーのシュートの如し。

『ガッ!?』

円盤の壁に叩きつけられたバット星人。更に一樹の重い拳がバット星人の腹部に決まる。

 

ズドンッ!!!!!!!!

 

『ガフッ…』

バット星人を壁に押さえつけ、ブラストショットを突きつける。

「…もう一度だけ聞く。ゼットンの洗脳の仕組みについて話せ」

ブラストショットの銃口に集まるエネルギーを見て、バット星人は冷や汗を流す。

『ゼットンの頭には…』

死にたくない一心で、バット星人は語り出す。

『我々バット星人に逆らわないために、特殊なマイクロチップを埋め込んでいるんです…』

「取り除けば、セリーの洗脳は解かれるんだな?」

『理屈では…ですが、不可能です』

「ああ?」

『マイクロチップは…脳にかなり近い部分に埋め込まれています…チップだけを破壊する等、あなたでも出来ませんよ…』

「お前らなら出来んのかよ」

『さあ?取り除く必要がありませんからね…やってみたこともありません』

「屑が…」

『それより…』

「ん?」

ここで初めて、バット星人は勝ち誇った笑みを浮かべる。

『あなた、ここにいて良いんですか?』

 

 

IS学園の()()が終わったとの連絡を受け、雪恵と一夏は学園に戻ってきた。

「お、おい雪恵。元気出せって。アイツならすぐにセリーを連れてくるよ」

「そうだけど…」

セリーが攫われたと聞かされてから、雪恵の元気が無い。一夏は懸命に励まそうとするも、全て効果無しだった。

そんな時だった。

《ゼェェットォン…》

ゼットンが、学園を襲撃したのは。

 

 

『今頃、あのゼットンはIS学園とやらにいることでしょう。良いのですか?こんなところにいて』

「チッ!」

荒々しくバット星人を突き飛ばす一樹。

「…教えてくれてありがとうよ。おかげで探す手間が省けた」

バット星人に形だけの礼を言うとエボルトラスターを引き抜いた。

 

 

《ゼェェットォン…》

着々と学園に近付くゼットン。

そんなゼットンと学園の間に現れる、光の柱…

「ハアァァァァァァ…」

光の柱から、ウルトラマンが現れた。

 

 

「答えを見つけたのかい?一樹君」

離れたところで様子を伺っている郷。

()()()()()()()()()()様に、準備していたのだ。

「…む?」

そんな郷の目に、バット星人の円盤が移った。

「……」

 

 

《ゼェェットォン…》

「……」

ゼットンに静かに近付くウルトラマン。

ゼットンはそんなウルトラマンに連続で火球を放つが、ウルトラマンは全てアームドネクサスで火球を弾く。

「フッ、シェアッ」

着々とゼットンに近付くウルトラマン。ゼットンは近付いてきたウルトラマンの首を、その両手で絞める。

「グッ!?」

 

なあセリー、聞こえるか?

 

《……》

ゼットンの頭に、ウルトラマン…一樹の声が響く。

 

多分、お前は頭の痛みを抑えるために戦ってる…だから、その原因を俺に取り除かせてくれないか?

 

《……》

「ウッ、グゥッ⁉︎」

ゼットンは動かない。

ウルトラマンはひたすら、テレパシーを送り続ける。

 

また俺や雪と一緒にいれるために…やらせてくれ。

俺を…信じてくれ。

 

《…ゼェェットォン》

「フッ?」

ゼットンの手が、ウルトラマンの首から離された。

 

ピコン、ピコン、ピコン…

 

いつの間にか鳴っていたエナジーコア。

ウルトラマンはゼットンに頷くと、ジュネッスへとチェンジする。

「フッ!ヘェアッ‼︎」

そして、両手を胸の前でクロス。

「シュッ!ハアァァァァァァ…」

《……》

静かに待つゼットンに向けて、ゴルドレイ・シュトロームを放った。

「デェアァァァァァァァァ!!!!」

しかもただのゴルドレイ・シュトロームではない。ゼットン頭部の小さなマイクロチップのみを狙ったピンポイントバージョンだ。

そして…

《…ありがとう》

…ゼットンは、正気を取り戻した。

ゼットンの体が光り、小さくなる。

「ありがとう、カズキ」

そして、セリーの姿へと戻った。

疲労が溜まっているのか、倒れた状態でウルトラマンに礼を言うセリー。ウルトラマンは優しく頷いた。

 

『中々やりますね。ウルトラマン』

 

「フッ!?」

上空から様子を伺っていたバット星人。

『しかし、甘い』

そして、円盤からウルトラマンに向けて攻撃を開始した。

「グアッ!?」

 

 

「……」

バット星人の攻撃を必死で捌くウルトラマンの姿を見た郷。

右手を高く掲げ、【ウルトラマンジャック】へと変身する。

 

 

「ハア、ハア、ハア…」

『ハハハハハハ!!あなたはもう限界でしょう!しかしまだトドメは刺しませんよ。あなたには絶望していただかなければ!こういう風にね!!』

円盤から、学園に向けて光弾が放たれる…

 

「シェアッ!」

 

その光弾を、ジャックが受け止めた。

「フッ!?」

驚くウルトラマンに向かって、ジャックは頷いた。

ウルトラマンは頷き返すと、円盤を狙ってネオ・ラムダスラッシャーを放つ。

「シュッ!ハアァァァァァァ…フンッ!デェアァァァァァァァァ!!!!」

ジャックもまた、円盤に向かってスペシウム光線を放った。

「シェアッ!」

 

ドォォォォォォォンッ!!!!!!!!

 

2人のウルトラマンの攻撃が円盤に命中。円盤は爆発した。

『のわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?』

その爆発に吹き飛ばされたバット星人は、ウルトラマンの目の前に倒れる。

「……」

手首のスナップを効かせ、某携帯ライダーの様に近付くウルトラマン。

『わ、私はこんなところで!』

前回の戦闘でも使った剣を呼び出し、ウルトラマンに斬りかかる。

が、最小の動きでその斬撃を避けるウルトラマン。

『負ける訳には、いかないのです!』

尚も大振りの斬撃を繰り出すバット星人の腹部に、ウルトラマンの強烈なカウンターが決まる。

「シェアッ!!」

『ガフッ!?』

そこからはワンサイドゲームだった。

蹲るバット星人の頭部にウルトラマンの回し蹴りが決まり、地面に転がったと思えば、ジャイアントスイング。更には岩盤に頭をぶつけるオマケ付き。

頭を強く打ってゴロゴロ転がっているバット星人に容赦なく拳を落とし、蹴り上げる。

バット星人の進路先にマッハムーブで先回りしては蹴る、蹴る、蹴る!

最後に両拳を振り下ろして三度大地に叩きつける。

あまりの暴れっぷりに、楯無が簪の視界を両手で塞いだ程だ。

事情を知っている雪恵を筆頭に1組勢+鈴は、ウルトラマンの技が決まる度に大盛り上がりだったが。

『も、もう…勘弁…して…下さい…』

息も絶え絶えに、バット星人が願うが、ウルトラマンは全く聞く耳を持たない。

尚もバット星人を殴りつけようとするのを、ジャックがウルトラマンの腕を掴む事で止めた。

「(か、一樹君、そろそろ止めようか?でないとあの子達が怯えるぞ?)」

郷の姿のままだったら、冷や汗をかいていたであろう。

それだけウルトラマンの暴れっぷりは激しかった。

『今がチャンス!!!!』

ここぞとばかりに飛び出すバット星人。当然ウルトラマンが見逃す筈も無く…

「シェアッ!!」

セービングビュートでバット星人を捕らえると…

「フッ!ハァァァァ…デェアッ!」

クロスレイ・シュトロームに…

「シュッ!フアァァァァァァ…デェアァァ!!」

コアインパルスに…

「フッ!シュウッ!!キュアァァァァァァァァ…フンッ!デェアァァァァァァァァ!!!!!!!!」

トドメに最大出力のオーバーレイ・シュトローム。

『ウガァァァァァァァァ!!?!!?』

断末魔をあげるバット星人に背を向けるウルトラマン。そして_______

 

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!

 

かつてない程の大爆発が、空中で起こった。

「シェアッ!!」

爆発が収まると、ジャックは空へと飛び立ち、ウルトラマンは静かに消えていった…

 

 

「凄いオーバーキルだな…」

3つの必殺技を放ったウルトラマンを見て、一夏が呆然としている。

「セリーちゃんを攫ったんだから、あれくらい受けて当然だよっ!」

倒れてるセリーの手当てをしながら、雪恵がうんうん頷いている。

それに、一夏はやはりこの一家を怒らせたら怖いということを肌で感じたのだった。

「ユキエ…」

弱々しく雪恵を呼ぶセリー。

「どうしたの?セリーちゃん」

優しくセリーの頭を撫でながら、穏やかな笑みを見せる雪恵。

「心配させて…ごめんなさい」

「…本当だよ。セリーちゃんは私と一緒に、かーくんを止める側なのに」

そっとセリーを抱きしめる雪恵。

一夏はそれを邪魔しないために、そっと離れるのだった。

 

 

「止めてくれてありがとうございます。あのままだったらアイツらにトラウマもんのゴミを見せる所でした」

「あ、あはは…もう遅かったかな?」

苦笑いを浮かべる郷。

一樹はそんな郷に笑顔を見せる。

「大丈夫です。それを吹き飛ばす意味も込めて最後の技3連発ですから」

「…アレは派手だった」

「印象深いアッチで、それまでの場面なんか忘れてますよ」

朗らかな笑みを浮かべる一樹に、郷は冷や汗が止まらない。

「(帰ったら兄弟達に伝えておこう…一樹君を怒らせたら、危険だと言うことを。既にタロウが受けてるみたいだが、今後のためにも言っておかなければ)」

郷が帰った後の行動を決めているのを、一樹はキョトンと見ていた。

「…んん。さて、僕はそろそろ帰るよ」

「道中、お気をつけ下さい」

「ありがとう。君も、頑張れよ」

「…はい」

 

 

「カズキ!カズキカズキ!」

元に戻ってから、今まで以上に一樹と雪恵に甘えるようになったセリー。今は一樹に雪恵、セリーで散歩してるところだ。

「ねえかーくん」

「…ん?」

「家庭を持つって、素晴らしいね!」

雪恵の満面の笑みに、一樹も笑って返す。

「ああ、そうだな」

「カズキー!早く来てよー!」

「ああ!今いくよ!」

一樹に雪恵にセリー、その3人の微笑ましい姿が、無事に戻ってきた。

それを、これからずっと続けていきたいと、一樹は思った。




うーむ…ゲストウルトラマンの出し方が難しい…

もっと精進せねば…
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